中国電力
The Chugoku Electric Power Company,Incorporated
最終更新日: 2026年3月29日
地域を照らし未来を拓く、安定と挑戦の総合エネルギー企業
エネルギー事業を核としながら、多彩なサービスを組み合わせることで、カーボンニュートラルと地域の持続的な発展に貢献する「総合エネルギーサービス企業」を目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段、家で照明をつけたり、スマートフォンを充電したり、エアコンを使ったりする時、その電気を安全に届けているのが中国電力かもしれません。特に広島、岡山、山口、鳥取、島根の中国地方にお住まいの方にとっては、生活に欠かせないインフラを支えている会社です。私たちが毎日使う電気は、火力発電や水力発電、そして原子力発電といった様々な方法で作られており、その安定供給の裏側で中国電力が重要な役割を担っています。最近では、環境にやさしい再生可能エネルギーの開発にも力を入れています。
中国電力は、燃料価格高騰の影響でFY2023に1,553億円の最終赤字を計上するも、翌FY2024には燃料価格の安定と料金改定により1,335億円の最終黒字へ劇的なV字回復を遂げました。FY2025も売上高1兆5,292億円、営業利益1,291億円と黒字を維持しています。今後の成長の鍵は、収益安定化に不可欠な島根原子力発電所3号機の再稼働と、脱炭素社会に向けた再生可能エネルギー事業への戦略的投資の進捗です。財務基盤の回復を優先しつつ、株主還元の再開も市場から注目されています。
会社概要
- 業種
- 電気・ガス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 広島県広島市中区小町4-33
- 公式
- www.energia.co.jp
社長プロフィール

激動の経営環境をグループ変革と成長の好機と捉え、新たに「経営ビジョン2040」を策定しました。経済価値と社会価値の両面から持続的な成長を実現し、お客さまや地域社会の発展に貢献してまいります。
この会社のストーリー
戦後の電力事業再編により、中国地方の電気事業を担う企業として設立。地域の復興と経済発展を電力供給の面から支える使命を担い、歩みを始める。
高度経済成長期の旺盛な電力需要に応えるため、エネルギー源の多様化を推進。島根県に初の原子力発電所を建設し、運転を開始した。
電力の小売が全面自由化され、異業種からの参入が相次ぐ。厳しい競争環境の中、新たな料金プランやサービスの開発で顧客獲得に乗り出す。
電力システム改革の一環として、送配電部門を法的に分離。発電・小売事業との兼営から、より中立性の高い送配電事業体制へと移行した。
燃料価格の高騰などの影響を受け、2023年3月期決算で連結純損益が1,553億円の赤字に。経営の立て直しが急務となる大きな試練に直面した。
経営効率化の徹底や料金見直し、燃料価格の安定化などが奏功し、2024年3月期決算では一転して1,220億円の最終黒字を達成。見事なV字回復を果たす。
2040年度を見据えた長期ビジョンを発表。脱炭素化への挑戦と新たな収益源の創出を両輪に、持続的な成長を目指す新たなステージへと踏み出した。
注目ポイント
2023年3月期に過去最大の赤字を計上するも、翌期には1,200億円を超える最終黒字へ転換。厳しい環境下でも立て直す強固な経営基盤と実行力が魅力です。
次世代太陽電池「ペロブスカイト」開発企業への出資や、AIを活用した石炭火力発電所の燃料運用最適化など、未来のエネルギー社会を見据えた先進的な取り組みを加速しています。
電力事業で培った基盤を活かし、IoTサービスやオンライン駐車場契約など新領域へ進出。スタートアップ企業とも積極的に提携し、新たな価値創造に挑戦しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 123.7% |
| FY2022/3 | 40円 | 0.1% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 35円 | 9.4% |
| FY2025/3 | 27円 | 9.9% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針については、財務基盤回復の途上にあることから、配当性向12%を目安とした配当実施を基本方針としています。赤字期には無配となった時期もありましたが、直近は業績回復に伴い復配を実現しています。なお、2027年3月期からは配当方針の見直しが予定されており、より株主還元の予見性を高める戦略へと移行します。
同業比較(収益性)
電気・ガス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
過去数年間の業績は、燃料価格高騰などの影響によりFY2022/3から2期連続で大幅な赤字を計上する厳しい状況が続きました。しかし、FY2024/3には燃料価格の沈静化や料金改定の効果が寄与し、当期純利益で約1,335億円の黒字へV字回復を達成しました。直近のFY2025/3も引き続き堅調な利益水準を確保していますが、今後の市場環境の変化を見据え、収益基盤の安定化が求められています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.2% | 0.4% | 2.6% |
| FY2022/3 | -6.5% | -1.1% | -5.3% |
| FY2023/3 | -34.1% | -3.8% | -4.1% |
| FY2024/3 | 21.8% | 3.2% | 12.7% |
| FY2025/3 | 14.0% | 2.3% | 8.4% |
収益性については、コスト増が直撃したFY2023/3には営業利益率がマイナス4.1%、ROEがマイナス34.1%まで悪化しました。一方で、FY2024/3には営業利益率が12.7%、ROEも21.8%へと劇的に改善しており、収益構造が正常化に向かっています。今後はエネルギー価格の変動リスクを管理しつつ、高水準の利益率をいかに維持できるかが鍵となります。
財務は安全?
