ナック
NAC CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
暮らしの「あったらいいな」を形にする、多角経営の安定企業
顧客の生涯価値(LTV)を最大化し、暮らしに関わるあらゆるニーズに応えることで、2035年に売上高1,000億円、営業利益率8%を達成する企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたのお家やオフィスで、お掃除の「ダスキン」を使ったことはありませんか?あるいは、ウォーターサーバーの「クリクラ」を見かけたことがあるかもしれません。ナックは、実はこれらのサービスを提供している会社の一つで、ダスキンの加盟店としては国内最大手なんです。他にも、注文住宅を建てたり、化粧品を販売したりと、私たちの暮らしを様々な場面で支える事業を手掛けています。普段何気なく利用しているサービスの裏側で、ナックが活躍しているかもしれません。
ダスキン事業を祖業に、水宅配「クリクラ」や住宅事業など多角化を進める企業。FY2025は売上高597.9億円、営業利益30.07億円を達成し増収増益で着地しました。しかし、直近の2026年3月期第3四半期決算では減収減益となっており、足元の収益性には注意が必要です。現在は長期ビジョン達成に向けた投資フェーズと位置づける中期経営計画「2028」を推進中で、既存事業のDXや新規M&Aによる成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 西新宿1-25-1 新宿センタービル
- 公式
- www.nacoo.com
社長プロフィール
私たちは「暮らしのお役立ち」を基本戦略に、お客様の生活を豊かにする多様なサービスを提供してきました。今後も既存事業の強化と新規事業への挑戦を続け、長期ビジョン『LTV(顧客生涯価値)経営による持続的成長』の実現のため、全社一丸となって邁進してまいります。
この会社のストーリー
株式会社ナックの前身である株式会社ダスキンナックが設立され、ダスキン事業のフランチャイジーとして歩みを始める。
住宅業界に参入し、建築コンサルティング事業を開始。事業の多角化への第一歩を踏み出す。
事業の成長を背景に、日本証券業協会に株式を店頭登録し、企業としての信頼性と知名度を高める。
ボトルウォーター宅配事業に参入し、「クリクラ」ブランドをスタート。後の主力事業の一つとなる。
化粧品通販会社をグループに加え、美容・健康分野へ本格的に進出。暮らしを支える領域をさらに広げる。
ハウスリフォーム事業や原状回復工事業の企業を子会社化するなど、積極的なM&Aを通じて住まいに関するサービスを強化。
持続的成長を目指し「長期ビジョン2035」と新中期経営計画を発表。LTV経営を核に、次の成長ステージへと向かう。
注目ポイント
清掃用品レンタルのダスキン事業から始まり、宅配水「クリクラ」、住宅、建築コンサル、美容・健康まで事業を拡大。景気変動に強い安定した収益基盤を構築しています。
既存事業とのシナジーが見込める企業を積極的にM&Aし、事業領域を拡大しています。これにより、顧客へ提供できる価値を高め、持続的な成長を目指しています。
株主への感謝を込めて、自社グループで扱う化粧品やスキンケア用品などの株主優待を実施。個人投資家にとって魅力的な還元策の一つとなっています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 22円 | 53.6% |
| FY2022/3 | 19円 | 49.9% |
| FY2023/3 | 20円 | 44.9% |
| FY2024/3 | 10.5円 | 63.2% |
| FY2025/3 | 11円 | 69.1% |
| 権利確定月 | 3月 |
当社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、配当性向を重視した安定的な配当実施を基本方針としています。現在の配当利回りは約4%という高水準を維持しており、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的な水準です。今後は業績成長に伴う利益配分の拡大を図り、持続的な還元強化に努める姿勢です。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は成長投資に伴う事業拡大によりFY2026/3期には約620億円へと伸長を見込んでおり、積極的なM&Aや新規事業への注力によって着実な増収基調を維持しています。一方で、利益面については成長投資を優先させているため、FY2025/3期には純利益が約13.7億円となるなど、投資フェーズ特有の利益水準となっております。今後は主力事業の収益性向上と投資効果の顕在化により、さらなる利益成長が期待されます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.6% | 4.5% | 5.0% |
| FY2022/3 | 7.7% | 4.3% | 5.0% |
| FY2023/3 | 8.6% | 5.2% | 5.7% |
| FY2024/3 | 6.3% | 3.8% | 4.2% |
| FY2025/3 | 6.1% | 3.6% | 5.0% |
当社はダスキン事業を中核に据え、水宅配や環境衛生などの安定収益事業を多角的に展開しており、営業利益率は安定して5%前後で推移する収益構造を確立しています。FY2024/3期には一時的に利益率が4.2%まで低下しましたが、コスト管理の徹底によりFY2025/3期には5.0%まで回復しました。資本効率を示すROEは6%台を維持しており、成長投資と株主還元を両立させながらの経営を目指しています。
財務は安全?
