東海旅客鉄道
CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY
最終更新日: 2026年3月20日
東京-大阪を結ぶ大動脈を独占し、リニアで未来を切り拓くモビリティの巨人
日本の中心的な交通インフラとして、安全で快適な輸送サービスを提供し、超電導リニアで未来のモビリティ社会を切り拓く。
この会社ってなに?
出張や旅行で東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」に乗ったことがあるなら、あなたはJR東海のお客様です。スマートEXやエクスプレス予約でチケットレス乗車するたび、JR東海の売上に貢献しています。東京-名古屋-大阪の移動を支える大動脈を運営し、さらに超電導リニアで「東京-名古屋40分」の未来を実現しようとしている企業です。
東海旅客鉄道(JR東海)は、東海道新幹線を中核事業とし年間1.8兆円超の売上と約7,000億円の営業利益を生み出す圧倒的な収益体質を持つ企業です。FY2025/3実績では売上高1兆8,318億円・営業利益7,027億円と過去最高水準を達成し、コロナ禍からの完全回復を果たしました。FY2026/3予想では増収ながら利益は横ばいを見込んでおり、リニア中央新幹線の建設費増大や開業時期の不透明感が株価の重石になっています。一方で、DX企業の買収や自動運転スタートアップとの提携、手荷物配送サービスなど非鉄道領域への展開も着実に進めており、未来のモビリティ基盤企業としての変革に挑んでいます。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号
- 公式
- jr-central.co.jp
社長プロフィール
安全の確保を経営の最重要課題として、東海道新幹線の安定輸送と快適性の向上に全力を尽くします。超電導リニアによる中央新幹線の実現、デジタル技術の活用、そして地域社会との共創を通じて、日本の未来を支えるインフラ企業として進化し続けます。
この会社のストーリー
日本国有鉄道の分割民営化により東海旅客鉄道株式会社が発足。東海道新幹線と東海地方の在来線を引き継ぎました。
東京-新大阪間を2時間30分で結ぶ最速列車「のぞみ」が誕生。ビジネス移動の概念を変えました。
東京証券取引所に株式を上場し、完全な民間企業として資本市場での評価を受ける体制を整えました。
東海道新幹線品川駅が開業し、東京南部からのアクセスが劇的に改善。全列車270km/h運転も実現しました。
超電導リニアで東京-名古屋を約40分で結ぶ中央新幹線の建設工事がスタート。日本の交通史を塗り替える挑戦が始まりました。
パンデミックで創業以来最大の赤字を経験する一方、次世代車両「N700S」の営業運転を開始し、技術力で未来への布石を打ちました。
DX企業ADDIXの買収、ティアフォーとの自動運転提携、JTBとの手荷物配送サービス開始など、鉄道を超えたモビリティ企業への進化を加速しています。
注目ポイント
東京-名古屋-大阪を結ぶ「東海道新幹線」は日本経済の生命線。年間約1.6億人が利用する独占路線を持ち、営業利益率38%という驚異的な収益力を誇ります。
超電導リニアで東京-名古屋40分・東京-大阪67分を目指す中央新幹線プロジェクト。完成すれば日本の都市構造そのものを変革する、人類史上最大級のインフラ事業です。
業績は過去最高水準で推移しながら、PBR0.91倍・PER9.8倍と株価は純資産を下回る水準にあります。リニアの不確実性が解消されれば、大きなバリューアップ余地を秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 125円 | 7.3% |
| FY2017/3 | 135円 | 6.8% |
| FY2018/3 | 140円 | 6.9% |
| FY2019/3 | 145円 | 6.5% |
| FY2020/3 | 150円 | 7.4% |
| FY2021/3 | 130円 | - |
| FY2022/3 | 130円 | - |
| FY2023/3 | 27円 | 12.1% |
| FY2025/3 | 31円 | 6.7% |
| 必要株数 | 500株以上(約211万円) |
| 金額相当 | 利用額に応じて変動 |
| 権利確定月 | 3月 |
FY2021/3〜FY2022/3は分割前ベースで130円を維持し赤字期も減配しない姿勢を見せましたが、配当性向は6.7%と極めて低い水準です。これはリニア中央新幹線の建設資金確保を最優先としているためであり、FY2026/3の会社予想配当は1株32円(利回り0.76%)です。株主優待は500株以上で運賃・料金10%割引券が1枚付与されますが、最低投資額が約211万円と個人投資家にはハードルが高い設計となっています。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
