KADOKAWA
KADOKAWA CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
IPを軸に世界へ展開する、日本発の総合エンターテインメント企業
テクノロジーの活用でIPを創出し、世界中のファンに届ける「Global Media Mix with Technology」を推進する。
この会社ってなに?
あなたが普段楽しんでいるエンタメの多くに、KADOKAWAが関わっているかもしれません。例えば、大人気アニメの『【推しの子】』や『Re:ゼロから始める異世界生活』は同社の作品です。また、世界的大ヒットを記録したゲーム『ELDEN RING』の開発も手がけています。あなたが書店で手にするライトノベルや雑誌、ニコニコ動画などのWebサービス、さらにはN高等学校・S高等学校といった通信制高校まで、実はあなたの生活の様々なシーンを彩るコンテンツや学びの機会を提供している会社なのです。
KADOKAWAは、出版を祖業としながらIP(知的財産)を軸にアニメ、ゲーム、教育へと事業を多角化する総合エンターテインメント企業です。2025年3月期は売上高2,779億円、営業利益166.5億円と増収減益で着地しましたが、これは大規模サイバー攻撃による一時的な影響が主因です。ソニーグループとの資本業務提携を強化し、世界的なIP創出と展開を加速させており、アクティビスト(物言う株主)の保有比率上昇も市場の注目を集めています。今後はIPの海外展開とデジタル化、教育事業の成長が株価の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区富士見2丁目13-3
- 公式
- group.kadokawa.co.jp
社長プロフィール

私たちは世界中のクリエイターが生み出す多様なIP(知的財産)を、テクノロジーの力で育成・増幅させ、世界中のファンに届けることを目指しています。出版という創業事業を核としながら、アニメ、ゲーム、教育へと事業を拡大し、日本のポップカルチャーを世界に向けて発信し続けます。
この会社のストーリー
国文学者の角川源義によって角川書店が設立。日本の出版文化の発展に貢献する志から歴史が始まる。
映画製作に参入し、「犬神家の一族」などの大ヒット作を連発。書籍と映画を連動させる「メディアミックス」戦略の先駆けとなる。
ネットとリアルの融合を目指し、動画サービス「ニコニコ動画」を運営するドワンゴと経営統合。KADOKAWA・DWANGOとして新体制がスタート。
ポップカルチャーの発信拠点として、複合施設「ところざわサクラタウン」をオープン。リアルな体験価値の提供を強化する。
アニメ・ゲーム分野でのグローバル展開を加速するため、ソニーグループ、サイバーエージェントと資本業務提携を締結。
クリエイターエコノミーの進展を受け、メディアプラットフォーム「note」と提携。次世代IPの創出とクリエイター支援を強化する。
グループ全体で大規模なサイバー攻撃を受け、多くのサービスが停止。事業への影響と同時に、セキュリティ体制の再構築という課題に直面する。
海外事業の拡大、DXの推進、M&A戦略を継続し、創出したIPの価値を最大化することで、世界有数のコンテンツ企業を目指す。
注目ポイント
ライトノベルやコミックを原作に、アニメ、映画、ゲームへと展開するメディアミックスが得意。強力なIPを次々と創出し、多角的に収益化しています。
ソニーグループとの資本提携を強化し、アニメやゲームの海外展開を加速中。海外売上高比率の向上を目指し、世界市場での成長が期待されます。
自社グループの書籍、DVD、グッズなどと交換できる「株主優待ポイント」が人気。保有株式数と継続保有期間に応じてポイントが増え、ファンには嬉しい制度です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 32.3% |
| FY2022/3 | 30円 | 28.3% |
| FY2023/3 | 30円 | 33.0% |
| FY2024/3 | 30円 | 36.0% |
| FY2025/3 | 30円 | 55.7% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当は安定配当を維持する方針であり、株主還元を重視する姿勢を示しています。業績変動にかかわらず一定の配当額を継続している点は株主に安心感を与えますが、配当性向は上昇傾向にあるため、今後の収益成長による還元余力の拡大が期待されます。成長投資とバランスを取りながら、安定的かつ持続的な還元を目指す方針です。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
KADOKAWAの業績は、出版・アニメ・ゲーム事業のグローバル展開により、2023年3月期まで売上高が着実に拡大しました。しかし、2024年3月期以降はサイバー攻撃の影響や、事業ポートフォリオ最適化に伴う一部事業売却の影響を受け、利益面で停滞が見られます。2026年3月期は、ソニーグループとの資本業務提携を通じたIP戦略の強化により、収益回復と再成長を目指す見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.4% | 3.6% | 6.5% |
| FY2022/3 | 8.0% | 4.3% | 8.4% |
| FY2023/3 | 5.7% | 3.3% | 10.2% |
| FY2024/3 | 5.4% | 3.3% | 7.1% |
| FY2025/3 | 2.7% | 1.8% | 6.0% |
収益性については、2023年3月期まで営業利益率が10.2%まで向上しましたが、直近の2025年3月期には6.0%まで低下しました。これは、構造改革に伴う一時的なコスト負担や事業売却による一時的な収益減が要因です。ROEも2.7%まで低下しており、資本効率の改善が今後の経営における重要な課題となっています。
財務は安全?
