福山通運
FUKUYAMA TRANSPORTING CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
日本の物流を支える老舗、未来へ向けた変革を加速するトラック輸送の雄
総合物流企業として、経済と暮らしを支える不易の使命を果たし、未来を創造する物流を担うことで、持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたがインターネット通販で注文した商品が、倉庫から自宅近くの配送センターまで届けられる。そんな物流の裏側で、福山通運の緑色のトラックが活躍しているかもしれません。同社は、企業間で部品や商品を運ぶBtoB輸送を主力としており、日本のものづくりや消費活動を支える重要な役割を担っています。最近では、ライバル会社であるセイノー(西濃運輸)と一部エリアで協力し、トラックの積載効率を上げてドライバー不足に対応するなど、皆さんの荷物を安定して届けるための工夫を続けています。
路線トラック大手の福山通運は、直近の2025年3月期決算で売上高3,024.9億円、営業利益73.6億円と減益を記録しました。物流業界全体が直面する「2024年問題」によるコスト増が利益を圧迫しており、同業のセイノーHDとの共同輸送強化や、自動化倉庫・DXへの積極投資で対応を急いでいます。2026年度を最終年度とする中期経営計画では営業利益180億円を掲げており、コスト構造改革と効率化が目標達成の鍵となります。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 広島県福山市東深津町4丁目20番1号
- 公式
- corp.fukutsu.co.jp
社長プロフィール

当社は「安全・安心な輸送サービスの提供」を使命とし、物流の2024年問題をはじめとする社会課題の解決に挑戦しています。持続可能な物流の実現と企業価値の向上を目指し、DX推進や環境負荷軽減への取り組みを強化してまいります。
この会社のストーリー
広島県福山市にて、創業者・渋谷昇氏がトラック3両で事業を開始。地域社会の復興と共に歩み始める。
全国展開を見据え、現在の「福山通運株式会社」に商号を変更。事業拡大への礎を築く。
不特定多数の荷主から小口貨物を集荷し、方面別に仕分けして輸送する画期的なサービス「路線便」を他社に先駆けて開始した。
創業から約22年で東証・大証一部上場を達成。全国区の物流企業としての地位を確立する。
同業大手のセイノーHDと業務提携を開始。輸送ネットワークの相互補完やサービス品質向上を目指し、協力体制を構築する。
ドライバーの時間外労働規制強化による「2024年問題」に対し、運賃交渉や新技術導入を積極的に推進。業界の課題解決をリードする姿勢を示す。
持続的な成長を目指し、新たな中期経営計画を策定。DX推進や貸切事業の強化を柱に、2026年度の営業利益180億円を目指す。
注目ポイント
トラックの自動運転システム開発や倉庫自動化ソリューションの導入に積極的に投資。2024年問題など業界の課題をテクノロジーで乗り越えようとしています。
ライバルであるセイノーHDと提携し、共同輸送や合弁会社設立を推進。競争だけでなく「協調」によって物流インフラ全体の効率化を目指す柔軟な姿勢が魅力です。
長年にわたり安定した経営基盤を維持し、着実に利益を上げています。株主への配当も継続的に行っており、長期的な視点で応援したい企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 16.0% |
| FY2022/3 | 60円 | 15.2% |
| FY2023/3 | 70円 | 13.6% |
| FY2024/3 | 75円 | 38.7% |
| FY2025/3 | 70円 | 32.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、中間と期末の年2回の剰余金配当を基本とし、業績に応じた安定的な利益還元を実施する方針をとっています。配当性向は近年上昇傾向にあり、株主重視の姿勢が強まっています。現在は具体的な株主優待制度は設けておらず、配当による還元を主軸としています。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は堅調に推移し、FY2026/3期予想では過去最高の3,163億円を見込むなど、物流需要を背景に成長を続けています。一方、営業利益はコスト上昇や構造改革費用等の影響によりFY2024/3期以降減益基調にあり、収益性の改善が急務となっています。今後は物流効率化による利益率の回復と、さらなる事業拡大による利益成長の両立を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.6% | 3.2% | 7.4% |
| FY2022/3 | 6.5% | 3.5% | 7.6% |
| FY2023/3 | 7.7% | 4.4% | 7.3% |
| FY2024/3 | 2.6% | 1.6% | 3.6% |
| FY2025/3 | 3.0% | 1.7% | 2.4% |
売上高営業利益率はFY2021/3期の7.4%をピークに、足元では2.4%まで低下しており、物流現場における燃料高騰や人件費などのコスト構造が利益を圧迫しています。ROE(自己資本利益率)も同様に低下傾向にあり、資本効率の面では改善の余地が大きいです。今後は自動運転トラックの実証やモーダルシフト、共同輸送の推進を通じて、収益構造の抜本的な強化を図る方針です。
財務は安全?
有利子負債はFY2024/3期より計上されており、足元では3,450億円規模に増加していますが、自己資本比率は57.1%を維持しており、依然として強固な財務健全性を保持しています。BPS(1株当たり純資産)も右肩上がりで推移しており、資産価値の積み上げが進んでいます。この盤石な財務基盤を背景に、成長投資や株主還元を継続的に実施する姿勢を示しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 332億円 | -183億円 | -40.7億円 | 149億円 |
| FY2022/3 | 321億円 | -168億円 | -125億円 | 154億円 |
| FY2023/3 | 310億円 | -77.0億円 | -186億円 | 233億円 |
| FY2024/3 | 185億円 | -268億円 | -61.9億円 | -82.9億円 |
| FY2025/3 | 245億円 | -291億円 | 51.8億円 | -46.5億円 |
営業キャッシュフローは安定して創出されているものの、近年は物流施設への設備投資やデジタル化投資を積極的に進めているため、投資キャッシュフローの流出が続き、フリーキャッシュフローはマイナス圏で推移しています。この投資フェーズは将来の生産性向上を目的としたものであり、足元のキャッシュフローを圧迫しても成長基盤の構築を優先させています。今後は投資の回収期に入り、フリーキャッシュフローの黒字転換が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 225億円 | 71.5億円 | 31.8% |
| FY2022/3 | 232億円 | 64.3億円 | 27.7% |
| FY2023/3 | 230億円 | 21.9億円 | 9.5% |
| FY2024/3 | 130億円 | 51.4億円 | 39.6% |
| FY2025/3 | 99.2億円 | 11.7億円 | 11.8% |
税引前利益の増減に伴い法人税等も変動しており、特に利益率が低下した期には繰延税金資産の影響や税務調整により、実効税率が変動しています。FY2026/3期の予想では、税引前利益に対して税負担が極めて低い水準となっており、特有の会計処理や調整要因が働いています。通常の事業活動における納税状況は、法令に基づき適正に処理されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 511万円 | 22,469人 | - |
従業員の平均年収は511万円であり、運送業界の標準的な水準に位置しています。労働力不足や「2025年問題」への対応で配送効率化や待遇改善を推進する一方で、物価上昇や人件費高騰を背景に、持続的な賃上げと労働生産性の向上が喫緊の課題となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は公益財団法人渋谷育英会・日本生命保険相互会社・広島銀行。
福山通運の株主構成は、公益財団法人渋谷育英会が筆頭株主として14.04%を保有するほか、金融機関や自社の共済会、従業員持株会が名を連ねており、安定株主比率が高い傾向にあります。創業家や関連団体が一定の影響力を保持しつつ、機関投資家の保有も進んでいるため、中長期的な経営の安定性と資本政策のバランスが図られた構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、売上高3,000億円規模を誇り、路線トラック事業を中核に物流センター運営や国際物流など多角的なサービスを展開しています。主な事業リスクとして「物流の2024年問題」に伴う輸送コストの増加や燃料価格の高騰が挙げられ、これに対しDX投資やモーダルシフト、セイノーHDとの共同輸送などによるコスト構造の変革が図られています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率23.1%(3名/10名)を達成しており、上場企業としてダイバーシティ推進に積極的な姿勢を示しています。監査体制としては監査役会を設置し、連結子会社42社を抱える大規模組織として、内部統制の強化と適切なガバナンス体制の維持に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 120億円 | — | 74億円 | -38.6% |
| FY2024 | 193億円 | — | 105億円 | -45.9% |
| FY2023 | 225億円 | — | 214億円 | -5.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,013億円 | — | 3,025億円 | +0.4% |
| FY2024 | 2,956億円 | — | 2,876億円 | -2.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「Change & Growth 2026」では、最終年度に売上高3,400億円、営業利益180億円を目標としています。売上高の進捗は順調ですが、利益面では燃料費高騰や人件費増といった「2024年問題」関連コストが重くのしかかり、大幅なビハインドとなっています。会社予想の精度を見ても、特に営業利益は2期連続で40%前後の大幅な下振れを記録しており、外部環境の厳しさが伺えます。目標達成には、セイノーHDとの協業拡大やDX投資による抜本的な生産性向上が急務です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。福山通運のTSRは、過去5年間(FY2021~FY2025)にわたり、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、「2024年問題」に代表される物流業界特有のコスト構造の課題や、成長期待の高いハイテク株などへ投資資金が流れたことが背景にあります。株価は堅調に推移しているものの、市場全体の成長率には及んでおらず、株主還元の強化や持続的な利益成長を実現できるかが今後の課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 119.3万円 | +19.3万円 | 19.3% |
| FY2022 | 97.3万円 | -2.7万円 | -2.7% |
| FY2023 | 97.5万円 | -2.5万円 | -2.5% |
| FY2024 | 100.4万円 | +0.4万円 | 0.4% |
| FY2025 | 101.9万円 | +1.9万円 | 1.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較すると、福山通運の株価はPER(株価収益率)ではやや割高ですが、PBR(株価純資産倍率)は0.78倍と1倍を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と判断できます。信用取引では売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、信用倍率は0.57倍と低い水準にあり、将来的な株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは「2024年問題」による業績への不透明感を反映していると考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
セイノーHDとの合弁会社「TGL山陰」を設立し、山陰エリアにおける物流ネットワークの効率化を推進。
西濃運輸との共同運航により、中継輸送による長距離トラックドライバーの働き方改革を実証。
上期決算において経常利益が前年同期比27%減益となり、物流業界の環境厳しさが浮き彫りとなった。
最新ニュース
福山通運 まとめ
ひとめ診断
「物流2024年問題に『協業とDX』で挑む、広島発の老舗路線トラック大手」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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