財務健全性については、度重なる赤字計上により自己資本比率がFY2023/3には11.1%まで低下しました。その後、FY2024/3以降の黒字転換と利益蓄積により、自己資本比率は16.2%まで回復傾向にあります。今後も強固な財務基盤の構築に向けて、有利子負債の適正なコントロールと資産効率の向上が重要となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,102億円 | -1,728億円 | 752億円 | -625億円 |
| FY2022/3 | 3.1億円 | -2,064億円 | 2,126億円 | -2,061億円 |
| FY2023/3 | -627億円 | -2,250億円 | 4,650億円 | -2,877億円 |
| FY2024/3 | 2,714億円 | -2,020億円 | -171億円 | 694億円 |
| FY2025/3 | 1,860億円 | -3,588億円 | 1,612億円 | -1,728億円 |
営業キャッシュフローは、燃料価格高騰時には一時的に大きく落ち込みましたが、FY2024/3には約2,714億円と大幅なプラスへと転換しました。投資キャッシュフローは原子力発電所の建設や維持更新などの設備投資により、一貫して大規模な支出が続いています。今後は、持続的な成長投資を継続しつつ、フリーキャッシュフローの安定的な創出を目指す経営が求められます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 301億円 | 155億円 | 51.6% |
| FY2022/3 | -619億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | -1,068億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 1,941億円 | 606億円 | 31.2% |
| FY2025/3 | 1,285億円 | 301億円 | 23.4% |
FY2022/3からFY2023/3にかけての赤字期には、法人税等の支払いは発生していません。FY2024/3に黒字転換したことで法人税等の負担が再開しており、約606億円の納税を行いました。足元では実効税率が標準的な水準に落ち着いており、業績に応じた適切な納税がなされています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 843万円 | 12,526人 | - |
従業員の平均年収は843万円と、インフラ業界として安定した水準を維持しています。電力需要の変動や燃料価格の影響を受けやすい業種ですが、経営効率化と収益基盤の回復が進む中で、賃上げを含む待遇改善が継続的に議論される傾向にあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。
株主構成は機関投資家が中心であり、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めています。また、山口県や広島銀行など地域に根差した企業や自治体も主要株主として名を連ねており、地域インフラ企業としての公共性と安定した株主基盤が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業構造は総合エネルギー事業、送配電事業、情報通信事業の3本柱で構成され、連結子会社20社を通じて地域密着型のサービスを提供しています。リスク要因として燃料価格の変動や電力需要の増減が挙げられており、島根原子力発電所の稼働状況や脱炭素への移行プロセスが業績を左右する重要な開示項目となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は23.1%と、多様な視点を取り入れるガバナンス体制の強化が進んでいます。連結子会社20社を擁する巨大な組織体制において、監査報酬1億2,800万円を投じて適正な監視・監査機能を維持しており、持続可能な経営を目指す姿勢が明確です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 950億円 | — | 1,291億円 | +35.9% |
| FY2022 | 180億円 | — | -607億円 | 大幅未達 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1兆4,000億円 | — | 1兆5,292億円 | +9.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1,090億円 | 1,220億円 | 1,335億円 | +22.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2040年を見据えた長期経営ビジョンを掲げ、ROE7%以上、自己資本比率30%程度を目標としています。直近のFY2025では前期のV字回復の勢いを維持し黒字を確保しましたが、売上・利益ともにFY2024からは減少しました。FY2022には燃料費高騰で業績予想を大幅に下回るなど外部環境への脆弱性も見られますが、足元の業績予想は保守的で上振れ傾向にあります。財務基盤の回復と島根原発の再稼働が計画達成の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年で市場平均であるTOPIXを大きく下回る「アンダーパフォーム」となっています。特にFY2022からFY2023にかけては、燃料費高騰による大幅な赤字計上とそれに伴う無配転落が株価を押し下げ、TSRを悪化させる主要因となりました。FY2024には業績がV字回復し株価も持ち直しましたが、依然としてTOPIXの上昇率には及んでおらず、安定した収益基盤の構築と継続的な株主還元が市場の信頼を取り戻すための課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 93.4万円 | -6.6万円 | -6.6% |
| FY2022 | 62.1万円 | -37.9万円 | -37.9% |
| FY2023 | 50.6万円 | -49.4万円 | -49.4% |
| FY2024 | 85.2万円 | -14.8万円 | -14.8% |
| FY2025 | 67.1万円 | -32.9万円 | -32.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER5.6倍、PBR0.52倍は、電気・ガス業の業界平均(PER7.0倍、PBR0.7倍)と比較して割安な水準にあります。これは、財務リスクや原子力発電所に関する不透明感が株価の重しとなっている可能性を示唆します。一方で、信用倍率は19.77倍と高く、個⼈投資家の買い意欲が強いことを示していますが、将来の売り圧力になる可能性もあり注意が必要です。次回の通期決算発表は4月下旬に予定されています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
英国オクトパスと合弁会社を設立し、再エネ取引事業を本格化。
2026年3月期の業績および配当予想を上方修正し、投資家評価が向上。
2040年を見据えた「中国電力グループ経営ビジョン2040」を策定し、成長戦略を提示。
最新ニュース
中国電力 まとめ
ひとめ診断
「燃料価格の荒波を乗り越えV字回復、島根原発再稼働に社運を賭ける中国地方の電力インフラの巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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