東急9005
TOKYU CORPORATION
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段、通勤や通学で東急東横線や田園都市線を使っているなら、それは東急のサービスを利用していることになります。また、渋谷ヒカリエや渋谷スクランブルスクエアでショッピングや食事を楽しむとき、その施設の多くは東急が開発・運営に関わっています。さらに、日常の買い物で東急ストアを利用したり、旅行先で東急ホテルに宿泊したりすることもあるかもしれません。このように、東急は私たちの移動、買い物、余暇といった生活の様々な場面で深く関わっている企業なのです。
東急は、鉄道事業を基盤に、渋谷を中心とした不動産開発で成長を続ける企業です。2025年3月期には売上高1兆550億円、営業利益1,035億円とコロナ禍から完全に回復し、過去最高益を更新する勢いです。交通、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートという4つの事業セグメントが相互に連携し、特に渋谷再開発プロジェクトは今後の成長を牽引する最大のドライバーと目されています。一方で、新たな中期経営計画が市場の期待を下回る可能性も指摘されており、計画達成力と株主還元策が投資家の注目を集めています。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都渋谷区南平台町5-6
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲7.4% | ▲2.3% | - |
| 2022/03期 | 1.2% | 0.4% | - |
| 2023/03期 | 3.4% | 1.0% | - |
| 2024/03期 | 7.9% | 2.4% | 9.1% |
| 2025/03期 | 9.4% | 3.0% | 9.8% |
| 3Q FY2026/3 | 9.6%(累計) | 2.7%(累計) | 11.2% |
収益性はコロナ禍の赤字から劇的に改善しており、営業利益率は2021/03期のマイナス圏から2025/03期には9.8%まで大きく向上しました。鉄道・バスの運行再開に加え、ホテルや商業施設における単価の上昇とDXを通じたコスト最適化が利益率の改善を支えています。今後はROE9.1%からさらなる資本効率の向上を目指し、稼ぐ力を強化する段階に入っています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 9,359億円 | — | ▲559億円 | -92.6円 | — |
| 2022/03期 | 8,791億円 | — | 90.7億円 | 15.1円 | -6.1% |
| 2023/03期 | 9,313億円 | — | 260億円 | 42.9円 | +5.9% |
| 2024/03期 | 1.0兆円 | 949億円 | 639億円 | 106.1円 | +11.4% |
| 2025/03期 | 1.1兆円 | 1,035億円 | 797億円 | 134.8円 | +1.7% |
東急の業績は、コロナ禍で大きく落ち込んだ交通・ホテル事業が人流回復により急激に改善し、売上高は1兆円規模へ回復しました。特に不動産事業での再開発案件の寄与や、各事業セグメントでの収益性向上が奏功し、純利益は前期の約637億円から2025/03期には約796億円へと大幅な増益を達成しました。今後はさらなる成長投資を推進しつつ、1兆円超の売上規模を維持・拡大する強固な収益基盤を確立しています。 【3Q 2026/03期実績】売上7846億円(通期予想比73%)、営業利益882億円(同88%)、純利益743億円(同93%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、事業ポートフォリオは交通・不動産を主軸に、ホテル・リゾートや生活サービスまで多岐にわたる複合経営を行っています。渋谷再開発などの不動産開発リスクや、鉄道需要の景気変動リスクが主要な経営上の不確定要素として挙げられており、連結子会社124社を抱える広範なグループ全体のガバナンスが重視されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 880億円 | — | 1,035億円 | +17.6% |
| 2024期 | 700億円 | — | 949億円 | +35.6% |
| 2023期 | 400億円 | — | 446億円 | +11.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1兆550億円 | — | 1兆550億円 | ±0.0% |
| 2024期 | 1兆306億円 | — | 1兆378億円 | +0.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
東急はコロナ禍以降、着実に業績を回復させており、会社の業績予想を上回る実績を出し続けています。特に営業利益は2期連続で期初予想を大幅に上回って着地しており、収益力の高さを示しています。2025年3月期から始まった新中期経営計画では最終利益570億円を目標としていますが、初年度の2025期実績が797億円と既に大幅に超過しており、計画の前倒し達成が期待されます。今後は目標の上方修正や株主還元強化の発表が株価のカタリストとなる可能性があります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
「Moving for Good Days Project」を始動し、移動を通じた顧客体験価値の向上を推進。
OpenStreetと資本業務提携を締結し、交通移動データの活用による移動ニーズの多様化への対応を強化。
26年3月期第2四半期累計の連結経常利益が前年同期比5.6%増の701億円を達成。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
財務健全性は、総資産が約2兆7,000億円に達する中で、自己資本比率が約30.7%で推移しており、強固な資産背景と安定した財務体質を維持しています。多額の有利子負債を抱えていますが、大規模な都市開発への投資を通じた将来的なキャッシュ創出が見込まれるため、過度な懸念は限定的です。今後は成長投資と財務規律のバランスを重視し、資産効率を高める経営が求められます。 【3Q 2026/03期】総資産2.8兆円、純資産9218億円、自己資本比率28.8%、有利子負債1.3兆円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 859億円 | ▲1,152億円 | 172億円 | ▲293億円 |
| 2022/03期 | 856億円 | ▲788億円 | ▲13.7億円 | 67.7億円 |
| 2023/03期 | 954億円 | ▲1,544億円 | 746億円 | ▲590億円 |
| 2024/03期 | 1,453億円 | ▲1,010億円 | ▲720億円 | 443億円 |
| 2025/03期 | 1,551億円 | ▲1,140億円 | ▲252億円 | 411億円 |
営業キャッシュフローは、鉄道やホテル事業の需要回復により、2025/03期には約1,551億円まで安定的に成長しています。投資キャッシュフローは渋谷等の大規模再開発を背景に継続的に支出されていますが、営業CFでカバーできる健全な構造です。結果として、フリーキャッシュフローは黒字を定着させており、成長投資を継続しつつ株主還元にも充当できる余裕を生み出しています。
この会社のガバナンスは?
