MS&AD
MS&AD Insurance Group Holdings,Inc.
最終更新日: 2026年3月20日
損保2社の合併で日本最大級の損保グループへ。政策株売却と増配で株主に報いるグローバル保険持株会社
レジリエントでサステナブルな社会を支え、グローバルな保険・金融サービス事業を通じて世界トップ水準の価値創造を目指す。
この会社ってなに?
自動車保険や火災保険を通じて日常の「もしも」に備えるMS&ADグループ。傘下の三井住友海上やあいおいニッセイ同和は、多くの方にとって身近な損害保険会社です。海外旅行保険やペット保険、傷害保険なども幅広く取り扱っており、暮らしの安心を支える存在です。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、時価総額約6.0兆円を誇る国内損害保険業界のリーディングカンパニーです。傘下に三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険を持ち、2027年の両社合併を決定しました。2025年3月期の純利益は約6,917億円と前期比+87.3%の大幅増益を達成。中期経営計画(2022-2025)第2ステージではグループ修正ROE11%程度を目標に掲げ、政策保有株式の売却加速と株主還元の拡充を推進しています。2027年4月には社名を「三井住友海上グループ」に変更する計画も発表済みです。
会社概要
- 業種
- 保険業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区新川二丁目27番2号 東京住友ツインビルディング西館
- 公式
- www.ms-ad-hd.com
社長プロフィール
三井住友海上とあいおいニッセイ同和の合併により、国内損保事業の競争力をさらに高めます。レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループとして、保険の力で社会課題の解決に貢献してまいります。
この会社のストーリー
三井住友海上グループHDとあいおい損保、ニッセイ同和損保が経営統合を決定し、新たな損保グループとしてスタートを切りました。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスが発足。あいおい損保とニッセイ同和損保も合併し「あいおいニッセイ同和損害保険」が誕生しました。
アジア・欧米での保険事業買収を積極的に展開し、グローバルな収益基盤の構築を加速。ロイズ市場への本格参入も果たしました。
中期経営計画(2022-2025)を策定し、政策保有株式の段階的売却と資本効率の向上を経営の柱として打ち出しました。
三井住友海上とあいおいニッセイ同和の2027年合併を取締役会で決議。国内損保事業の競争力強化と事業費削減に踏み出しました。
社名を「三井住友海上グループ」に変更し、損保2社の合併を完了。海外での知名度向上と国内最大級の損保グループとして新章を開きます。
注目ポイント
三井住友海上とあいおいニッセイ同和の2027年合併により、事業費削減と国内最大級の損保グループとしての競争力強化が期待されます。
政策保有株式の売却益を原資に増配と自社株買いを積極実施。配当利回り3.60%と高水準で、PER9.0倍と割安感もあります。
2029年度ゼロを目指す政策保有株式の売却が着実に進行中。売却益を株主還元に充当し、資本効率の改善が加速しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 51.67円 | 60.6% |
| FY2022/3 | 60円 | 37.9% |
| FY2023/3 | 66.67円 | 66.7% |
| FY2024/3 | 90円 | 38.8% |
| FY2025/3 | 48.33円 | 32.5% |
株主優待制度は実施していません。
MS&ADは実質的な連続増配を継続しています。FY2024/3の270円からFY2025/3の145円への減額に見えますが、これは2024年4月の1:3株式分割を反映した調整後の金額であり、分割前ベースでは435円相当と実質増配です。2026年3月期の年間配当予想は155円(中間77.5円+期末77.5円)とさらなる増配が計画されています。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
保険業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
MS&ADインシュアランスグループは保険業のため営業利益の概念がなく、経常利益と純利益で業績を評価します。2025年3月期は純利益が約6,917億円と過去最高を記録し、前期比+87.3%の大幅増益となりました。国内損保の収益改善に加え、政策保有株式の売却益が利益を大きく押し上げています。売上高(経常収益)も5期連続で増収を続けており、着実な成長を実現しています。
事業ごとの売上・利益
三井住友海上・あいおいニッセイ同和を中核とし、自動車保険・火災保険等を展開。2027年に両社合併予定
ロイズ市場への参入やアジア・欧米での保険事業を展開。グループの成長ドライバー
三井住友海上あいおい生命が担う。医療保険・がん保険等に注力
資産運用、リスクコンサルティング等を展開
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 17.4% | 0.6% | - |
| FY2022/3 | 8.4% | 1.1% | - |
| FY2023/3 | 12.7% | 0.6% | - |
| FY2024/3 | 10.5% | 1.4% | - |
| FY2025/3 | 30.1% | 2.6% | - |
ROEは30.1%と保険業界で突出した水準に達しました。保険業のため営業利益率の概念はありませんが、純利益ベースでの資本効率は劇的に改善しています。ただし、FY2025/3のROE高騰は政策保有株式売却益の一時的な押し上げ要因も含まれており、中長期的にはグループ修正ROE11%程度が安定的な目標水準と位置づけられています。
財務は安全?
総資産は約26.2兆円と巨大な資産規模を誇ります。保険業の特性上、自己資本比率は15.2%と一般事業会社より低い水準ですが、業界内では健全な部類です。2024年4月の株式分割(1:3)によりBPSの数値が変動しています。有利子負債は約8,905億円(FY2025/3)で、FY2023/3以前はゼロ開示であり、実質的な財務健全性は高水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -3,239億円 | 439億円 | 793億円 | -2,800億円 |
| FY2022/3 | 2,367億円 | -720億円 | 585億円 | 1,647億円 |
| FY2023/3 | 1,942億円 | 4,810億円 | -3,145億円 | 6,752億円 |
| FY2024/3 | 5,495億円 | -2,768億円 | -2,315億円 | 2,727億円 |
| FY2025/3 | 6,602億円 | -5,587億円 | -6,596億円 | 1,015億円 |
営業CFは近年安定的なプラスに転じ、FY2025/3は約6,602億円を記録しました。FY2023/3の投資CFがプラスに大きく振れたのは、政策保有株式の大規模売却によるものです。FY2025/3の財務CFは約-6,596億円と大幅なマイナスで、大規模な自社株買いと配当金支払いによる積極的な株主還元を反映しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3,065億円 | 1,621億円 | 52.9% |
| FY2022/3 | 3,905億円 | 1,277億円 | 32.7% |
| FY2023/3 | 2,311億円 | 696億円 | 30.1% |
| FY2024/3 | 4,164億円 | 472億円 | 11.3% |
| FY2025/3 | 9,290億円 | 2,373億円 | 25.5% |
2025年3月期の法人税等は約2,373億円と過去最高水準となりました。実効税率は25.5%で、保険事業の特性やグローバル展開に伴う税制差異を反映しています。FY2024/3の実効税率が11.3%と異常に低いのは、政策保有株式売却に伴う税務上の特例処理の影響と考えられます。FY2021/3の52.9%は、自然災害等による保険金支払い増加で税引前利益が圧縮された一方、法人税等の一定額が維持された結果です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,144万円 | 38,247人 | - |
平均年収1,144万円は保険業界でもトップクラスの水準です。連結従業員約38,247名を擁する大規模グループであり、平均年齢47.9歳・平均勤続年数22.9年と長期雇用の傾向が強いことが特徴です。傘下の三井住友海上やあいおいニッセイ同和損保など主要子会社を含む連結ベースの数値で、持株会社単体のみの水準とは異なります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は日本生命保険相互会社・トヨタ自動車。
株主構成は信託銀行・生命保険会社・事業法人が上位を占める典型的な大型保険株です。トヨタ自動車が6.97%を保有する点が特徴的で、旧あいおい損保時代からの資本関係を反映しています。日本生命(7.19%)や住友生命(1.20%)など生損保間の株式持ち合いが残っていますが、政策保有株式の縮減方針のもと段階的な解消が進んでいます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内損害保険事業 | 約4.4兆円 | 約4,000億円 | 9.1% |
| 海外事業 | 約2.2兆円 | 約1,500億円 | 6.8% |
| 国内生命保険事業 | 約6,500億円 | 約400億円 | 6.2% |
| 金融サービス・リスク関連サービス事業 | 約800億円 | 約100億円 | 12.5% |
国内損保事業がグループ利益の過半を占める主力事業です。海外事業はロイズ市場への参入やアジア展開を通じて成長を続けています。役員報酬は取締役7名で総額約2.7億円(1人当たり約3,857万円)と東京海上HDと比べて控えめな水準です。傘下の三井住友海上とあいおいニッセイ同和の2027年合併が最大の組織変革であり、事業費削減と競争力強化が期待されます。
この会社のガバナンスは?
取締役会は15名体制で女性役員比率33.3%と業界でも高水準のダイバーシティを実現しています。連結子会社103社を擁し、監査報酬は8億4,700万円と大規模グループに相応しいガバナンス投資を行っています。平均勤続年数22.9年は安定した雇用環境を反映しており、非正規雇用を含む臨時従業員数8,615名も含めた大規模な雇用を支えています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 3Q累計 | 未開示 | 通期3%上方修正 | 6,571億円(3Q累計) | +5.0% |
| 2024年3月期 | 3,000億円 | 3,700億円 | 3,693億円 | +23.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 1Q | 未開示 | — | 前年同期比92%増益 | +92.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現在の中期経営計画(2022-2025)第2ステージでは、グループ修正ROE11%程度を目標に掲げています。2025年3月期は純利益6,917億円と過去最高益を更新し、利益目標を前倒しで達成しました。傘下の三井住友海上とあいおいニッセイ同和の2027年合併により事業費削減と収益力強化が見込まれます。政策保有株式は2029年度ゼロを目指して売却を加速しており、売却益を原資とした株主還元の充実が投資家から高く評価されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
MS&ADのTSR(株主総利回り)は138.0%と、TOPIXの213.4%をアンダーパフォームしています。FY2024には270.9%まで急上昇しましたが、FY2025には大幅に調整。これは2024年4月の株式分割(1:3)による株価調整や利益確定売りの影響と考えられます。ただし、分割調整ベースでは実質的に堅調な推移を続けており、保険セクター全体の再評価トレンドの中にあります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 105.5万円 | +5.5万円 | 5.5% |
| FY2022 | 132.4万円 | +32.4万円 | 32.4% |
| FY2023 | 142.2万円 | +42.2万円 | 42.2% |
| FY2024 | 270.9万円 | +170.9万円 | 170.9% |
| FY2025 | 138.0万円 | +38.0万円 | 38.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER9.0倍は業界平均13.5倍を大幅に下回り割安水準にあります。PBR1.52倍は業界平均1.30倍をやや上回り、資本効率改善への市場評価を反映しています。信用倍率は9.50倍と買い残がやや多い状態ですが、配当利回り3.60%の安定した水準が下支えとなっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損害保険の2027年合併を取締役会で決議。グループの収益力強化へ。
2027年4月に社名を「三井住友海上グループ」に変更すると発表。海外での知名度向上を狙う。
今期経常利益を3%上方修正し、最高益予想をさらに上乗せ。国内外の保険事業が好調に推移。
最新ニュース
MS&AD まとめ
ひとめ診断
国内損保2強の一角。三井住友海上とあいおいニッセイ同和の合併で収益力強化を図るグローバル保険グループ
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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