南海電気鉄道9044
Nankai Electric Railway Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが関西国際空港へ行くとき、青くて特徴的な特急「ラピート」を見かけたことはありませんか?あれを運営しているのが南海電気鉄道です。また、大阪ミナミの中心地「なんば」でショッピングを楽しむなら、多くの人が訪れる「なんばパークス」や「なんばCITY」。これらの大型商業施設も同社が手掛けています。さらに、世界遺産・高野山へのアクセスを支えるケーブルカーも運行しており、あなたが大阪南部や和歌山で移動したり、観光したり、買い物をしたりする楽しい時間の裏側で、南海電鉄が活躍しているのです。
インバウンド需要の回復を追い風に、2025期は売上高2,607.9億円、営業利益346.55億円と力強い成長を遂げた。中核である運輸事業が安定収益を稼ぐ一方、2026年4月からは持株会社「NANKAI」へと移行し、不動産事業と新規事業を成長の柱に据える大きな変革期にある。株主還元も強化しており、2025期の配当は前期比5円増の40円を予定するなど、安定と成長の両面から投資家の期待を集めている。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区難波五丁目1番60号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0.7% | 0.2% | - |
| 2022/03期 | 1.5% | 0.4% | - |
| 2023/03期 | 5.5% | 1.6% | - |
| 2024/03期 | 8.2% | 2.5% | 12.8% |
| 2025/03期 | 7.1% | 2.3% | 13.3% |
| 3Q FY2026/3 | 8.7%(累計) | 2.2%(累計) | 17.5% |
収益性については、鉄道事業の復調とともに高収益な不動産事業がセグメント利益を支え、営業利益率は直近で13%超にまで着実に改善しています。ROE(自己資本利益率)も足元では7%前後で安定しており、資本効率の改善が見て取れます。今後も鉄道事業の分社化と並行して、成長事業への投資効率を高める戦略が収益性を下支えするでしょう。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,908億円 | — | 18.6億円 | -16.4円 | - |
| 2022/03期 | 2,018億円 | — | 40.2億円 | 35.5円 | +5.8% |
| 2023/03期 | 2,213億円 | — | 146億円 | 129.1円 | +9.7% |
| 2024/03期 | 2,416億円 | 308億円 | 239億円 | 211.3円 | +9.2% |
| 2025/03期 | 2,608億円 | 347億円 | 225億円 | 198.7円 | +7.9% |
南海電気鉄道の業績は、コロナ禍からの鉄道利用客の回復に加え、不動産事業およびレジャー事業の成長が大きく寄与し、堅調に拡大しています。特に2024/03期以降は営業利益が300億円の大台を突破し、収益基盤が強固になりました。2026年3月期も増収増益を維持する見込みであり、観光需要の取り込みとインバウンド需要の増加が成長を牽引しています。 【3Q 2026/03期実績】売上1954億円(通期予想比73%)、営業利益342億円(同105%)、純利益223億円(同118%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
南海電気鉄道の開示データは、鉄道事業を基盤としつつ、難波駅周辺の再開発や不動産賃貸事業が収益の柱となっていることを示しています。鉄道事業の分社化と持ち株会社体制への移行に伴い、グループ全体での成長投資やリスク管理の重要性が増しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 243億円 | — | 308億円 | +26.8% |
| 2025期 | 310億円 | 327億円→340億円 | 347億円 | +11.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 2,539億円 | — | 2,416億円 | -4.8% |
| 2025期 | 2,591億円 | — | 2,608億円 | +0.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2022年度から始まった中期経営計画では、コロナ禍からの回復を背景に、特に利益面で好調な進捗を見せました。インバウンド需要の回復が想定を上回り、運輸・レジャー事業が大きく貢献したことで、2024期の営業利益目標340億円を前倒しで達成する見込みです。業績予想も保守的な期初予想から複数回の上方修正を行うなど、ポジティブなサプライズが続いており、市場の信頼を獲得しています。
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
創業140周年を記念したイベントや限定施策を多数実施し、顧客エンゲージメントの向上に成功。
米国バリューアッド型ファンドへの出資を発表し、海外不動産ポートフォリオの多様化を推進。
