ゼンリン
ZENRIN CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
足で築いた地図データで、自動運転から空の道まで切り拓く情報インフラ企業
私たちは、”知”を革新し、新たな価値を創造することで、より良い社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが車でカーナビを使うとき、その画面に表示される詳細な地図は、実はゼンリンが作っているかもしれません。フードデリバリーの配達員さんが迷わず料理を届けてくれたり、不動産屋さんが物件を正確に案内できたりするのも、ゼンリンの詳細な住宅地図のおかげです。普段何気なく目にしている地図アプリやゲームのマップの裏側でも、同社のデータが活躍しており、私たちの便利で安全な生活を支えています。
地図情報の最大手ゼンリンは、FY2025(2025年3月期)に売上高643.6億円、営業利益39.23億円(前期比98.0%増)と大幅な増益を達成しました。主力のカーナビ向けは堅調ながら、法人向けの高付加価値な地図データ提供やAPIサービスなどのストック型ビジネスが成長を牽引しています。自動運転やドローン向け3次元地図データといった次世代のインフラ構築にも注力しており、FY2026は売上高655.0億円、営業利益43.0億円と連続増収増益を計画しています。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 福岡県北九州市戸畑区中原新町3番1号
- 公式
- www.zenrin.co.jp
社長プロフィール

当社は、長年培ってきた高精度な地図データを基盤に、ビジネスモデルの転換を加速させています。GISやAPIなどのストックサービスを拡大し、自動運転やドローンといった未来の社会インフラを支えることで、持続的な成長と社会課題の解決を目指します。
この会社のストーリー
大分県別府市で観光文化宣伝社として創業。観光客向けに別府温泉の小冊子「年刊別府」を発行したことが、のちの住宅地図事業の原点となる。
事業拡大に伴い、株式会社善隣を設立。住宅地図の本格的な制作・販売を開始し、全国展開への礎を築く。
社名を現在の「株式会社ゼンリン」に変更。地図情報のデジタル化に着手し、新たな成長ステージへと歩みを進める。
福岡証券取引所に上場。社会的な信用を高め、事業拡大のための資金調達基盤を確立する。
自動運転社会の実現に向け、高精度な3次元地図データの開発が本格化。同社の地図データが市場から大きな注目を集める。
ドローンの安全な航行を支援するため、世界初となる「空の3次元地図」の開発に着手。地図事業を地上から空へと広げる。
データ販売型からサービス提供型へのビジネスモデル転換を加速。ストック収益の拡大を目指し、持続的な成長に向けた構造改革を推進する。
注目ポイント
自動車の自動運転やドローンの安全航行に不可欠な高精度3次元地図データを提供。次世代の社会インフラを支えるキープレイヤーとして成長が期待されます。
従来の地図販売に加え、API提供などの月額課金(サブスクリプション)モデルを強化。安定した収益基盤の構築を進めており、2025年3月期は過去最高の売上高を見込んでいます。
全国約1000人の調査スタッフが徒歩で情報を収集・更新する独自の調査網が強み。その圧倒的な情報の網羅性と正確性は、他社の追随を許さない競争力の源泉です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 25円 | 110.9% |
| FY2022/3 | 26円 | 38.8% |
| FY2023/3 | 27円 | 52.5% |
| FY2024/3 | 28.5円 | 73.2% |
| FY2025/3 | 35円 | 71.7% |
株主優待制度は2025年3月31日を基準日として廃止されました。
配当方針として、業績連動を意識しつつも安定的な配当を重視する姿勢を維持しており、近年の増益に合わせて配当額を順次引き上げています。今後も中長期経営計画における利益成長に基づき、安定的かつ継続的な還元を目指す方針を掲げています。なお、長年実施されていた株主優待制度は廃止となりましたが、その分を配当金へ振り向けることで実質的な還元強化を図っています。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ゼンリンの業績は、地図データベースの需要が底堅い中で堅調に推移しており、2026年3月期には売上高655億円、営業利益43億円を見込む過去最高水準の成長が期待されています。前期は主力の住宅地図に加え、自動車関連のデータライセンス収入が増加したことで、営業利益が前年比約98%増の39億円と大幅に改善しました。今後は高付加価値なストック型ビジネスへの転換を加速させ、持続的な収益基盤の構築を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.8% | 1.7% | 2.5% |
| FY2022/3 | 7.5% | 4.6% | 4.5% |
| FY2023/3 | 6.0% | 3.9% | 3.1% |
| FY2024/3 | 4.2% | 2.8% | 3.2% |
| FY2025/3 | 5.2% | 3.5% | 6.1% |
収益性は、構造改革による採算の低い案件の見直しが進んだことで、営業利益率が直近で3.2%から6.1%へと大幅に改善しました。資産効率を示すROE(自己資本利益率)は5.2%まで回復傾向にありますが、依然として事業投資に伴う一時的なコストも発生しています。今後は地図情報の多用途展開による高限界利益率ビジネスの拡大を通じて、さらなる利益率の向上を図る方針です。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は67.4%と強固な水準を維持しており、無借金に近い状態から必要な成長投資を行うためのキャッシュ・ポジションを確保しています。有利子負債は直近で約41億円まで一時的に増加しましたが、総資産740億円に対して純資産は約500億円を維持しており、盤石な財務基盤です。潤沢な自己資本を背景に、研究開発や次世代技術への投資を継続的に行える環境が整っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 63.5億円 | -50.4億円 | -800万円 | 13.1億円 |
| FY2022/3 | 82.0億円 | -37.8億円 | -46.3億円 | 44.2億円 |
| FY2023/3 | 65.4億円 | -24.5億円 | -67.4億円 | 40.9億円 |
| FY2024/3 | 63.2億円 | -41.5億円 | -31.1億円 | 21.6億円 |