コロナ禍でFY2021/3は売上8,235億円・営業赤字1,847億円と歴史的な打撃を受けましたが、その後V字回復を遂げFY2025/3には売上高1兆8,318億円・営業利益7,027億円と過去最高水準に到達しました。FY2026/3予想では増収(1兆8,650億円)を見込む一方、営業利益は6,670億円と減益予想であり、リニア中央新幹線関連の費用負担増が影響しています。EPSは株式分割(1:5)後ベースで465.9円から429.9円へ微減の見通しです。 【3Q FY2026/3実績】売上1.5兆円(通期予想比81%)、営業利益6968億円(同104%)、純利益4592億円(同109%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
事業ごとの売上・利益
東海道新幹線が売上の大部分を占める中核事業。在来線やバス事業も含む。
駅構内の商業施設やキヨスク等の運営。
JRセントラルタワーズ等の駅ビルやホテル運営。高い利益率が特徴。
旅行事業、広告事業、ADDIX(DX支援)等。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -5.5% | -2.1% | - |
| FY2022/3 | -1.4% | -0.5% | - |
| FY2023/3 | 5.9% | 2.3% | - |
| FY2024/3 | 9.6% | 4.0% | 35.5% |
| FY2025/3 | 10.3% | 4.5% | 38.4% |
| 3Q FY2026/3 | 9.9%(累計) | 4.4%(累計) | 46.0% |
コロナ禍で営業利益率が-22.4%まで悪化した後、わずか4年でFY2025/3に38.4%まで劇的に回復しました。これは東海道新幹線の圧倒的な独占力と高い運賃単価が生む構造的な収益性の証です。ROEも9.8%まで改善し、リニア建設で膨らむ有利子負債を内部収益力で賄える体力を示しています。鉄道業界ではJR東日本(営業利益率約12%)やJR西日本(約11%)を大きく凌駕する突出した水準です。
財務は安全?
総資産は10兆3,233億円と着実に拡大を続け、自己資本比率も37.9%から44.6%へ改善が進んでいます。一方で有利子負債は約8兆8,491億円と巨額であり、これはリニア中央新幹線の建設資金を主因としています。BPSはFY2024/3の株式分割(1:5)後ベースで4,675円と、現在の株価4,233円に対しPBR0.91倍と純資産割れの状態にあります。 【3Q FY2026/3】総資産10.6兆円、純資産5.0兆円、自己資本比率45.5%、有利子負債1.3兆円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -1,694億円 | -1,347億円 | 2,626億円 | -3,041億円 |
| FY2022/3 | 717億円 | -1,530億円 | -192億円 | -813億円 |
| FY2023/3 | 4,867億円 | -1,750億円 | -2,206億円 | 3,117億円 |
| FY2024/3 | 6,729億円 | -4,366億円 | -1,251億円 | 2,363億円 |
| FY2025/3 | 6,246億円 | -9,560億円 | -955億円 | -3,315億円 |
コロナ禍のFY2021/3は営業CFがマイナス1,693億円と異例の資金流出を記録しましたが、FY2024/3には6,728億円まで回復し本業の稼ぐ力を証明しています。FY2025/3は投資CFが-9,560億円とリニア中央新幹線の本格着工に伴い急増し、FCFは-3,314億円と一時的にマイナスに転じました。財務CFは安定してマイナス圏(返済超過)を維持しており、業績好調期に負債返済を進める健全な姿勢が見て取れます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -2,621億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | -673億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | 3,075億円 | 881億円 | 28.6% |
| FY2024/3 | 5,469億円 | 1,625億円 | 29.7% |
| FY2025/3 | 6,493億円 | 1,909億円 | 29.4% |
コロナ禍のFY2021/3〜FY2022/3は赤字により税負担ゼロでしたが、業績回復に伴いFY2025/3には約1,908億円の法人税を納付しています。実効税率は28〜30%で安定推移していますが、FY2026/3予想では36.6%とやや高めの見通しです。税引前利益ベースでは6年間で-2,620億円から+6,670億円へと大きく改善しており、日本の法人税収に大きく貢献する企業に復帰しました。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 810万円 | 29,144人 | - |
平均年収は4年間で約123万円上昇し810万円に到達。コロナ禍で一時的に下落した後、業績回復に伴い急速に回復しています。約18,400人の大規模な従業員数を抱えながら、JR各社の中ではJR東日本(767万円)を上回る高水準。平均年齢36.8歳、平均勤続年数16.1年と安定した雇用環境です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はみずほ銀行・日本生命保険相互会社。
