西武ホールディングス9024
SEIBU HOLDINGS INC.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段、通勤や通学で西武線の電車を利用するとき、その裏側には西武ホールディングスがいます。また、週末に「西武園ゆうえんち」や「横浜・八景島シーパラダイス」へ出かけたり、プロ野球「埼玉西武ライオンズ」の試合を観戦したりするのも、同社のサービスです。さらに、旅行で「プリンスホテル」に宿泊したり、閉園した「としまえん」の跡地にできたワーナー ブラザース スタジオツアー東京(ハリー・ポッター施設)に遊びに行ったりする際にも、実は西武グループの事業に触れているのです。あなたのレジャーや移動を、様々な形で支えている会社です。
西武ホールディングスはコロナ禍からのV字回復を遂げ、2024期には売上高4,776億円、営業利益477億円を達成しました。特に注目すべきは、保有不動産を売却して得た資金を成長分野に再投資する「アセットライト戦略」です。この戦略に基づき「東京ガーデンテラス紀尾井町」などを約4,000億円で売却し、2025期の純利益は2,581億円に達する見込みです。得られたキャッシュで米国の「エースホテル」を買収するなど、グローバルなホテルチェーンへの脱皮を図っており、鉄道会社から総合不動産・サービス企業へのダイナミックな変革期にあります。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都豊島区南池袋一丁目16番15号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 18.7% | 4.3% | - |
| 2022/03期 | 2.7% | 0.6% | - |
| 2023/03期 | 14.8% | 3.4% | - |
| 2024/03期 | 6.7% | 1.7% | 10.0% |
| 2025/03期 | 51.7% | 14.9% | 32.5% |
| 3Q FY2026/3 | 7.0%(累計) | 1.8%(累計) | 11.6% |
収益性は、鉄道・ホテル事業の回復に加え、高収益な不動産売却益が利益率を劇的に押し上げたことで大きく向上しました。2025/03期には営業利益率が32.5%、ROEが45.5%に達しましたが、これは一時的な資産売却の影響が大きく、今後は安定的な事業収益への回帰が焦点となります。過去の赤字期を脱し、今後はアセットライト戦略による運営効率の改善が収益性の持続的なカギとなります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,371億円 | — | 723億円 | -241.3円 | - |
| 2022/03期 | 3,969億円 | — | 106億円 | 35.4円 | +17.7% |
| 2023/03期 | 4,285億円 | — | 568億円 | 188.7円 | +8.0% |
| 2024/03期 | 4,776億円 | 477億円 | 270億円 | 89.7円 | +11.5% |
| 2025/03期 | 9,011億円 | 2,927億円 | 2,582億円 | 902.0円 | +88.7% |
西武ホールディングスは、コロナ禍で多額の赤字を計上しましたが、保有資産の流動化による大規模な売却益が業績回復を牽引しました。特に2025/03期には、約4,000億円規模の不動産売却などが寄与し、売上高約9,011億円、純利益約2,582億円という異例の好業績を達成しています。一方、2026/03期予想では特需の反動により、売上高約5,110億円、純利益約260億円へと水準が正常化する見通しです。 【3Q 2026/03期実績】売上3882億円(通期予想比76%)、営業利益449億円(同112%)、純利益321億円(同123%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示に基づき、西武グループは鉄道・不動産・ホテルを多角的に展開しています。特に近年は「アセットライト戦略(保有資産の売却と運営への特化)」を推進しており、4,000億円規模での東京ガーデンテラス紀尾井町の売却など、資本効率を重視した経営へ転換を図っている点が最大のリスク要因かつ成長エンジンです。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 2,927億円 | — | 2,927億円 | 0.0% |
| 2024期 | 360億円 | — | 477億円 | +32.5% |
| 2023期 | 310億円 | — | 222億円 | -28.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 4,560億円 | — | 3,969億円 | -13.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現中期経営計画は、コロナ禍からの回復と不動産事業の強化が二本柱です。過去の計画では、コロナ影響で営業収益・利益目標は未達でしたが、資産売却を進め財務指標(自己資本比率)は達成しました。2024期以降は、「アセットライト戦略」を加速させ、大規模な不動産売却益で業績を大きく上振れさせています。ただし、売却益を除いた鉄道・ホテルなど本業の回復ペースは計画に対してややビハインドしており、持続的な成長軌道に乗せられるかが今後の焦点です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
複合商業施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」を約4000億円で売却し、アセットライト戦略を加速。
ペッツオーライとの提携により、沿線地域でのペットフレンドリー施策を強化。
