ダブル・スコープ6619
W-SCOPE Corporation
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやタブレット、そして街で見かける電気自動車(EV)。これらの製品には、動力源となるリチウムイオン電池が不可欠です。実はその電池の内部には、プラスとマイナスの電極が直接触れ合ってショートするのを防ぐ、とても薄い『セパレーター(絶縁材)』というフィルムが入っています。ダブル・スコープは、この電池の安全性と性能を左右する重要な部品を専門に作っている会社です。普段意識することはありませんが、私たちのデジタルライフやクリーンな交通社会を、見えないところで支えているのです。
リチウムイオン電池の重要部材であるセパレーター専業メーカー。韓国子会社の上場を巡る混乱で株価が急落し、財務状況が悪化。直近の2026年1月期決算では、EV市場の需要減速も重なり、売上高が前期比88.3%減の36.3億円、営業損失49.19億円と大幅な赤字を計上しました。現在は事業再編の真っ只中にあり、PBRは0.31倍と解散価値を大きく下回る水準で、市場からの信頼回復と収益構造の立て直しが急務となっています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 1月
- 本社
- 東京都品川区東五反田1-22-6 五反田さくらビル8階
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/01期 | 9.4% | 6.4% | 26.2% |
| 2017/01期 | 0.5% | 0.3% | 2.9% |
| 2018/01期 | 14.0% | 6.1% | 38.3% |
| 2019/01期 | 21.3% | 6.0% | 25.0% |
| 2020/01期 | 88.8% | 15.9% | 15.4% |
| 2021/01期 | 9.8% | 3.8% | 6.3% |
| 2022/01期 | 5.4% | 4.0% | 17.4% |
| 2024/01期 | 0.8% | 0.6% | 8.0% |
| 2025/01期 | 4.3% | 3.2% | 3.2% |
| 2026/01期 | 27.5% | 22.2% | 135.5% |
| 2026/01期 | 34.1% | 22.2% | 135.5% |
収益性は非常に低迷しており、2026/03期時点では営業利益率が-135.5%と極めて深刻な水準にあります。かつてはセパレーター専業メーカーとして高い利益率を誇る時期もありましたが、足元では稼働率の低下が収益を大きく圧迫しています。ROE(自己資本利益率)も大幅なマイナスが続いており、早期のコスト構造改善と黒字化が喫緊の経営課題です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/01期 | 300億円 | 19.0億円 | 29.4億円 | -56.7円 | +62.2% |
| 2022/01期 | 451億円 | 78.3億円 | 44.1億円 | 80.4円 | +50.5% |
| 2024/01期 | 480億円 | 38.6億円 | 9.4億円 | 17.1円 | +6.5% |
| 2025/01期 | 310億円 | 10.1億円 | 37.1億円 | -67.6円 | -35.4% |
| 2026/01期 | 36.3億円 | 49.2億円 | 125億円 | -225.9円 | -88.3% |
ダブル・スコープの業績は、EV市場の減速と主要取引先の需要低迷を受け、近年の赤字幅が急拡大する厳しい局面が続いています。2022/03期には売上高451億円を達成し成長を牽引しましたが、その後は需要減により2026/03期には売上高が約36億円まで激減しました。今後は市場の構造的な逆風を背景に、大幅な赤字からの脱却に向けた厳しい事業再編が求められる状況です。 【2026/01期実績】売上36億円(前期比-88.3%)、営業利益△49億円、純利益△125億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
EDINET開示情報では、リチウムイオン電池用セパレーターの専業メーカーとしての韓国生産拠点への依存と、EV市場の景況感に直結する収益モデルが顕著です。原材料価格の高騰や競合とのシェア争いによる収益悪化リスクが継続的に記載されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026期 | -43億円 | — | -49億円 | 未達 |
| 2025期 | 40億円 | — | -10億円 | 大幅未達 |
| 2024期 | 55億円 | — | 39億円 | -29.7% |
| 2022期 | 50億円 | — | 78億円 | +56.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去の中期経営計画『Vision 2022』は売上高・営業利益ともに未達に終わりました。近年の業績予想は精度が著しく低く、特に2025期以降は期初予想を大幅に下回る赤字決算が続いています。これは、EV市場の需要変動や韓国子会社の上場失敗といった外部環境の激変に対応しきれていないことを示唆しています。進行中の再建計画の達成確度は極めて不透明と言わざるを得ません。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年1月期決算にて、最終赤字が124.65億円となり赤字幅が拡大。