日本マスタートラスト信託銀行が11.7%を保有する幅広い機関投資家が分散保有する構造です。旧国鉄の民営化企業であるため政府持株は既に放出済みで、メガバンク・保険会社・信託銀行が上位を占めています。米ブラックロックが保有割合の増加を報告するなど海外機関投資家の注目も高まっています。社員持株会(1.62%)も存在し、従業員のエンゲージメントの高さも特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 運輸業 | 約1兆5,260億円 | 約6,200億円 | 約40.6% |
| 流通業 | 約1,820億円 | 約110億円 | 約6.0% |
| 不動産業 | 約640億円 | 約220億円 | 約34.4% |
| その他 | 約600億円 | 約60億円 | 約10.0% |
売上の約83%を運輸業(東海道新幹線中心)が占める高度に集中した事業構造です。運輸業の営業利益率は約40%と極めて高く、これが全社収益の原動力となっています。不動産業は売上規模は小さいものの利益率34%と高水準。リスク要因としては巨大地震や感染症による旅客減、リニア建設費の膨張、金利上昇による利払い負担増が有価証券報告書に記載されています。
この会社のガバナンスは?
取締役17名中女性は2名(11.8%)であり、多様性の推進は道半ばです。連結子会社28社を擁するグループ経営体制のもと、監査報酬4億3,200万円を投じた強固なガバナンス体制を構築しています。設備投資は5,142億円とリニア建設を反映した巨額規模であり、平均勤続年数16.1年の安定した人材基盤が企業の継続的な運営を支えています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 7,027億円 | 7,780億円 | 7,027億円 | 上方修正 |
| FY2024/3 | 5,800億円 | — | 6,073億円 | +4.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1兆6,500億円 | — | 1兆7,104億円 | +3.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023/3 | 3,300億円 | — | 3,844億円 | +16.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
直近3期連続で期初予想を上回る着地を続けており、業績予想の確度は非常に高いと評価できます。FY2026/3も3Q累計で純利益4,592億円と既に通期予想(4,230億円)を超過しており、再度の上方修正が見込まれます。一方で、リニア中央新幹線の建設遅延(当初2027年開業予定が未定に)が中長期の不確実性として残る点には留意が必要です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSRは86.4%と元本割れの水準にあり、同期間のTOPIX(213.4%)を大幅にアンダーパフォームしています。コロナ禍での旅客需要激減、リニア建設の遅延・費用膨張、低配当政策が重なり、日本株全体の上昇局面でも株価が取り残される状況が続いています。業績は過去最高水準に回復しているだけに、リニアの進捗明確化や株主還元強化が株価の転機になる可能性があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 96.3万円 | -3.7万円 | -3.7% |
| FY2022 | 93.7万円 | -6.3万円 | -6.3% |
| FY2023 | 93.6万円 | -6.4万円 | -6.4% |
| FY2024 | 110.7万円 | +10.7万円 | 10.7% |
| FY2025 | 86.4万円 | -13.6万円 | -13.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPERは9.8倍・PBRは0.91倍と陸運業界の平均を大幅に下回る水準にあり、純資産割れの割安状態が続いています。信用倍率は1.08倍と売買がほぼ拮抗しており、底値圏からの反転を期待する買い勢力と、リニア建設費の膨張を懸念する売り勢力がせめぎ合う構図です。配当利回り0.76%は業界平均を下回りますが、これはリニア投資優先の資本政策によるものです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
JTBと連携し東海道新幹線を活用した手荷物当日配送サービスの提供を開始。
DX支援企業であるADDIXを全株式取得により子会社化し、デジタル戦略の強化を図る。
第1四半期で経常利益が前年同期比21%増となり、高い収益性を維持。
最新ニュース
東海旅客鉄道 まとめ
ひとめ診断
東海道新幹線という唯一無二の収益源を軸に、リニア中央新幹線という超長期プロジェクトへ挑む日本の交通インフラの巨人
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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