加賀電子
KAGA ELECTRONICS CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
独立系商社の枠を超え、”作る”力で未来を拓くエレクトロニクス創造企業
新中期経営計画「KAGA27」を通じて、グローバルトップクラスのエレクトロニクスカンパニーへの進化を目指す。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンや、家族で乗る自動車の中には、たくさんの小さな電子部品が詰まっています。実は、加賀電子はそうした電子部品を世界中から集めてきて、メーカーに供給する『縁の下の力持ち』なんです。さらに、ただ部品を売るだけでなく、ゲームセンターの機械や工場の生産設備など、様々な電子機器の設計から製造までを請け負っています。あなたが普段何気なく目にしているハイテク製品の多くは、加賀電子がいなければ作れないかもしれません。
独立系エレクトロニクス商社。FY2025は売上高5477.8億円、営業利益236.01億円と、半導体市場の調整局面を受け一時的に減速。しかし、成長戦略の柱であるEMS(電子機器の受託製造サービス)事業は車載向けを中心に堅調で、M&Aを積極的に活用し事業領域を拡大しています。FY2024の配当は220円を維持しており、今後の半導体市況の回復とM&Aによるシナジー効果が成長の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都文京区本郷2丁目2-9
- 公式
- www.taxan.co.jp
社長プロフィール
創業以来「すべてはお客様のために」を経営理念とし、独立系の強みを活かして最先端技術をお客様にお届けしています。現在は商社機能だけでなく、EMS事業や自社製品開発といったメーカー機能の強化も図り、変化へ挑戦し続けることで企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
創業者・塚本勲氏が、秋葉原の小さな事務所で「加賀電子」を設立。独立系エレクトロニクス商社としての歴史が始まる。
創業から17年で株式上場を果たす。事業拡大と社会的な信用の獲得に向けた大きな一歩となる。
さらなる成長を遂げ、東証一部銘柄へ。日本を代表するエレクトロニクス商社としての地位を確立する。
単なる部品販売にとどまらず、電子機器の受託製造サービス(EMS)事業を本格化。海外拠点の拡充も進め、グローバルな供給体制を構築する。
業界に大きなインパクトを与えた大型買収。半導体事業の強化と顧客基盤の拡大を実現し、事業規模を飛躍的に拡大させた。
三菱電機系列の商社である協栄産業を買収。車載・産業機器分野をさらに強化し、持続的な成長に向けたM&A戦略を加速させる。
売上高1兆円、営業利益500億円の達成を目指す。商社機能とメーカー機能を融合させ、グローバルトップクラスのエレクトロニクスカンパニーを目指す。
注目ポイント
旧富士通エレクトロニクスや協栄産業など、大型買収を次々と成功させ事業を拡大。独立系の強みを活かした大胆な戦略で、業界再編をリードする存在です。
単に電子部品を販売するだけでなく、顧客の製品開発から製造までを請け負うEMS事業が成長の柱。企画・開発から量産まで一貫してサポートできる体制が強みです。
中期経営計画では「総還元性向40%以上」という高い目標を掲げています。安定的な配当を通じて、会社の成長を株主と分かち合う姿勢が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 40円 | 19.3% |
| FY2022/3 | 60円 | 20.8% |
| FY2023/3 | 110円 | 25.0% |
| FY2024/3 | 110円 | 28.4% |
現在、株主優待制度は実施されていません。
同社は株主還元を重要経営課題と位置づけ、安定的な配当の継続を目指しています。特に配当性向30%を目標とした利益還元を掲げており、業績向上に伴い積極的な増配を行ってきました。今後も成長投資とのバランスを考慮しつつ、株主価値の向上に向けた還元政策を継続する方針です。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
独立系エレクトロニクス商社である同社は、EMS(電子機器受託製造)事業の成長を牽引役に売上高を拡大させてきました。FY2023/3には売上高が6,000億円を超えましたが、近時は世界的な半導体需要の調整や市況変化の影響を受け、成長スピードが一時的に鈍化しています。FY2026/3予想においても、事業再編や市場環境を考慮した堅実な経営計画となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 12.0% | 4.8% | 2.7% |
| FY2022/3 | 14.6% | 5.7% | 4.2% |
| FY2023/3 | 17.8% | 8.1% | 5.3% |
| FY2024/3 | 13.5% | 7.1% | 4.8% |
| FY2025/3 | 10.3% | 5.6% | 4.3% |
売上高総利益率の向上などにより、収益性は過去数年で着実に改善傾向にあります。FY2023/3には営業利益率が5.3%まで向上し、ROEも17.8%という高い資本効率を記録しました。近年は市況の落ち着きとともに各利益率は低下局面にあるものの、効率的な経営体制の維持により、引き続き業界内でも競争力のある収益性を保っています。
財務は安全?
