東京海上HD
Tokio Marine Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年3月20日
メガ損保で首位級。海外展開と新領域への挑戦で成長し続けるグローバル保険グループ
「いざ」という時にお客様をお守りし、グローバルに社会の発展を支える企業グループを目指す。
この会社ってなに?
自動車保険や火災保険を通じて日常の「もしも」を支える東京海上グループ。海外旅行保険やペット保険なども身近なサービスです。近年は防災コンサルティングや動物病院向け共同購買サービスなど、保険以外の分野でも私たちの暮らしを支える存在になりつつあります。
東京海上HDは、時価総額約11.7兆円を誇る国内損害保険業界の圧倒的トップ企業です。2025年3月期の純利益は約1兆552億円と過去最高を更新し、海外保険事業が利益の過半を占めるまでに成長しました。中期経営計画2026ではEPS成長率(3年CAGR)+8%以上を掲げ、政策保有株式の売却益を原資とした増配・自社株買いを積極的に実施しています。ID&Eホールディングスの買収による防災・減災コンサルへの進出や、bolttechとの提携によるエンベデッド・インシュアランスの推進など、保険の枠を超えた事業多角化も進んでいます。
会社概要
- 業種
- 保険業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町二丁目6番4号
- 公式
- www.tokiomarinehd.com
社長プロフィール
強固な経営チームで事業モデルを再構築し、保険事業とソリューション事業の両輪で持続的な成長を目指します。社会課題の解決を通じて、世界トップクラスの価値を提供し続けます。
この会社のストーリー
東京海上ホールディングスを設立し、東京・大阪の両証券取引所市場第一部に上場。新たなグループ体制でスタートを切りました。
欧米を中心とした海外保険企業の買収を積極的に展開し、グローバルな収益基盤の構築を加速させました。
相次ぐ大型買収の成功により海外保険事業が急拡大し、グループ全体の成長を強力に牽引する体制が整いました。
政策保有株式の売却を加速させ、手元資金の拡充と財務基盤の強化を図るなど、資本効率を意識した経営を推し進めました。
イーデザイン損保の強化や、テクノロジー企業との戦略的提携を通じ、お客様体験の向上と業務のデジタル化を進めました。
建設コンサル大手のID&Eホールディングス買収を発表。「ソリューション事業部」を新設し、防災・減災など新たな価値提供を始めました。
新中期経営計画のもと、年平均EPS成長率+8%以上、修正ROE14%以上を目標に掲げ、さらなる企業価値向上と社会課題解決に挑みます。
注目ポイント
国内損害保険事業の強固な基盤に加え、欧米を中心としたM&Aの成功により海外事業が利益を力強く牽引しています。
継続的な利益成長を背景に6期連続の増配を発表。高水準の配当利回りと積極的な自社株買いなど、株主還元への姿勢が魅力です。
建設コンサル会社の買収やソリューション事業部の新設を通じ、防災や脱炭素といった保険以外の領域でも新たな収益源を育てています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 110円 | 32.6% |
| FY2017/3 | 140円 | 38.5% |
| FY2018/3 | 160円 | 41.8% |
| FY2019/3 | 250円 | 65.3% |
| FY2020/3 | 225円 | 60.9% |
| FY2021/3 | 235円 | 101.2% |
| FY2022/3 | 89.7円 | 41.6% |
| FY2024/3 | 123円 | 35.0% |
| FY2025/3 | 172円 | 31.7% |
株主優待制度は実施していません。
東京海上HDは利益成長に連動した増配方針を掲げており、2025年3月期は1株当たり172円(株式分割調整後)と前期比+49円の大幅増配を実施しました。2023年10月に1:3の株式分割を実施したため、分割前の金額と単純比較はできませんが、実質的には継続的な増配基調を維持しています。2026年3月期の年間配当予想は211円(+39円増配)と発表されており、株主還元への強い姿勢が示されています。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
保険業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
東京海上ホールディングスは保険業のため営業利益の概念がなく、経常利益と純利益で業績を評価します。2025年3月期は純利益が約1兆552億円と過去最高を記録し、前期比+51.6%の大幅増益となりました。海外保険事業の好調に加え、国内自動車保険のレートアップや政策保有株式の売却益が利益を押し上げています。売上高(経常収益)も5期連続で増収を続けており、グローバルな事業拡大が着実に進んでいます。 【3Q FY2026/3実績】売上6.7兆円(前年同期比6.8%)、純利益6843億円。