| FY2025/3 | 96.4億円 | -51.6億円 | -38.4億円 | 44.8億円 |
営業キャッシュフローは安定して60億円から96億円規模を創出しており、主力事業である地図データベース販売が強力なキャッシュ源として機能しています。投資キャッシュフローは、将来の成長に向けた技術開発や地図データ収集への投資が中心であり、常に一定の支出を伴う先行投資型です。潤沢なフリー・キャッシュ・フローを活用し、株主還元への強化や将来の成長エンジン構築に向けた投資をバランス良く進めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 16.8億円 | 4.3億円 | 25.8% |
| FY2022/3 | 30.4億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 21.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 20.6億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 39.4億円 | 13.3億円 | 33.8% |
法人税等の支払いは、連結納税制度や税務上の繰越欠損金の活用により、中間期は実効税率が0%となる年度が続いていました。しかし、業績の回復に伴い、2025年3月期からは通常の税負担が発生する構造に戻っています。今後は経常利益の成長に伴い、適正な水準での法人税負担が継続する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 559万円 | 3,574人 | - |
従業員平均年収は559万円で、情報・通信業界の平均と比較しても安定した水準を維持しています。近年は地図データのDX化やサブスクリプション型サービスへの移行といった構造改革を進めており、高付加価値な収益構造への転換が今後の賃金上昇の鍵となります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はトヨタ自動車・日本電信電話・ゼンリン従業員持株会。
大株主にはトヨタ自動車や日本電信電話(NTT)といった国内大手企業が名を連ね、安定株主としての強固な基盤を持っています。また、創業家である大迫氏関連の持ち分も一定数維持されており、中長期的な視点での経営安定性が重視される構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
ゼンリンは住宅地図の全国展開という独自の地位を確立しており、公共・モビリティ・マップコンテンツを中核としています。特に地図データ利用料というストックビジネスが収益の柱ですが、自動運転技術の進化や新領域への投資といった事業リスクと成長機会が併存する事業構造です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は23.0%と一定の多様性が確保されています。連結子会社18社を抱えるグループ経営において、透明性を高めるための監査体制や、株主利益を重視した中長期経営計画の策定を推進し、ガバナンスの強化を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 643億円 | — | 644億円 | +0.1% |
| FY2024 | 620億円 | — | 613億円 | -1.1% |
| FY2023 | 605億円 | — | 589億円 | -2.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 36億円 | — | 39億円 | +9.0% |
| FY2024 | 25億円 | — | 20億円 | -20.8% |
| FY2023 | 30億円 | — | 18億円 | -40.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ゼンリンは新中長期経営計画「ZGP2030」を策定し、FY2026の目標として売上高655億円、営業利益43億円を掲げています。過去数年は期初予想を下回る傾向がありましたが、FY2025は営業利益予想を9.0%上回る39.23億円で着地し、収益改善が進んでいることを示しました。今後の焦点は、法人向けの高付加価値サービスや、自動運転などの新規事業で安定的に計画を達成できるかという点になります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価変動を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。ゼンリンのTSRは、FY2021からFY2025までの5年間、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、同期間において増配傾向であったものの、株価が長期的に低迷していることが主な要因です。企業価値向上に向けた今後の成長戦略が、株主還元の改善に繋がるか注視が必要です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 127.7万円 | +27.7万円 | 27.7% |
| FY2022 | 99.1万円 | -0.9万円 | -0.9% |
| FY2023 | 86.3万円 | -13.7万円 | -13.7% |
| FY2024 | 90.4万円 | -9.6万円 | -9.6% |
| FY2025 | 113.8万円 | +13.8万円 | 13.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
ゼンリンのPER(18.0倍)およびPBR(1.08倍)は、情報・通信業の平均(PER 24.9倍、PBR 2.8倍)と比較して割安な水準にあります。一方で、配当利回りは3.47%と業界平均を上回っており、株主還元への意識が見られます。信用倍率は17.9倍と高めで、将来の株価上昇を期待した買いが多いものの、需給面では上値が重くなる可能性も示唆しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
アーバンエックステクノロジーズと提携しAIを活用した道路点検事業を推進。
マップフォーとの資本業務提携により地図データ整備の効率化を強化。
第3四半期決算にて経常利益が99%増益を達成。
最新ニュース
ゼンリン まとめ
ひとめ診断
「アナログな『足』で集めた超詳細地図データを武器に、自動運転やドローン時代のデジタルインフラを構築する巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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