福山通運9075
FUKUYAMA TRANSPORTING CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたがインターネット通販で注文した商品が、倉庫から自宅近くの配送センターまで届けられる。そんな物流の裏側で、福山通運の緑色のトラックが活躍しているかもしれません。同社は、企業間で部品や商品を運ぶBtoB輸送を主力としており、日本のものづくりや消費活動を支える重要な役割を担っています。最近では、ライバル会社であるセイノー(西濃運輸)と一部エリアで協力し、トラックの積載効率を上げてドライバー不足に対応するなど、皆さんの荷物を安定して届けるための工夫を続けています。
路線トラック大手の福山通運は、直近の2025年3月期決算で売上高3,024.9億円、営業利益73.6億円と減益を記録しました。物流業界全体が直面する「2024年問題」によるコスト増が利益を圧迫しており、同業のセイノーHDとの共同輸送強化や、自動化倉庫・DXへの積極投資で対応を急いでいます。2026年度を最終年度とする中期経営計画では営業利益180億円を掲げており、コスト構造改革と効率化が目標達成の鍵となります。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 広島県福山市東深津町4丁目20番1号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 5.6% | 3.2% | - |
| 2022/03期 | 6.3% | 3.5% | - |
| 2023/03期 | 7.9% | 4.4% | - |
| 2024/03期 | 2.8% | 1.6% | 3.6% |
| 2025/03期 | 3.0% | 1.7% | 2.4% |
| 3Q FY2026/3 | 6.3%(累計) | 2.8%(累計) | 3.6% |
売上高営業利益率は2021/03期期の7.4%をピークに、足元では2.4%まで低下しており、物流現場における燃料高騰や人件費などのコスト構造が利益を圧迫しています。ROE(自己資本利益率)も同様に低下傾向にあり、資本効率の面では改善の余地が大きいです。今後は自動運転トラックの実証やモーダルシフト、共同輸送の推進を通じて、収益構造の抜本的な強化を図る方針です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2,855億円 | — | 153億円 | 312.8円 | - |
| 2022/03期 | 2,913億円 | — | 168億円 | 395.3円 | +2.0% |
| 2023/03期 | 2,934億円 | — | 208億円 | 513.7円 | +0.7% |
| 2024/03期 | 2,876億円 | 104億円 | 78.3億円 | 193.6円 | -2.0% |
| 2025/03期 | 3,025億円 | 73.6億円 | 87.5億円 | 217.8円 | +5.2% |
売上高は堅調に推移し、2026/03期期予想では過去最高の3,163億円を見込むなど、物流需要を背景に成長を続けています。一方、営業利益はコスト上昇や構造改革費用等の影響により2024/03期期以降減益基調にあり、収益性の改善が急務となっています。今後は物流効率化による利益率の回復と、さらなる事業拡大による利益成長の両立を目指しています。 【3Q 2026/03期実績】売上2395億円(通期予想比76%)、営業利益87億円(同107%)、純利益142億円(同109%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、売上高3,000億円規模を誇り、路線トラック事業を中核に物流センター運営や国際物流など多角的なサービスを展開しています。主な事業リスクとして「物流の2024年問題」に伴う輸送コストの増加や燃料価格の高騰が挙げられ、これに対しDX投資やモーダルシフト、セイノーHDとの共同輸送などによるコスト構造の変革が図られています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 120億円 | — | 74億円 | -38.6% |
| 2024期 | 193億円 | — | 105億円 | -45.9% |
| 2023期 | 225億円 | — | 214億円 | -5.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 3,013億円 | — | 3,025億円 | +0.4% |
| 2024期 | 2,956億円 | — | 2,876億円 | -2.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「Change & Growth 2026」では、最終年度に売上高3,400億円、営業利益180億円を目標としています。売上高の進捗は順調ですが、利益面では燃料費高騰や人件費増といった「2024年問題」関連コストが重くのしかかり、大幅なビハインドとなっています。会社予想の精度を見ても、特に営業利益は2期連続で40%前後の大幅な下振れを記録しており、外部環境の厳しさが伺えます。目標達成には、セイノーHDとの協業拡大やDX投資による抜本的な生産性向上が急務です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
セイノーHDとの合弁会社「TGL山陰」を設立し、山陰エリアにおける物流ネットワークの効率化を推進。
西濃運輸との共同運航により、中継輸送による長距離トラックドライバーの働き方改革を実証。
上期決算において経常利益が前年同期比27%減益となり、物流業界の環境厳しさが浮き彫りとなった。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