事業ごとの売上・利益
東京海上日動を中核とし、自動車保険・火災保険・傷害保険等を展開。国内シェアトップ
米国・欧州・アジア等でスペシャルティ保険を中心に展開。グループ利益の過半を占める成長ドライバー
東京海上日動あんしん生命が担う。医療保険・がん保険等に強み
資産運用、証券、不動産等の事業を展開
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.3% | 0.6% | - |
| FY2022/3 | 10.8% | 1.6% | - |
| FY2023/3 | 9.8% | 1.4% | - |
| FY2024/3 | 15.8% | 2.4% | - |
| FY2025/3 | 20.5% | 3.4% | - |
| 3Q FY2026/3 | -(累計) | -(累計) | - |
ROEは20.5%と国内保険業界でトップクラスの水準に到達しました。保険業のため営業利益率の概念はありませんが、純利益ベースでの資本効率は年々改善しています。中期経営計画では修正ROE14%以上を目標に掲げており、海外事業の利益成長と政策保有株式の売却による資本効率向上が奏功し、目標を大幅に上回る実績を残しています。
財務は安全?
総資産は約31.2兆円と巨大な資産規模を誇ります。保険業の特性上、自己資本比率は16.3%と一般事業会社より低い水準ですが、業界内では健全な部類です。有利子負債は2,272億円と総資産に対して極めて少なく、財務健全性は高水準を維持しています。2023年3月期の株式分割(1:3)によりBPSの数値が変動していますが、実質的な純資産は着実に拡大しています。 【3Q FY2026/3】総資産31.9兆円、純資産5.4兆円、自己資本比率10.8%、有利子負債2257億円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1.2兆円 | -7,310億円 | -5,130億円 | 4,469億円 |
| FY2022/3 | 1.1兆円 | -6,654億円 | -5,046億円 | 4,368億円 |
| FY2023/3 | 1.0兆円 | 181億円 | -1.0兆円 | 1.0兆円 |
| FY2024/3 | 4,522億円 | -6,276億円 | -4,062億円 | -1,754億円 |
| FY2025/3 | 1.6兆円 | 1,646億円 | -1.2兆円 | 1.7兆円 |
営業CFは毎期1兆円超の安定的なプラスを維持しており、保険料収入の堅調さを示しています。2025年3月期の投資CFがプラスに転じたのは、政策保有株式の売却が大規模に進んだためです。財務CFでは配当金支払いと自社株買いにより約1.2兆円の株主還元を実施しました。FCF(フリーキャッシュフロー)は約1.5兆円と過去最高水準に達しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2,667億円 | 1,049億円 | 39.3% |
| FY2022/3 | 5,674億円 | 1,469億円 | 25.9% |
| FY2023/3 | 4,942億円 | 1,196億円 | 24.2% |
| FY2024/3 | 8,426億円 | 1,468億円 | 17.4% |
| FY2025/3 | 1.5兆円 | 4,047億円 | 27.7% |
2025年3月期の法人税等は約4,047億円と過去最高水準となりました。実効税率は27.7%で、グローバル展開に伴う各国の税制差異を反映しています。FY2024/3の実効税率17.4%は政策保有株式売却に伴う税務上の特例処理の影響と考えられます。日本国内最大級の法人税納付者の一社であり、社会への貢献度も極めて高い企業です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,536万円 | 51,436人 | - |
平均年収1,535万円は保険業界で圧倒的トップクラスの水準です。ただし持株会社単体の従業員(約1,200名)が対象であり、連結では約5.1万名を擁しています。FY2025/3は好業績を反映し+10.4%の大幅昇給を実現。平均年齢41.7歳への低下は、積極採用による組織の若返りが進んでいることを示しています。東京海上日動(主要子会社)単体の平均年収は約850万円程度とされています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