2025年1月期の営業損失10.08億円という厳しい経営環境が嫌気され株価が下落。
2024期の業績は売上高480.4億円、営業利益38.65億円で着地。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性については、度重なる赤字により純資産が減少傾向にあるものの、自己資本比率は78.5%と極めて高い水準を維持しています。現時点では有利子負債を抱えていない実質無借金経営であり、資金繰り面での猶予があることが唯一の支えです。ただし、継続的な赤字による資産の目減りは資産価値を棄損させており、今後は資本の有効活用が重要となります。 【2026/01期】総資産520億円、純資産409億円、自己資本比率58.6%、有利子負債79億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/01期 | 27.3億円 | 74.6億円 | 114億円 | 47.3億円 |
| 2017/01期 | 7.0億円 | 143億円 | 136億円 | 136億円 |
| 2018/01期 | 9.4億円 | 98.3億円 | 56.4億円 | 108億円 |
| 2019/01期 | 20.9億円 | 162億円 | 258億円 | 183億円 |
| 2020/01期 | 8,500万円 | 146億円 | 45.3億円 | 145億円 |
| 2021/01期 | 22.6億円 | 23.7億円 | 88.8億円 | 1.0億円 |
| 2022/01期 | 66.0億円 | 283億円 | 417億円 | 217億円 |
| 2024/01期 | 132億円 | 510億円 | 150億円 | 378億円 |
| 2025/01期 | 40.1億円 | 287億円 | 173億円 | 247億円 |
| 2026/01期 | 7.5億円 | 7.3億円 | 2,200万円 | 1,800万円 |
営業キャッシュフローは近年プラスを維持していますが、旺盛な需要に対応するための巨額な設備投資によってフリーキャッシュフローは恒常的にマイナスとなっていました。2026/03期には投資を大幅に抑制した結果、フリーキャッシュフローは僅かながらプラスに転じました。今後は過剰な投資サイクルを抑え、持続可能なキャッシュを生み出せる体質への転換が不可欠です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/01期 | 1.3円 | 3.7% |
| 2017/01期 | 1.3円 | - |
| 2018/01期 | 1.3円 | - |
| 2019/01期 | 0円 | 0.0% |
| 2020/01期 | 0円 | 0.0% |
| 2021/01期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/01期 | 0円 | 0.0% |
| 2024/01期 | 0円 | 0.0% |
| 2025/01期 | 0円 | 0.0% |
| 2026/01期 | 0円 | 0.0% |
株主優待として、抽選で韓国の自社工場見学会への招待が行われる場合があります。
配当については、将来の成長のための内部留保を優先する方針を維持しており、長期間にわたり無配が継続されています。業績が不安定な現状では安定配当の実施は困難であり、当面は経営基盤の立て直しが最優先となります。株主への利益還元は、業績が安定成長フェーズへ移行した後の重要な検討課題です。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.31倍と、解散価値を大幅に下回る水準で取引されており、市場からの評価が極めて低い状況です。信用買い残が売り残の2.8倍と高水準にあり、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多い一方、需給面での重石となる可能性も秘めています。赤字企業のためPERは参考値ですが、業界平均と比較して各種指標が著しく見劣りしており、割安感よりも事業の先行き不透明感が株価を抑制していると考えられます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/01期 | 24.8億円 | 5.3億円 | 21.5% |
| 2017/01期 | -1.1億円 | 0円 | - |
| 2018/01期 | -33.0億円 | 0円 | - |
| 2019/01期 | -39.5億円 | 0円 | - |
| 2020/01期 | -78.2億円 | 0円 | - |
| 2021/01期 | -34.1億円 | 0円 | - |
| 2022/01期 | 82.9億円 | 38.8億円 | 46.8% |
| 2024/01期 | 46.0億円 | 36.6億円 | 79.6% |
| 2025/01期 | -32.4億円 | 0円 | - |
| 2026/01期 | -114億円 | 0円 | - |
当期は業績悪化により赤字決算となったため、法人税等の発生はありません。過去の黒字期には40%を超える高い実効税率が適用されていました。今後、業績回復とともに税務上の繰越欠損金の活用状況が納税額に影響を与える見込みです。
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ダブル・スコープ まとめ
「EVブームの寵児から一転、韓国子会社の上場頓挫で事業再編を迫られるリチウムイオン電池セパレーターメーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。