九州旅客鉄道9142
Kyushu Railway Company
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが九州へ旅行や出張に行くとき、新幹線や特急『ゆふいんの森』のような観光列車に乗ったことがあるかもしれません。その鉄道を運営しているのがJR九州です。それだけではなく、博多駅の『アミュプラザ』で買い物をしたり、レストランで食事をしたりした経験はありませんか?あの駅ビルもJR九州が手がけています。さらに、街で見かける『MJR』というマンションや、『JR九州ホテル ブラッサム』も同社の事業。あなたの九州での移動、買い物、宿泊、そして住まいまで、暮らしの様々な場面でJR九州は関わっているのです。
九州全域の鉄道網を運営する一方、不動産・流通事業を収益の柱へと育てている企業です。2025年3月期には売上高4,543.9億円、営業利益589.76億円とコロナ禍から力強い回復を見せ、運輸収入の回復と非運輸事業の堅調な成長が両輪となっています。新たに策定された中期経営計画では、2028年3月期に営業利益710億円を目指し、運賃改定による収益力強化と不動産事業のさらなる拡大に注力します。安定した配当と株主優待も魅力で、インバウンド回復の恩恵を直接受ける銘柄として注目されています。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目25番21号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲4.8% | ▲2.1% | - |
| 2022/03期 | 3.4% | 1.4% | - |
| 2023/03期 | 7.8% | 3.2% | - |
| 2024/03期 | 9.1% | 3.7% | 11.2% |
| 2025/03期 | 9.7% | 3.9% | 13.0% |
| 3Q FY2026/3 | 9.0%(累計) | 3.5%(累計) | 17.4% |
収益性は、コロナ禍での営業利益率マイナス7.8%から一転し、鉄道事業の効率化やホテル・駅ビル事業の高収益化により大幅に改善しました。2025/03期の営業利益率は13.0%まで向上しており、経営の効率化が着実に進んでいることを示しています。ROE(自己資本利益率)も9.5%まで順調に回復しており、資本効率の改善と利益成長が両立した理想的な推移を見せています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2,939億円 | — | ▲190億円 | -120.8円 | — |
| 2022/03期 | 3,295億円 | — | 133億円 | 84.3円 | +12.1% |
| 2023/03期 | 3,832億円 | — | 312億円 | 198.4円 | +16.3% |
| 2024/03期 | 4,204億円 | 471億円 | 384億円 | 244.7円 | +9.7% |
| 2025/03期 | 4,544億円 | 590億円 | 437億円 | 279.0円 | +8.1% |
九州旅客鉄道の業績は、コロナ禍の影響で営業赤字に転落した2021/03期を底として、力強いV字回復を遂げました。運輸サービスの需要回復に加え、不動産開発やホテル事業といった多角化の成果が奏功し、2025/03期には売上高が約4,544億円、当期純利益が約437億円に達しています。2026/03期も鉄道運賃改定やインバウンド需要の増加により、増収増益の継続が見込まれています。 【3Q 2026/03期実績】売上3600億円(通期予想比74%)、営業利益627億円(同93%)、純利益408億円(同80%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社は運輸サービスを核としつつ、不動産・ホテルや流通・外食などの非鉄道部門が高い収益構成比を占めている点が強みです。一方で、人口減少や自然災害による鉄道運行リスクを抱えており、これらを補うための効率的な経営体制構築が求められています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 4,411億円 | — | 4,544億円 | +3.0% |
| 2024期 | 4,170億円 | — | 4,204億円 | +0.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 573億円 | — | 590億円 | +2.9% |
| 2024期 | 457億円 | — | 471億円 | +3.0% |
| 2023期 | 290億円 | — | 343億円 | +18.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
コロナ禍で旧中計の目標取り下げを余儀なくされましたが、足元の業績回復は目覚ましく、会社予想を上回る着地が続いています。新中期経営計画では、最終年度(2028年3月期)の営業利益710億円という高い目標を掲げています。この達成には、インバウンド需要の完全回復による運輸収入の増加に加え、不動産事業を中心とした非運輸事業の成長が絶対条件となります。計画達成能力は回復基調にあると評価できます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
Tokyo Artisan Intelligence株式会社とAI技術を活用した保守・点検業務の効率化に向けた資本業務提携を締結しました。
エクスペリサス株式会社と提携し、九州エリアにおける高付加価値な旅行体験の創出とインバウンド需要の取り込みを加速させています。
