京セラ
KYOCERA CORPORATION
最終更新日: 2026年4月7日
セラミックから宇宙まで――京都が生んだモノづくりの挑戦者、9年ぶりの新体制で企業価値革命へ
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること
この会社ってなに?
スマートフォンのカメラモジュール、プリンターのトナー、太陽光パネル、セラミック包丁やジュエリー――京セラの製品は日常のあらゆるシーンに溶け込んでいます。またKDDIの大株主としてスマホの通信インフラを支えるなど、見えない形で私たちの生活に深く関わっている企業です。
京セラは1959年創業、ファインセラミック技術を基盤にコンデンサ・半導体製造装置用部品・車載カメラモジュールなど幅広い事業を展開する総合電子部品メーカーです。FY2025/3期は売上高2兆144億円と前期比横ばいながら、事業整理費用や減損により営業利益272億円・純利益240億円と大幅減益に沈みました。しかし2026年2月に通期予想を大幅上方修正し、FY2026/3期は売上高2.02兆円・営業利益1,000億円・純利益1,200億円と回復を見込みます。2026年4月には9年ぶりの社長交代で作島史朗氏が就任し、3セグメント体制への再編と経営改革プロジェクトを本格化させています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
- 公式
- www.kyocera.co.jp
社長プロフィール

「敬天愛人」の精神を受け継ぎ、京セラの持つファインセラミック技術とアメーバ経営を磨き上げ、3セグメント体制のもとで事業の選択と集中を徹底してまいります。コアコンポーネントと電子部品の高収益事業を伸ばし、ソリューション事業の収益改善を加速させることで、株主の皆様の期待に応えるROE10%の達成を目指します。
この会社のストーリー
稲盛和夫氏が28歳で京都市に京都セラミック株式会社を設立。ファインセラミックスの可能性に賭けた挑戦が始まりました。
IC用セラミックパッケージの量産を開始。半導体産業の成長とともに京セラも急成長を遂げました。
稲盛氏が通信事業に参入し第二電電を設立。後にKDDIへと発展し、京セラのもう一つの成長軸を生み出しました。
DDI・KDD・IDOが合併しKDDIが発足。京セラは大株主として通信インフラの発展に貢献し続けています。
稲盛氏が経営破綻したJALの会長に就任し、わずか2年で再上場を果たすという経営の奇跡を成し遂げました。
作島史朗氏が9年ぶりの新社長として就任。3セグメント体制への移行を完了し、ROE10%を目標に事業ポートフォリオの再構築を本格推進。
注目ポイント
半導体製造装置用部品や車載カメラモジュールなど、ファインセラミック技術を核にした独自の製品群は代替困難。素材から完成品まで一貫生産する技術力が最大の武器です。
KDDIの大株主(約15%保有)として1,500億円超の含み益を有します。この「隠れ資産」が財務基盤の安定性を支え、経営改革の原資となる可能性を秘めています。
9年ぶりの社長交代と経営改革プロジェクトの本格始動により、非効率な多角化経営からの脱却を図ります。PBR1倍近辺からの企業価値向上が投資テーマです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 25円 | 33.6% |
| FY2017/3 | 27.5円 | 38.9% |
| FY2018/3 | 30円 | 53.9% |
| FY2019/3 | 35円 | 49.1% |
| FY2020/3 | 40円 | 53.8% |
| FY2021/3 | 35円 | 56.2% |
| FY2022/3 | 45円 | 43.8% |
| FY2023/3 | 50円 | 56.1% |
| FY2025/3 | 50円 | 292.2% |
| 必要株数 | 100株以上 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
1株50円の安定配当を3期連続で維持しています(分割調整後ベース)。FY2025/3期は大幅減益ながら配当を据え置き、配当性向は292.2%に急上昇しました。FY2026/3期は業績回復により配当性向54.9%に正常化する見通しです。株主優待は100株以上・1年以上保有でQUOカード、5年以上保有でカタログギフトに格上げされ、長期保有を促す設計となっています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期は事業整理費用や減損計上により営業利益272億円と前期比70.6%の大幅減益に沈みました。しかし2026年2月の上方修正で、FY2026/3期は営業利益1,000億円(前期比3.7倍)・純利益1,200億円(同5.0倍)と大幅回復を見込みます。半導体製造装置用部品の需要回復に加え、米建設資材子会社サザンカールソンの売却益(約150億円)も利益を押し上げます。売上高2.02兆円は前期比横ばいながら、利益構造の改善が鮮明です。
事業ごとの売上・利益
