かんぽ生命保険
JAPAN POST INSURANCE Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
郵便局ネットワークで、日本全国の暮らしに安心を届ける国民的生保
すべての人生に、確かなあんしんを提供し、お客さまから最も信頼される保険会社になることを目指します。
この会社ってなに?
郵便局の窓口で「かんぽさん」のポスターやパンフレットを見かけたことはありませんか?かんぽ生命保険は、全国の郵便局ネットワークを通じて、生命保険や学資保険などを提供している会社です。たとえば、お子さまの将来の教育費に備える「はじめのかんぽ」といった学資保険や、万が一の病気やケガに備える医療保険を扱っています。あなたが将来のために計画を立てたり、日々の暮らしの安心を得たいと考えたりするとき、その選択肢の一つとなるサービスを提供しているのが、この会社です。
かんぽ生命保険は、FY2025決算で売上高6兆1653.3億円、純利益は1234.72億円を達成しました。続くFY2026は純利益1360億円と更なる増益を予想しており、業績回復基調にあります。しかし、株価はPBR0.19倍と解散価値を大幅に下回る極めて割安な水準に留まっています。過去の不適切販売問題からの信頼回復と、金利のある世界での運用力向上が今後の企業価値向上の鍵となります。
会社概要
- 業種
- 保険業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 大手町プレイスウエストタワー
- 公式
- www.jp-life.japanpost.jp
社長プロフィール

お客さまから信頼され、選ばれ続ける会社を目指し、全国の郵便局ネットワークを通じて、お客さまの人生に寄り添うサービスを提供します。お客さま本位の業務運営を徹底し、持続的な成長と企業価値向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
逓信省(後の郵政省)が国民の生活安定と向上を目的として簡易生命保険事業を開始。これがかんぽ生命の原点となる。
郵政民営化に伴い、郵便局の保険事業を引き継ぐ形で「株式会社かんぽ生命保険」が設立。新たなスタートを切る。
日本郵政、ゆうちょ銀行と共に東京証券取引所第一部に上場。民営化の大きな節目を迎え、さらなる成長を目指す。
保険の不適切な販売が明らかになり、社会的な信頼が大きく揺らぐ。全社を挙げて業務改善と信頼回復に向けた取り組みを開始。
「お客さま本位の業務運営の徹底」を最重要課題とし、新たな商品やサービスの提供を通じた企業価値向上を目指す中期経営計画をスタート。
アフラック生命保険などと業務提携し、在宅介護関連サービスといった新たな分野での価値提供を開始。ヘルスケア領域への事業拡大を進める。
金利上昇などの経済環境の変化に対応するため、経済や金融市場の調査・分析を行う専門組織を設立。資産運用能力の強化を図る。
注目ポイント
全国津々浦々の郵便局を通じてサービスを提供。地域に密着し、デジタルだけでは届かない層にも安心を届けられるのが最大の強みです。
中期経営計画では「原則減配はせず、増配を目指す」方針を掲げており、安定的な配当が期待されます。投資家への還元意欲が高い企業です。
過去の課題を乗り越え、お客さま本位の業務運営を徹底。DX推進やヘルスケア領域への進出など、未来に向けた新たな挑戦を始めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 25.33円 | 25.7% |
| FY2022/3 | 30円 | 24.0% |
| FY2023/3 | 30.67円 | 36.9% |
| FY2024/3 | 31.33円 | 41.3% |
| FY2025/3 | 34.67円 | 32.2% |
株主優待は実施しておりません。
同社の配当方針は、利益成長に応じた株主還元を重視しており、安定的な配当の維持と継続的な増配を目指す方針を掲げています。配当性向を一定の指標としつつ、資本効率を意識した経営を行っています。株主優待制度は設けておらず、配当金という直接的な還元に特化することで全株主への公平性を確保しています。
同業比較(収益性)
保険業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
かんぽ生命保険の業績は、新規契約の獲得努力により一定の売上を確保しているものの、保険市場の競争激化や環境変化の影響を受けて純利益は増減を繰り返す推移を見せています。FY2024/3には870億円を記録しましたが、直近のFY2025/3には1,234億円へと回復しており、効率的な資産運用とリスク管理が寄与しました。今後は市場金利の動向や持続的な営業施策により、約1,360億円の純利益創出を計画しています。
財務は安全?
