GSIクレオス
GSI Creos Corporation
最終更新日: 2026年3月29日
繊維と化学で未来を織りなす、100年企業を目指す事業創造型商社
創立100周年となる2031年に向けて、事業創造型商社として未来を切り拓き、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが着ているお気に入りの洋服、その生地や糸はGSIクレオスが世界中から調達したものかもしれません。また、普段使っている化粧品の原料や、スマートフォンの内部で活躍する電子部品の材料といった特殊な化学品も、同社が縁の下の力持ちとして供給しています。さらに、プラモデル好きなら誰もが知る塗料『Mr.カラー』や工具は、実はGSIクレオスのホビー事業の製品で、多くのファンに長年愛されています。このように、同社はファッションからハイテク、趣味の世界まで、私たちの生活の様々な場面を裏側で支えているのです。
GSIクレオスは繊維と工業製品を両輪とする専門商社で、FY2025には売上高1,655.4億円、営業利益29.50億円を達成し、増収増益基調を維持しています。近年は三菱ケミカルからの事業譲受やEC事業への参入などM&Aにも積極的で、既存事業の強化と並行してナノテクノロジーなどの新規事業育成にも注力。2031年の創立100周年に向けた長期ビジョン「GSI CONNECT」の下、持続的な成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区芝3丁目8番2号
- 公式
- www.gsi.co.jp
社長プロフィール

2031年の創立100周年に向けて策定した長期ビジョンのもと、中期経営計画 “GSI CONNECT Phase 2” を推進しています。既成の枠に囚われず弛みない挑戦を続け、「事業創造型商社」として持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
生糸の輸出を行う「日本蚕糸統制株式会社」として設立。後に郡是産業株式会社となる。
繊維事業に加え、化学品や機械装置などの工業製品分野へ進出。海外にも拠点を設立し、グローバル商社としての基盤を築く。
グローバル化の進展と事業内容の多様化を背景に、郡是産業株式会社から現在の「株式会社GSIクレオス」へ商号を変更した。
カーボンナノチューブをはじめとする先端材料分野を育成事業と位置づけ、次世代の柱となる事業の創造に挑戦。
ファストファッションEC事業を買収し子会社を設立するなど、M&Aを積極的に活用して新たな事業領域へ進出。
中期経営計画“GSI CONNECT 2024”の最終年度目標であった純利益22億円を上回る23億円を達成。事業創造が着実に成果を上げる。
創立100周年に向けた新中期経営計画が始動。基幹事業の深化と戦略事業の成長を両輪に、さらなる企業価値向上を目指す。
注目ポイント
90年以上の歴史を持つ繊維事業を基盤としながら、ナノテクなどの先端分野やM&AによるEC事業参入など、常に新しい価値を創造し続ける挑戦的な姿勢が魅力です。
業績は好調で、5期連続増配の実績も。配当利回りが高く、継続保有でグレードアップするQUOカードの株主優待も個人投資家にとって嬉しいポイントです。
ホビー商材やキャラクターグッズも手掛けており、近年では「推し活」雑貨ブランドも展開。消費者の身近な楽しみを支えるユニークな一面も持っています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 60円 | 37.1% |
| FY2022/3 | 65円 | 48.9% |
| FY2023/3 | 73円 | 50.6% |
| FY2024/3 | 83円 | 50.4% |
| FY2025/3 | 97円 | 50.5% |
| 権利確定月 | 9月 |
配当方針は配当性向50%を目標として掲げており、業績成長に伴う積極的な増配で株主還元を強化しています。5期連続の増配を実施するなど、安定的な収益基盤を背景にした還元姿勢が鮮明です。株主優待と合わせた総合利回りは高水準であり、中長期的な投資魅力が高い銘柄の一つです。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
GSIクレオスは繊維と工業製品の二本柱を展開する事業創造型商社であり、直近FY2025/3には売上高が約1,655億円、最終利益が約23.6億円に達し、過去最高水準の業績を達成しました。特に繊維事業における高付加価値化や工業製品の伸長が成長を牽引しており、FY2026/3も微増ながら売上高1,660億円の過去最高更新を見込んでいます。事業ポートフォリオの再構築が進んだことで、安定的な利益成長フェーズへと移行しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.7% | 3.4% | 3.1% |
| FY2022/3 | 6.7% | 2.7% | 1.8% |
| FY2023/3 | 6.8% | 2.5% | 1.4% |
| FY2024/3 | 7.4% | 2.7% | 2.0% |
| FY2025/3 | 7.8% | 2.9% | 1.8% |
収益性は、繊維事業の構造改革や工業製品の成長投資が功を奏し、ROEは直近で7.8%まで改善するなど、資本効率の向上が着実な成果として表れています。一方で営業利益率は1%台後半から2%程度で推移しており、薄利多売な商社モデルからの脱却と利益率改善が今後の課題です。今後は高付加価値商材の比率を高めることで、利益水準と収益性の同時底上げが期待されます。
財務は安全?