持株会社体制へ移行し、社名を「NANKAI」へと変更。不動産事業と鉄道事業の分社化による成長加速を目指す。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性に関して、総資産は約9,769億円規模で推移しており、自己資本比率は30%台まで向上し、一定の財務余力を確保しつつある状況です。ただし、鉄道や大型再開発に伴う有利子負債は約8,396億円と水準が高いため、今後の金利動向や開発投資の回収状況が注視されます。資産構成は鉄道施設が中心ですが、開発不動産を含めたバランスの良いポートフォリオ形成が進行中です。 【3Q 2026/03期】総資産1.0兆円、純資産3475億円、自己資本比率25.2%、有利子負債4474億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 213億円 | 333億円 | 358億円 | 119億円 |
| 2022/03期 | 419億円 | 197億円 | 270億円 | 222億円 |
| 2023/03期 | 391億円 | 263億円 | 113億円 | 128億円 |
| 2024/03期 | 622億円 | 105億円 | 468億円 | 517億円 |
| 2025/03期 | 438億円 | 393億円 | 47.9億円 | 45.1億円 |
営業キャッシュフローは鉄道事業の回復や沿線開発の好調により安定的に創出されています。豊富な営業キャッシュを背景に、成長のための投資を継続しつつ、借入金の返済にも充てることで財務健全性の向上を図っています。大規模な設備投資が必要な鉄道事業の特性があるものの、直近ではフリーキャッシュフローをプラスで維持する体制が整っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が20.0%と一定の多様性を確保しており、監査報酬も1億5,200万円と監査体制の強化に積極的に取り組む姿勢が伺えます。連結子会社54社を抱える大規模組織として、2026年4月からの新体制下における経営の透明性と効率性が今後の重要課題です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 650万円 | 9,247人 | - |
従業員平均年収は650万円であり、陸運・鉄道業界の平均水準と比べても堅実かつ安定的な報酬体系を維持しています。長年の勤続を前提とした給与体系が背景にあり、鉄道事業の安定収益が従業員の生活基盤を支えています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、ほぼ一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これはコロナ禍において、運輸・レジャーセクターが市場全体の回復ペースに比べて出遅れたことが主な要因です。特にインバウンド需要が消失した2021期〜2022期のアンダーパフォームが顕著でした。足元では業績回復とともに株価も上昇基調にありますが、市場平均を上回る成長期待を投資家に示すことが今後の課題となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 6円 | 27.0% |
| 2017/03期 | 6円 | 20.7% |
| 2019/03期 | 30円 | 26.1% |
| 2020/03期 | 32.5円 | 17.7% |
| 2021/03期 | 25円 | - |
| 2022/03期 | 25円 | 70.4% |
| 2023/03期 | 25円 | 19.4% |
| 2024/03期 | 35円 | 16.6% |
| 2025/03期 | 40円 | 20.1% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
配当方針は、持続的な利益成長を背景に株主への利益還元を強化する方針を掲げています。配当性向20%台を維持しつつ、業績の好調に合わせて増配基調を続けており、株主還元への姿勢を強めています。今後の持ち株会社体制への移行後も、グループ全体の収益向上を通じた安定的な還元が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 104.3万円 | 4.3万円 | 4.3% |
| 2022期 | 98.1万円 | 1.9万円 | -1.9% |
| 2023期 | 122.0万円 | 22.0万円 | 22.0% |
| 2024期 | 134.2万円 | 34.2万円 | 34.2% |
| 2025期 | 105.7万円 | 5.7万円 | 5.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
直近の信用倍率は0.17倍と売り残が買い残を大幅に上回っており、将来的な株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは株価上昇後の利益確定売りや、制度信用売りによる短期的なヘッジ需要が背景にあると考えられます。一方で、PER・PBRは業界平均と比較して割安な水準にあり、中長期的な視点では割安感があるとも評価できます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 18.5億円 | 37.1億円 | 200.4% |
| 2022/03期 | 99.3億円 | 59.1億円 | 59.5% |
| 2023/03期 | 190億円 | 43.4億円 | 22.9% |
| 2024/03期 | 293億円 | 53.9億円 | 18.4% |
| 2025/03期 | 356億円 | 131億円 | 36.8% |
税引前利益が少ない時期は、繰延税金資産の取り崩しや一時的な会計上の調整により実効税率が著しく高くなりました。業績回復に伴い、利益水準が安定した2023/03期以降は税負担率も標準的な水準に落ち着いています。今後は事業分社化に伴う税務上の調整などが一時的に影響する可能性はあるものの、概ね法定実効税率に近い負担になると見込まれます。
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