2028年3月期に営業利益710億円を目指す新中期経営計画を策定し、運輸サービス事業の収益力強化を掲げました。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務基盤は、コロナ禍で有利子負債が増加したものの、豊富なキャッシュフローを原資とした債務圧縮によって健全性が維持されています。総資産は1兆円を超えて拡大基調にあり、駅周辺の不動産開発などへの積極的な投資が資産価値の向上に寄与しています。自己資本比率も40%水準で安定しており、将来の成長投資と財務の安定性を高いレベルで両立させています。 【3Q 2026/03期】総資産1.2兆円、純資産4850億円、自己資本比率38.1%、有利子負債4766億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲104億円 | ▲539億円 | 1,059億円 | ▲643億円 |
| 2022/03期 | 565億円 | ▲957億円 | 525億円 | ▲393億円 |
| 2023/03期 | 621億円 | ▲976億円 | 89.6億円 | ▲355億円 |
| 2024/03期 | 890億円 | ▲1,119億円 | 323億円 | ▲229億円 |
| 2025/03期 | 967億円 | ▲1,074億円 | ▲69.3億円 | ▲107億円 |
営業キャッシュフローは、輸送人員の回復とグループ事業の伸長により、2025/03期には約967億円と安定的に稼ぎ出す力を回復しました。一方で、積極的な駅周辺開発や車両更新といった投資活動を継続しているため、フリーキャッシュフローは依然として投資先行のマイナス基調です。財務キャッシュフローは借入金の返済が進むフェーズに入っており、強固な営業キャッシュフローで投資を賄う好循環が形成されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は33.3%に達しており、多様な視点を取り入れたガバナンス体制の構築を積極的に推進しています。監査等委員会設置会社として監査体制を整備し、連結子会社55社を抱える大規模グループとして、持続的な企業価値向上のための意思決定プロセスを透明化しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 587万円 | 15,202人 | - |
従業員平均年収は587万円となっており、九州地方の賃金水準と比較して安定した給与水準を維持しています。鉄道事業のほか、不動産やホテル、流通・外食など多角的に事業を展開することで、収益源の多角化を図り、長期的かつ安定的な雇用環境の確保に努めています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これはコロナ禍で主力の運輸サービス事業が大きな打撃を受け、株価が長期にわたり低迷したことが主な原因です。足元では業績回復とともに株価も持ち直していますが、不動産事業の成長などを通じて企業価値を向上させ、市場平均を上回るリターンを生み出せるかが今後の課題です。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017/03期 | 38.5円 | 13.8% |
| 2018/03期 | 83円 | 26.3% |
| 2019/03期 | 93円 | 30.2% |
| 2020/03期 | 93円 | 46.9% |
| 2021/03期 | 93円 | - |
| 2022/03期 | 93円 | 110.3% |
| 2023/03期 | 93円 | 46.9% |
| 2024/03期 | 93円 | 38.0% |
| 2025/03期 | 98円 | 35.1% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は、業績連動を基本としつつ、安定的な利益還元を重視した配当方針を採用しています。コロナ禍の厳しい経営環境下でも配当を維持する姿勢を見せ、業績回復に合わせて2025/03期には増配を実施しました。今後も成長投資とのバランスを図りつつ、株主への還元を継続する方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 86.0万円 | ▲14.0万円 | -14.0% |
| 2022期 | 86.9万円 | ▲13.1万円 | -13.1% |
| 2023期 | 104.1万円 | 4.1万円 | 4.1% |
| 2024期 | 126.3万円 | 26.3万円 | 26.3% |
| 2025期 | 132.9万円 | 32.9万円 | 32.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
陸運業の業界平均と比較して、PER・PBRは割安な水準にあります。一方で配当利回りは業界平均を上回っており、株主還元への意識が評価できます。信用倍率は12.8倍と高く、信用買い残が積み上がっているため、将来的な需給悪化には注意が必要です。短期的には、5月上旬に発表される通期決算が株価の方向性を左右するでしょう。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -193億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 92.4億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 357億円 | 45.3億円 | 12.7% |
| 2024/03期 | 489億円 | 105億円 | 21.4% |
| 2025/03期 | 596億円 | 159億円 | 26.7% |
2021/03期から2022/03期にかけては赤字や繰越欠損金の解消により法人税等の支払いは発生しませんでした。2023/03期以降は業績の回復に伴い納税額が着実に増加しており、2025/03期時点では約159億円を納付しています。今後は実効税率が標準的な水準に落ち着き、安定的な税負担が継続する見込みです。
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※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。