ポールトゥウィンホールディングス
Pole To Win Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年3月27日
ゲーム・ネット世界の品質を守る縁の下の力持ち。AI技術で未来へ挑戦する高配当企業
IoT社会において、商品やサービスのライフサイクルで生じる課題を解決する不可欠な存在となり、世界中の人々の創造的な活動に貢献することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが楽しみにしている新作ゲームが、バグだらけでがっかりしないように、発売前に何千時間もプレイして不具合を見つけ出す『品質チェックの専門家』、それがこの会社です。ゲーム以外にも、普段使うWebサイトがきちんと表示されるか、ネット通販での個人情報が漏れないようにセキュリティが確保されているかなど、デジタル世界の裏側で品質と安全を守っています。最近では、企業のシステムをハッカーから守るサイバーセキュリティ事業も強化しており、私たちの見えないところでデジタルライフを支える重要な役割を担っています。
ゲームのデバッグ(不具合検出)を主力とするポールトゥウィンHDは、現在大規模な事業再編の渦中にあります。FY2026(2026年1月期)は、売上高488.4億円に対し、事業撤退に伴う減損損失が響き最終損益は34.79億円の大幅な赤字に転落しました。しかし、FY2027(2027年1月期)はV字回復を目指し、営業利益20.14億円、最終利益7.00億円の黒字転換を計画しています。不採算事業の整理を進め、高付加価値なサイバーセキュリティやAI関連サービスへのシフトが、再成長の鍵を握っています。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 1月
- 本社
- 愛知県名古屋市千種区今池1-5-9 オフィスイリヤビル2F
- 公式
- www.phd.inc
社長プロフィール

私たちは『新しい“当たり前”を創る』という理念のもと、事業を通じて社会課題の解決を目指しています。現在、事業ポートフォリオの最適化や収益性改善に取り組んでおり、全てのステークホルダーの皆様の期待に応えるべく、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
創業者である橘 民義が愛知県でソフトウェアのデバッグ・検証事業を開始。コンシューマゲームの品質向上を支えるビジネスの礎を築いた。
インターネットの普及に伴い、ネット上の投稿監視やカスタマーサポートを行うピットクルーを設立。事業領域を拡大した。
ポールトゥウィンとピットクルーが経営統合し、ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス株式会社(現社名)を設立。シナジー創出を図る。
設立から2年で東証マザーズ(当時)への上場を果たす。これにより、社会的信用を高め、さらなる成長への基盤を固めた。
マザーズ上場からわずか1年で市場第一部(現プライム市場)へ移行。企業の急成長と市場からの高い評価を証明した。
グループ内組織再編でサービス提供体制を強化。また、子会社がAIを活用したサイバーセキュリティサービスを開始し、新たな収益の柱を育てる挑戦を始める。
一時的な業績悪化を受け、大規模な事業ポートフォリオの再編を断行。不採算事業から撤退し、収益基盤を再構築して黒字化を目指す。
事業再編の効果を発揮させ、4期ぶりの最終黒字化を目指す。強みであるデバッグ事業と成長分野のセキュリティ事業を両輪に、企業価値向上に挑む。
注目ポイント
株主還元に積極的で、配当利回りは5%を超える水準で推移しています。安定したインカムゲインを期待する投資家にとって魅力的な選択肢です。
ゲームデバッグで培ったノウハウを活かし、AIを活用したサイバーセキュリティサービスなど、成長市場へ積極的に進出しています。将来の大きな成長が期待されます。
現在、事業ポートフォリオの見直しや組織再編といった改革を進めています。厳しい時期を乗り越え、より筋肉質な収益構造への転換を目指しており、今後のV字回復が注目されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2017/3 | 9.5円 | 30.0% |
| FY2018/3 | 9.5円 | 31.2% |
| FY2019/3 | 11円 | 22.0% |
| FY2020/3 | 12円 | 25.4% |
| FY2021/3 | 13円 | 23.2% |
| FY2022/3 | 14円 | 23.7% |
| FY2023/3 | 15円 | 70.8% |
| FY2024/3 | 16円 | - |
| FY2025/3 | 16円 | - |
| FY2026/3 | 16円 | - |
株主優待制度は実施していません。
配当方針として安定配当を維持する姿勢を示しており、赤字期においても年間16円の配当を継続しています。株主への利益還元を重視する経営姿勢が見て取れますが、配当性向の数値は業績の赤字により一時的に算定不能な状態です。今後は業績の早期黒字化による配当余力の回復が期待されます。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高はFY2022/3の約342億円からFY2025/3には約522億円へと成長しましたが、多額の減損損失や構造改革費用が重なり、FY2024/3以降は最終赤字が続いています。FY2026/3には営業損失を計上するなど厳しい状況が続きましたが、事業再編等の施策によりFY2027/3には最終黒字化を見込んでいます。売上は拡大傾向にあるものの、収益性の立て直しが喫緊の課題となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2017/3 | 12.9% | 9.9% | 12.3% |
| FY2018/3 | 12.1% | 8.9% | 10.1% |
| FY2019/3 | 14.5% | 11.8% | 13.3% |
| FY2020/3 | 12.5% | 10.1% | 13.5% |
| FY2021/3 | 13.5% | 10.4% | 12.0% |
| FY2022/3 | 12.7% | 10.1% | 9.6% |
| FY2023/3 | 4.5% | 2.9% | 6.8% |
| FY2024/3 | -14.6% | -8.0% | 0.9% |
| FY2025/3 | -5.6% | -2.4% | 1.5% |
| FY2026/3 | -41.3% | -15.6% | -0.5% |
