西日本鉄道9031
Nishi-Nippon Railroad Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
福岡へ旅行や出張に行ったことはありますか?その時、天神駅まで乗った電車や、街中を走る「にしてつバス」は、この西日本鉄道が運営しています。また、天神のショッピングビル「ソラリアプラザ」で買い物をしたり、ホテルに泊まったりした経験があるかもしれません。実はそれらも西鉄グループのサービスです。あなたが海外からオンラインで取り寄せた商品も、もしかしたら西鉄の国際物流サービスが日本の玄関口まで運んできたものかもしれません。
2025期年3月期は売上高4,434.9億円、営業利益266.55億円を達成し、コロナ禍からの回復が鮮明です。主力の運輸業に加え、国際物流事業が好調で、2023期には純利益183.68億円と過去最高を記録しました。現在は福岡都市圏の再開発「天神ビッグバン」を追い風に不動産事業を強化する一方、フィリピンやインドなどアジアでの事業展開を加速させており、地域密着型コングロマリットからグローバル企業への変貌を図っています。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 福岡市中央区天神1丁目11番17号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.1% | 1.7% | - |
| 2022/03期 | 5.7% | 1.4% | - |
| 2023/03期 | 9.6% | 2.6% | - |
| 2024/03期 | 11.3% | 3.5% | 6.3% |
| 2025/03期 | 8.5% | 2.8% | 6.0% |
| 3Q FY2026/3 | 12.3%(累計) | 3.5%(累計) | 6.6% |
収益性は、パンデミックの影響が直撃した2021/03期の営業利益率マイナス2.7%から劇的に改善しました。2024/03期には営業利益率が6.3%まで向上しており、効率的な事業ポートフォリオへの再編とコスト構造の最適化が奏功しています。現在はROE(自己資本利益率)も8%から10%台で推移しており、株主資本を効率的に活用した経営が定着しつつあります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,461億円 | — | 121億円 | -153.3円 | - |
| 2022/03期 | 4,272億円 | — | 98.7億円 | 125.3円 | +23.4% |
| 2023/03期 | 4,946億円 | — | 184億円 | 233.1円 | +15.8% |
| 2024/03期 | 4,116億円 | 259億円 | 247億円 | 314.0円 | -16.8% |
| 2025/03期 | 4,435億円 | 267億円 | 208億円 | 267.2円 | +7.7% |
西日本鉄道は、コロナ禍で大きく落ち込んだ運輸事業やホテル事業が回復し、国際物流の取り扱い増加も寄与して業績が急回復しました。2021/03期には約121億円の最終赤字を計上しましたが、以降は不動産事業などの収益源が安定し、2024/03期には過去最高益水準となる約247億円の純利益を達成しました。現在は物流や不動産開発の好調を背景に、強固な収益基盤を確立しています。 【3Q 2026/03期実績】売上3436億円(通期予想比73%)、営業利益227億円(同91%)、純利益278億円(同131%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
鉄道事業のみならず、不動産賃貸や流通事業など多角的なビジネスポートフォリオを展開している点が大きな特徴です。EDINET開示情報では国際物流やインバウンド需要への依存もリスク・チャンス双方の要因として挙げられており、社会経済情勢の変化に強い経営構造を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 241億円 | 241億円 | 267億円 | +10.6% |
| 2024期 | 173億円 | 248億円 | 259億円 | +49.6% |
| 2023期 | 158億円 | 226億円 | 262億円 | +65.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 4,511億円 | 4,511億円 | 4,435億円 | -1.7% |
| 2024期 | 4,573億円 | 4,116億円 | 4,117億円 | -10.0% |
| 2023期 | 4,341億円 | 4,946億円 | 4,946億円 | +14.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は中期経営計画の明示がないものの、毎期の業績予想で計画を示しています。2026期の計画では営業利益250億円を目標としていますが、直近の2025期実績で既に266.55億円と前倒しで達成しています。一方で、過去の業績予想を見ると、営業利益は期初予想を大幅に上回る傾向がある(2023期: +65.5%、2024期: +49.6%)のに対し、売上高は未達となるケースもあり、売上規模の予測精度が課題と言えるでしょう。これは不動産売却のタイミング等、変動要素の大きい事業が影響している可能性があります。
最新ニュース
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
農業資材卸のヒノマルホールディングスを完全子会社化し、多角的な事業連携を強化。
Shizen Connectと提携し、エネルギー管理・VPPプラットフォーム事業への参入を表明。
