小田急電鉄
Odakyu Electric Railway Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
東京と観光地を結ぶ大動脈、暮らしと旅を彩る『地域価値創造企業』へ
お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献し、社会から信頼される企業グループであり続けること。
この会社ってなに?
あなたが新宿から箱根の温泉や江の島へ旅行に行くとき、特急ロマンスカーを利用したことはありませんか?あるいは、通勤や通学で小田急線を使っているかもしれません。駅に併設された「小田急百貨店」で買い物をしたり、スーパーの「Odakyu OX」で食料品を買ったり。これらはすべて小田急電鉄が提供しているサービスです。あなたの「移動」や「暮らし」、「週末の楽しみ」の裏側で、同社は日々の生活を支える多彩な事業を展開しています。
小田急電鉄は、コロナ禍からの着実な回復を遂げ、FY2025には売上高4,227億円、営業利益514億円を達成しました。インバウンド需要の回復を追い風に、主力の運輸事業が力強く回復しているほか、安定収益源である不動産事業が業績を下支えしています。2024年度から始まった新中期経営計画では、成長領域への積極投資と株主還元の強化を掲げており、特に観光事業の収益力向上と沿線での新たなサービス創出が今後の成長の鍵となります。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング
- 公式
- www.odakyu.jp
社長プロフィール

当社グループは、経営ビジョンとして『地域価値創造型企業』を掲げています。鉄道事業を基盤としながら、観光や不動産など多様な事業を通じて沿線地域の魅力を最大限に引き出し、持続的な成長を目指します。資本コストや株価を意識した経営を実践し、すべてのステークホルダーの皆さまの期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
新宿と小田原を結ぶ鉄道計画からスタート。関東大震災の困難を乗り越え、後の小田急電鉄の礎が築かれた。
新宿〜小田原間82.5kmが開業。同時に江ノ島線も開業し、東京の郊外輸送と観光輸送の二本柱が確立された。
週末温泉列車を運行開始。これが後の特急ロマンスカーの原型となり、箱根観光のブランドイメージを築き始めた。
戦時中の合併(大東急)を経て、小田急電鉄株式会社として分離独立。新たな歴史が始まった。
新型コロナウイルスの影響で輸送人員が大幅に減少し、業績が悪化。鉄道事業のあり方が問われる大きな試練に直面した。
事業環境の変化に対応するため、本社機能の一部を神奈川県海老名市へ移転。新宿との2拠点体制で、より地域に根差した経営を目指す。
「地域価値創造型企業」をビジョンに掲げ、新中期経営計画を策定。観光事業の強化やデジタル活用で、新たな成長ステージへと舵を切る。
注目ポイント
都心からアクセス抜群の全国有数の観光地・箱根を沿線に持つのが最大の強み。新型ロマンスカー開発など、今後も「観光で稼ぐ」モデルへの転換で成長が期待される。
鉄道事業だけでなく、不動産開発や百貨店、スーパーなどを展開し、沿線住民の生活をトータルでサポート。安定した収益基盤を構築している。
スマホアプリ「EMot」や会員サービス「小田急ONE」を軸に、MaaSやエネルギー販売など新領域へも積極的に挑戦。未来の収益の柱を育てる姿勢に注目。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 10円 | 0.3% |
| FY2022/3 | 10円 | 30.0% |
| FY2023/3 | 21円 | 18.7% |
| FY2024/3 | 30円 | 13.3% |
| FY2025/3 | 40円 | 27.1% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
配当方針として持続的な増配と適切な利益還元を掲げており、業績の回復に合わせて着実に配当水準を引き上げています。株主還元の強化は中期経営計画の重要項目であり、配当性向を意識しながら安定的な株主価値の向上を目指しています。今後は資本効率を高めつつ、株主優待と配当の両輪で魅力あるリターンを提供し続ける方針です。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
小田急電鉄は、新型コロナウイルスの影響を受けたFY2021/3の赤字期を底に、鉄道事業の利用者回復や不動産・ホテル事業の堅調な推移により着実な増収増益基調を辿っています。FY2024/3には純利益が815億円に達し、子会社売却益等の特別利益も寄与して大幅な増益を実現しました。今後はさらなる成長を目指しつつも、安定的な収益基盤の維持に注力するフェーズへ移行しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -11.3% | -3.0% | -6.3% |
| FY2022/3 | 3.5% | 0.9% | 1.7% |
| FY2023/3 | 10.5% | 3.2% | 6.7% |
| FY2024/3 | 17.7% | 6.3% | 12.4% |
| FY2025/3 | 10.8% | 4.0% | 12.2% |
収益性はコロナ禍での低迷を経て急速に改善しており、FY2024/3には営業利益率が12.4%の高水準に到達しました。ROE(自己資本利益率)も回復基調にあり、効率的な資産運用とコスト構造の適正化が進んでいることを示唆しています。今後は観光事業や不動産事業の収益最大化を通じ、安定した利益率の確保を目指す見通しです。
財務は安全?
財務健全性は、強固な基盤の上にさらなる改善が続いており、自己資本比率はFY2025/3時点で36.8%まで着実に上昇しました。一方で、積極的な投資活動に伴い有利子負債は約1兆1,617億円まで拡大していますが、総資産の拡大と純資産の厚みがこれを裏付けています。資本コストを意識した経営を掲げており、財務体質のバランスを維持しながら戦略的な設備投資を推進する体制です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 272億円 | -436億円 | 372億円 | -164億円 |
| FY2022/3 | 486億円 | -455億円 | -306億円 | 31.0億円 |
| FY2023/3 | 629億円 | 347億円 | -511億円 | 976億円 |
| FY2024/3 | 716億円 | 234億円 | -1,021億円 | 951億円 |
| FY2025/3 | 559億円 | -745億円 | -70.4億円 | -186億円 |
営業キャッシュフローは本業の回復により安定的かつ堅調に推移しており、強固な稼ぐ力を維持しています。FY2023/3およびFY2024/3には、不動産売却等の投資活動によりフリーキャッシュフローが大きくプラスとなりました。足元では成長に向けた積極的な設備投資を優先しており、将来的には投資回収を通じたキャッシュ創出の最大化を図る方針です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -312億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 47.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 251億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 507億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 505億円 | 0円 | 0.0% |
過去数年間は、過去の税務上の欠損金や税効果会計の適用により法人税等の支払いが実質的に発生しない状況が続いていました。FY2026/3期予想においては、税引前利益に対して約180億円の法人税等が計上され、正常な税負担率へと回帰する見込みです。安定的な利益水準を維持することで、納税を通じた社会貢献も本格化していく段階にあります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 800万円 | 11,517人 | - |
従業員平均年収は800万円と、インフラ企業として安定した高水準を維持しています。鉄道事業の回復やグループの生活サービス事業の多角化による収益の底上げが、この水準を支える背景にあると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本生命保険相互会社・第一生命保険。
主要株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が名を連ねており、機関投資家による保有割合が高い構成です。また、日本生命や第一生命など大手生命保険会社も上位に位置しており、長期的かつ安定的な株主基盤が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
鉄道事業を軸に、百貨店や不動産開発を含む多角的な「地域価値創造型」ビジネスモデルを展開しています。一方で、今後の人口減少に伴う輸送人員の変動や、自然災害等による事業リスクを重要事項として開示しており、経営の健全性を維持するためのリスク管理を徹底しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が23.0%に達しており、取締役会の多様性確保に積極的な姿勢が見られます。また、1億6,200万円規模の監査報酬を支払うなど、連結子会社29社を抱える巨大インフラ企業として、強固な監査体制とコーポレートガバナンスを構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 530億円 | — | 514億円 | -3.0% |
| FY2024 | 350億円 | — | 508億円 | +45.0% |
| FY2023 | 246億円 | — | 266億円 | +8.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 4,250億円 | — | 4,227億円 | -0.5% |
| FY2024 | 4,000億円 | — | 4,098億円 | +2.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画(2024-2026)では、ROE7%以上を掲げ、資本効率を意識した経営へシフトしています。FY2025時点での実績は9.0%と好調な滑り出しを見せていますが、これは前期の資産売却益による一時的な押し上げ効果も含まれます。営業利益目標550億円に対する進捗率は93.5%と順調であり、インバウンド回復を背景とした運輸事業の復調が計画達成の鍵を握ります。過去の計画では増収目標は未達だったものの、利益目標は達成しており、収益性改善への意識は高いと評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間にわたりTOPIXを一貫して下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、コロナ禍における運輸・レジャーセクターへの逆風が直撃し、業績と株価が大きく落ち込んだことが主な要因です。特にインバウンド需要の蒸発や外出自粛による鉄道利用者数の減少が響きました。足元では業績回復とともに増配を進めていますが、市場全体の成長率に追いつくには、中期経営計画で掲げる成長戦略を着実に実行し、資本効率の改善を継続できるかが問われます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 128.0万円 | +28.0万円 | 28.0% |
| FY2022 | 86.7万円 | -13.3万円 | -13.3% |
| FY2023 | 74.2万円 | -25.8万円 | -25.8% |
| FY2024 | 90.5万円 | -9.5万円 | -9.5% |
| FY2025 | 67.0万円 | -33.0万円 | -33.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPERは16.4倍と、陸運業の業界平均(約32倍)と比較して割安な水準にあります。PBRは1.20倍で業界平均並みですが、配当利回りは2.40%と平均を上回っており、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。信用倍率は2.26倍と比較的落ち着いており、短期的な需給の偏りは限定的と見られます。今後は、インバウンド需要の継続や不動産事業の安定性が株価を支えるかどうかが注目されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
鉄道事業の安全対策とサービス向上に向けて436億円の設備投資を公表。
第2四半期累計の経常利益が前年同期比7.8%減となり、通期見通しを下方修正。
小田急線におけるダイヤ改正を実施し、運行効率の最適化を図る。
最新ニュース
小田急電鉄 まとめ
ひとめ診断
「箱根観光の絶対王者、沿線不動産と『小田急経済圏』のDXでコロナ後の成長軌道を描く」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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