京成電鉄9009
Keisei Electric Railway Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが海外旅行や出張で成田空港へ行くとき、速くて快適な「スカイライナー」に乗ったことはありませんか?あれを運営しているのが京成電鉄です。また、千葉県や東京の東側エリアに住んでいる方にとっては、毎日の通勤や通学で利用する身近な電車かもしれません。さらに、あなたが東京ディズニーリゾートで楽しい時間を過ごすとき、その運営会社であるオリエンタルランドの筆頭株主として、京成電鉄は間接的に関わっています。普段何気なく利用する交通機関の裏側で、同社は日本の玄関口と世界的なテーマパークを支える重要な役割を担っているのです。
京成電鉄は、成田空港へのアクセス輸送を主力事業とし、コロナ禍からの回復が鮮明です。2025期の連結業績は売上高3,193.1億円、営業利益360.08億円と大幅な増益を達成しました。しかし、続く2026期は営業利益311.00億円、純利益425.00億円と、特別利益の剥落により減益を見込んでいます。新中期経営計画「D2プラン」では、ROE8%以上、配当性向30%以上を掲げ、株主還元を強化する姿勢を見せており、保有するオリエンタルランド株の活用策が引き続き焦点となります。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 千葉県市川市八幡3丁目3番1号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲7.6% | ▲3.4% | - |
| 2022/03期 | ▲1.1% | ▲0.5% | - |
| 2023/03期 | 6.7% | 2.9% | - |
| 2024/03期 | 19.9% | 8.6% | 8.5% |
| 2025/03期 | 14.1% | 6.5% | 11.3% |
| 3Q FY2026/3 | 8.2%(累計) | 3.8%(累計) | 12.7% |
収益性はコロナ禍の赤字から劇的な回復を遂げ、2025/03期には営業利益率が11.3%に達しました。ROE(自己資本利益率)も13.3%と高い水準を記録しており、資本効率を重視した経営への転換が鮮明になっています。今後は経営効率の更なる改善を通じ、安定的な高収益体制を維持できるかが焦点となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2,078億円 | — | ▲303億円 | -59.9円 | — |
| 2022/03期 | 2,142億円 | — | ▲44.4億円 | -8.8円 | +3.1% |
| 2023/03期 | 2,523億円 | — | 269億円 | 53.9円 | +17.8% |
| 2024/03期 | 2,965億円 | 252億円 | 877億円 | 174.9円 | +17.5% |
| 2025/03期 | 3,193億円 | 360億円 | 700億円 | 143.5円 | +7.7% |
京成電鉄の業績は、コロナ禍からの人流回復に加え、インバウンド需要の旺盛な取り込みにより急激な成長軌道を描いています。売上高は2021/03期の約2,078億円から2025/03期には約3,193億円まで大幅に伸長しました。今後は鉄道事業の安定運用に加え、不動産・ホテル事業など多角的な収益基盤の強化によって、持続的な利益確保を目指す見通しです。 【3Q 2026/03期実績】売上2476億円(通期予想比75%)、営業利益315億円(同101%)、純利益424億円(同100%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
鉄道事業を軸に、不動産・流通・ホテル事業などを幅広く展開する多角的な収益構造を有しています。開示情報からは、成田空港の機能強化に伴う輸送力増強や、地域活性化を目的とした不動産再開発が重要な事業リスクおよび成長機会として位置付けられています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 3,376億円 | — | 3,193億円 | -5.4% |
| 2024期 | 3,088億円 | — | 2,965億円 | -4.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 337億円 | — | 360億円 | +6.8% |
| 2024期 | 248億円 | — | 252億円 | +1.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「D2プラン」では、2027年度に営業利益380億円、ROE8%以上、配当性向30%以上という、資本効率と株主還元を強く意識した目標を掲げています。これはアクティビストからの提案も背景にあると考えられ、経営姿勢の転換を示すものです。一方、コロナ禍の影響があったとはいえ、前中計「D1プラン」の利益目標は未達に終わっており、計画達成力には課題も残ります。業績予想も売上高は下振れ、営業利益は上振れする傾向が見られ、安定性にはやや欠ける印象です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
京急電鉄と次期新型有料特急車両の共通化に向けた共同検討合意書を締結。
グループ会社のコミュニティー京成と京成トラベルサービスが合併し、運営体制を刷新。
イオンと資本業務提携を締結し、沿線地域の不動産再開発と商業施設出店を推進。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