ガバナンス体制については、女性役員比率が15.4%となっており、多様な視点の登用を進めています。連結子会社124社を擁する巨大企業体として、監査報酬に約3.8億円を投じるなど、グループ全体の透明性確保と監査機能の強化に注力している点が特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 883万円 | 24,054人 | - |
平均年収883万円という水準は、鉄道・不動産セクターの中でも上位に位置しており、沿線開発やインフラ運営といった高い専門性が求められる事業特性を反映しています。コロナ禍からの需要回復や、渋谷を中心とした大規模再開発事業によるグループ全体の収益性向上が、近年の給与水準を下支えしていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。東急のTSRは過去5年間(2021期~2025期)にわたり、継続して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、同期間にTOPIXが大きく上昇した一方で、東急の株価がコロナ禍の影響や金利上昇への警戒感から伸び悩んだことが主な要因です。株主還元策として増配を継続しているものの、株価上昇が伴わなかったため、総合リターンでは市場平均に及ばない状況が続いています。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 8.5円 | 19.0% |
| 2017/03期 | 9円 | 16.4% |
| 2018/03期 | 19円 | 16.5% |
| 2019/03期 | 20円 | 21.0% |
| 2020/03期 | 23円 | 32.9% |
| 2021/03期 | 15円 | - |
| 2022/03期 | 15円 | 102.9% |
| 2023/03期 | 15円 | 34.9% |
| 2024/03期 | 17.5円 | 16.5% |
| 2025/03期 | 24円 | 17.8% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
東急は成長投資を優先しつつも、株主への安定的かつ継続的な還元を重視する累進配当的な姿勢を強化しています。配当性向は近年の業績急拡大に伴い一時的に低下しましたが、増配を継続しており株主還元水準は着実に引き上げられています。今後は配当性向の向上や更なる増配を通じて、資本効率を意識した還元策が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 87.6万円 | ▲12.4万円 | -12.4% |
| 2022期 | 95.4万円 | ▲4.6万円 | -4.6% |
| 2023期 | 106.3万円 | 6.3万円 | 6.3% |
| 2024期 | 112.1万円 | 12.1万円 | 12.1% |
| 2025期 | 104.2万円 | 4.2万円 | 4.2% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在の株価はPER13.6倍と、陸運業の平均(約26倍)と比較して割安な水準にあります。これは、鉄道事業だけでなく不動産事業の比重が大きい同社の特性を市場が織り込んでいるためと考えられます。信用倍率は0.67倍と売り残が多く、株価が下落すると予想する投資家が多い状況を示しており、短期的な需給は軟調です。今後は、渋谷再開発の収益貢献が本格化するにつれて、市場の評価が見直される可能性があります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -268億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 350億円 | 259億円 | 74.1% |
| 2023/03期 | 474億円 | 214億円 | 45.1% |
| 2024/03期 | 993億円 | 354億円 | 35.6% |
| 2025/03期 | 1,077億円 | 280億円 | 26.0% |
2021/03期の赤字期を除き、概ね安定した納税状況にあります。2022/03期は一時的な税負担の調整が重なり実効税率が高まりましたが、以降は改善傾向にあります。2025/03期には税引前利益が約1,077億円に対し法人税等は約280億円となっており、正常な税負担水準へと収束しています。
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東急 まとめ
「私鉄の雄が、渋谷を『100年に一度』の実験場として未来の街づくりに挑む巨大デベロッパー」
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