有利子負債は2024/03期期より計上されており、足元では3,450億円規模に増加していますが、自己資本比率は57.1%を維持しており、依然として強固な財務健全性を保持しています。BPS(1株当たり純資産)も右肩上がりで推移しており、資産価値の積み上げが進んでいます。この盤石な財務基盤を背景に、成長投資や株主還元を継続的に実施する姿勢を示しています。 【3Q 2026/03期】総資産5110億円、純資産2889億円、自己資本比率44.2%、有利子負債1120億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 332億円 | 183億円 | 40.7億円 | 149億円 |
| 2022/03期 | 321億円 | 168億円 | 125億円 | 154億円 |
| 2023/03期 | 310億円 | 77.0億円 | 186億円 | 233億円 |
| 2024/03期 | 185億円 | 268億円 | 61.9億円 | 82.9億円 |
| 2025/03期 | 245億円 | 291億円 | 51.8億円 | 46.5億円 |
営業キャッシュフローは安定して創出されているものの、近年は物流施設への設備投資やデジタル化投資を積極的に進めているため、投資キャッシュフローの流出が続き、フリーキャッシュフローはマイナス圏で推移しています。この投資フェーズは将来の生産性向上を目的としたものであり、足元のキャッシュフローを圧迫しても成長基盤の構築を優先させています。今後は投資の回収期に入り、フリーキャッシュフローの黒字転換が期待されます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率23.1%(3名/10名)を達成しており、上場企業としてダイバーシティ推進に積極的な姿勢を示しています。監査体制としては監査役会を設置し、連結子会社42社を抱える大規模組織として、内部統制の強化と適切なガバナンス体制の維持に注力しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 511万円 | 22,469人 | - |
従業員の平均年収は511万円であり、運送業界の標準的な水準に位置しています。労働力不足や「2025年問題」への対応で配送効率化や待遇改善を推進する一方で、物価上昇や人件費高騰を背景に、持続的な賃上げと労働生産性の向上が喫緊の課題となっています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。福山通運のTSRは、過去5年間(2021期~2025期)にわたり、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、「2024年問題」に代表される物流業界特有のコスト構造の課題や、成長期待の高いハイテク株などへ投資資金が流れたことが背景にあります。株価は堅調に推移しているものの、市場全体の成長率には及んでおらず、株主還元の強化や持続的な利益成長を実現できるかが今後の課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 10円 | 24.8% |
| 2017/03期 | 10円 | 26.2% |
| 2019/03期 | 55円 | 18.6% |
| 2020/03期 | 50円 | 19.3% |
| 2021/03期 | 50円 | 16.0% |
| 2022/03期 | 60円 | 15.2% |
| 2023/03期 | 70円 | 13.6% |
| 2024/03期 | 75円 | 38.7% |
| 2025/03期 | 70円 | 32.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、中間と期末の年2回の剰余金配当を基本とし、業績に応じた安定的な利益還元を実施する方針をとっています。配当性向は近年上昇傾向にあり、株主重視の姿勢が強まっています。現在は具体的な株主優待制度は設けておらず、配当による還元を主軸としています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 119.3万円 | 19.3万円 | 19.3% |
| 2022期 | 97.3万円 | 2.7万円 | -2.7% |
| 2023期 | 97.5万円 | 2.5万円 | -2.5% |
| 2024期 | 100.4万円 | 0.4万円 | 0.4% |
| 2025期 | 101.9万円 | 1.9万円 | 1.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較すると、福山通運の株価はPER(株価収益率)ではやや割高ですが、PBR(株価純資産倍率)は0.78倍と1倍を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と判断できます。信用取引では売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、信用倍率は0.57倍と低い水準にあり、将来的な株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは「2024年問題」による業績への不透明感を反映していると考えられます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 225億円 | 71.5億円 | 31.8% |
| 2022/03期 | 232億円 | 64.3億円 | 27.7% |
| 2023/03期 | 230億円 | 21.9億円 | 9.5% |
| 2024/03期 | 130億円 | 51.4億円 | 39.6% |
| 2025/03期 | 99.2億円 | 11.7億円 | 11.8% |
税引前利益の増減に伴い法人税等も変動しており、特に利益率が低下した期には繰延税金資産の影響や税務調整により、実効税率が変動しています。2026/03期期の予想では、税引前利益に対して税負担が極めて低い水準となっており、特有の会計処理や調整要因が働いています。通常の事業活動における納税状況は、法令に基づき適正に処理されています。
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福山通運 まとめ
「物流2024年問題に『協業とDX』で挑む、広島発の老舗路線トラック大手」
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