ファインセラミック部品、半導体製造装置用部品、切削工具、ジュエリー等。セグメント最高の利益率を誇り、半導体装置部品が牽引。
セラミックコンデンサ、水晶部品、コネクタ、プリンティングデバイス等。日本航空電子工業への出資によりコネクタ事業を強化。
通信機器、情報機器、エネルギー関連、その他事業等。売上の約6割を占めるが利益率が低く、事業再構築の主なターゲット。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.5% | 3.4% | - |
| FY2022/3 | 6.0% | 5.1% | - |
| FY2023/3 | 4.8% | 4.3% | - |
| FY2024/3 | 3.8% | 3.0% | 11.6% |
| FY2025/3 | 1.8% | 1.4% | 3.4% |
ROEは過去5年間で0.7〜5.1%と低水準で推移しており、アクティビストから「コングロマリットディスカウント」を指摘される主因となっています。FY2022/3期にROE5.1%・営業利益率8.1%のピークを迎えましたが、FY2025/3期は事業整理費用によりROE0.7%・営業利益率1.4%まで低下。FY2026/3期は営業利益率5.0%への回復を見込み、経営改革プロジェクトでROE10%を長期目標に掲げています。
財務は安全?
総資産4.5兆円・自己資本比率71.3%と極めて高い財務安全性を維持しています。FY2023/3期までは実質無借金経営でしたが、FY2024/3期から日本航空電子工業への出資等に伴い有利子負債を導入(約2,495億円)。BPSは株式分割(2023年10月に1:4分割)を反映し2,284円に。純資産3.2兆円に対して時価総額約3.5兆円と、PBR約1.1倍で解散価値とほぼ同水準にあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 2,691億円 | -1,584億円 | -826億円 | 1,107億円 |
| FY2025/3 | 2,379億円 | -1,505億円 | -649億円 | 874億円 |
営業CFは年間1,800〜2,700億円と安定的なキャッシュ創出力を示しています。投資CFは設備投資や事業投資に年間800〜1,800億円を投下。FY2025/3期のFCFは874億円と堅調を維持。FY2024/3期は日本航空電子工業株の取得(約807億円)を含む投資が拡大しましたが、営業CFで十分にカバーしており、財務の健全性は保たれています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,032億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 1,472億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 1,369億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 912億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 595億円 | 0円 | 0.0% |
FY2026/3期は経常利益1,500億円(上方修正後)を予想しています。通常の実効税率は25〜30%程度ですが、海外子会社の税率差異や繰延税金資産の影響により変動します。FY2025/3期は事業整理に伴う特殊要因で異常値となりましたが、FY2026/3期は正常化する見通しです。グローバルに展開する連結子会社300社超の各国税制を反映した税務管理を行っています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 694万円 | 77,136人 | - |
平均年収は694万円で電気機器業界の中位水準です。連結従業員数は約7.7万人と国内有数の大企業であり、平均年齢40歳・平均勤続15.7年と定着率の高さが特徴です。創業者・稲盛和夫氏が確立した「アメーバ経営」のもと、全員参加型の経営文化が組織の強みとなっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関36.5%と事業法人7.1%を安定株主として分類。稲盛財団(2.66%)は創業者稲盛和夫氏が設立した公益財団法人であり安定株主。京セラ自社株投資会(1.72%)は従業員持株会で安定保有。外国人投資家は約34.6%で海外機関投資家が中心。
日本マスタートラスト信託銀行が21.96%を筆頭に、日本カストディ銀行8.86%と、信託銀行経由の機関投資家保有が大半を占める大型株の典型的な株主構成です。京都銀行が4.1%を保有し、京都企業同士の安定株主関係を維持。公益財団法人稲盛財団(2.66%)は創業者稲盛和夫氏ゆかりの長期保有株主です。京セラ自社株投資会(1.72%)は従業員持株会として安定保有に寄与しています。外国人比率34.6%はSTATE STREET等の海外カストディアン経由での保有が中心です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| コアコンポーネント | 約4,200億円 | 約580億円 | 13.8% |
| 電子部品 | 約4,100億円 | 約340億円 | 8.3% |
| ソリューション | 約1兆1,800億円 | 約280億円 | 2.4% |
京セラは3セグメント体制への移行を進めています。コアコンポーネント事業が営業利益率13.8%と最も高収益で、半導体装置部品や切削工具が牽引。電子部品事業は利益率8.3%と堅実で、日本航空電子工業への出資によるコネクタ事業強化が進行中。一方でソリューション事業は売上の約6割を占めながら利益率2.4%と低く、事業再構築の主なターゲットです。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中女性3名(21.0%)とダイバーシティの向上を図っています。連結子会社300社超をグローバルに展開し、「アメーバ経営」による小集団独立採算制を特徴とします。設備投資は年間472.9億円と半導体装置部品や車載向けの生産能力増強を推進。平均勤続15.7年と定着率が高く、京セラ哲学に基づく人材育成が組織の強みです。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 550億円 | — | 1,000億円(修正後) | +81.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 705億円 | — | 1,200億円(修正後) | +70.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画(FY2024〜FY2026)の売上高・利益率目標は大幅に未達が確実です。FY2025/3期は事業整理の「底」となり、FY2026/3期の上方修正(営業利益+42.9%)で回復基調が鮮明になりました。新設の経営改革プロジェクト(FY2026〜FY2031)ではROE10%を長期目標に掲げ、3セグメント体制のもとで事業の選択と集中を進めます。アクティビストのオアシスからの提言も経営改革を後押ししています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは118.9%とプラスリターンですが、TOPIX(213.4%)に対して大幅にアンダーパフォームしています。多角化経営によるコングロマリットディスカウントが株価の重しとなり、日本株全体の上昇トレンドに乗り切れませんでした。2026年4月の社長交代と経営改革プロジェクトにより、ディスカウントの解消と株価の見直し余地が注目されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 111.8万円 | +11.8万円 | 11.8% |
| FY2022 | 112.4万円 | +12.4万円 | 12.4% |
| FY2023 | 115.6万円 | +15.6万円 | 15.6% |
| FY2024 | 137.5万円 | +37.5万円 | 37.5% |
| FY2025 | 118.9万円 | +18.9万円 | 18.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率0.44倍と売り残が買い残の2倍以上で、株価上昇に伴う空売りが積み上がっています。逆日歩が発生しやすい状況で、短期的には踏み上げの燃料となる可能性があります。PER49.5倍はFY2025/3の減益を反映した一時的な高水準で、FY2026/3ベースでは約27倍に低下します。PBR1.09倍は電気機器セクター平均(1.85倍)を大幅に下回り、コングロマリットディスカウントが顕著です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
作島史朗取締役執行役員専務が代表取締役社長に就任。谷本秀夫前社長は特別顧問に。3セグメント体制のもと経営改革プロジェクトを本格推進。
FY2026/3通期予想を上方修正。営業利益を700億円→1,000億円(+42.9%)、純利益を950億円→1,200億円に引き上げ。半導体関連の需要回復と円安が寄与。
NECが保有する日本航空電子工業の株式33%(約807億円)を取得。コネクタ事業の強化と電子部品事業とのシナジーを見込む。
シリコンダイオード・パワー半導体事業を新電元工業へ売却。選択と集中の一環として低収益事業を整理。
FY2025/3通期決算を発表。売上高2兆144億円(前期比横ばい)、営業利益272億円(同70.6%減)。事業整理費用と減損が利益を圧迫。
最新ニュース
京セラ まとめ
ひとめ診断
ファインセラミック技術を核に電子部品・半導体装置部品・通信を展開する京都発の総合部品メーカー
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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