6619プライム

ダブル・スコープ

W-SCOPE Corporation

最終更新日: 2026年3月28日

ROE-30.5%
BPS70.5円
自己資本比率78.5%
FY2026/3 有報データ

EVシフトの心臓部を担う、グローバル電池素材メーカー

革新的なセパレータ技術を通じて、クリーンエネルギーが当たり前になる社会を実現し、次世代のスタンダードを創造する。

この会社ってなに?

あなたが毎日使うスマートフォンやタブレット、そして街で見かける電気自動車(EV)。これらの製品には、動力源となるリチウムイオン電池が不可欠です。実はその電池の内部には、プラスとマイナスの電極が直接触れ合ってショートするのを防ぐ、とても薄い『セパレーター(絶縁材)』というフィルムが入っています。ダブル・スコープは、この電池の安全性と性能を左右する重要な部品を専門に作っている会社です。普段意識することはありませんが、私たちのデジタルライフやクリーンな交通社会を、見えないところで支えているのです。

リチウムイオン電池の重要部材であるセパレーター専業メーカー。韓国子会社の上場を巡る混乱で株価が急落し、財務状況が悪化。直近の2026年1月期決算では、EV市場の需要減速も重なり、売上高が前期比88.3%減の36.3億円、営業損失49.19億円と大幅な赤字を計上しました。現在は事業再編の真っ只中にあり、PBRは0.31倍と解散価値を大きく下回る水準で、市場からの信頼回復と収益構造の立て直しが急務となっています。

電気機器プライム市場

会社概要

業種
電気機器
決算期
1月
本社
東京都品川区東五反田1-22-6 五反田さくらビル8階
公式
w-scope.co.jp

社長プロフィール

崔 元根
代表取締役社長
挑戦者
当社は、リチウムイオン二次電池に不可欠なセパレータの専業メーカーとして、地球環境に貢献することを使命としています。激変する市場環境の中、技術革新とグローバルな生産体制を強みに、EVやエネルギー貯蔵システムの発展を支え、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

この会社のストーリー

2005
ダブル・スコープ株式会社設立、挑戦の始まり

リチウムイオン二次電池用セパレータの開発・製造・販売を目的として、東京都で設立。グローバルな素材メーカーへの第一歩を踏み出す。

2011
東証マザーズへ上場

設立から約6年で東京証券取引所マザーズ市場に上場。事業拡大に向けた資金調達力と社会的信用を獲得する。

2015
東証一部へ市場変更、成長を加速

マザーズ上場から4年で東証一部(現プライム市場)へ市場変更を果たす。日本を代表する企業としての地位を確立していく。

2017
韓国子会社(WCP)が本格稼働

主要な生産拠点である韓国の子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(WCP)が本格的に稼働開始。EV向け需要の拡大に対応する生産体制を強化。

2022
韓国子会社WCPが韓国取引所に上場

中核子会社であるWCPが韓国KOSDAQ市場に上場。グローバルな資金調達基盤を構築するも、公開価格が想定を下回り、株価が大きく変動する試練も経験。

2023
EV市場の減速という逆風

世界的なEV市場の需要減速を受け、業績が悪化。事業再編やコスト削減など、経営体質の強化が急務となる。

2024
事業再編と次なる成長への布石

厳しい外部環境に対応するため、事業ポートフォリオの見直しを断行。ESS(エネルギー貯蔵システム)など新分野への展開も模索し、再生への道を歩み始める。

注目ポイント

EV化の波に乗る中核素材メーカー

世界的な脱炭素の流れで需要が拡大する電気自動車(EV)。その心臓部であるリチウムイオン電池に不可欠な「セパレータ」を専門に手掛けており、今後のEV市場の成長が会社の成長に直結します。

グローバルな生産・販売体制

生産拠点を韓国に置き、グローバルな大手電池メーカーを顧客に持つことが強みです。特に欧州市場への展開を強化しており、世界を舞台にしたビジネスのダイナミズムが魅力です。

逆境からの復活にかかる期待

近年の業績は厳しい状況ですが、株価は市場の期待やニュースに大きく反応する特性があります。市場の回復や新たな技術開発が起爆剤となり、大きな成長ポテンシャルを秘めています。

サービスの実績は?

