テレビ朝日ホールディングス
TV Asahi Holdings Corporation
最終更新日: 2026年3月29日
人気番組を武器にネット・リアルへ展開する総合エンタメ企業
すべてのコンテンツと新しい技術を融合させ、新たな価値を創造し続ける「コンテンツ総合事業グループ」を目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段楽しんでいるテレビ番組の多くは、テレビ朝日が制作しています。例えば、人気ドラマシリーズの『相棒』や『ドクターX』、長寿アニメの『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』も同社の作品です。また、夜のニュース番組『報道ステーション』や人気バラエティ『アメトーーク!』などもテレビ朝日の看板番組です。さらに、スマートフォンでアニメやスポーツ、オリジナル番組を見る際に使うインターネットテレビ「ABEMA」は、テレビ朝日がサイバーエージェント社と共同で運営しているサービスで、知らず知らずのうちに利用しているかもしれません。
テレビ朝日HDは、FY2025に売上高3,240.6億円(前期比5.2%増)、営業利益197.04億円(同59.7%増)と大幅な増益を達成した国内有数のメディア企業です。主力のテレビ放送事業が安定した視聴率と広告収入を稼ぎ出す一方、インターネットテレビ局「ABEMA」への戦略的投資や、通販・コンテンツ関連企業のM&Aを積極的に行い、多角化を推進しています。財務基盤は安定していますが、株価はPBR0.83倍と解散価値を割り込んでおり、今後の成長戦略が市場にどう評価されるかが焦点となります。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区六本木6丁目9番1号
- 公式
- www.tv-asahihd.co.jp
社長プロフィール
これまでの経営計画の成果を土台に、延長線上にはない革新的な変革を目指します。すべてのコンテンツの価値を最大化し、新たな事業領域にも果敢に挑戦することで、持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
教育専門局として開局。後のテレビ朝日の前身となる歴史がここからスタートしました。
教育専門局から総合局へと転換し、愛称を「テレビ朝日」として新たなスタートを切りました。
株式を上場し、より社会的な責任を担う企業として成長を加速させました。
「株式会社テレビ朝日ホールディングス」が発足。グループ全体の経営戦略を強化し、事業の多角化を推進する体制を構築しました。
インターネットテレビ局「AbemaTV(現ABEMA)」を共同で設立。放送と通信の融合をリードする大きな挑戦を開始しました。
商品企画・開発力に強みを持つイッティを完全子会社化。放送事業と連携した通販事業のさらなる拡大を目指します。
CVCファンド設立や、VTuber企業やホビーメーカーとの提携を発表。コンテンツIPを軸にした新規事業創出を加速させています。
2029年までの中期経営計画を策定。「これまでの延長ではない革新的な変革」を掲げ、さらなる飛躍を目指します。
注目ポイント
テレビ放送事業が好調で、2026年3月期第3四半期決算では営業利益が前年同期比+76.8%と大幅な増益を達成。安定した収益基盤が魅力です。
インターネットテレビ局「ABEMA」への出資に加え、VTuber企業との提携やゲーム開発会社の子会社化など、IPを軸に次世代のエンタメ領域へ積極的に投資しています。
テレビショッピングの割引に加え、番組収録の見学や特製QUOカード(長期保有特典)など、テレビ局ならではのユニークで魅力的な株主優待が用意されています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 40円 | 32.8% |
| FY2022/3 | 50円 | 24.2% |
| FY2023/3 | 50円 | 30.6% |
| FY2024/3 | 60円 | 35.6% |
| FY2025/3 | 60円 | 23.6% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は安定的かつ継続的な配当還元を重視しており、業績の成長に合わせて着実に増配を実施してきました。配当性向は20%から30%台で推移し、財務健全性を維持しながら株主へ利益を還元する方針を堅持しています。今後も業績連動をベースとしつつ、持続可能な配当成長を目指す姿勢が明確です。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
テレビ朝日ホールディングスの業績は、放送収入を軸に堅調な推移を見せており、2025年3月期には純利益が約258億円と大幅な増益を達成しました。番組制作の好調やネット配信との連携強化が収益を押し上げており、2026年3月期も純利益260億円を見込むなど、成長戦略が功を奏しています。放送事業の安定基盤に加え、デジタル領域や通販事業への多角化も着実に進展しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.4% | 2.7% | 5.4% |
| FY2022/3 | 5.3% | 4.2% | 7.2% |
| FY2023/3 | 4.2% | 3.4% | 4.8% |
| FY2024/3 | 4.0% | 3.3% | 4.0% |
| FY2025/3 | 5.8% | 4.6% | 6.1% |
収益性については、営業利益率が5%から7%台で推移しており、テレビ局特有の固定費の重さを考慮しても、効率的な経営体制を維持しています。ROE(自己資本利益率)は5%前後で安定しており、事業の収益力向上に向けた取り組みが継続されています。今後はデジタルプラットフォーム事業の収益拡大により、さらなる利益率の改善が期待されます。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は約80%という盤石な水準を維持しています。有利子負債は極めて低水準に抑えられており、強固な財務体質が企業の安定性を支えています。潤沢なネット資産を背景に、将来的な成長投資や株主還元を柔軟に実施できる体制が整っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 206億円 | -79.6億円 | -82.5億円 | 126億円 |
| FY2022/3 | 301億円 | 76.3億円 | -45.6億円 | 378億円 |
