9742プライム

アイネス

INES Corporation

最終更新日: 2026年3月29日

ROE6.2%
BPS187.5円
自己資本比率69.1%
FY2025/3 有報データ

自治体DXを支える、社会インフラの縁の下の力持ち

挑戦と変革を通じ、情報サービスで社会の未来を共創する。

この会社ってなに?

あなたが市役所や区役所で住民票の写しを取ったり、税金の相談をしたりするとき、その手続きを円滑に進めているコンピューターシステムの多くは、アイネスのような会社が開発・運用しています。普段は目にすることのない「行政の裏側」で、私たちの暮らしに必要な情報を安全に管理し、職員の方々の仕事をサポートしているのです。また、銀行のシステムや企業のデータ管理など、社会の重要なインフラをITの力で支える縁の下の力持ち、それがアイネスの事業です。

独立系のシステムインテグレーターで、特に地方自治体向けシステム開発に強みを持ちます。FY2025は売上高405.6億円、営業利益35.36億円を計上しましたが、足元では自治体システム標準化対応の遅れが響き、2026年3月期の業績予想を赤字へ大幅に下方修正しました。この大規模プロジェクトの立て直しと、筆頭株主である三菱総合研究所との提携を活かした成長軌道への復帰が目先の焦点となります。

情報・通信業プライム市場

会社概要

業種
情報・通信業
決算期
3月
本社
東京都中央区日本橋蛎殻町1-38-11
公式
www.ines.co.jp

社長プロフィール

服部 修治
服部 修治
代表取締役社長
堅実派
創業以来、独立系システムインテグレーターとして社会の発展に貢献してきました。長年培った技術とノウハウを基盤に、お客さまと共に新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。これからも挑戦と変革を続け、情報サービスで社会の未来を共創することを目指します。

この会社のストーリー

1964
協栄計算センターとして創業

株式会社協栄生命保険(現ジブラルタ生命保険)の計算部門が分離独立し、資本金2,000万円で設立。日本の情報サービス産業の草分けとして歩みを始める。

1987
東京証券取引所市場第二部に上場

創業から約23年、事業の成長と安定性を背景に株式上場を果たす。これにより社会的信用を高め、さらなる事業拡大の基盤を築いた。

1989
東京証券取引所市場第一部に指定替え

市場第二部への上場からわずか2年で市場第一部へ。企業としての成長スピードと信頼性を市場に示した。

1999
社名を「株式会社アイネス」に変更

創立35周年を機に、情報ネットワークサービス企業としてのアイデンティティを明確にするため、Information Network Engineering & Solutionsの頭文字から「INES」へ社名を変更した。

2018
三菱総合研究所との業務・資本提携

更なる成長を目指し、三菱総合研究所と提携。双方の強みを活かし、公共分野や金融分野で新しいサービスを提供していく体制を構築した。

2024
創業60周年と本社移転

創業60周年を迎え、新たなワークプレイスとして本社を日本橋蛎殻町へ移転。次の成長に向けた新たなスタートを切った。

2025
自治体システム標準化対応の遅延

主力事業である公共分野において、システム標準化プロジェクトの遅延が発生。短期的な業績への影響が課題となる。

2026
新中期経営計画の推進

売上高500億円、営業利益率10%以上を目標とする「2026中期経営計画」を推進。事業基盤の強化と成長分野への投資を通じて、企業価値の向上を目指す。

注目ポイント

自治体向けシステムに強み

独立系SIerとして、特に地方自治体向けの総合行政情報システムに豊富な実績を持つ。社会インフラを支える安定した事業基盤が魅力だ。

安定した配当実績

業績に変動はあるものの、株主還元を重視する姿勢を継続。2026年3月期は下方修正後も年間配当50円を予定しており、安定したインカムゲインが期待できる。

変革期への挑戦

三菱総合研究所との提携や、DX推進支援、AIを活用した新サービス開発など、従来の強みを活かしつつ新たな事業領域へ挑戦している。短期的な課題を乗り越えた先の成長に期待がかかる。

サービスの実績は?

55
1株当たり配当金
FY2025実績
+10.0% YoY
117.1
1株当たり純利益 (EPS)
FY2025実績
+35.7% YoY
8.7%
営業利益率
FY2025実績
+1.6pt YoY
3,253万円
従業員一人当たり売上高
FY2025時点
±0% YoY
0.0%
売上高成長率 (YoY)
FY2025
FY2024比

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 55円
安全性
安定
自己資本比率 69.1%
稼ぐ力
普通
ROE 6.2%
話題性
不評
ポジティブ 20%

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
55
方針: 配当性向40%目標
1株配当配当性向
FY2021/34066.5%
FY2022/34069.9%
FY2023/34536.8%
FY2024/35057.9%
FY2025/35547.0%
3期連続増配
株主優待
なし

現在、株主優待制度は実施していません。

配当方針として利益成長に応じた株主還元を重視しており、近年は増配基調を維持しています。配当性向は概ね40〜50%台を目安に調整されており、持続的な配当支払いが可能な水準です。今後は業績変動リスクを考慮しつつも、安定的な配当継続を基本スタンスとしています。

同業比較(収益性)

情報・通信業の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
6.2%
業界平均
11.2%
営業利益率下回る
この会社
8.7%
業界平均
28.6%
自己資本比率上回る
この会社
69.1%
業界平均
55.0%

業績推移

儲かってるの?