36.3億円
連結売上高
2026年1月期実績
-88.3% YoY
-49.19億円
連結営業利益
2026年1月期実績
赤字拡大
-124.65億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2026年1月期実績
赤字拡大
0
1株当たり配当金
2026年1月期実績
無配継続
-225.9
1株当たり当期純利益 (EPS)
2026年1月期実績

ひとめ診断

業績
低迷
赤字
配当
なし
配当なし
安全性
安定
自己資本比率 78.5%
稼ぐ力
低い
ROE -30.5%
話題性
不評
ポジティブ 15%

配当・優待はもらえる?

もらえません
1株配当(最新期)
0
方針: 成長に向けた内部留保の確保
1株配当配当性向
FY2021/300.0%
FY2022/300.0%
FY2024/300.0%
FY2025/300.0%
FY2026/300.0%
株主優待
なし

株主優待として、抽選で韓国の自社工場見学会への招待が行われる場合があります。

配当については、将来の成長のための内部留保を優先する方針を維持しており、長期間にわたり無配が継続されています。業績が不安定な現状では安定配当の実施は困難であり、当面は経営基盤の立て直しが最優先となります。株主への利益還元は、業績が安定成長フェーズへ移行した後の重要な検討課題です。

同業比較(収益性)

電気機器の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
-30.5%
業界平均
10.6%
営業利益率下回る
この会社
-135.5%
業界平均
9.3%
自己資本比率上回る
この会社
78.5%
業界平均
52.4%

業績推移

儲かってるの?

赤字です
売上高
FY2022/3451億円
FY2024/3480億円
FY2025/3310億円
FY2026/336.3億円
営業利益
FY2022/378.3億円
FY2024/338.6億円
FY2025/3-10.1億円
FY2026/3-49.2億円

ダブル・スコープの業績は、EV市場の減速と主要取引先の需要低迷を受け、近年の赤字幅が急拡大する厳しい局面が続いています。FY2022/3には売上高451億円を達成し成長を牽引しましたが、その後は需要減によりFY2026/3には売上高が約36億円まで激減しました。今後は市場の構造的な逆風を背景に、大幅な赤字からの脱却に向けた厳しい事業再編が求められる状況です。

稼ぐ力はどのくらい?

赤字で稼げていません
ROE
-30.5%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
-24.0%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
-135.5%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/3-5.8%-3.5%6.3%
FY2022/33.9%3.2%17.4%
FY2024/30.8%0.5%8.0%
FY2025/3-7.5%-6.2%-3.2%
FY2026/3-30.5%-24.0%-135.5%

収益性は非常に低迷しており、FY2026/3時点では営業利益率が-135.5%と極めて深刻な水準にあります。かつてはセパレーター専業メーカーとして高い利益率を誇る時期もありましたが、足元では稼働率の低下が収益を大きく圧迫しています。ROE(自己資本利益率)も大幅なマイナスが続いており、早期のコスト構造改善と黒字化が喫緊の経営課題です。

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率78.5%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
0円
会社の純資産
409億円

財務健全性については、度重なる赤字により純資産が減少傾向にあるものの、自己資本比率は78.5%と極めて高い水準を維持しています。現時点では有利子負債を抱えていない実質無借金経営であり、資金繰り面での猶予があることが唯一の支えです。ただし、継続的な赤字による資産の目減りは資産価値を棄損させており、今後は資本の有効活用が重要となります。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+7.5億円
営業CF
投資に使ったお金
-7.3億円
投資CF
借入・返済など
+2,200万円
財務CF
手元に残ったお金
+1,800万円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/322.6億円-23.7億円88.8億円-1.0億円
FY2022/366.0億円-283億円417億円-217億円
FY2024/3132億円-510億円150億円-378億円
FY2025/340.1億円-287億円173億円-247億円
FY2026/37.5億円-7.3億円2,200万円1,800万円

営業キャッシュフローは近年プラスを維持していますが、旺盛な需要に対応するための巨額な設備投資によってフリーキャッシュフローは恒常的にマイナスとなっていました。FY2026/3には投資を大幅に抑制した結果、フリーキャッシュフローは僅かながらプラスに転じました。今後は過剰な投資サイクルを抑え、持続可能なキャッシュを生み出せる体質への転換が不可欠です。

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/3-34.1億円0円-
FY2022/382.9億円38.8億円46.8%
FY2024/346.0億円36.6億円79.6%
FY2025/3-32.4億円0円-
FY2026/3-114億円0円-

当期は業績悪化により赤字決算となったため、法人税等の発生はありません。過去の黒字期には40%を超える高い実効税率が適用されていました。今後、業績回復とともに税務上の繰越欠損金の活用状況が納税額に影響を与える見込みです。

会社の公式開示情報

EDINET開示情報では、リチウムイオン電池用セパレーターの専業メーカーとしての韓国生産拠点への依存と、EV市場の景況感に直結する収益モデルが顕著です。原材料価格の高騰や競合とのシェア争いによる収益悪化リスクが継続的に記載されています。

会社の計画は順調?

D
総合評価
過去の中計は未達、近年の業績予想は大幅な下振れが続いており、計画達成力に深刻な課題。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

2027年1月期 業績予想
FY2026
売上高: 目標 60億円 やや遅れ (36.3億円)
60.5%
営業利益: 目標 -24億円 順調 (-49.19億円)
204.9%
純利益: 目標 -44億円 順調 (-124.65億円)
283.3%
(旧)中期経営計画『Vision 2022』
FY2020〜FY2022
売上高: 目標 500億円 未達 (451.0億円)
90.2%
営業利益: 目標 100億円 未達 (78.29億円)
78.3%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2026-43億円-49億円未達
FY202540億円-10億円大幅未達
FY202455億円39億円-29.7%
FY202250億円78億円+56.6%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

過去の中期経営計画『Vision 2022』は売上高・営業利益ともに未達に終わりました。近年の業績予想は精度が著しく低く、特にFY2025以降は期初予想を大幅に下回る赤字決算が続いています。これは、EV市場の需要変動や韓国子会社の上場失敗といった外部環境の激変に対応しきれていないことを示唆しています。進行中の再建計画の達成確度は極めて不透明と言わざるを得ません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残4,714,000株
売り残1,682,400株
信用倍率2.80倍
2026年3月19日時点
今後の予定
第1四半期決算発表2026年6月中旬(予定)
第2四半期決算発表2026年9月中旬(予定)

PBRが0.31倍と、解散価値を大幅に下回る水準で取引されており、市場からの評価が極めて低い状況です。信用買い残が売り残の2.8倍と高水準にあり、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多い一方、需給面での重石となる可能性も秘めています。赤字企業のためPERは参考値ですが、業界平均と比較して各種指標が著しく見劣りしており、割安感よりも事業の先行き不透明感が株価を抑制していると考えられます。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
142
前月比 -12.5%
メディア数
48
株探, 日本経済新聞, 会社四季報, Yahoo!ファイナンス, PR TIMES
業界内ランキング
上位 35%
電気機器業 850社中 297位
報道のトーン
15%
好意的
25%
中立
60%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・財務状況50%
株価動向25%
EV市場関連15%
経営戦略10%

最近の出来事

2026年3月赤字拡大

2026年1月期決算にて、最終赤字が124.65億円となり赤字幅が拡大。

2025年11月業績下振れ

2025年1月期の営業損失10.08億円という厳しい経営環境が嫌気され株価が下落。

2024年2月前期実績

FY2024の業績は売上高480.4億円、営業利益38.65億円で着地。

ダブル・スコープ まとめ

ひとめ診断

業績
低迷
赤字
配当
なし
配当なし
安全性
安定
自己資本比率 78.5%
稼ぐ力
低い
ROE -30.5%
話題性
不評
ポジティブ 15%

「EVブームの寵児から一転、韓国子会社の上場頓挫で事業再編を迫られるリチウムイオン電池セパレーターメーカー」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU