岡三証券グループ
OKASAN SECURITIES GROUP INC.
最終更新日: 2026年3月29日
創業100年、変革を恐れず未来へ挑む独立系証券の雄
ビジネスモデルを変革し、次の100年も成長しつづける経営基盤を確立すること。すべてのお客さまから生涯にわたるパートナーとして選ばれる企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたが将来のために資産を増やそうと、NISAやiDeCo、あるいは株式投資を始めたいと考えたとします。そんな時、どの商品を選べば良いか専門家のアドバイスを受けながら決めたいと思うかもしれません。岡三証券グループは、まさにそうした個人投資家のために、全国の店舗で専門の担当者が対面で相談に乗ってくれるサービスを長年提供してきた会社です。最近、スマホで手軽に取引できるネット証券部門を大手のSBI証券に任せることを決めました。その分、これからはより一層、お客様一人ひとりのライフプランに合わせた丁寧なコンサルティングに力を入れていくようです。
独立系の準大手証券である岡三証券グループは、2024年3月期に株式市況の好調を背景に過去最高の業績を達成し、売上高845.1億円、営業利益161.11億円を記録しました。しかし、2025年3月期は減収減益を見込んでいます。大きな戦略転換として、採算性が課題となっていたオンライン証券事業をSBI証券へ譲渡し、経営資源を得意の対面コンサルティングに集中させる方針を明確にしました。同時に、事業譲渡で得た資金を原資に大規模な特別配当を発表し、株主還元を大幅に強化することでPBR1倍超えを目指しています。
会社概要
- 業種
- 証券・商品先物取引業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号
- 公式
- www.okasan.jp
社長プロフィール

2023年に創業100周年を迎え、次の100年も成長し続けるためにビジネスモデルの変革を推進しています。「お客さま大事」の経営哲学を礎に、デジタル技術を活用し、お客さま一人ひとりに最適なソリューションを提供することで、豊かな未来の創造に貢献してまいります。
この会社のストーリー
創業者・加藤清治が三重県津市に「岡三商店」を創業。株式の現物取引と公社債の売買を主業務としてスタートした。
戦時下の企業整備令により、岡三商店を母体に岡三證券株式会社を設立。近代的な証券会社としての歩みを始める。
日本の主要な証券取引所の正会員となり、全国的な事業展開の基盤を確立。戦後の経済復興と共に成長を遂げる。
グループ経営の効率化と専門性の強化を目指し、持株会社「株式会社岡三ホールディングス」を設立した。(後に岡三証券グループへ商号変更)
創業100周年を迎える。ROE 8%などを目標とする新中期経営計画を発表し、次の100年に向けた成長戦略を始動させた。
中核事業である対面コンサルティングに経営資源を集中させるため、オンライン証券事業の一部をSBI証券へ譲渡することを発表。
事業の選択と集中を完了させ、強みである対面コンサルティングとデジタル技術を融合させた新たなビジネスモデルの確立を目指す。
注目ポイント
総還元性向50%以上を目標に掲げ、増配や特別配当を積極的に実施。株主を大切にする姿勢が明確で、投資家にとって魅力的な企業です。
オンライン証券事業をSBI証券へ譲渡し、得意とする対面コンサルティングに注力。経営資源を集中させる「選択と集中」で、さらなる成長を目指します。
創業以来100年以上にわたり培ってきた「お客さま大事」の精神が強み。独立系ならではの中立的な立場で、顧客に寄り添った資産運用サービスを提供しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 15円 | 49.3% |
| FY2022/3 | 15円 | 29.5% |
| FY2023/3 | 20円 | 772.2% |
| FY2024/3 | 30円 | 46.7% |
| FY2025/3 | 30円 | 52.1% |
| 権利確定月 | 3月 |
当社は総還元性向50%以上を目標に掲げ、機動的な株主還元を強化しています。特別配当の実施を含め、PBR1倍割れの解消に向けた積極的な姿勢が特徴です。今後も利益成長に応じた安定配当と、株主優待を組み合わせた充実した還元策が期待されます。
同業比較(収益性)
証券・商品先物取引業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、株式市況の変動を大きく受ける証券業の特性を色濃く反映しており、FY2023/3には営業損失を計上する厳しい局面もありましたが、FY2024/3以降は市況改善により大幅な増収増益へと転換しました。直近のFY2025/3においても営業収益は約819億円を確保し、純利益も約117億円と堅調な水準を維持しています。市場環境の変化に応じた機動的な収益構造の構築が、安定した業績成長の鍵となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.2% | 0.8% | 7.6% |
| FY2022/3 | 5.3% | 1.2% | 6.7% |
| FY2023/3 | 0.3% | 0.1% | -1.6% |
| FY2024/3 | 6.1% | 1.1% | 19.1% |
| FY2025/3 | 5.6% | 0.8% | 15.7% |
収益性については、FY2023/3に営業利益率がマイナスに陥ったものの、FY2024/3には営業利益率が19.1%へと劇的に改善しており、高い収益性を発揮しました。ROE(自己資本利益率)も直近で5.6%と効率的な資本利用が見られ、市況の恩恵を効率よく利益へ変換できる体質へ変貌しています。今後も安定した高収益体制を維持できるかどうかが、中長期的な評価の分かれ道となります。
財務は安全?
