東北電力9506
Tohoku Electric Power Company,Incorporated
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが東北や新潟で家の明かりをつけたり、スマートフォンを充電したりするとき、その電気の多くは東北電力から届けられています。毎日の暮らしに欠かせない電気を、雨の日も風の日も安定して送り届けるのがこの会社の使命です。最近では、環境にやさしい太陽光や風力発電の電気をセブン-イレブンの店舗に供給したり、企業向けに電気自動車(EV)の導入をサポートするサービス「Harmmo(ハーモ)」を展開したりと、未来のエネルギー社会に向けた新しい挑戦も始めています。普段何気なく使っている電気の裏側で、私たちの生活と社会を支え続けている会社なのです。
東北6県と新潟県を地盤とする電力大手。燃料価格高騰の影響で2023期には1,800億円超の営業赤字に陥ったものの、料金改定や燃料価格の安定化を背景に2025期は営業利益2,803億円と劇的なV字回復を達成しました。しかし、2026期の会社計画では営業利益2,200億円と減益を見込んでおり、持続的な収益力確保が課題です。今後の焦点は、収益改善の鍵を握る女川原子力発電所2号機の再稼働と、EVソリューションやAIデータセンター基盤などの新規事業の収益化です。
会社概要
- 業種
- 電気・ガス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 宮城県仙台市青葉区本町一丁目7番1号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3.3% | 0.7% | - |
| 2022/03期 | ▲12.9% | ▲2.4% | - |
| 2023/03期 | ▲18.1% | ▲2.6% | - |
| 2024/03期 | 29.3% | 4.3% | 11.4% |
| 2025/03期 | 19.0% | 3.4% | 10.6% |
| 3Q 2026/03期 | 10.3%(累計) | 2.1%(累計) | 10.6% |
2023/03期までは燃料費高騰が直撃し、営業利益率がマイナス6.0%となるなど深刻な状況でしたが、2024/03期には営業利益率が11.4%まで急速に改善し、高い収益性を確保しました。ROEも24.8%まで上昇し、資本効率が大きく向上しています。今後は、女川原子力発電所の再稼働による発電コスト低減が収益性の持続的な向上に寄与する見通しです。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.3兆円 | — | 294億円 | 58.8円 | — |
| 2022/03期 | 2.1兆円 | — | ▲1,084億円 | -216.8円 | -8.0% |
| 2023/03期 | 3.0兆円 | — | ▲1,276億円 | -255.1円 | +42.9% |
| 2024/03期 | 2.8兆円 | 3,223億円 | 2,261億円 | 452.1円 | -6.3% |
| 2025/03期 | 2.6兆円 | 2,803億円 | 1,828億円 | 365.5円 | -6.1% |
東北電力は、燃料価格高騰の影響で2022/03期から2023/03期にかけて巨額の赤字を計上しましたが、火力発電の燃料調達最適化や効率的な運用により、2024/03期には約2,261億円の黒字へV字回復を果たしました。2025/03期以降も安定した収益を維持していますが、今後はエネルギー市況の変動や販売電力量の動向により、利益水準は緩やかに調整局面を迎えると予想されています。引き続き、電源構成の最適化と効率的な電力供給体制が収益安定化の鍵となります。 【3Q 2026/03期実績】売上1.7兆円(通期予想比70%)、営業利益1832億円(同83%)、純利益1157億円(同86%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気・ガス業の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
電力の安定供給に加え、再生可能エネルギー開発やEV化支援などの新規事業への投資を積極的に進めています。原子力発電所の再稼働による業績改善リスクや、市況変動の影響を受けやすい収益構造が主要な経営リスクとして認識されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026期 | 2,200億円 | — | — | 進行中 |
| 2025期 | 2,200億円 | — | 2,803億円 | +27.4% |
| 2024期 | 2,200億円 | — | 3,222億円 | +46.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026期 | 2兆4,500億円 | — | — | 進行中 |
| 2025期 | 2兆8,300億円 | — | 2兆6,449億円 | -6.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は現在、具体的な複数年度にわたる中期経営計画の数値目標を開示しておらず、「東北電力グループ中長期ビジョン」として定性的な方針を示すに留まっています。そのため、ここでは単年度の会社業績予想を計画として評価します。2024期、2025期は期初予想を大幅に上回る利益を達成しましたが、これは主に外部環境である燃料価格の変動によるものであり、計画達成能力というよりは市況への感応度が高いことを示唆しています。投資家にとっては、複数年度にわたる具体的な数値目標が待たれるところです。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
Eライフ・パートナーズと東北電力ソーラーeチャージの合併契約を締結。
東急パワーサプライとの取次委託契約を拡大し、新プランの提供を開始。
新たな経営計画「よりそうnext+PLUS」に基づき、成長投資を強化する方針を公表。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