同社のバランスシートは膨大な保険契約を裏付ける莫大な資産を抱えており、自己資本比率は5%前後で推移するなど極めて保守的かつ強固な財務体質を有しています。FY2024/3以降は計算上の有利子負債が計上されていますが、これは保険事業の運用形態に起因するものであり、実質的な過剰債務ではありません。豊富な資産を背景に、長期的な安定配当を維持するための十分な財務余力を保持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -2.8兆円 | 2.6兆円 | 1,767億円 | -2,520億円 |
| FY2022/3 | -2.8兆円 | 3.1兆円 | -4,203億円 | 3,560億円 |
| FY2023/3 | -3.0兆円 | 3.2兆円 | -729億円 | 2,387億円 |
| FY2024/3 | -3.1兆円 | 2.7兆円 | 622億円 | -3,414億円 |
| FY2025/3 | -1.6兆円 | 2.4兆円 | 601億円 | 7,586億円 |
保険業特有のキャッシュフロー構造として、保険料収入に基づく営業CFのマイナスは、将来の保険金支払いに向けた資産運用活動による投資CFのプラスと連動しています。大規模な資産運用に伴いFCF(フリー・キャッシュ・フロー)は年度ごとに大きく変動しますが、これは財務上の健全性が損なわれていることを意味しません。潤沢な手元流動性を維持しつつ、規律ある資産運用を通じて安定した経営基盤を支えています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3,457億円 | 1,796億円 | 52.0% |
| FY2022/3 | 3,561億円 | 1,981億円 | 55.6% |
| FY2023/3 | 1,176億円 | 200億円 | 17.0% |
| FY2024/3 | 1,612億円 | 741億円 | 46.0% |
| FY2025/3 | 1,703億円 | 468億円 | 27.5% |
法人税等の支払額は各期の税引前利益に応じて変動しており、税務会計上の繰延税金資産や特有の損益項目により実効税率が大きく変動する傾向があります。FY2023/3には17.0%まで低下しましたが、その後は再び上昇傾向にあります。毎期の業績に応じた適切な納税を行っており、税務コストは利益管理上の重要な要素となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 596万円 | 18,656人 | - |
従業員平均年収は596万円となっており、金融・保険業界の中では安定した水準を維持しています。長年の高い勤続年数を背景に、組織の硬直化を防ぐための生産性向上や若手・中堅への待遇見直しが重要な経営課題となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は日本郵政。
筆頭株主である日本郵政株式会社が約49.84%の株式を保有しており、グループ経営の下で強力な影響力を有しています。残りの大半は国内の信託銀行や海外の機関投資家が占めており、安定した株主構成である一方、一般株主の浮動株比率は限定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、低金利環境下での運用収益低下や、過去の不適切な保険募集問題に伴う信頼回復と業務改善が重要な懸念事項として開示されています。現在はAI活用や商品ラインナップの刷新により、顧客満足度の改善に注力しています。
この会社のガバナンスは?
取締役会における女性役員比率は27.3%と国内企業の中でも高い水準にあり、多様な視点を取り入れた経営体制を推進しています。1億9,800万円の監査報酬を支払うなど、日本郵政グループの一員として強固なガバナンスとコンプライアンス体制の構築を経営の最優先事項としています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 790億円 | — | 1,235億円 | +56.3% |
| FY2024 | 720億円 | — | 871億円 | +20.9% |
| FY2023 | 710億円 | — | 976億円 | +37.5% |
| FY2022 | 1,180億円 | — | 1,581億円 | +34.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、FY2026の純利益目標1,300億円に対し、直近FY2025実績が1,234億円と順調に進捗しています。株主還元についても、1株104円の配当目標を達成し、総還元性向も目標レンジに近づきつつあります。一方で、資本効率を示す修正ROE目標5%に対しては2.6%と道半ばであり、今後の収益性向上が大きな課題です。業績予想の精度は高く、過去4期連続で期初予想を大幅に上回る実績を上げています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。かんぽ生命のTSRは、FY2024以降、TOPIXの上昇率に追いつけておらず、市場平均をアンダーパフォームしている状態です。これは、配当によるリターンは安定しているものの、不適切販売問題以降の信頼回復の遅れや成長期待の乏しさから、株価自体が市場全体のトレンドほどには上昇していないことが背景にあります。超割安なPBRが示すように、市場からの評価が低いことがTSRを押し下げる主要因となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 175.2万円 | +75.2万円 | 75.2% |
| FY2022 | 171.7万円 | +71.7万円 | 71.7% |
| FY2023 | 173.4万円 | +73.4万円 | 73.4% |
| FY2024 | 242.9万円 | +142.9万円 | 142.9% |
| FY2025 | 260.4万円 | +160.4万円 | 160.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPER・PBRが著しく低く、株価が極めて割安な状態です。配当利回りは6.35%と業界平均を大きく上回り、高配当利回り銘柄としての魅力があります。信用倍率は51.49倍と高い水準にあり、将来の株価上昇を見込んだ信用買い残が積み上がっていますが、これは需給面での重荷となる可能性もあります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
かんぽ経済研究所を設立し、金利上昇環境下での経済分析能力を大幅に強化。
顧客利便性向上を目的に電話およびSMSを活用した保険金請求手続きの受付を開始。
保険金査定業務の効率化に向けて、AI技術を本格導入し業務プロセスの刷新を図る。
最新ニュース
かんぽ生命保険 まとめ
ひとめ診断
「『郵便局の保険屋さん』、不適切販売問題からの信頼回復と超割安株価からの脱却を目指す道のり」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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