住友倉庫
The Sumitomo Warehouse Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
120年超の歴史を誇る物流の巨人、不動産事業も展開する安定成長企業
物流と不動産の融合により新たな価値を創造し、グローバル社会の発展に貢献するリーディングカンパニーとなること。
この会社ってなに?
あなたがオンラインショッピングで注文した商品、それが出荷されるまで保管されているのが住友倉庫のような物流倉庫かもしれません。また、海外から輸入された食品やアパレル製品が、お店に並ぶ前に一時的に保管される場所も提供しています。実は、倉庫業だけでなく、東京や大阪のオフィスビルを貸し出す大家さんとしての一面も持っているのです。あなたが普段利用するサービスの裏側で、モノの流れと働く場所を支えている、それが住友倉庫の事業です。
直近の2025年3月期決算は、売上高1,934.0億円、営業利益132.75億円を記録。かつて海運市況の活況で利益が急増しましたが、海運子会社売却などを経て、現在は祖業である物流事業と、収益を下支えする不動産事業を両輪とした安定成長フェーズに移行しています。進行中の中期経営計画では、政策保有株式の縮減を進め、創出したキャッシュを物流施設の開発や不動産事業に再投資する方針を明確化。PBR1.22倍と1倍を超え、資本効率改善への市場の期待が株価を支えています。
会社概要
- 業種
- 倉庫・運輸関連業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市北区中之島3-2-18 住友中之島ビル
- 公式
- www.sumitomo-soko.co.jp
社長プロフィール

当社グループは、1899年の創業以来、社会インフラとしての役割を担ってまいりました。物流事業と不動産事業を両輪に、お客様や社会からの信頼を第一に事業を展開しています。第五次中期経営計画のもと、サステナビリティを意識した経営を推進し、全てのステークホルダーの皆様とともに、安定的かつ持続的な成長を目指してまいります。
この会社のストーリー
住友本店倉庫部を分離独立し、大阪市に資本金150万円で株式会社住友倉庫を設立。日本の近代物流の礎を築き始める。
戦後の復興期を経て、企業としての基盤を固め、さらなる飛躍を目指し株式を上場。社会からの信頼を得て成長を加速させる。
倉庫用地の有効活用を目的として不動産事業を開始。物流事業に次ぐ第二の収益の柱を確立し、経営の安定化に貢献する。
米国の海運中堅ウエストウッドシッピングラインズ社を買収。グローバルな物流ネットワークを拡大し、国際競争力を高める挑戦を行う。
首都圏臨海部に強みを持つ若洲を買収。機密文書保管サービスとのシナジーを創出し、国内物流サービスの付加価値を高める。
傘下の米海運会社を売却。事業ポートフォリオの見直しを行い、経営資源をコア事業である倉庫・物流および不動産事業へ集中させる。
サステナビリティと資本効率の向上を重視した新中期経営計画を策定。政策保有株の縮減目標を掲げ、企業価値向上への取り組みを本格化させる。
注目ポイント
倉庫・物流事業に加え、不動産賃貸事業が収益を下支えする安定したビジネスモデルが魅力。近年は増配傾向にあり、株主への還元にも積極的です。
長年の歴史の中で保有してきた倉庫用地などは、大きな含み益を持つ優良資産です。PBR1倍割れからの改善を目指す動きもあり、資産価値が株価に反映される期待があります。
リユースEVの導入や太陽光発電の活用など、環境負荷低減に積極的に取り組んでいます。社会貢献と持続的成長の両立を目指す姿勢がうかがえます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 48円 | 47.2% |
| FY2022/3 | 97円 | 40.0% |
| FY2023/3 | 100円 | 35.6% |
| FY2024/3 | 101円 | 63.9% |
| FY2025/3 | 103円 | 40.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として安定的かつ継続的な還元を重視しており、配当性向の目標を掲げながら業績に応じた利益配分を行っています。近年の配当額はFY2021/3期の48円からFY2025/3期の103円まで着実に増加しており、株主還元への姿勢を強化しています。今後も強固な財務基盤を維持しつつ、適切な利益還元を通じて中長期的な株主価値の向上を目指す方針です。
同業比較(収益性)
倉庫・運輸関連業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
住友倉庫の業績は、物流事業における倉庫運営や不動産事業の賃貸収入を軸に展開していますが、物流市場の市況変動や子会社売却の影響を受けやすい構造にあります。FY2022/3期には好調な荷動きから営業利益277億円を記録しましたが、その後は物流環境の正常化に伴い、営業利益は130億円前後の水準で推移しています。FY2025/3期には純利益が200億円まで回復しており、事業ポートフォリオの再編を通じた収益力維持に注力しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.3% | 2.4% | 5.7% |
| FY2022/3 | 9.2% | 5.3% | 12.0% |
| FY2023/3 | 9.8% | 5.8% | 11.7% |
| FY2024/3 | 4.7% | 2.9% | 7.1% |
| FY2025/3 | 7.3% | 4.6% | 6.9% |
収益性については、物流コストの変動や不動産事業の貢献度が大きく、営業利益率は概ね7%から12%の範囲で推移しています。FY2022/3期には12.0%の高い営業利益率を達成しましたが、その後は競争激化やコスト増により7%前後の水準で安定化しています。ROEは一時10%近くまで上昇しましたが、直近では7.3%となっており、資産効率をさらに高める経営が求められています。
財務は安全?