赤字期には純資産が大きく毀損し、自己資本比率も10.5%まで低下しましたが、2024/03期以降の利益蓄積により純資産が厚みを増し、自己資本比率は18.3%まで回復しました。一方で、有利子負債は約6兆1,158億円と依然として高水準であり、巨大なインフラ維持に必要な巨額の負債を抱えています。今後は財務健全性の向上に向け、負債圧縮と安定的なキャッシュフロー創出による自己資本の積み上げが不可欠です。 【3Q 2026/03期】総資産5.5兆円、純資産1.1兆円、自己資本比率20.3%、有利子負債3.0兆円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2,176億円 | ▲2,550億円 | ▲57.7億円 | ▲373億円 |
| 2022/03期 | 972億円 | ▲3,222億円 | 2,932億円 | ▲2,250億円 |
| 2023/03期 | ▲938億円 | ▲2,758億円 | 5,985億円 | ▲3,696億円 |
| 2024/03期 | 4,502億円 | ▲3,336億円 | ▲961億円 | 1,166億円 |
| 2025/03期 | 4,103億円 | ▲4,226億円 | 341億円 | ▲123億円 |
営業キャッシュフローは、燃料価格の沈静化と電力料金の見直しにより、2024/03期に約4,502億円まで大きく改善し、強固な稼ぐ力を取り戻しました。しかし、電力安定供給のための設備投資や原子力関連の安全対策投資は年間4,000億円超と極めて大きく、投資キャッシュフローは常にマイナスとなっています。直近では営業CFと投資CFが均衡しており、今後は成長投資と負債返済のバランスをどう図るかが財務戦略上の重要課題です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は23.0%と、上場企業の中でも比較的高い水準で女性登用を推進しています。監査報酬として2億6,400万円を計上しており、41社の連結子会社を抱える巨大インフラ企業として、強固な監査体制の構築に注力しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 833万円 | 18,378人 | - |
従業員平均年収は833万円と、地域経済において高い水準を維持しています。エネルギー業界という特性上、インフラの安定供給を支える高い専門性と責任が求められるため、長期勤続を前提とした手厚い報酬体系が確立されていることが背景にあります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2024期を除きTOPIXを一貫して下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、東日本大震災以降の原子力発電所の長期停止や、近年の燃料価格高騰による大幅な赤字計上と無配転落が株価の低迷を招いたことが主な要因です。2024期は業績のV字回復期待から株価が大きく上昇し一時的にTOPIXを上回りましたが、株主への安定的・継続的な利益還元を実現し、持続的にTOPIXを上回るTSRを達成できるかが今後の課題となります。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 25円 | 12.8% |
| 2017/03期 | 35円 | 25.0% |
| 2018/03期 | 40円 | 42.3% |
| 2019/03期 | 40円 | 43.0% |
| 2020/03期 | 40円 | 31.7% |
| 2021/03期 | 40円 | 68.0% |
| 2022/03期 | 35円 | - |
| 2023/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 15円 | 3.3% |
| 2025/03期 | 35円 | 9.6% |
現在、株主優待制度は実施されていません。
東北電力の配当方針は、業績の推移に応じた安定的な利益還元を基本としています。過去には赤字による無配期間もありましたが、収益の正常化に伴い配当を復元させており、株主還元への姿勢を再構築しています。今後は財務基盤の強化とバランスを取りながら、持続的な配当実施を目指す方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 104.2万円 | 4.2万円 | 4.2% |
| 2022期 | 75.6万円 | ▲24.4万円 | -24.4% |
| 2023期 | 70.5万円 | ▲29.5万円 | -29.5% |
| 2024期 | 123.6万円 | 23.6万円 | 23.6% |
| 2025期 | 111.1万円 | 11.1万円 | 11.1% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER4.5倍、PBR0.62倍と、電気・ガス業の業界平均と比較して著しく割安な水準にあります。これは過去の赤字計上や財務状況、原子力発電に関するリスクなどが株価の重しとなっているためと考えられます。一方、信用買残が売残を大幅に上回る信用倍率17.27倍となっており、将来の株価上昇を期待した個人投資家の買いが多い状況です。短期的な需給面では、これらの買いポジションの整理が上値を重くする可能性もあります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 675億円 | 381億円 | 56.5% |
| 2022/03期 | -492億円 | 0円 | - |
| 2023/03期 | -1,993億円 | 0円 | - |
| 2024/03期 | 2,919億円 | 658億円 | 22.6% |
| 2025/03期 | 2,567億円 | 739億円 | 28.8% |
2022/03期から2023/03期にかけては、業績悪化による税引前損失のため法人税等は発生していません。その後、2024/03期からは業績回復に伴い納税が再開されており、安定的な利益計上により実効税率も標準的な水準に回帰しつつあります。今後も収益環境に応じて、法定税率に基づいた適正な納税が行われる見込みです。
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「燃料費高騰の荒波を越え、原発再稼働と新規事業でV字回復を狙う東北のインフラ大動脈」
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