順調に稼いでいます
売上高
FY2022/3400億円
FY2023/3424億円
FY2024/3406億円
FY2025/3406億円
営業利益
FY2022/319.6億円
FY2023/338.0億円
FY2024/328.8億円
FY2025/335.4億円

当社の売上高は400億円前後で推移しており、自治体向けシステム標準化関連の特需や開発の遅延が業績に大きな影響を与えています。FY2023/3には営業利益38億円を記録しましたが、直近ではプロジェクトの品質対応や計画見直しにより、一時的な利益の圧迫が見られます。今後は標準化案件の収束とともに、新たなソリューション展開による収益性改善が期待されています。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
6.2%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
4.3%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
8.7%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/33.7%2.8%6.7%
FY2022/33.8%2.8%4.9%
FY2023/37.0%5.2%9.0%
FY2024/34.7%3.3%7.1%
FY2025/36.2%4.3%8.7%

営業利益率は直近で8.7%を確保しており、情報サービス業として安定した収益基盤を維持しています。ROEはFY2023/3に7.0%まで上昇しましたが、直近ではプロジェクト遅延の影響もあり6.2%へ調整しました。システムインテグレーターとして、高付加価値なDX支援案件へのシフトが今後の収益性向上に向けた重要課題です。

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率69.1%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
182億円
会社の純資産
392億円

自己資本比率は69.1%と極めて高く、極めて強固な財務体質を誇っています。FY2024/3以降、有利子負債が180億円規模へ増加していますが、これは将来の成長に向けた戦略的な投資や事業基盤強化のための資金調達によるものです。豊富な純資産を背景とした安定感は、長期的な経営の安定性を担保しています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+14.8億円
営業CF
投資に使ったお金
-2.9億円
投資CF
借入・返済など
+15.4億円
財務CF
手元に残ったお金
+11.9億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/319.2億円-116億円-9.7億円-96.8億円
FY2022/364.3億円-14.2億円-56.4億円50.0億円
FY2023/324.2億円-21.4億円-8.5億円2.8億円
FY2024/321.4億円-99.9億円39.5億円-78.5億円
FY2025/314.8億円-2.9億円15.4億円11.9億円

営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業での稼ぐ力は健在です。FY2024/3の投資キャッシュフローがマイナス約100億円となっているのは、主に設備投資やシステム開発への積極的な資金投下によるものです。一時的なFCFのマイナスは成長に向けた布石であり、キャッシュポジションには依然として余裕があります。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1大規模災害に関するリスク 当社グループは、BCPを策定し従業員の安全確保、被害の防止・軽減及び早期復旧等危機管理の徹底に取り組んでおります
2システム運用リスクで述べた対策のほか、連絡体制の整備、訓練等社員への教育、事業拠点の見直し等を行っております

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/329.3億円14.9億円51.0%
FY2022/320.6億円7.6億円36.9%
FY2023/338.8億円13.4億円34.5%
FY2024/327.3億円9.4億円34.3%
FY2025/336.1億円11.7億円32.5%

法人税等の支払額は利益水準に連動して推移しており、実効税率は概ね30%台前半で安定しています。FY2021/3には特殊要因により実効税率が50%を超える局面もありましたが、直近では会計上の損益と課税所得の差異が解消され、標準的な水準に収束しています。今後も適正な税務処理を通じて、キャッシュアウトの最適化が図られる見通しです。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
704万円
従業員数
1,247
平均年齢
42.16歳
平均年収従業員数前年比
当期704万円1,247-

平均年収は704万円と、独立系システムインテグレーター(SIer)としては堅実な水準です。自治体向けなどの安定的な公共系案件を主力としており、長期的なキャリア形成が可能な環境が反映されています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主40.5%
浮動株59.5%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関20%
事業法人等20.5%
外国法人等31.8%
個人その他26.4%
証券会社1.3%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は三菱総合研究所・GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券)・アイネスグループ社員持株会。

株式会社三菱総合研究所(4,052,000株)19.48%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(2,487,000株)11.96%
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)(1,096,000株)5.27%
アイネスグループ社員持株会(1,064,000株)5.12%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)(887,000株)4.27%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(823,000株)3.96%
BNP PARIBAS LUXEMBOURG/2S/JASDEC/JANUS HENDERSON HORIZON FUND (常任代理人 香港上海銀行東京支店)(688,000株)3.31%
株式会社三菱UFJ銀行(514,000株)2.47%
DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)(433,000株)2.08%
MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)(380,000株)1.83%

株式会社三菱総合研究所が筆頭株主として19.48%を保有しており、緊密な業務・資本提携を通じて経営の安定性と事業連携を支えています。海外投資家の影響力も一定程度あり、持株会や金融機関が株主として並ぶ堅実な構成です。