同社は無借金経営を長年継続してきましたが、FY2024/3以降はM&Aや設備投資に伴い有利子負債を適度に活用する財務戦略へ移行しました。自己資本比率は50%を超える水準を維持しており、健全性は極めて高く保たれています。資産規模も3,000億円台へと拡大しており、積極的な事業拡大を支える強固な財務基盤を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 100.0億円 | -24.5億円 | -68.5億円 | 75.5億円 |
| FY2022/3 | -15.5億円 | -67.7億円 | 11.6億円 | -83.3億円 |
| FY2023/3 | 306億円 | -48.0億円 | -155億円 | 258億円 |
| FY2024/3 | 294億円 | -29.7億円 | -170億円 | 264億円 |
| FY2025/3 | 250億円 | -99.7億円 | -73.4億円 | 151億円 |
営業キャッシュフローは、EMS事業の好調な受注を背景に安定的にプラスを創出する体制が確立されています。投資キャッシュフローについては、生産工場の新設や戦略的買収のために積極的な支出を行っています。フリーキャッシュフローも黒字基調を維持しており、潤沢な資金を元手に成長投資と株主還元を両立させる好循環を実現しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 112億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 215億円 | 60.5億円 | 28.2% |
| FY2023/3 | 327億円 | 96.7億円 | 29.5% |
| FY2024/3 | 260億円 | 56.3億円 | 21.7% |
| FY2025/3 | 226億円 | 55.1億円 | 24.4% |
法人税等の支払いは、連結経常利益の増減に伴い概ね適正な範囲内で推移しています。FY2021/3は繰延税金資産の取り崩し等により実効税率が低下しましたが、その後は法定実効税率に近い20%台後半の推移で安定しています。将来の業績予想に基づき、今期も適切な納税額を織り込んだ見通しが立てられています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 852万円 | 8,560人 | - |
従業員平均年収は852万円と、エレクトロニクス商社業界の中でも高水準な給与体制を維持しています。これは同社が注力するEMS事業(電子機器の受託製造)の拡大に伴う利益成長が、着実な還元として従業員に反映されているためです。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はOKOZE・加賀電子従業員持株会・三菱UFJ銀行。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が上位を占め、機関投資家による保有割合が高い安定的な株主構成となっています。創業家や従業員持株会が一定の株式を保有し、経営の独立性を維持しつつも、市場流動性を確保する構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
電子部品商社として半導体や電子デバイスの調達・販売を主軸としつつ、EMS事業という「作る」領域を成長エンジンに据えています。事業リスクとしては、特定の製品需要や為替変動、サプライチェーンの供給制約が業績に影響を与える可能性がある点に留意が必要です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%であり、今後の多様性確保に向けた登用が課題です。60社もの連結子会社を擁する巨大な組織に対し、専門的な監査報酬を支払うことで健全な統制を図る体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 5,500億円 | — | 5,427億円 | -1.3% |
| FY2023 | 5,100億円 | — | 6,081億円 | +19.2% |
| FY2022 | 4,700億円 | — | 4,958億円 | +5.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 250億円 | — | 259億円 | +3.4% |
| FY2023 | 212億円 | — | 323億円 | +52.1% |
| FY2022 | 130億円 | — | 209億円 | +60.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中計「中期経営計画2024」では、売上高目標7,500億円に対し実績5,478億円と未達に終わりました。これは世界的な半導体市況の悪化が主因です。しかし、営業利益目標200億円は実績236億円で前倒し達成しており、高付加価値ビジネスへのシフトが奏功しています。過去の業績予想は利益面で大幅に上振れる傾向があり、保守的な計画を立てる企業体質が伺えます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、FY2022以降、TOPIXを一貫してアウトパフォームしています。特にFY2023には319%、FY2024には412.5%と驚異的な数値を記録し、TOPIXを大きく引き離しました。これは、半導体市場の活況を背景とした大幅な業績拡大と、それに伴う積極的な増配が株価上昇に繋がり、株主に高いリターンをもたらしたことを示しています。FY2025は市況悪化でTSRが低下したものの、依然としてTOPIXを大幅に上回っており、企業の成長性と株主還元姿勢が市場から高く評価されている証左と言えるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 150.4万円 | +50.4万円 | 50.4% |
| FY2022 | 203.0万円 | +103.0万円 | 103.0% |
| FY2023 | 319.0万円 | +219.0万円 | 219.0% |
| FY2024 | 412.5万円 | +312.5万円 | 312.5% |
| FY2025 | 367.6万円 | +267.6万円 | 267.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は2.81倍と比較的落ち着いており、過熱感は限定的です。PERは業界平均を下回る一方、PBRは若干上回っており、資産価値に対しては一定の評価がされていると言えます。配当利回りが5.65%と業界平均を大きく上回っている点が、下値の支えとなる可能性があります。卸売業の中では時価総額も上位に位置しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて経常利益が前年同期比13.0%増の207億円を記録し、過去最高を更新しました。
シンガポールでの新工場建設を発表し、多品種少量生産の体制を強化しました。
サンワテクノスの株式7.25%を取得し、同業他社との協業体制の強化を図りました。
最新ニュース
加賀電子 まとめ
ひとめ診断
「『ただの商社』にあらず、M&Aを駆使して製造受託(EMS)を強化し、川上から川下まで押さえるエレクトロニクス総合企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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