京王電鉄9008
Keio Corporation
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが通勤や通学で京王線や井の頭線を使っているなら、まさにその鉄道を運営しているのが京王電鉄です。また、週末に新宿の京王百貨店で買い物をしたり、京王プラザホテルで食事を楽しんだ経験はありませんか?これらもすべて京王グループのサービスです。さらに、高尾山へハイキングに行くときに乗るケーブルカーやリフトも同社が手掛けています。普段何気なく利用している駅や商業施設、レジャースポットの多くが、実は京王電鉄によって支えられているのです。
京王電鉄は、コロナ禍からのV字回復を遂げ、2025年3月期には売上高4,529.2億円、営業利益541.48億円と堅調な業績を達成しました。運輸業の回復に加え、流通業や不動産業も安定的に収益へ貢献しています。新たに策定した中期経営計画「HIRAKU2030」では、既存事業の強化はもちろん、80億円規模のCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)設立など、鉄道に依存しない新たな収益源の創出を加速させています。増配や自己株式取得といった株主還元強化の姿勢も明確にしており、安定と成長の両立を目指すフェーズに入っています。
会社概要
- 業種
- 陸運業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都多摩市関戸1丁目9番1号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8.0% | 3.0% | - |
| 2022/03期 | 1.6% | 0.6% | - |
| 2023/03期 | 3.8% | 1.4% | - |
| 2024/03期 | 7.8% | 2.9% | 10.7% |
| 2025/03期 | 10.6% | 3.9% | 12.0% |
| 3Q FY2026/3 | 8.5%(累計) | 2.9%(累計) | 13.4% |
収益性は、コロナ禍での営業赤字から脱却し、足元では営業利益率が12.0%まで改善するなど力強い回復を見せています。ROE(自己資本利益率)も2025/03期には10.3%に到達し、資本効率を重視した経営へ転換しました。沿線の価値向上を軸とした不動産事業の成長が、全体の収益体質強化に大きく寄与しています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,154億円 | — | 275億円 | -225.4円 | - |
| 2022/03期 | 2,999億円 | — | 55.9億円 | 45.8円 | -4.9% |
| 2023/03期 | 3,471億円 | — | 131億円 | 107.4円 | +15.8% |
| 2024/03期 | 4,087億円 | 438億円 | 292億円 | 239.5円 | +17.7% |
| 2025/03期 | 4,529億円 | 541億円 | 429億円 | 353.7円 | +10.8% |
京王電鉄の業績は、コロナ禍での運輸需要急減による2021/03期の赤字転落から、鉄道利用者の回復および不動産・ホテル事業の好調によりV字回復を果たしました。2025/03期には売上高約4,529億円、純利益約429億円を計上し、高い収益性を確保するフェーズへ移行しています。今後は中期経営計画「HIRAKU2030」に基づき、鉄道事業と不動産事業の両輪で安定成長を目指す見通しです。 【3Q 2026/03期実績】売上3602億円(通期予想比72%)、営業利益481億円(同96%)、純利益333億円(同81%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
陸運業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、鉄道事業を基盤としつつ、不動産やレジャー・サービス事業へ多角的に展開するセグメント構成が特徴です。大規模な設備投資や自然災害リスクなどが重要な事業リスクとして挙げられており、長期的な視点でのインフラ維持が財務に影響を与える構造となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 5,020億円 | 4,540億円 | 4,529億円 | -9.8% |
| 2024期 | 3,680億円 | 3,930億円 | 4,087億円 | +11.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 500億円 | 460億円 | 541億円 | +8.3% |
| 2024期 | 210億円 | 360億円 | 438億円 | +108.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「HIRAKU2030」の初年度にあたる2025期は、営業利益目標500億円に対し541億円と幸先の良い超過達成となりました。これは人流回復による運輸業の復調と、不動産・流通業の安定収益が寄与した結果です。一方で、過去の中計はコロナ禍の影響で未達に終わっており、外部環境の変化への耐性が課題でした。また、2024期、2025期ともに期初予想から実績が大きく上振れており、ガイダンスの精度向上が今後の評価ポイントとなります。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
中期経営計画「HIRAKU2030」を策定し、沿線再開発と経営基盤強化の方針を打ち出しました。
2026年3月期の通期連結純利益予想を420億円へ上方修正し、増配を発表しました。
「落とし物クラウド find」を展開する企業への追加出資により、非鉄道事業の成長を加速させています。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性については、2024/03期から有利子負債が大幅に計上されていますが、これは不動産開発や先行投資に伴う資金調達が主因です。総資産は約1.1兆円規模へ拡大しており、自己資本比率36.9%を維持するなど、大規模投資を行いながらも盤石な財務基盤を保っています。資産の効率的活用が、将来の持続的なキャッシュ創出能力を支える構造です。 【3Q 2026/03期】総資産1.1兆円、純資産4407億円、自己資本比率35.1%、有利子負債4471億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 69.0億円 | 308億円 | 588億円 | 239億円 |
| 2022/03期 | 282億円 | 143億円 | 233億円 | 139億円 |
| 2023/03期 | 250億円 | 420億円 | 206億円 | 170億円 |
| 2024/03期 | 523億円 | 425億円 | 77.6億円 | 97.7億円 |
| 2025/03期 | 286億円 | 381億円 | 154億円 | 95.0億円 |
営業キャッシュフローは運輸事業の回復により安定的に推移していますが、戦略的な大規模開発投資を継続しているため、投資キャッシュフローが恒常的にマイナスとなっています。一時的にフリーキャッシュフローがマイナスになる期もありますが、これらは将来の成長を見据えた沿線再開発および成長投資への資金投下によるものです。今後は投資の回収期に入ることで、キャッシュフローのさらなる改善が見込まれます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は6.7%と向上余地があるものの、監査体制の強化やコーポレートガバナンスへの積極的な取り組みが進められています。連結子会社40社を抱える大規模な組織として、経営の透明性と健全な監督体制の維持が重要なテーマとなっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 761万円 | 13,003人 | - |
従業員平均年収は761万円であり、鉄道業界の中でも安定した給与水準を維持しています。長年の勤続を前提とした人事制度や、鉄道事業のみならず不動産や流通事業を含めた複合経営が、この給与水準の背景にあると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。2021期から2025期までの5年間、京王電鉄のTSRは一貫して市場平均であるTOPIXを大幅に下回って(アンダーパフォームして)います。特にコロナ禍で運輸業が大きな打撃を受け、株価が長期的に低迷したことが主な要因です。2025期には大幅な増配を行いましたが、それ以上に株価の下落影響が大きく、TOPIXとの差はむしろ拡大しました。株価を意識した経営、特に非鉄道事業の成長による企業価値向上が、今後のTSR改善に不可欠な課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 8.5円 | 26.7% |
| 2017/03期 | 9円 | 26.0% |
| 2019/03期 | 50円 | 22.4% |
| 2020/03期 | 52.5円 | 35.9% |
| 2021/03期 | 40円 | - |
| 2022/03期 | 40円 | 87.4% |
| 2023/03期 | 40円 | 37.2% |
| 2024/03期 | 22.5円 | - |
| 2025/03期 | 100円 | 28.3% |
| 必要株数 | 100株以上(約40万円) |
| 金額相当 | 約3,000円相当〜 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
京王電鉄は、業績連動に加え、積極的な株主還元姿勢を強化しており、大幅な増配を実施しました。配当方針として安定的な配当を維持しつつ、業績に応じた利益配分を目指しています。今後は持続的な配当成長を視野に入れ、株主還元と成長投資のバランスを重視する方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 117.1万円 | 17.1万円 | 17.1% |
| 2022期 | 76.1万円 | 23.9万円 | -23.9% |
| 2023期 | 74.6万円 | 25.4万円 | -25.4% |
| 2024期 | 68.0万円 | 32.0万円 | -32.0% |
| 2025期 | 63.8万円 | 36.2万円 | -36.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在の株価はPER・PBRともに業界平均を大幅に下回っており、市場からは極めて割安と評価されています。これは、資産規模に対して収益性や成長期待が十分に株価に織り込まれていないことを示唆します。信用倍率は12.28倍と買い残が多く、短期的な株価上昇を期待する個人投資家が多い一方、将来的な売り圧力となる可能性もはらんでいます。今後の決算発表で、中計の進捗と成長戦略が示せるかが、割安株からの脱却の鍵となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -180億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 53.7億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 218億円 | 86.6億円 | 39.8% |
| 2024/03期 | 435億円 | 142億円 | 32.8% |
| 2025/03期 | 533億円 | 104億円 | 19.5% |
2021/03期および2022/03期は、過去の営業赤字に伴う繰越欠損金の活用により法人税等の負担がゼロとなりました。2023/03期以降は利益水準の回復に伴い適正な納税が行われていますが、近年は税効果会計や税額控除等の影響で実効税率が変動しています。今後は安定的な利益確保が見込まれるため、標準的な税率水準での納税が続く見通しです。
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京王電鉄 まとめ
「新宿拠点の安定私鉄が、沿線開発に留まらずスタートアップ投資や金融サービスで『非鉄道』領域へ本気のアクセルを踏み込む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。