所沢駅にてアバター駅係員によるハイブリッド接客を導入し、次世代の駅サービスを試験運用。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、資産売却で得た資金を活用した有利子負債の圧縮により、自己資本比率が過去最高水準の30.6%まで改善しました。かつては有利子負債が肥大化していましたが、構造改革により身軽な体質へと転換を図っています。今後は積み上げた純資産を背景に、安定的な投資と株主還元を両立できる財務基盤を維持していくことが期待されます。 【3Q 2026/03期】総資産1.6兆円、純資産5483億円、自己資本比率27.0%、有利子負債6372億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 243億円 | 475億円 | 724億円 | 718億円 |
| 2022/03期 | 586億円 | 186億円 | 191億円 | 772億円 |
| 2023/03期 | 672億円 | 879億円 | 2,172億円 | 1,550億円 |
| 2024/03期 | 920億円 | 439億円 | 424億円 | 480億円 |
| 2025/03期 | 4,744億円 | 937億円 | 1,364億円 | 3,807億円 |
キャッシュフローは、大規模な不動産売却による投資CFおよび営業CFの劇的な改善が特徴的です。特に2025/03期は売却益により莫大なフリーキャッシュフローを創出しました。これにより、財務活動によるキャッシュフローは大幅なマイナスとなり、借入金の返済を通じた財務改善を積極的に進めていることが読み取れます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%と改善の余地があるものの、多様性の確保に努めています。監査報酬に3億2,600万円を割くなど、大手持株会社として監査体制を強化しており、連結子会社78社を束ねるグループ全体のガバナンス統制を重視した経営を行っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 891万円 | 20,993人 | - |
従業員平均年収は891万円であり、鉄道やホテル事業を核とする大手私鉄・インフラ業界と比較しても高水準です。これは、コロナ禍からの回復に伴うホテル・レジャー事業の業績改善や、資産流動化による収益性向上といった構造改革の成果が賃金へ還元されている側面があります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、2023期まではTOPIXを一貫して下回っていましたが、2024期以降はTOPIXを大きく上回るパフォーマンスを示しています。この転換の背景には、コロナ禍からの人流回復に加え、「アセットライト戦略」に基づく大規模な不動産売却と、それに伴う株主還元の強化(増配)があります。経営改革が株価にポジティブに評価され始めたことで、TSRが著しく改善しました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 17円 | 10.1% |
| 2017/03期 | 23円 | 15.4% |
| 2018/03期 | 23円 | 16.8% |
| 2019/03期 | 30円 | 20.7% |
| 2020/03期 | 30円 | 197.6% |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 5円 | 14.1% |
| 2023/03期 | 25円 | 13.2% |
| 2024/03期 | 25円 | 27.9% |
| 2025/03期 | 40円 | 4.4% |
| 必要株数 | 100株以上(約44万円) |
| 金額相当 | 利用状況により変動 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
配当方針は、中長期的な利益成長に基づいた安定配当の継続を重視しています。足元では業績の回復に伴い増配傾向にあり、投資家への還元を強化しています。今後もアセットライト戦略による収益性を高め、持続可能な株主還元を目指す方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 102.7万円 | 2.7万円 | 2.7% |
| 2022期 | 107.5万円 | 7.5万円 | 7.5% |
| 2023期 | 116.9万円 | 16.9万円 | 16.9% |
| 2024期 | 208.6万円 | 108.6万円 | 108.6% |
| 2025期 | 285.9万円 | 185.9万円 | 185.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用取引では、売り残が買い残を大幅に上回る「0.29倍」となっており、将来の株価下落を見込む空売りが多い状況です。これは、株価が短期的に過熱しているとの見方や、大規模な不動産売却益による業績上振れが一過性であるとの見方を反映している可能性があります。PER・PBRともに業界平均より割高で、市場からの高い成長期待が伺えますが、信用倍率の低さは短期的な調整リスクを示唆しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -588億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | -174億円 | 0円 | - |
| 2023/03期 | 201億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 430億円 | 160億円 | 37.2% |
| 2025/03期 | 2,876億円 | 295億円 | 10.2% |
過去の赤字計上により繰越欠損金が存在したため、数年間は法人税の支払いが免除あるいは低水準で推移しました。2024/03期以降は業績の黒字定着により正規の納税額が発生しています。2025/03期の実効税率が低いのは、不動産売却に伴う特別な税務上の処理や税効果会計が影響している可能性があります。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
西武ホールディングス まとめ
「鉄道会社が、ホテルや不動産を『磨いては売る』資産回転モデルで稼ぐ、総合不動産デベロッパーに変貌中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。