財務基盤については、自己資本比率は58.6%と高い水準を維持しており、長期的な健全性は確保されています。FY2024/3期に有利子負債が約151億円発生しましたが、これは積極的な成長投資のための資金調達によるものです。豊富な資産背景を活かして安定的な運営を行いつつ、将来の成長を見据えた投資を継続する強固なバランスシートを構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 64.5億円 | -14.5億円 | 5,400万円 | 50.1億円 |
| FY2022/3 | 28.5億円 | -11.1億円 | -37.4億円 | 17.4億円 |
| FY2023/3 | 17.1億円 | -3.6億円 | -25.6億円 | 13.5億円 |
| FY2024/3 | -1,000万円 | -11.0億円 | -19.1億円 | -11.1億円 |
| FY2025/3 | 41.4億円 | -5.6億円 | -30.7億円 | 35.8億円 |
営業キャッシュフローは本業の安定した稼ぎにより基本的にプラスを維持していますが、FY2024/3期は一時的にマイナスとなる場面もありました。しかし、FY2025/3期には約41億円の営業キャッシュフローを確保し、強固な収益力を回復しています。積極的なM&Aなどの投資キャッシュフローを支えつつ、財務活動による支出を調整することで持続可能な成長を目指しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 26.8億円 | 8.5億円 | 31.5% |
| FY2022/3 | 27.9億円 | 10.8億円 | 38.8% |
| FY2023/3 | 32.4億円 | 12.4億円 | 38.3% |
| FY2024/3 | 23.9億円 | 9.5億円 | 39.9% |
| FY2025/3 | 30.2億円 | 16.5億円 | 54.8% |
法人税等の支払額は各期の税引前利益に連動して推移しており、概ね適正な範囲内で計上されています。FY2025/3期は実効税率が一時的に54.8%と上昇していますが、これは税務上の特殊要因や繰延税金資産の影響によるものです。通常期は30%台前半から40%弱の水準で推移しており、業績に応じた適切な納税を行っています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 481万円 | 1,717人 | - |
従業員平均年収は481万円となっており、サービス業界の平均と比較しても標準的な水準です。給与水準は業績連動の側面が強く、近年の原材料高や市場環境の変化による利益の変動が、賞与等の支給原資に一定の影響を与えていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はダスキン・ヤマダホールディングス・キャピタル。
同社は株式会社ダスキンおよび株式会社ヤマダホールディングスとの資本提携関係が強固であり、上位株主構成に事業会社が名を連ねているのが特徴です。創業者関連の個人株主も一定比率を保有していますが、機関投資家や従業員持株会による安定株主の存在感も大きく、経営の安定性が重視される構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力事業であるレンタル事業およびクリクラ事業(宅配水)を軸に多角化を進めていますが、EDINETの開示資料では市場競争の激化や原材料価格の高騰を主要な事業リスクとして挙げています。また、M&Aによる成長戦略を推進しており、買収した子会社との統合コストやシナジー創出の成否が、連結業績に与える影響が極めて重要です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.0%となっており、多様性の確保に向けて一定の進展が見られます。また、指名報酬諮問委員会の設置により経営の透明性を高めており、監査体制についても連結子会社16社を統括するガバナンス機能を重視した体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 655億円 | 620億円 | 598億円 | -8.7% |
| FY2024 | 600億円 | — | 544億円 | -9.3% |
| FY2023 | 600億円 | — | 571億円 | -4.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 40億円 | 29億円 | 30億円 | -24.8% |
| FY2024 | 35億円 | — | 23億円 | -34.3% |
| FY2023 | 30億円 | — | 32億円 | +7.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新たな「中期経営計画2028」は、2035年の長期ビジョンに向けた投資フェーズと位置づけられています。そのため、売上成長に対し利益は横ばいの計画です。しかし、前中計が外部環境の変化を理由に未達で終了し、近年の業績予想も下方修正が続いている点は懸念材料です。投資家としては、新計画で掲げた目標を着実に達成できるか、その実行力を慎重に見極める必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。当社のTSRは、調査期間を通じて常にTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、株価が長期的に低迷しており、配当によるリターンだけでは市場平均の成長に追いつけていないことを示唆しています。株価の成長を伴う企業価値向上が今後の大きな課題と言えるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 126.7万円 | +26.7万円 | 26.7% |
| FY2022 | 131.2万円 | +31.2万円 | 31.2% |
| FY2023 | 136.8万円 | +36.8万円 | 36.8% |
| FY2024 | 157.9万円 | +57.9万円 | 57.9% |
| FY2025 | 177.2万円 | +77.2万円 | 77.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業他社比較では、PER・PBRともに業界平均を大幅に下回っており、株価は割安と評価されています。その背景には、成長性の鈍化や利益率の低さがあると推察されます。一方で、配当利回りは4%に迫る高水準であり、インカムゲインを狙う投資家にとっては魅力的です。信用倍率は4.87倍とやや高めですが、取り組みは拮抗しており、短期的な需給の偏りは限定的です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
長期ビジョン2035の発表と同時に、LTV最大化を目指す新中期経営計画2028を策定しました。
宅配水「クリクラ」FC加盟店の事業承継を実施し、主力事業のシェア拡大を推進しました。
2026年3月期第3四半期は、営業利益12.81億円と前年同期比で大幅な減益を記録しました。
最新ニュース
ナック まとめ
ひとめ診断
「ダスキンから水宅配、住宅まで。暮らしの『あったらいいな』をM&Aで集める多角化企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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