| FY2023/3 | 153億円 | -250億円 | -66.0億円 | -97.1億円 |
| FY2024/3 | 191億円 | -217億円 | -58.2億円 | -26.0億円 |
| FY2025/3 | 265億円 | -325億円 | -71.2億円 | -59.8億円 |
営業キャッシュフローは本業の放送事業により安定して稼ぎ出されていますが、近年は将来の成長に向けた積極的な投資が続いており、フリーキャッシュフローは一時的にマイナスとなる傾向があります。これは、番組制作の強化やデジタル分野の拡大、子会社化などの戦略的投資を優先しているためです。財務CFは配当支払い等により着実にマイナスとなっており、株主還元と投資のバランスを重視した動きが見られます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 180億円 | 53.8億円 | 29.9% |
| FY2022/3 | 264億円 | 54.4億円 | 20.6% |
| FY2023/3 | 232億円 | 65.5億円 | 28.3% |
| FY2024/3 | 199億円 | 27.8億円 | 14.0% |
| FY2025/3 | 285億円 | 27.2億円 | 9.5% |
実効税率は年度によって変動があり、特に直近の2025年3月期は10%を切る低い水準となりました。これは税務上の繰越欠損金の利用や税額控除、あるいは一時的な会計上の調整要因が影響しています。一般的に税引前利益が安定して推移する中で、税負担の軽減は当期純利益の押し上げに寄与しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は朝日新聞社・東映・公益財団法人香雪美術館。
朝日新聞社が24.72%、東映が17.51%を保有しており、放送・新聞・映画の強力なメディアアライアンスが経営の基盤となっています。安定株主の比率が高く、市場での浮動株は限定的なため、長期的かつ安定的な経営方針が維持されやすい構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
テレビ放送事業を中核としつつ、インターネット事業や通販事業などの多角化による収益ポートフォリオの最適化を進めています。事業リスクとしては、テレビ広告市場の長期的な縮小傾向や、番組制作における著作権・コンテンツリスクが挙げられます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は13.3%とさらなる向上の余地がありますが、監査等委員会設置会社として透明性の高い経営体制を構築しています。連結子会社26社を擁する巨大メディアグループとして、内部統制とガバナンスの強化を継続的な課題として掲げています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,090億円 | — | 3,241億円 | +4.9% |
| FY2024 | 3,130億円 | — | 3,079億円 | -1.6% |
| FY2023 | 3,120億円 | — | 3,046億円 | -2.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 130億円 | — | 197億円 | +51.6% |
| FY2024 | 150億円 | — | 123億円 | -17.8% |
| FY2023 | 200億円 | — | 145億円 | -27.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧経営計画(FY2023-2025)は、最終年度を待たずに売上・利益ともに目標を大幅に上回って達成しました。これを受け、新たに「新経営計画(2026-2029)」を策定し、さらなる成長を目指しています。FY2025の期初予想は保守的でしたが、結果として営業利益が予想比+51.6%の大幅な上振れ着地となるなど、足元の業績は非常に好調です。ただし、過去には予想を大きく下回る年もあったため、新計画の進捗は慎重に見極める必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、FY2025を除き一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、テレビ業界全体の成長鈍化懸念や、インターネットメディアの台頭による構造変化への不安が株価の重しとなってきたことが背景にあります。しかし、FY2025にはTSRが171.3%と急伸し、TOPIXとの差を縮めました。業績のV字回復や新経営計画への期待が株価を押し上げており、市場の評価が転換する兆しが見られます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 130.0万円 | +30.0万円 | 30.0% |
| FY2022 | 97.9万円 | -2.1万円 | -2.1% |
| FY2023 | 100.9万円 | +0.9万円 | 0.9% |
| FY2024 | 143.8万円 | +43.8万円 | 43.8% |
| FY2025 | 171.3万円 | +71.3万円 | 71.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業他社が含まれる情報・通信業の平均PERが24.9倍、PBRが1.8倍であるのに対し、テレビ朝日HDはそれぞれ14.1倍、0.83倍と業界平均より大幅に割安な水準です。特にPBRは1倍を割り込んでおり、市場評価が資産価値を下回っていることを示唆しています。信用倍率は29.54倍と高い水準で、将来の株価上昇を見込んだ買いが多い一方、将来的な売り圧力への警戒も必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ホビーメーカー壽屋の株式を追加取得し、IPビジネスの多角化を強化しました。
第3四半期累計で営業利益231.89億円を達成し、放送事業の収益基盤が安定しています。
2026-2029年度の新経営計画を策定し、革新的なコンテンツ開発への方針を提示しました。
最新ニュース
テレビ朝日ホールディングス まとめ
ひとめ診断
「高視聴率を誇る地上波の王者が、AbemaTVやM&Aを駆使してネット時代のコンテンツ覇権を狙う」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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