ベクトル
VECTOR INC.
最終更新日: 2026年3月28日
PRの力で社会の『いいモノ』を広める、コミュニケーションテクノロジーカンパニー
コミュニケーションテクノロジーカンパニーとして、様々なコミュニケーションの課題解決に貢献し、ソーシャルイノベーションを巻き起こす存在を目指す。
この会社ってなに?
あなたが普段、テレビCMやニュースサイト、SNSで見かける新商品や話題のキャンペーン。その裏側で「どうすれば多くの人に知ってもらえるか?」という戦略を練り、情報を世の中に広めているのがベクトルです。例えば、好きなインフルエンサーが紹介していたコスメや、ウェブ記事で見た新しいサービスの多くは、同社のようなPR会社が仕掛けている可能性があります。私たちの生活に届く情報の多くに、ベクトルが関わっているのです。
アジア最大級のPR会社ベクトルは、主力のPR・広告事業を軸にM&Aを積極的に行い、事業領域を拡大し続けています。直近の2025年2月期決算では、売上高592.5億円、営業利益80.29億円と増益を確保しました。今後は、SNSマーケティングや動画広告、AIタレントといった成長領域への投資を加速させ、営業利益100億円超えを目指す方針です。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 2月
- 本社
- 東京都港区赤坂1-7-1 赤坂ガーデンシティ18F
- 公式
- vectorinc.co.jp
社長プロフィール

「いいモノを世の中に広め、人々を幸せに」という理念のもと、従来のPR事業に留まらず、時代に合わせたコミュニケーション手法を積極的に取り入れています。M&Aも活用しながら事業を多角化し、グループ全体の成長を加速させることで、社会に貢献し続ける企業を目指します。
この会社のストーリー
西江肇司氏が「いいモノを世の中に広め、人々を幸せに」という理念を掲げ、PR事業を目的として株式会社ベクトルを設立。
創業から約20年を経て、東京証券取引所マザーズ市場に上場。企業の戦略的広報活動を支援する事業でさらなる成長を目指す。
マザーズ上場からわずか2年で東京証券取引所市場第一部(現:プライム市場)へ市場変更を果たし、PR業界での地位を確立。
PR事業で培ったノウハウを活かし、M&Aを積極的に活用。アドテクノロジーやダイレクトマーケティングなど、事業領域を拡大。
社会のデジタルシフトに対応し、動画やSNS、インフルエンサーを活用したデジタルマーケティング領域を強化。企業のDXを支援する体制を構築。
SNSマーケティングに強みを持つgracemode社を子会社化。成長著しいSNS市場での競争力を一層強化し、顧客への提供価値を向上させる。
AIタレント動画生成サービス「AvaMo」などを展開し、最先端技術をPRや広告領域に導入。新たな市場の創出に挑戦。
注目ポイント
国内最大手、アジアでもトップクラスの規模を誇るPR会社。M&Aを積極的に行い、PRの枠を超えたコミュニケーション領域全般で成長を続けています。
従来のPR手法に加え、SNSや動画、インフルエンサーマーケティング、さらにはAIタレント活用など、常に時代の変化を捉えた新しいサービスを打ち出しています。
安定した配当に加え、保有株数に応じて食品や家電などと交換できる「プレミアム優待倶楽部」のポイントがもらえる株主優待制度も実施しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2022/3 | 13円 | 29.9% |
| FY2023/3 | 19円 | 28.6% |
| FY2024/3 | 29円 | 29.6% |
| FY2025/3 | 32円 | 35.8% |
| 権利確定月 | 2月 |
配当方針は、業績連動型の安定配当を掲げており、成長投資を優先しつつも配当性向30%〜35%程度を目安に株主への利益還元を強化しています。過去数年間で増配基調が続いており、企業成長を株主に還元する姿勢が鮮明です。今後も連結業績の成長に合わせた継続的な配当向上を目指す方針です。
儲かってるの?
ベクトルは戦略PR事業を主軸に、デジタルマーケティングやHR事業などコミュニケーション領域を多角化することで、FY2021/3の売上高372億円からFY2025/3には592億円まで着実な成長を遂げています。特にPR・広告事業の好調さが利益を牽引し、営業利益は過去5年間で約3.5倍の80億円規模まで拡大しました。今後は広告・動画領域におけるAI活用などの新施策を通じ、さらなる収益成長が見込まれています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.3% | 1.6% | 6.2% |
| FY2022/3 | 12.8% | 6.6% | 11.1% |
| FY2023/3 | 20.1% | 8.7% | 11.4% |
| FY2024/3 | 23.4% | 10.7% | 11.7% |
| FY2025/3 | 19.7% | 9.8% | 13.6% |
収益性については、戦略PRによる高付加価値なサービス提供が寄与し、営業利益率はFY2021/3の6.2%からFY2025/3には13.6%まで大幅に改善しました。資産効率を示すROE(自己資本利益率)も20%前後の高い水準を維持しており、限られた資本で効率よく利益を創出する体制が確立されています。投資と回収のサイクルを最適化することで、高い収益性を安定的に維持している点が強みです。
財務は安全?
