イノテック
INNOTECH CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
技術商社からメーカーへ、半導体設計とテストの二刀流で未来を拓く
エレクトロニクス分野の広範な技術・ノウハウを基盤に、顧客の製品開発を支援する『開発支援プラットフォーマー』となる。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、車の中には、頭脳の役割を果たす「半導体」という小さな部品がたくさん入っています。イノテックは、その半導体がきちんと正しく作られているか、いわば『健康診断』をするための専門的な機械(半導体テスター)を開発・販売している会社です。また、メーカーが新しい半導体を作る際の『設計図』を描くためのソフトウェアも提供しています。私たちの生活を支える電子機器の品質と性能は、イノテックのような会社の技術によって陰で支えられているのです。
半導体設計ツールとテスター(検査装置)を主力とする技術商社。FY2025は売上高419.8億円、営業利益18.87億円と減益で着地しましたが、FY2026は回復を見込みます。新中期経営計画(FY2024~2026)ではROE10%以上を掲げ、M&Aも活用した成長戦略を推進。直近では本社ビル売却益の計上によりFY2026の最終利益予想を90%上方修正し、年間配当を55円増配する125円とするなど、株主還元への積極姿勢が市場の注目を集めています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目17-6
- 公式
- www.innotech.co.jp
社長プロフィール

私たちはエレクトロニクス分野で培った技術とノウハウを基盤に、お客様の製品開発を支援する『開発支援プラットフォーマー』を目指しています。商社機能とメーカー機能を融合させ、高付加価値なサービスを提供することで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
半導体および電子部品の輸入販売を目的としてイノテック株式会社を設立。ここから半導体業界での歴史が始まる。
創業からわずか3年で株式を公開し、企業成長のための基盤を固める。
商社として培ったノウハウとM&Aを活かし、自社製品の開発を強化。メーカーとしての側面を併せ持つ企業へと進化を開始する。
世界的な金融危機の影響を受け、株価が上場来安値を記録。厳しい外部環境に直面する。
東京証券取引所市場第二部から市場第一部銘柄へ指定変更。企業の信頼性と知名度をさらに高める。
2024年度から2026年度までの新中期経営計画を発表。ROE10%以上を目標に掲げ、収益性と成長性の両立を目指す。
高速アナログIC開発のファイ・マイクロテックを買収し技術力を強化。さらに固定資産売却益を原資に大幅な増配を発表し、株主への還元姿勢を明確にした。
注目ポイント
2026年3月期に大幅な増配を発表し、配当利回りは4%を超える水準に。株主への利益還元を重視する姿勢が魅力です。
半導体設計ツールなどを扱う技術商社でありながら、半導体テスターなどの自社製品も開発・製造。両輪での事業展開が独自の強みです。
生成AI分野への進出や、高速アナログIC技術を持つ企業の買収など、将来の成長が見込まれる先端分野へ積極的に投資しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 41.4% |
| FY2022/3 | 65円 | 38.5% |
| FY2023/3 | 70円 | 55.1% |
| FY2024/3 | 70円 | 63.3% |
| FY2025/3 | 70円 | 78.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として安定的な利益還元を重視しており、業績に応じた利益配分と継続的な配当維持に努めています。配当性向は年度によって変動するものの、高い還元意欲を持って取り組んでいます。今後は強固な財務基盤と成長投資のバランスを考慮しつつ、さらなる株主還元の充実に努める姿勢を示しています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
イノテックの業績は、半導体設計ツールと半導体テスターを二本柱として売上高が堅調に推移しており、FY2026/3期には過去最高益を見込む水準まで回復傾向にあります。FY2025/3期は先行投資等の影響で一時的な減益となりましたが、主力事業の安定的な成長が全体を支えています。また、本社ビル譲渡に伴う固定資産売却益の計上が寄与し、直近の利益水準は大幅に押し上げられる見込みです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.3% | 4.1% | 6.0% |
| FY2022/3 | 9.5% | 5.4% | 6.9% |
| FY2023/3 | 6.8% | 3.8% | 6.0% |
| FY2024/3 | 5.8% | 3.1% | 6.0% |
| FY2025/3 | 4.6% | 2.6% | 4.5% |
当社の収益性は、半導体市場の需給変動や製品開発に向けた先行投資の影響を受け、営業利益率は4.5%から6.9%の範囲で推移し、ROEは4.6%から9.5%の間で変動しています。高付加価値な独自サービスの拡充を図る一方で、テスターや設計ツールの競争環境が利益率を左右する要因となっています。今後は、更なる高付加価値製品へのシフトを通じ、資本効率の改善と利益率の向上を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
財務健全性は概ね安定しており、自己資本比率は50%台を維持しています。FY2024/3期には有利子負債が増加しましたが、直近では負債の圧縮が進み、強固な財務基盤を保持しています。BPS(1株あたり純資産)は右肩上がりで推移しており、株主価値の着実な蓄積が見て取れます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.4億円 | -22.1億円 | 6.8億円 | -13.7億円 |
| FY2022/3 | 27.4億円 | -11.5億円 | -9.0億円 | 15.9億円 |
| FY2023/3 | 16.8億円 | -16.9億円 | -5.2億円 | -1,200万円 |
| FY2024/3 | 26.2億円 | -14.4億円 | 8.1億円 | 11.8億円 |
| FY2025/3 | 17.1億円 | -4.1億円 | -33.8億円 | 13.0億円 |