収益性はFY2022/3には営業利益率9.6%と高い水準を維持していましたが、以降はコスト増加や減損等の影響で急速に悪化しました。特にFY2026/3には営業利益率がマイナス0.5%まで低下し、ROEもマイナス41.3%と資本効率が著しく低下しました。直近では経営体制の刷新や構造改革を通じ、利益率の改善と安定的な収益基盤の再構築を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
総資産は拡大傾向にありますが、赤字計上に伴い純資産がFY2022/3の約176億円からFY2026/3には約84億円へと減少しました。自己資本比率は79.2%から37.7%へと低下しており、財務の健全性は以前よりも慎重な監視が必要な水準です。なお、有利子負債については開示資料上でゼロを確認しており、実質無借金経営を維持することで、再建に向けた財務的な柔軟性を確保しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2017/3 | 15.2億円 | -5.4億円 | -13.5億円 | 9.8億円 |
| FY2018/3 | 24.3億円 | -7.3億円 | -10.3億円 | 17.0億円 |
| FY2019/3 | 23.5億円 | -2.4億円 | 15.9億円 | 21.1億円 |
| FY2020/3 | 24.0億円 | -8.5億円 | -4.2億円 | 15.5億円 |
| FY2021/3 | 20.4億円 | -9.6億円 | -4.7億円 | 10.8億円 |
| FY2022/3 | 18.4億円 | -26.6億円 | -6.6億円 | -8.2億円 |
| FY2023/3 | 19.2億円 | -25.6億円 | 20.1億円 | -6.4億円 |
| FY2024/3 | 8.4億円 | -29.0億円 | -15.1億円 | -20.6億円 |
| FY2025/3 | 9.2億円 | -31.8億円 | 12.5億円 | -22.6億円 |
| FY2026/3 | 3.9億円 | -2.8億円 | 1,200万円 | 1.0億円 |
営業キャッシュフローは本業の稼ぐ力としてプラスを維持していますが、成長投資のための設備投資やM&A等の投資キャッシュフローが先行し、長らくフリーキャッシュフローはマイナスで推移していました。FY2026/3には投資抑制によりFCFが黒字化しましたが、これは業績悪化に伴う戦略的な支出見直しが背景にあります。今後は安定した営業キャッシュフローの創出と投資のバランスを最適化できるかが鍵となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2017/3 | 23.1億円 | 11.4億円 | 49.5% |
| FY2018/3 | 23.5億円 | 12.5億円 | 53.3% |
| FY2019/3 | 30.8億円 | 12.4億円 | 40.3% |
| FY2020/3 | 34.7億円 | 16.9億円 | 48.5% |
| FY2021/3 | 36.0億円 | 14.8億円 | 41.1% |
| FY2022/3 | 33.8億円 | 11.4億円 | 33.7% |
| FY2023/3 | 26.9億円 | 18.9億円 | 70.4% |
| FY2024/3 | 5.1億円 | 24.8億円 | 486.4% |
| FY2025/3 | 7.6億円 | 14.5億円 | 191.5% |
| FY2026/3 | -5.1億円 | 0円 | - |
税引前利益が大きく変動する一方で、法人税負担が過大になる期が見られます。これは、業績悪化に伴う繰延税金資産の取り崩しや、構造改革費用に関連する税務上の調整が発生したことが主な要因です。赤字の期は納税負担がありませんが、黒字化を目指す今期は、特例的な税金コストが平準化されるか注目されます。
会社の公式開示情報
主力事業である「サービス・ライフサイクルソリューション」におけるゲーム関連デバッグからITインフラ・DX支援への事業領域の拡大が報告されています。一方で、連結子会社の減損損失や構造改革費用が直近の決算に影響を与えており、今後の収益回復の実現可能性が重要な投資判断基準となります。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 22億円 | — | -2億円 | -110.8%(大幅未達) |
| FY2025 | 22億円 | 12億円 | 8億円 | -64.5% |
| FY2024 | 32億円 | — | 4億円 | -87.3%(大幅未達) |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 520億円 | — | 488億円 | -6.1% |
| FY2025 | 520億円 | — | 522億円 | +0.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は現在、明確な中期経営計画を公表しておらず、単年度の業績予想を開示しています。しかし、FY2024からFY2026にかけて営業利益予想を大幅に下回る状況が続いており、計画達成能力には疑問符がつきます。FY2026は最終的に営業赤字に転落しており、先行きの不透明感は否めません。FY2027のV字回復計画も、現時点では信頼性が高いとは言えず、投資家は慎重な判断が求められます。
株の売買状況と今後の予定
同社のPER(15.1倍)とPBR(1.26倍)は、情報・通信業の平均(PER 24.9倍、PBR 3.5倍)と比較して割安な水準にあります。これは、近年の業績不振と将来性への懸念が株価に反映されているためと考えられます。一方で、配当利回りは5.33%と業界平均を大幅に上回っており、株主還元姿勢を評価する見方もできます。信用買い残が売り残を大きく上回る10.70倍となっており、将来の株価上昇を期待した買いが多いものの、需給面での重石となる可能性も指摘されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
上場維持基準への適合計画を策定し、改善期間入りを公表。
2027年1月期において、純利益3.10億円を見込み黒字化を計画。
サービス提供体制強化のため、グループ内組織再編を実施。
最新ニュース
ポールトゥウィンホールディングス まとめ
ひとめ診断
「ゲームの『門番』が事業再編の激痛を経て、サイバーセキュリティとAIの新たな戦場へ向かう過渡期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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