ニチモウ
NICHIMO CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
創業100年超、浜から食卓までを繋ぐ水産総合商社。安定成長と累進配当が魅力
「浜から食卓まで」を網羅する独自の事業基盤を強化し、地球環境の変化に対応しながら、食の安定供給と持続可能な社会の実現に貢献するグローバル企業を目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段スーパーで手にするお魚や、お寿司屋さんで食べるネタ。その魚が獲られるところから加工され、あなたのお店に並ぶまでの一連の流れにニチモウは深く関わっています。魚を獲るための丈夫な「漁網」を漁師さんに提供し、獲れた魚を美味しい「冷凍食品」や「すり身」に加工する機械も扱っています。さらには、食卓に並ぶ加工食品そのものも製造・販売しており、まさに日本の水産業を裏側から支えている存在なのです。
漁網から水産加工品まで「浜から食卓まで」を網羅する老舗専門商社。直近の2025年3月期は売上高1,339.0億円、営業利益30.02億円を達成しました。続く2026年3月期は売上高1,350億円、営業利益33億円と増収増益を計画しており、M&Aや海外展開を積極化しています。株主還元に意欲的で「累進配当」を掲げており、PBR0.71倍という割安な水準も投資家にとって注視すべき点です。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区東品川2-2-20 天王洲オーシャンスクエア
- 公式
- www.nichimo.co.jp
社長プロフィール
養殖事業の現場で培った知見を活かし、ニチモウの強みである多角的な事業基盤をさらに強化します。中期経営計画『Breaking Through Toward 2028』のもと、利益成長を加速させ、10年後の営業利益77億円達成という目標に向け、全社一丸となって挑戦を続けます。
この会社のストーリー
漁網・漁具の販売を目的として創業。日本の水産業の発展と共に、その歩みをスタートさせた。
戦時下の企業整備により、現在の「ニチモウ株式会社」へと商号を変更し、新たな体制で事業を継続した。
株式上場を果たし、企業としての社会的信用を高め、さらなる成長に向けた基盤を固めた。
冷凍魚卵の輸入を開始し、食品事業を本格的に展開。海洋事業と並ぶ、現在の事業の柱を築いた。
ニチモウアメリカINC.を設立。これを皮切りにM&Aも活用しながら、グローバル市場での事業拡大を進めた。
養殖関連の現場でキャリアを積んだ青木信也氏が社長に就任。現場主義の視点で、新たな成長戦略を描く。
新中期経営計画『Breaking Through Toward 2028』を推進。M&Aや新規事業への投資を積極化し、営業利益77億円の達成を目指す。
注目ポイント
「累進配当」を方針として掲げ、減配しない安定した配当を重視。株主への利益還元に積極的で、投資家にとって魅力的な企業です。
創業以来の漁網・漁具などの海洋事業に加え、水産加工品などを扱う食品事業が大きな柱に成長。異なる事業を持つことで、安定した収益を生み出しています。
生分解性素材の漁網開発や、陸上養殖技術など、環境負荷を低減する取り組みを積極的に推進。持続可能な社会の実現に貢献しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 25円 | 11.5% |
| FY2022/3 | 50円 | 12.4% |
| FY2023/3 | 80円 | 23.4% |
| FY2025/3 | 48.5円 | 30.3% |
現在、株主優待制度は実施されていません。
ニチモウは株主への利益還元を重要経営課題と位置づけ、累進配当を掲げるとともに配当性向40%以上を中長期的な目標としています。過去には配当額の大幅な引き上げを実施しており、株主還元への意欲は非常に高いです。今後も安定的かつ継続的な増配を目指す方針を維持しています。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ニチモウの業績は、水産商社としての安定した収益基盤を背景に売上高1,300億円超を維持し、右肩上がりの成長基盤を確立しています。FY2025/3には純利益が約26.7億円となり、強固な事業ポートフォリオが奏功しました。FY2026/3においても売上高1,350億円、営業利益33億円を見込んでおり、着実な増収増益基調が継続しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.6% | 2.3% | 1.9% |
| FY2022/3 | 13.7% | 3.7% | 2.8% |
| FY2023/3 | 10.1% | 3.1% | 2.3% |
| FY2024/3 | 8.3% | 2.9% | 1.6% |
| FY2025/3 | 8.8% | 3.2% | 2.2% |
収益性については、営業利益率が概ね2%前後で推移する中、ROE(自己資本利益率)は8%から13%台という高い水準を記録しており、資本効率を重視した経営が定着しています。過去数年間は市況変動の影響を受けたものの、強靭な利益体質を維持してきました。今後も利益率の向上と効率的な資産運用によって、さらなる収益性強化を目指しています。
財務は安全?