財務健全性は、総資産が1兆円を超える規模まで拡大し、自己資本比率も46.5%と安定した水準を維持しています。2024/03期以降、有利子負債を適切にコントロールしつつ、積極的な投資資金の確保を行っている点が特徴です。今後も堅実な財務基盤を維持しつつ、成田空港関連や沿線開発への戦略的な資本投入が期待されます。 【3Q 2026/03期】総資産1.1兆円、純資産5730億円、自己資本比率46.5%、有利子負債3475億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 92.8億円 | ▲287億円 | 215億円 | ▲194億円 |
| 2022/03期 | 288億円 | ▲338億円 | 12.4億円 | ▲49.3億円 |
| 2023/03期 | 472億円 | ▲295億円 | ▲209億円 | 177億円 |
| 2024/03期 | 600億円 | 281億円 | ▲403億円 | 882億円 |
| 2025/03期 | 411億円 | ▲92.5億円 | ▲629億円 | 319億円 |
営業キャッシュフローは運輸業の回復に伴い安定的なプラスを創出しており、盤石な稼ぐ力を示しています。投資面では成田空港関連や不動産開発に向けた支出が見られるものの、全体としてフリーキャッシュフローは黒字を維持しています。強固なCFを背景に積極的な財務健全化や株主還元へ振り向ける好循環が確立されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%と一定の多様性を確保しており、経営層の意思決定における多様性推進が見受けられます。監査報酬1.2億円を投じるなど、連結子会社77社を抱える大規模グループとして、実効性の高い監視体制の構築に注力しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 752万円 | 12,818人 | - |
従業員平均年収は752万円であり、鉄道・運輸業界の標準と比較して堅調な水準を維持しています。長年培われたインフラ事業の安定収益と、成田空港アクセスという強固な収益基盤が給与の安定性を支えていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年でTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、コロナ禍による鉄道・バス事業の収益悪化や、同社が保有する潤沢な資産(特にオリエンタルランド株)を資本効率の改善や株主還元に十分に活用してこなかったことが市場から評価されなかったためと考えられます。近年、アクティビストからの指摘を受け、新中期経営計画でROEや配当性向の目標を掲げたことは、この状況を改善しようとする経営の意思表示であり、今後のTSR向上に向けた試金石となるでしょう。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 6.5円 | 7.1% |
| 2018/03期 | 15円 | 7.3% |
| 2019/03期 | 17円 | 7.4% |
| 2020/03期 | 17円 | 9.5% |
| 2021/03期 | 17円 | - |
| 2022/03期 | 17円 | - |
| 2023/03期 | 20円 | 12.4% |
| 2024/03期 | 13円 | 7.4% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
京成電鉄は中期経営計画において、連結配当性向30%以上を目標に掲げており、積極的な株主還元姿勢へと舵を切っています。利益成長に連動した増配傾向が鮮明であり、今後の業績向上に伴う更なる還元強化が期待されます。株主優待と合わせたトータルリターンの向上により、長期保有の魅力を高めています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 117.1万円 | 17.1万円 | 17.1% |
| 2022期 | 111.1万円 | 11.1万円 | 11.1% |
| 2023期 | 132.9万円 | 32.9万円 | 32.9% |
| 2024期 | 200.9万円 | 100.9万円 | 100.9% |
| 2025期 | 135.1万円 | 35.1万円 | 35.1% |
※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
陸運業の業界平均と比較すると、京成電鉄のPER・PBRはいずれも割安な水準にあります。これは、同社が保有するオリエンタルランド株などの資産価値が株価に十分に反映されていない可能性を示唆しています。信用取引では、買い残が売り残を上回る状況で信用倍率は4.20倍とやや高く、短期的な需給の重しとなる可能性も考えられます。今後の決算発表で示される新年度の業績見通しと還元策が、市場の評価を変える材料として注目されます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -322億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | -31.9億円 | 0円 | - |
| 2023/03期 | 268億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 516億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 618億円 | 0円 | 0.0% |
近年の法人税等がゼロとなっている背景には、過去の業績低迷期に計上した税務上の繰越欠損金が利用されている影響が大きいです。黒字化の定着に伴い、今後は税負担が標準的な水準へと段階的に移行していく見通しです。実効税率は一時的にマイナスと予想されていますが、会計上の特殊要因によるものです。
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京成電鉄 まとめ
「成田空港とディズニーランドという二大集客装置に支えられ、物言う株主と対峙する老舗鉄道会社」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。