2025年3月期決算を発表、連結営業利益は266.55億円を記録し底堅い収益力を証明。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、総資産が約7,821億円まで拡大する中で、自己資本比率が30%超へと段階的に強化されています。一方で有利子負債は2025/03期時点で約7,988億円まで増加しており、積極的な不動産投資や事業拡大に向けた資金調達を継続している点には留意が必要です。純資産の積み上げによって1株当たり純資産(BPS)も着実に上昇しており、長期的な資産価値は向上傾向にあります。 【3Q 2026/03期】総資産7953億円、純資産2766億円、自己資本比率29.7%、有利子負債3486億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 99.4億円 | 292億円 | 568億円 | 392億円 |
| 2022/03期 | 306億円 | 103億円 | 16.8億円 | 202億円 |
| 2023/03期 | 438億円 | 246億円 | 192億円 | 192億円 |
| 2024/03期 | 622億円 | 420億円 | 260億円 | 202億円 |
| 2025/03期 | 156億円 | 745億円 | 392億円 | 589億円 |
営業キャッシュフローは主力の運輸・不動産事業の回復により安定的な黒字を生み出していますが、2025/03期は積極的な成長投資に伴う投資キャッシュフローの支出が拡大したため、フリーキャッシュフローは一時的にマイナスとなりました。事業基盤強化のための資金調達を継続しつつ、将来的な収益拡大を目指すフェーズにあります。本業からのキャッシュ創出力は健在であり、成長戦略と財務規律のバランスが鍵となります。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が20.0%と一定の多様性を確保しており、ガバナンスの強化に取り組んでいます。81社の連結子会社を抱える巨大グループとして、監査報酬1億1,600万円を投じる手厚い監査体制を構築し、透明性の高い経営管理を徹底している点が評価されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 634万円 | 18,956人 | - |
従業員の平均年収は634万円と、陸運・鉄道業界の平均水準と比較しても堅実で安定した給与水準を維持しています。長年の平均勤続年数18.5年が示す通り、地域インフラを支える企業としての安定的な雇用環境が、この給与水準の背景にあると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
同社のTSR(株主総利回り)は、2021期から2025期までの5年間、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、コロナ禍で主力の運輸業が大きな打撃を受けたことや、多角的な事業構造が市場から専門企業ほど高く評価されにくいディスカウント要因となった可能性が考えられます。特に株価が大きく上昇した市況(2024期のTOPIX: 216.8%)においても、同社のTSRは99.7%に留まりました。株価は回復基調にあるものの、市場全体の成長率に追い付くためには、不動産や国際物流といった成長事業の収益性をさらに高め、株主還元を強化していくことが課題となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 7円 | 18.2% |
| 2017/03期 | 7円 | 22.7% |
| 2019/03期 | 35円 | 43.6% |
| 2020/03期 | 35円 | 41.3% |
| 2021/03期 | 25円 | - |
| 2022/03期 | 30円 | 23.9% |
| 2023/03期 | 35円 | 15.0% |
| 2024/03期 | 40円 | 12.7% |
| 2025/03期 | 40円 | 15.0% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
配当方針として安定的な利益還元を重視しており、業績の回復に合わせて増配を継続する姿勢を示しています。配当性向は依然として低水準にあり、成長投資を優先しつつも株主への利益還元余地は十分に確保されています。今後も中長期的な企業価値向上を背景に、着実な配当政策が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 112.2万円 | 12.2万円 | 12.2% |
| 2022期 | 103.0万円 | 3.0万円 | 3.0% |
| 2023期 | 93.4万円 | 6.6万円 | -6.6% |
| 2024期 | 99.7万円 | 0.3万円 | -0.3% |
| 2025期 | 87.3万円 | 12.7万円 | -12.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPBRは0.97倍と、解散価値を示す1倍を割り込んでおり、市場平均に比べて割安な水準です。PERも11.5倍と業界平均より低く、株価に割安感があります。信用取引では、売り残が買い残を上回る信用倍率0.56倍となっており、将来の株価下落を見込む投資家が多い一方、これは将来的な買い戻し需要(踏み上げ)のエネルギーが溜まっているとも解釈できます。株価は52週高値圏にあり、今後の決算発表で市場の期待に応えられるかが焦点となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -96.4億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 140億円 | 40.8億円 | 29.2% |
| 2023/03期 | 279億円 | 95.3億円 | 34.2% |
| 2024/03期 | 245億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 287億円 | 79.3億円 | 27.6% |
2021/03期の赤字期を除き、概ね法定実効税率に近い水準で法人税等を負担しています。2024/03期のように実効税率が0%となる年度があるのは、税効果会計や過去の繰越欠損金の活用などが影響していると考えられます。今後は安定的かつ透明性の高い納税状況が継続することが予測されます。
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