財務健全性の面では、有利子負債の増加が見られるものの、自己資本比率が30%台を安定的に維持しており、一定の財務余力を確保しています。純資産額もFY2021/3の約173億円からFY2025/3には約302億円へと大幅に拡大しました。積極的な成長投資を継続しながらも、盤石な財務基盤を維持する姿勢を堅持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 64.0億円 | -12.9億円 | -11.1億円 | 51.1億円 |
| FY2022/3 | -55.4億円 | -24.3億円 | 42.2億円 | -79.7億円 |
| FY2023/3 | 9.1億円 | -12.7億円 | 16.2億円 | -3.6億円 |
| FY2024/3 | 66.3億円 | 12.8億円 | -72.8億円 | 79.0億円 |
| FY2025/3 | -13.4億円 | -19.8億円 | 11.9億円 | -33.3億円 |
営業キャッシュフローは事業環境により変動するものの、FY2024/3には営業CF約66億円を創出し、フリーキャッシュフローの大幅なプラスを達成しました。投資キャッシュフローは成長戦略に向けた投資や設備更新により恒常的に支出が続いています。資金調達については、安定的な事業継続のために財務活動を通じて適切にコントロールされています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 23.6億円 | 8.7億円 | 36.9% |
| FY2022/3 | 36.1億円 | 8.6億円 | 23.7% |
| FY2023/3 | 32.2億円 | 7.8億円 | 24.3% |
| FY2024/3 | 25.6億円 | 2.1億円 | 8.3% |
| FY2025/3 | 36.0億円 | 9.3億円 | 26.0% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に概ね連動しており、標準的な税率水準で推移しています。FY2024/3は税率が8.3%と低くなりましたが、これは税効果会計や一時的な損金算入等による影響です。今後も安定した利益計上に伴い、適正な税務処理に基づく納税が継続される見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 851万円 | 1,050人 | - |
従業員の平均年収は851万円と、水産・卸売業界内では比較的高水準に位置しています。近年、業績の成長や利益還元を強化する方針を打ち出しており、これが従業員への給与水準にも好影響を与えていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は渡辺冷食。
大株主には朝日生命保険相互会社や取引先企業、持株会が名を連ねており、長年安定した関係を維持する事業法人や金融機関による長期保有が中心の構成です。創業家や特定個人の持株比率も一定水準ありますが、経営権の集中よりも安定株主による経営の継続性が重視される傾向にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
売上高1,000億円超を誇る老舗商社として、食品事業と漁網・漁具の海洋事業を二本柱としています。食品加工機械の海外展開やバイオ素材活用といった成長投資を積極的に進めており、M&Aを活用したポートフォリオの再編が今後の収益拡大に向けた重要なリスク・機会要因となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%と改善の余地がありますが、「健康経営優良法人」の認定取得など、人的資本経営への取り組みを強化しています。監査報酬4,400万円を投じ、連結子会社18社を含むグループ全体でガバナンス体制の維持・向上を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 34億円 | — | 30億円 | -11.7% |
| FY2024 | 31億円 | — | 20億円 | -34.8% |
| FY2023 | 26億円 | — | 29億円 | +10.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,350億円 | — | 1,339億円 | -0.8% |
| FY2024 | 1,310億円 | — | 1,278億円 | -2.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中期経営計画では売上高目標1,300億円を上回る1,339億円を達成したものの、営業利益は目標33億円に対し30.02億円と未達に終わりました。これはすり身市況の悪化や価格転嫁の遅れが響いた形です。新中計では10年後の営業利益77億円という高い目標を掲げ、株主還元強化(配当性向40%以上)も打ち出していますが、収益性の改善と業績予想の精度向上が今後の課題となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
ニチモウのTSR(株主総利回り)は、FY2022以降5年連続で市場平均であるTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024には自社TSRが326.7%に達し、TOPIXの216.8%を大きく上回りました。この背景には、安定した事業基盤に加えて、2023年3月期以降に本格化した「累進配当」方針など積極的な株主還元策が投資家に評価され、配当と株価上昇の両面で高いリターンを生み出したことが挙げられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 133.5万円 | +33.5万円 | 33.5% |
| FY2022 | 186.7万円 | +86.7万円 | 86.7% |
| FY2023 | 213.5万円 | +113.5万円 | 113.5% |
| FY2024 | 326.7万円 | +226.7万円 | 226.7% |
| FY2025 | 277.3万円 | +177.3万円 | 177.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.71倍と解散価値(1倍)を大きく下回っており、業界平均(1.2倍)と比較しても著しく割安な水準にあります。配当利回りは3.78%と業界平均を上回り、株主還元への積極姿勢が評価されています。信用倍率は高い水準で推移しており、将来の株価上昇を見込んだ買いが多いものの、需給面では注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
代表取締役の異動を発表し、新体制による次期経営計画の推進を明示。
第3四半期決算にて売上高および純利益で過去最高を更新し、成長軌道を証明。
バイオ・生分解性素材を用いた環境負荷低減型製品の販売を開始し、ESG経営を強化。
最新ニュース
ニチモウ まとめ
ひとめ診断
「創業100年超えの水産専門商社が、累進配当とM&Aを両輪に世界の食卓を狙う」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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