会社の公式開示情報

役員報酬

1億2,200万円
取締役6名の合計

地方自治体向けの総合行政情報システムを中核に展開していますが、システム標準化対応の遅れや金融向け開発の減少がリスク要因として顕在化しています。足元では減損損失の計上など、構造的な収益力の見直しを迫られています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 11名)
女性 3名(27.3% 男性 8
27%
73%
監査報酬
4,900万円
連結子会社数
4
設備投資額
12.7億円
平均勤続年数(従業員)
18.03

女性役員比率が27.0%と比較的高い水準にあり、多様性を重視したガバナンス体制を構築しています。監査等委員会設置会社として、独立社外取締役の監督機能を通じて企業規模に見合った透明性の確保に努めています。

会社の計画は順調?

D
総合評価
主力の公共分野での遅延が響き、中計最終年度を待たずして目標達成は絶望的な状況。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

(旧) 中期経営計画
FY2016〜FY2018
ROE: 目標 5%以上 未達 (4.2%)
84%
2026中期経営計画
FY2024〜FY2026
売上高: 目標 500億円 順調 (405.6億円)
81.12%
営業利益率: 目標 10%以上 順調 (8.7%)
87%
ROE: 目標 8%以上 順調 (6.2%)
77.5%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2023430億円424億円-1.4%
FY2024430億円406億円-5.7%
FY2025440億円406億円-7.8%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202333億円38億円+15.2%
FY202440億円29億円-28.1%
FY202540億円35億円-11.6%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

FY2026を最終年度とする中期経営計画は、売上高500億円、営業利益率10%以上を掲げていますが、主力の自治体向けシステム標準化プロジェクトの遅延により、FY2026(2026年3月期)の業績予想は赤字転落へと大幅に下方修正されました。これにより、現中計の目標達成は事実上不可能となっています。過去の業績予想も未達が続いており、計画策定能力と実行力に課題があると言わざるを得ません。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。FY2021からFY2025までの5年間、アイネスのTSRは一貫して市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回っています(アンダーパフォーム)。これは、増配を継続しているものの、それを上回る株価の伸び悩みが主な要因です。特に、主力事業の成長鈍化や業績予想の未達が、市場からの評価を低く抑え、結果としてTOPIXとの差が開く形となっています。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+39.1%
100万円 →139.1万円
39.1万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021101.1万円+1.1万円1.1%
FY2022126.4万円+26.4万円26.4%
FY2023110.6万円+10.6万円10.6%
FY2024128.3万円+28.3万円28.3%
FY2025139.1万円+39.1万円39.1%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残36,300株
売り残69,900株
信用倍率0.52倍
2026年3月20日時点
今後の予定
2026年3月期 第1四半期決算発表2025年7月下旬
2026年3月期 第2四半期決算発表2025年10月下旬
第63期 定時株主総会2026年6月下旬

同社のPER(15.0倍)およびPBR(1.07倍)は、情報・通信業の業界平均(PER 24.9倍, PBR 1.8倍)と比較して割安な水準にあります。これは、直近の業績下方修正や成長の鈍化懸念が株価に織り込まれているためと考えられます。信用倍率は0.52倍と売り残が買い残を上回っており、将来の株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。目先の決算発表で、業績回復への道筋を示せるかが株価浮上の鍵となります。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
42
前月比 +15.4%
メディア数
12
株探, Yahoo!ファイナンス, 日本経済新聞, 日経クロステック, PR TIMES
業界内ランキング
上位 35%
情報・通信業 480社中 168位
報道のトーン
20%
好意的
30%
中立
50%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

業績修正・決算50%
株主動向25%
自治体システム事業15%
その他10%

最近の出来事

2026年3月業績下方修正

公共分野のシステム標準化遅延により通期経常損益を4億円の赤字へ修正。

2026年1月決算発表

第3四半期累計で5.6億円の連結経常赤字を発表。

2025年4月標準化対策

自治体標準準拠システムの稼働時期見直しを公表。

最新ニュース

ポジティブ
アセット・バリュー・インベスターズがアイネス株式の保有割合を6.02%から7.03%に引き上げ
3/25 · 株探
ネガティブ
アイネス、2026年3月期の連結経常損益を4億円の赤字に下方修正、配当も減額
3/23 · 株探ニュース
ネガティブ
アイネス、26年3月期第3四半期累計の連結経常損益は5.6億円の赤字
1/30 · みんかぶ
ネガティブ
アイネス、26年3月期第2四半期累計は8億円の赤字で着地
10/28 · 株探
中立
自治体システム標準化対応の遅れ等による品質対策で稼働時期を見直し
4/30 · 日経クロステック

アイネス まとめ

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 55円
安全性
安定
自己資本比率 69.1%
稼ぐ力
普通
ROE 6.2%
話題性
不評
ポジティブ 20%

「官公庁システムの老舗、DXの波に乗るも『標準化』の壁に直面」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU