鴻池運輸
Konoike Transport Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
物流の枠を超え、現場力で未来を動かす複合ソリューション企業
私たちは、物流の枠を超え、技術と人の力で社会インフラを革新するグローバル・ソリューション・プロバイダーを目指します。特にアジア市場でのプレゼンスを確立し、持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが普段スーパーで手に取るお弁当やお惣菜、その製造ラインを管理しているのが鴻池運輸のスタッフかもしれません。また、空港で預けたスーツケースを飛行機に積み込んだり、病院で使われる手術器具を安全に洗浄・滅菌したりするのも彼らの仕事です。私たちの目に直接触れることは少なくても、鴻池運輸は食品工場から空港、医療現場まで、社会の様々な『裏側』を支える重要な役割を担っているのです。
鴻池運輸は、物流事業と製造・医療現場などの請負サービスを両輪とする複合ソリューション企業です。2025年3月期には売上高3,449.9億円、営業利益213.85億円と過去最高益を更新し、5期連続の増配を達成するなど株主還元にも積極的です。特に成長ドライバーとしてインド事業に注力しており、M&Aや設備投資を通じて現地のインフラ・物流網を強化しています。伝統的な物流の枠を超え、高付加価値な請負サービスと海外展開で持続的な成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区伏見町4丁目3番9号 HK淀屋橋ガーデンアベニュー2F
- 公式
- www.konoike.net
社長プロフィール
創業以来、私たちは現場の最前線でお客様の課題解決に貢献してきました。現在は『中期経営計画2027』のもと、物流の枠を超えたソリューションを提供し、特に成長著しいインド市場を『第二の創業地』と位置づけ、グローバルな成長を目指して挑戦を続けています。
この会社のストーリー
大阪の傳法(現・大阪市此花区)にて、鴻池忠治郎が労務供給業・運輸業を開始。これが鴻池運輸の原点となる。
個人事業から「鴻池運輸株式会社」を設立。戦後の復興と共に事業基盤を確立し、近代的な企業としての歩みを始める。
創業130年以上の歴史を経て、東京証券取引所第一部(現・プライム市場)へ上場。さらなる成長と社会的な信用の向上を果たす。
電気・計装・制御分野のエンジニアリング事業会社を買収。物流に留まらない複合的なソリューション提供能力を強化する。
創業140周年を迎える。長い歴史で培った現場力と信頼を基盤に、次の時代に向けた新たな挑戦を開始する。
「インドを第二の創業地とする」というスローガンの下、コンテナ輸送能力を3倍以上に増強。成長市場への本格的なコミットメントを示す。
持続的な成長を目指す新中期経営計画を策定。DX推進や海外事業の拡大を柱に、企業価値向上に向けた取り組みを加速させる。
注目ポイント
「インドを第二の創業地」と位置づけ、コンテナ輸送能力を3倍以上に増強するなど積極投資を敢行。国内に留まらないグローバルな成長ストーリーが期待されます。
株主優待はありませんが、3期連続の増配を発表するなど、配当による株主還元に積極的です。安定した収益基盤が投資家への還元を支えています。
単なる運輸業に留まらず、M&Aを通じてエンジニアリングや医療器材滅菌サービスへも事業を拡大。多様な事業ポートフォリオが強みです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 21.7% |
| FY2022/3 | 29円 | 19.2% |
| FY2023/3 | 42円 | 26.8% |
| FY2024/3 | 65円 | 30.4% |
| FY2025/3 | 96円 | 36.3% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
鴻池運輸は業績成長に伴う株主還元を重視しており、配当金はFY2021/3の20円からFY2025/3には96円まで連続増配を実現しています。配当性向の目標を掲げつつ、強固なキャッシュフローを背景とした安定的かつ持続的な利益還元を行っています。今後はさらなる企業価値向上を通じ、還元水準の向上を目指す方針です。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
鴻池運輸は、国内外の物流および請負業務を両輪として安定した成長を続けており、売上高はFY2021/3の約2,923億円からFY2025/3には約3,450億円まで拡大しました。特にエンジニアリング事業や国際展開の強化が奏功し、営業利益は過去5年間で5倍以上の約214億円へ大きく飛躍しました。FY2026/3もさらなる増収増益を見込んでおり、物流現場の効率化を核とした成長戦略が着実に利益へ結びついています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.6% | 1.9% | 1.4% |
| FY2022/3 | 7.1% | 3.1% | 3.4% |
| FY2023/3 | 6.7% | 3.1% | 4.2% |
| FY2024/3 | 8.3% | 4.1% | 5.3% |
| FY2025/3 | 9.3% | 4.8% | 6.2% |
同社の収益性は構造改革と生産性向上により劇的に改善しており、営業利益率はFY2021/3の1.4%からFY2025/3には6.2%まで着実に上昇しました。ROE(自己資本利益率)も4.6%から9.3%へ向上し、限られた資本を効率的に活用して利益を生み出す体質が整いつつあります。低収益事業の選別や付加価値の高いエンジニアリング領域への注力により、収益基盤の質的な転換が進んでいることが指標に表れています。
財務は安全?
財務健全性は年々強化されており、自己資本比率はFY2021/3の39.2%からFY2025/3には50.7%まで改善しています。FY2024/3以降は成長投資に向けた有利子負債を約1,300億円規模で維持しつつも、純資産の積み上げによってバランスシートの厚みが増しました。強固な財務基盤を背景に、今後は国内外の戦略的投資と株主還元の両立が可能な安定した事業運営が期待されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 145億円 | -109億円 | 311億円 | 35.4億円 |
| FY2022/3 | 167億円 | -64.2億円 | -154億円 | 103億円 |
| FY2023/3 | 188億円 | -58.5億円 | -35.5億円 | 129億円 |
| FY2024/3 | 177億円 | -78.4億円 | -99.0億円 | 98.5億円 |
| FY2025/3 | 235億円 | -170億円 | -129億円 | 65.1億円 |
営業キャッシュフローは本業の好調さを反映し、FY2025/3には約235億円と過去最高水準を達成しました。投資活動においては海外拠点や自動化設備への積極的な投下により支出が増加傾向にありますが、高い営業キャッシュフロー創出能力によりフリーキャッシュフロー(FCF)は安定的に黒字を維持しています。財務キャッシュフローは借入金の返済や積極的な配当に充てられており、資本効率を意識したキャッシュ・マネジメントが実施されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 94.0億円 | 45.6億円 | 48.5% |
| FY2022/3 | 118億円 | 38.6億円 | 32.6% |
| FY2023/3 | 143億円 | 59.8億円 | 41.9% |
| FY2024/3 | 170億円 | 56.9億円 | 33.4% |
| FY2025/3 | 213億円 | 72.5億円 | 34.0% |
法人税等の支払額は税引前利益の伸長に伴い増加しており、FY2025/3実績では約72億円となりました。実効税率は概ね30%台前半から中盤で推移しており、法的な税率水準に準じた適正な納税が行われています。今後も業績拡大に伴い、納税を通じた社会貢献が継続される見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 571万円 | 16,650人 | - |
平均年収は571万円となっており、物流業界の平均水準と比較して安定した待遇を確保しています。近年の業績拡大に伴い、従業員への利益還元と生産性向上に向けた取り組みが継続されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は江之子島商事・鴻池運輸従業員持株会・銀泉。
鴻池家および関連企業が上位株主の多くを占めており、創業家による安定的な経営基盤が維持されています。また、主要な銀行や事業会社が名を連ねており、長期的な信頼関係に基づく強固な資本構成が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
国内物流や国際物流を中核に、鉄鋼や空港などの現場業務請負を含む複合ソリューション事業を展開しています。グローバル展開に伴う為替リスクや、物流業界特有の労務コスト増加といった事業リスクに対して適切な管理体制を構築しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.2%と一定の水準を確保しており、ダイバーシティ経営を推進しています。56社の連結子会社を抱える大規模な組織として、厳格な監査体制の構築とガバナンス強化を経営の重要課題として取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,400億円 | — | 3,450億円 | +1.5% |
| FY2024 | 3,210億円 | — | 3,150億円 | -1.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 180億円 | — | 214億円 | +18.8% |
| FY2024 | 140億円 | — | 166億円 | +18.8% |
| FY2023 | 110億円 | — | 132億円 | +20.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「中期経営計画2027」では、最終年度(FY2027)に営業利益240億円、ROE12.0%以上を目標に掲げています。初年度のFY2025から営業利益は計画を大きく上回るペースで進捗しており、収益力の改善が顕著です。過去の業績予想を見ても、特に利益項目で期初予想を大幅に上回る傾向があり、保守的なガイダンスを出しつつも着実に結果を出す経営姿勢がうかがえます。株主還元として配当性向40%以上を掲げている点も、投資家にとってポジティブな材料と言えるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2024までTOPIXを一貫して下回っていましたが、FY2025には253.5%とTOPIXの213.4%を大きく上回り、アウトパフォームに転じました。これは、近年の好調な業績を背景とした大幅な増配と、それに伴う株価上昇が本格的に株主総利回りに寄与し始めたことを示しています。特にFY2025の1株あたり配当金96円(前期比+47.7%)という積極的な株主還元姿勢への転換が、市場の評価を大きく変える要因となったと考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 106.1万円 | +6.1万円 | 6.1% |
| FY2022 | 104.0万円 | +4.0万円 | 4.0% |
| FY2023 | 136.4万円 | +36.4万円 | 36.4% |
| FY2024 | 202.6万円 | +102.6万円 | 102.6% |
| FY2025 | 253.5万円 | +153.5万円 | 153.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPERは10.9倍、PBRは1.08倍と、陸運業の業界平均(PER約35倍、PBR約1.5倍)と比較して割安な水準にあると考えられます。これは、同社の事業が伝統的な物流だけでなく多岐にわたる請負サービスを含むため、純粋な陸運業として評価されていない可能性を示唆します。信用倍率は52倍と高水準で、将来の株価上昇を期待した個人投資家の買いが多い状況ですが、将来的な売り圧力には注意が必要です。今後の決算発表で、高い成長性が再評価されれば、バリュエーションが見直される可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
物流パートナーシップ優良事業者として経済産業大臣表彰を受賞し、業界内での評価が向上。
過去3年間で約3億円の所得隠しを大阪国税局より指摘され、ガバナンス体制の見直しが課題となった。
新規事業領域への進出として農研植物病院への資本出資を実施し、事業ポートフォリオを多角化。
最新ニュース
鴻池運輸 まとめ
ひとめ診断
「創業140年超、物流の老舗が『現場の請負力』を武器にインドで第二の創業に挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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