財務健全性は極めて強固で、2025年3月期時点で自己資本比率は60.9%に達しています。過去数年間は実質無借金経営を続けてきましたが、成長投資や事業再編のため、現在は約417億円の有利子負債を有しています。盤石な財務基盤を背景に、ソニーとの連携を含めた戦略的な投資を継続できる体制が整っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 156億円 | -59.3億円 | 79.3億円 | 96.5億円 |
| FY2022/3 | 217億円 | -79.4億円 | 267億円 | 138億円 |
| FY2023/3 | 175億円 | -163億円 | 307億円 | 12.6億円 |
| FY2024/3 | 83.0億円 | 34.9億円 | -658億円 | 118億円 |
| FY2025/3 | 138億円 | -84.4億円 | 441億円 | 54.0億円 |
営業キャッシュフローは、IPコンテンツからの安定的な収益により継続してプラスを維持しています。投資キャッシュフローは、アニメスタジオの買収やDX関連の設備投資により断続的に支出が続いています。戦略的な資金調達と効率的なキャッシュ配分により、将来の成長に向けた投資余力を確保している点が特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 144億円 | 47.9億円 | 33.3% |
| FY2022/3 | 202億円 | 61.4億円 | 30.4% |
| FY2023/3 | 267億円 | 140億円 | 52.5% |
| FY2024/3 | 202億円 | 88.5億円 | 43.7% |
| FY2025/3 | 177億円 | 104億円 | 58.3% |
実効税率が法定税率を大きく上回る年が見られるのは、主に営業外費用や特別損失の計上が影響しています。特に2025年3月期は、サイバー攻撃関連の特別損失や事業再編に伴う税務上の調整が重なったことで負担率が高まりました。2026年3月期予想では、通常の水準へ回帰する見通しとなっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 885万円 | 6,967人 | - |
従業員平均年収は885万円と、出版・エンタメ業界内でも非常に高い水準を維持しています。これは、出版のみならずゲーム、アニメ、Webサービスなど多岐にわたる高付加価値な事業を展開し、デジタル人材やクリエイターの確保を重視していることが背景にあると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はソニーグループ・GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人ゴールドマン・サックス証券)。
KADOKAWAは、ソニーグループが筆頭株主となり、海外機関投資家や信託銀行が主要な地位を占める国際色の強い株主構成です。また、創業者の川上量生氏や、バンダイナムコHD、サイバーエージェントなどの同業・関連企業も名を連ねており、IPビジネスの強化に向けた戦略的資本提携が進められています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報では、出版・アニメ・ゲーム・教育などの多角的なセグメントで構成されています。特にサイバー攻撃による事業への甚大な影響をリスク要因として明記しており、デジタルプラットフォームの防衛とセキュリティ強化が喫緊の経営課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.2%と、日本企業としては比較的高い水準でジェンダーダイバーシティが推進されています。58社の連結子会社を抱える巨大グループとして、適切な監査報酬の支払いや統合報告書の開示を通じて、透明性の高いガバナンス体制の構築に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2,919億円 | — | 2,779億円 | -4.8% |
| FY2024 | 2,713億円 | — | 2,581億円 | -4.9% |
| FY2023 | 2,512億円 | — | 2,554億円 | +1.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 167億円 | — | 167億円 | -0.3% |
| FY2024 | 165億円 | — | 185億円 | +11.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は現在、具体的な数値目標を掲げた中期経営計画を開示していません。そのため、ここでは直近の通期業績予想(ガイダンス)を計画として評価します。2025年3月期は大規模なサイバー攻撃の影響を受け、売上高・営業利益ともに期初予想を下回る結果となりました。外部環境の急変に対する脆弱性が露呈した形ですが、主力IPの強さは健在であり、2026年3月期のV字回復に向けた計画の達成が注視されます。過去の業績予想の精度を見ると、ポジティブ・ネガティブ双方にブレる傾向があり、計画達成の確実性には課題を残しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。KADOKAWAのTSRは、FY2021からFY2025までの5年間、一貫してTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを達成しています。特にFY2022やFY2025にはTOPIXの2倍以上のリターンを記録しました。これは、同社が生み出す有力IP(知的財産)がアニメ化やゲーム化を通じてグローバルに展開され、持続的な成長期待が株価に織り込まれてきた結果と言えるでしょう。株主への利益還元が、市場平均を大きく超える水準で実現されていることを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 318.8万円 | +218.8万円 | 218.8% |
| FY2022 | 480.6万円 | +380.6万円 | 380.6% |
| FY2023 | 426.0万円 | +326.0万円 | 326.0% |
| FY2024 | 406.0万円 | +306.0万円 | 306.0% |
| FY2025 | 542.8万円 | +442.8万円 | 442.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRともに情報・通信業の業界平均を上回っており、市場が同社のIP創出力や将来の成長性を高く評価していることが窺えます。一方で、配当利回りは業界平均より低く、株主還元よりも成長投資を優先する姿勢が見られます。信用倍率は9.51倍と高水準で、信用買い残が積み上がっており、将来的な株価の上値が重くなる可能性には注意が必要です。アクティビストであるオアシスマネジメントの動向が、今後の需給関係に大きく影響を与える可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
オアシスマネジメントによる株式保有比率の上昇および第三者割当増資による資金調達を実施。
アニプレックスとの共同出資により映画配給会社アニメックを設立し、IP展開を強化。
ソニーグループによる保有株比率引き上げで合意し、コンテンツ戦略の強化を加速。
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KADOKAWA まとめ
ひとめ診断
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※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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