株主構成は国内外の機関投資家が中心であり、筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行(17.11%)をはじめ上位を信託銀行や海外カストディアンが占めています。State Street系が複数名義で合計約4.7%を保有するなど、グローバルな機関投資家からの評価が高い銘柄です。東海日動従業員持株会が1.49%を保有しており、従業員の経営参画意識の高さも窺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内損害保険事業 | 約3.2兆円 | 約3,500億円 | 10.9% |
| 海外保険事業 | 約4.3兆円 | 約5,500億円 | 12.8% |
| 国内生命保険事業 | 約6,800億円 | 約450億円 | 6.6% |
| 金融・その他事業 | 約1,400億円 | 約200億円 | 14.3% |
海外保険事業がグループ利益の過半を占めるまで成長しており、国内損保依存からの脱却に成功しています。役員報酬は取締役10名で総額約7.97億円(1人当たり約7,970万円)。大規模自然災害リスクや為替変動リスクがグローバル展開の裏側にある主要なリスク要因です。
この会社のガバナンスは?
取締役会は20名体制で女性役員比率25.0%とダイバーシティを推進しています。子会社264社・関連会社33社の計398社を擁する巨大グループであり、監査報酬は8億2,600万円と高水準のガバナンス投資を行っています。平均勤続年数16.2年は持株会社単体の数値で、グループ全体の人材定着率の高さを反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 1Q | 未開示 | 通期を3%下方修正 | 前年同期比2.1倍 | +110.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 6,500億円 | 6,900億円 | 6,893億円 | +6.0% |
| 2023年3月期 | 4,000億円 | 3,800億円 | 3,764億円 | -6.0% |
| 2022年3月期 | 3,600億円 | 4,000億円 | 4,200億円 | +16.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現在の中期経営計画2026では、EPS成長率(3年CAGR)+8%以上という高いハードルを設定していますが、海外事業の好調と国内の自動車保険レートアップにより進捗は順調です。2026年3月期の修正純利益予想(除く政策株式売却益)は7,000億円を目標としており、年間配当も211円への増配を発表済みです。政策保有株式の段階的売却益を原資とした株主還元にも積極的であり、資本効率の改善が投資家から高く評価されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
東京海上HDのTSR(株主総利回り)は418%と、TOPIXの214%を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024以降の上昇が顕著で、海外保険事業の利益拡大と政策株式売却による株主還元の強化が株価を押し上げました。過去5年間でTOPIXの約2倍のリターンを実現しており、損保セクターの中でも突出した投資成果を記録しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 111.0万円 | +11.0万円 | 11.0% |
| FY2022 | 157.0万円 | +57.0万円 | 57.0% |
| FY2023 | 175.0万円 | +75.0万円 | 75.0% |
| FY2024 | 332.0万円 | +232.0万円 | 232.0% |
| FY2025 | 418.0万円 | +318.0万円 | 318.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER11.1倍は業界平均13.5倍を下回り割安水準にあります。一方でPBR2.28倍は業界平均の約1.8倍と高く、高い資本効率への市場評価を反映しています。信用倍率は12.15倍と買い残が多い状態ですが、安定した機関投資家の保有が下支えとなっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
動物病院向けに医薬品等の共同購買サービスを開始し、ヘルスケア領域を強化。
第1四半期の経常利益が前年同期比2.1倍の増益を達成し、市場の注目を集めた。
今期経常利益を3%下方修正するも、株主還元として配当の1円増額を発表。
最新ニュース
東京海上HD まとめ
ひとめ診断
国内損保トップ、海外M&Aと政策株売却で利益成長と株主還元を両立するグローバル保険グループ
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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