総資産は拡大傾向にあり、FY2025/3時点では約1兆3,797億円に達していますが、これは証券業特有の預り資産や取引に伴う資産増が主因です。自己資本比率は15.1%まで低下していますが、有利子負債は約1,787億円を抱えつつも、BPS(1株あたり純資産)は着実に上昇を続けており、強固な財務基盤の維持に努めています。積極的な事業展開を進める一方で、資本効率と財務規律のバランスをいかに図るかが重要な経営課題です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -409億円 | -37.2億円 | 426億円 | -447億円 |
| FY2022/3 | -42.0億円 | 70.4億円 | 133億円 | 28.4億円 |
| FY2023/3 | -13.6億円 | 16.7億円 | 166億円 | 3.1億円 |
| FY2024/3 | -47.6億円 | 23.9億円 | -44.1億円 | -23.7億円 |
| FY2025/3 | -207億円 | 61.8億円 | -185億円 | -145億円 |
証券会社の営業キャッシュフローは顧客の有価証券売買に伴う変動が大きいため、単年での増減だけで事業の良否を判断することは困難です。FY2025/3の営業CFのマイナスは、事業運営上の資産増減や市況連動型の資金流出が主因であり、過度な懸念は不要です。投資CFがプラス基調にあることは、保有有価証券の売却などが進んでいることを示唆しており、財務健全性を守るための資産最適化が行われています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 74.3億円 | 14.1億円 | 19.0% |
| FY2022/3 | 69.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 4.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 181億円 | 48.9億円 | 27.1% |
| FY2025/3 | 156億円 | 39.3億円 | 25.2% |
法人税等の支払いは、連結損益の変動および過去の繰越欠損金の活用状況に大きく左右されます。直近2年間は税引前利益が大きく伸長したことに伴い、実効税率も法定税率に近い水準まで回復しています。税負担は事業の収益性が安定的に推移していることの証左でもあります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,210万円 | 3,343人 | - |
従業員平均年収は1,210万円と、金融業界の中でも非常に高い水準を維持しています。これは専門性が求められる証券業務において優秀な人材を確保するための競争力ある待遇体系を反映しており、業界内でも厚遇の部類に入ります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。
同社の株主構成は、金融機関や保険会社による安定的な持株比率が高い点が特徴です。日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主であるほか、日本生命や農林中央金庫といった機関投資家が上位を占めており、経営の安定性が重視される構造となっています。一方で、自己株口の保有も一定割合存在しており、資本効率の向上を意図した動きが見られます。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社はグループ全体で12社の連結子会社を抱え、証券・金融サービスを中核に展開しています。事業リスクとしては市況環境の変動による収益への影響が重要視されており、近年のオンライン証券事業の一部譲渡など、収益基盤の最適化を図る構造改革を推進しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は17.0%であり、多様性の確保に向けた取り組みが進められています。監査等委員会設置会社として監査体制を強化しつつ、12社の連結子会社を擁する規模感に応じたグループガバナンス体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 128億円 | — | 進行中 | 修正なし |
| FY2024 | 非開示 | — | 161億円 | N/A |
| FY2023 | 非開示 | — | -10億円 | N/A |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 819億円 | — | 進行中 | 修正なし |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
岡三証券グループは相場環境に業績が左右されやすいため、具体的な通期業績予想を開示しない方針です。しかし、中期経営計画ではROE8%や総還元性向50%以上といった株主資本効率や還元に関する明確な目標を掲げています。直近のROE実績は7.36%(FY2024)と目標に近づいており、株主還元策もオンライン証券事業の売却益を原資とした特別配当などで強化しており、計画達成への意欲は高いと評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当を合算した総合的な投資リターンを示す指標です。FY2024およびFY2025において、同社のTSRはTOPIXを上回るアウトパフォームを記録しています。これは、株式市場全体の好調を追い風に業績が大幅に回復したこと、および増配や自己株取得といった積極的な株主還元策が株価にポジティブに作用した結果と考えられます。特にオンライン証券事業の譲渡とそれに伴う特別配当の発表は、資本効率の改善と株主への利益還元姿勢を明確に示し、投資家からの評価を高める一因となりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 136.3万円 | +36.3万円 | 36.3% |
| FY2022 | 117.0万円 | +17.0万円 | 17.0% |
| FY2023 | 152.3万円 | +52.3万円 | 52.3% |
| FY2024 | 262.3万円 | +162.3万円 | 162.3% |
| FY2025 | 226.0万円 | +126.0万円 | 126.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1倍を大きく下回る0.58倍で、売り残が買い残を上回る「売り長」の状態です。これは、将来の株価下落を見込む空売りが多い一方、買い戻しによる株価上昇圧力(踏み上げ)も期待できる状況を示唆します。PBRは0.87倍と解散価値を下回っており、割安感があります。配当利回りも業界平均を上回っており、株主還元策と合わせてインカム投資家からの注目が集まりやすい水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
岡三オンライン証券事業の一部をSBI証券に承継する契約を締結しました。
26年3月期の期末配当を50円に決定し、総還元性向50%以上を目指す方針を明確化しました。
高度専門人材の活用による企業価値向上に向けたエグゼクティブフェロー制度を導入しました。
最新ニュース
岡三証券グループ まとめ
ひとめ診断
「老舗の対面証券が、オンライン事業をSBIへ譲渡し、株主還元をテコに富裕層向けサービスへ選択と集中を図る転換期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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