財務健全性は極めて強固であり、自己資本比率はFY2025/3期時点で60.0%という高い水準を維持しています。これまで有利子負債をゼロにする無借金経営を続けてきましたが、近年は戦略的な投資のために負債を活用する局面が見られます。潤沢なネットアセット(純資産)を背景に、強固な基盤を活かした新規物流拠点の開発や既存設備の更新を継続できる体質です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 206億円 | -164億円 | -131億円 | 42.4億円 |
| FY2022/3 | 314億円 | -58.8億円 | -103億円 | 255億円 |
| FY2023/3 | 298億円 | -45.7億円 | -205億円 | 252億円 |
| FY2024/3 | 220億円 | -160億円 | -50.1億円 | 60.1億円 |
| FY2025/3 | 317億円 | -100億円 | -253億円 | 217億円 |
営業キャッシュフローは安定的に200億円から300億円規模を創出しており、本業による稼ぐ力の安定性が示されています。投資活動では倉庫の建設や物流設備への資本投下を適宜行っており、フリーキャッシュフロー(FCF)は投資時期により変動するものの、トータルではプラスを維持しています。財務キャッシュフローは借入金の返済や積極的な株主還元により流出する傾向にあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 136億円 | 51.0億円 | 37.6% |
| FY2022/3 | 304億円 | 107億円 | 35.2% |
| FY2023/3 | 291億円 | 66.6億円 | 22.9% |
| FY2024/3 | 169億円 | 43.9億円 | 26.0% |
| FY2025/3 | 175億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は各期の税引前利益に連動していますが、税効果会計の適用や繰越欠損金の解消などにより、実効税率には変動が見られます。特に直近の決算期では特殊要因や調整等により、見かけ上の税負担が抑制されています。将来の税負担は業績の見通しと税制改正の影響を受けるため、標準的な法定実効税率近辺に収束していく見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 814万円 | 4,450人 | - |
従業員の平均年収は814万円となっており、物流業界の中では相対的に高い水準を維持しています。この背景には、倉庫業を核としつつ高収益な不動産事業を併せ持つ事業構造により、安定した収益基盤が確保されていることが要因として挙げられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は住友不動産・大和ハウス工業。
住友倉庫の株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家による保有割合が高い傾向にあります。また、住友不動産や大和ハウス工業、住友商事などの事業法人が名を連ねており、住友グループを中心とした安定的な資本関係が維持されているのが特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業内容は、倉庫業や港湾運送業を含む総合物流事業と、不動産賃貸・開発を中心とする不動産事業の2本柱で構成されています。不動産賃貸事業が物流事業の収益を下支えする構造となっている一方、今後のリスク要因として国際物流の市況変動や、政策保有株式の縮減に伴う資産ポートフォリオの変化が挙げられます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.7%と向上余地が残る水準ですが、監査体制については8,200万円の監査報酬を投じるなど、適正な監視機能の強化に努めています。連結子会社36社を擁する企業規模に合わせ、コーポレートガバナンス体制の継続的な見直しによる企業価値の向上を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,970億円 | — | 1,934億円 | -1.8% |
| FY2024 | 2,000億円 | — | 1,847億円 | -7.7% |
| FY2023 | 2,110億円 | — | 2,240億円 | +6.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 120億円 | — | 133億円 | +10.6% |
| FY2024 | 145億円 | — | 132億円 | -9.1% |
| FY2023 | 252億円 | — | 261億円 | +3.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現在の「第五次中期経営計画」では、FY2025の営業利益145億円を目標としていますが、FY2025実績は132.75億円と進捗はやや遅れています。一方で、政策保有株式の売却が進んだことで純利益は目標を大幅に超過達成。過去の中計は海運市況の追い風を受けて目標を大きく上回りましたが、現在の計画は市況の正常化や事業ポートフォリオ再編の影響を受け、利益目標の達成にはもう一段の収益力向上が求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、FY2022以降TOPIXを継続的に上回る「アウトパフォーム」を記録しています。特にFY2025は自社TSRが271.5%に対しTOPIXは213.4%と、その差は拡大。これは、海運市況の活況による大幅な増益とそれに伴う増配が株価を押し上げたことに加え、近年はPBR改善を目的とした政策保有株式の売却や株主還元強化への期待が投資家から評価されたことが背景にあります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 128.4万円 | +28.4万円 | 28.4% |
| FY2022 | 206.7万円 | +106.7万円 | 106.7% |
| FY2023 | 204.6万円 | +104.6万円 | 104.6% |
| FY2024 | 246.2万円 | +146.2万円 | 146.2% |
| FY2025 | 271.5万円 | +171.5万円 | 171.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは業界平均より高く、成長性への期待が織り込まれています。一方、PBRは1.22倍と1倍を上回っており、資本効率改善への取り組みが市場に評価されていることがうかがえます。信用倍率は1.47倍と拮抗しており、過熱感は限定的。時価総額は3,227億円と業界内で上位に位置しており、安定した経営基盤が強みです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期第3四半期累計において、経常利益が前年同期比9.4%減となる128億円で着地しました。
脱炭素社会への貢献として、リユースEVの本格導入を開始し、物流事業の環境負荷低減を推進しています。
グループ再編の一環として、孫会社である米国海運会社をシンガポールのスワイヤーグループへ全株式譲渡しました。
最新ニュース
住友倉庫 まとめ
ひとめ診断
「明治創業の倉庫名門が、都心の一等地で『大家さん』としても稼ぐ、不動産含み資産株の典型」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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