財務健全性は、FY2024/3以降の有利子負債導入により総資産が約800億円規模へと拡大し、自己資本比率は約37.6%を維持しつつ、成長投資のための資金調達を機動的に行っています。これまでの無借金経営から投資主導型の財務戦略へ転換したことで、純資産も積み上がり、1株当たり純資産(BPS)は2,451円まで上昇しました。適度なレバレッジを活用しつつ、健全な自己資本を維持するバランスの取れた経営を継続しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 53.8億円 | -1.1億円 | -24.4億円 | 52.6億円 |
| FY2022/3 | -70.8億円 | 6.2億円 | -4.8億円 | -64.6億円 |
| FY2023/3 | -17.2億円 | 12.6億円 | 6.3億円 | -4.6億円 |
| FY2024/3 | 1.8億円 | 14.9億円 | 4,300万円 | 16.7億円 |
| FY2025/3 | 27.1億円 | -9.6億円 | -42.2億円 | 17.6億円 |
営業キャッシュフローは事業環境の影響を受けやすいものの、FY2025/3には約27億円のプラスを確保し、安定的な事業運営によるキャッシュ創出力が回復しています。投資活動では新規事業への投資や事業買収を継続しつつ、財務活動での借入返済により資本構成を適正化しています。成長と株主還元の両立に向けて、FCF(フリーキャッシュフロー)を年間約18億円規模でプラス維持できている点は評価に値します。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 37.0億円 | 16.7億円 | 45.2% |
| FY2022/3 | 18.8億円 | 2.4億円 | 13.0% |
| FY2023/3 | 17.9億円 | 1,800万円 | 1.0% |
| FY2024/3 | 30.0億円 | 9.8億円 | 32.7% |
| FY2025/3 | 25.5億円 | 1.9億円 | 7.5% |
実効税率は毎期変動が大きく、繰延税金資産の取り崩しや個別要因による一時的な税負担の増減が影響しています。特にFY2023/3やFY2025/3などは一時的な会計上の調整により税負担が圧縮されました。今後は業績の安定に伴い、法定実効税率に近い水準で推移することが見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 744万円 | 823人 | - |
従業員の平均年収は744万円であり、繊維・商社セクターの中でも堅実な水準を維持しています。近年、人的資本経営の一環として賃金制度改革を推進しており、市場環境の変化に応じた競争力のある人材確保と処遇改善が図られています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本生命保険相互会社・東レ・みずほ銀行。
同社は機関投資家や事業会社が上位株主に名を連ねており、日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主として約11.81%を保有する安定的な構成です。東レやグンゼ、みずほ銀行といった関係会社や金融機関が上位に位置し、長期的な経営の安定とステークホルダー間の協調体制が重視されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
繊維事業を基幹としながら、機械・ナノテクノロジー等の工業製品事業を展開する事業創造型商社としてポートフォリオの多角化を進めています。事業リスクとしては、原材料価格の変動や為替リスク、主要な輸出入先である海外市場の政治・経済状況の変化が挙げられ、これらへの対策としてグローバルなサプライチェーン管理を強化しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.2%と多様性の確保に積極的に取り組んでおり、透明性の高い経営体制を構築しています。連結子会社19社を抱える企業グループとして、適切な内部統制と監査等委員会による監督機能を通じて、健全かつ迅速な意思決定が行われる体制を整備しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,500億円 | — | 1,655億円 | +10.4% |
| FY2024 | 1,370億円 | — | 1,462億円 | +6.7% |
| FY2023 | 1,170億円 | — | 1,311億円 | +12.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 31億円 | — | 30億円 | -4.8% |
| FY2024 | 28億円 | — | 29億円 | +2.9% |
| FY2023 | 24億円 | — | 18億円 | -23.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「GSI CONNECT Phase 2」では、FY2027に営業利益45億円を目指しています。過去の中計では、売上高は計画を上回って着地することが多い一方、営業利益は目標に届かないケースや期初予想を下回るケースが見られます。これは、原料価格の変動や為替の影響を受けやすい事業構造が背景にあると考えられます。計画達成の確度を高めるには、収益性の安定化が鍵となるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
GSIクレオスのTSR(株主総利回り)は、過去5年間にわたりTOPIXを一貫して大幅に上回るパフォーマンスを示しています。特にFY2024には543.6%と驚異的な数値を記録しました。この背景には、継続的な増配による高い配当利回りと、業績拡大期待を背景とした株価上昇が複合的に寄与しています。株価上昇と高い株主還元が両立できている点が、TOPIXを大きくアウトパフォームする原動力となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 267.8万円 | +167.8万円 | 167.8% |
| FY2022 | 253.1万円 | +153.1万円 | 153.1% |
| FY2023 | 359.0万円 | +259.0万円 | 259.0% |
| FY2024 | 543.6万円 | +443.6万円 | 443.6% |
| FY2025 | 474.7万円 | +374.7万円 | 374.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRは業界平均と比較してやや割高な水準にあり、市場からの成長期待が織り込まれていると考えられます。一方、配当利回りは3.80%と業界平均を上回っており、株主還元への積極的な姿勢が評価されています。信用倍率は8倍台と買い残が多く、短期的な需給面では上値が重くなる可能性も注視が必要です。次の決算発表は8月上旬に予定されています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
三菱ケミカルグループよりトリアセテート繊維事業を譲り受け、繊維事業の競争力を強化。
創立100周年に向けた長期ビジョンを提示する初の統合報告書2025を発行。
人的資本経営の一環として、賃金制度改革を断行し従業員のエンゲージメント向上を図る。
最新ニュース
GSIクレオス まとめ
ひとめ診断
「創業90年超の繊維商社が、化学品・ホビー・ナノテクを武器に『事業創造型商社』へ進化する現在進行形」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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