財務状況は、積極的なM&Aや事業投資により総資産がFY2021/3の約300億円からFY2025/3には約428億円まで拡大しました。自己資本比率は約40%前後を維持し、強固な財務規律を保ちながらも柔軟な事業拡大を行っています。かつては無借金経営でしたが、成長投資のための資金調達を実施したことで有利子負債が増加し、レバレッジを効かせた経営姿勢へと転換しました。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 21.3億円 | 6.4億円 | 2.1億円 | 27.7億円 |
| FY2022/3 | 46.7億円 | -10.0億円 | -10.6億円 | 36.7億円 |
| FY2023/3 | 14.6億円 | -12.9億円 | -3.6億円 | 1.7億円 |
| FY2024/3 | 44.5億円 | -11.5億円 | -8.8億円 | 33.0億円 |
| FY2025/3 | 56.8億円 | -14.8億円 | -29.0億円 | 42.0億円 |
営業キャッシュフローは、事業規模の拡大に伴い着実に増加傾向にあり、FY2025/3には約56億円を創出する力強い収益基盤となっています。投資活動については、PR周辺領域やテック企業へのM&Aを継続的に実施しており、営業活動で得た資金を成長投資へと最適に振り向けています。財務キャッシュフローのマイナスは、配当の実施や有利子負債の返済によるもので、株主還元と健全な財務バランスの維持を両立させています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 28.0億円 | 23.1億円 | 82.6% |
| FY2022/3 | 52.0億円 | 31.3億円 | 60.2% |
| FY2023/3 | 66.2億円 | 34.5億円 | 52.1% |
| FY2024/3 | 68.7億円 | 21.9億円 | 31.8% |
| FY2025/3 | 76.5億円 | 34.6億円 | 45.2% |
過去には特定の税務処理や持分法投資損失などの影響により実効税率が一時的に高騰する局面がありました。しかし、直近では連結業績の安定化に伴い、実効税率は30%から45%程度の範囲に収束しつつあります。将来的な業績拡大を考慮し、適切な納税を通じて企業の社会的責任を果たしつつ、利益の最大化を目指す方針です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 681万円 | 1,650人 | - |
従業員平均年収は681万円で、PR・広告業界の平均水準と比較して競争力のある水準を維持しています。事業の多角化やM&Aによる成長戦略が継続しており、高い生産性が報酬の背景にあると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
浮動株比率が高く、株式の流動性が高い反面、株価変動が大きくなりやすい傾向があります。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はTHE BANK OF NEW YORK 133652 (常任代理人 みずほ銀行決済営業部)。
筆頭株主である創業者・西江肇司氏が40.13%の株式を保有しており、経営に対する強力な支配力と安定したリーダーシップを維持しています。次いで信託口などの機関投資家が上位を占めており、個人と機関投資家のバランスが取れた構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
PR・広告事業を軸に、プレスリリース配信やダイレクトマーケティング、HR事業など多角的なポートフォリオを構築しています。事業リスクとしては、競合他社との市場獲得競争やM&Aを通じた子会社化によるガバナンスコストの増大が挙げられます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%でさらなる登用が期待されますが、監査報酬1億6,300万円を投じた監査体制を構築するなど、子会社45社を抱える企業規模に見合った統制を強化しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 85億円 | — | 80億円 | -5.5% |
| FY2024 | 72億円 | — | 69億円 | -3.1% |
| FY2023 | 62億円 | — | 63億円 | +1.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 630億円 | — | 593億円 | -6.0% |
| FY2024 | 630億円 | — | 592億円 | -6.0% |
| FY2023 | 531億円 | — | 552億円 | +4.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2023を最終年度とする旧中期経営計画では、営業利益目標60億円を1年前倒しで達成するなど高い実行力を見せました。しかし、現行の業績予想(FY2026年2月期目標)に対しては、FY2025実績が売上・利益ともに未達で着地しています。過去の実績は評価できるものの、最近のガイダンス精度には懸念があり、目標達成に向けた戦略の再点検が求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株価リターンを、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。ベクトルのTSRは、FY2023にはTOPIXを上回りましたが、FY2024以降はTOPIXを大きく下回る(アンダーパフォーム)状況が続いています。これは、増配を続けているものの、市場全体の株価上昇トレンドに乗り切れず、株価が軟調に推移したことが主な要因と考えられます。株主還元の強化に加え、成長戦略による企業価値向上が市場に評価されることが、TSR改善の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし昔100万円買ってたら?
株価はIPO時から見ると微増に留まっていますが、コロナショック時の2020年3月の底値517円からは約2.5倍に上昇しており、成長期待で買いが入ったタイミングを捉えられれば大きなリターンを得られました。一方で、直近1年間では-9.5%と軟調な推移が続いており、市場の期待値と業績進捗のギャップが株価の重しとなっている可能性があります。今後の成長戦略が再評価されるかが株価回復の鍵となります。
※ 上記は過去の株価に基づく仮定の計算であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。株式投資にはリスクが伴い、元本を割り込む可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。
株の売買状況と今後の予定
同業他社と比較してPERは割安な水準にありますが、PBRはやや高めで、市場から一定の資産価値と成長性が評価されていることが窺えます。注目すべきは信用買残が売り残を大幅に上回る23.52倍という高い信用倍率で、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多い一方、需給面では戻り売りの圧力となる可能性も秘めています。今後の決算発表で市場の期待を上回れるかが焦点です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
連結子会社である株式会社NewsTVを完全子会社化し、PRおよびマーケティング戦略の強化を決定。
上期経常利益が前年同期比96%増と大幅な増益を達成し、高い収益性を証明。
3-11月期累計で経常利益85.1%増を記録し、主要事業が順調に推移。
最新ニュース
ベクトル まとめ
ひとめ診断
「PR業界の巨人が、M&Aを駆使してデジタルマーケティングのコングロマリットへと変貌中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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