営業キャッシュフローは主力事業による安定的な収益確保により常にプラスを維持しており、経営基盤の強さを示しています。投資キャッシュフローは成長に向けたM&Aや開発費に充当される一方で、必要に応じて財務面での調整を行っています。総じて、営業活動で得た資金を戦略的に投資へ振り向けつつ、フリーキャッシュフローの創出を継続する健全なサイクルを構築しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 24.6億円 | 9.3億円 | 37.6% |
| FY2022/3 | 29.8億円 | 7.9億円 | 26.5% |
| FY2023/3 | 24.8億円 | 8.1億円 | 32.8% |
| FY2024/3 | 28.8億円 | 14.0億円 | 48.7% |
| FY2025/3 | 17.5億円 | 5.5億円 | 31.6% |
法人税等の支払いは、各年度の税引前利益の変動および税効果会計等の影響により実効税率が変動しています。特にFY2024/3期は特殊要因により税率が高まりましたが、通常時は30%前後の水準で推移しています。将来の利益計画に基づき、適切な納税管理が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 756万円 | 1,560人 | - |
従業員平均年収は756万円と製造業や商社業界の中でも水準が高い傾向にあります。これは高付加価値な半導体設計ツールや技術サービスを提供し、利益率を高める経営スタイルが従業員への還元に結びついていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はみずほ銀行。
日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主として14.87%を保有しており、機関投資家による安定的な保有が目立ちます。創業家や関連する法人、社員持株会も一定比率を維持しており、株主構成は中長期的な視点を持つ安定株主を中心に形成されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして半導体市況の変動が挙げられますが、商社機能とメーカー機能を併せ持つ独自モデルで収益を補完しています。本社ビル譲渡による固定資産売却益の計上など、資産効率の向上に向けた積極的な財務施策が目立ちます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が20.0%と一定の多様性を確保しており、ガバナンス体制の充実に努めています。20社の連結子会社を抱える規模感に対し、監査報酬5,500万円を投じて監査体制を整備するなど、透明性の高い経営基盤の構築に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 435億円 | — | 420億円 | -3.5% |
| FY2024 | 430億円 | — | 414億円 | -3.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 26億円 | — | 19億円 | -27.4% |
| FY2024 | 30億円 | — | 25億円 | -17.5% |
| FY2023 | 27億円 | — | 23億円 | -12.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画(FY2024~2026)では、最終年度に売上高520億円、営業利益35億円、ROE10%以上を目標に掲げています。しかし、半導体市場の調整局面を受け、FY2024、FY2025と2期連続で期初予想を下回る着地となっており、目標達成に向けたハードルは高い状況です。一方で、高速アナログIC開発企業の買収など、将来の成長に向けた布石も打っており、今後の市況回復時に計画をキャッチアップできるかが焦点となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。イノテックはFY2021からFY2025までの5年間、継続して市場平均であるTOPIXを上回るTSRを達成しており、株主価値の創出に成功していると言えます。特にFY2024は自社TSRが265%と、TOPIXの213.4%を大きく超過しました。これは、安定した配当に加え、半導体関連銘柄への期待感を背景とした株価上昇が大きく貢献した結果です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 160.2万円 | +60.2万円 | 60.2% |
| FY2022 | 174.3万円 | +74.3万円 | 74.3% |
| FY2023 | 182.3万円 | +82.3万円 | 82.3% |
| FY2024 | 265.0万円 | +165.0万円 | 165.0% |
| FY2025 | 189.0万円 | +89.0万円 | 89.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用買い残が売り残を大幅に上回っており、信用倍率は3,489倍と非常に高い水準です。これは将来の株価上昇を期待した買いが多い一方、需給面では将来的な売り圧力への警戒も必要です。PER・PBRは業界平均をやや下回りますが、配当利回りは平均を上回っており、バリュー株としての側面も持ち合わせています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
固定資産売却益の計上により純利益予想を40億円へ大幅上方修正し、配当も増額した。
技術力の強化を目的に、高速アナログIC開発のファイ・マイクロテックを買収した。
産業用PC新製品「EMBOX AE1170」を発表し、エッジコンピューティング需要に対応。
最新ニュース
イノテック まとめ
ひとめ診断
「半導体商社が、自社開発の検査装置と設計ツールを武器に生成AIの波に乗る技術者集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「電気機器」に分類される他の企業
電力計の老舗ガリバーが、スマートメーターで稼いだキャッシュを元手に、AI省エネサービス企業への脱皮を図る
精密金型の老舗が、スマホと自動車の進化を陰で支える隠れたる巨人
日本のATMと通信を支えた創業140年の老舗が、祖業を大胆に再編し社会インフラDX企業へと変貌を遂げる第二創業期
『国策』という名の十字架を背負い、巨額赤字の沼から次世代技術『eLEAP』で這い上がろうとするディスプレイメーカー
車載電装の巨人、スマホ依存からの脱却と次世代モビリティへの大転換期
総合家電の巨人──構造改革と事業再編で『選択と集中』を断行、エナジー・くらし事業を軸に成長フェーズへの転換を目指す
富士通とパナソニックの半導体事業を継承、特定顧客向けカスタムチップで世界と渡り合うファブレスメーカー
プリンター・ミシン・工作機械の三本柱で世界に展開。産業印刷とM&Aで新たな成長軸を築く名古屋の多角化メーカー