稲畑産業8098
Inabata & Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやテレビの液晶画面、その性能を支える特殊なフィルムや材料を世界中から探し出し、メーカーに届けているのが稲畑産業です。また、自動車のバンパーや内装に使われるプラスチック原料も同社の主力商品の一つ。普段あなたが運転する車の軽量化や安全性向上に貢献しています。最近では、スーパーで見かける美味しいうなぎの加工品を手がける会社もグループに加わり、私たちの食卓にも直接関わるようになりました。暮らしの様々なシーンで、稲畑産業の目利き力が活かされています。
稲畑産業は、住友化学系の化学専門商社で、情報電子と合成樹脂を事業の二本柱としています。2025期は売上高8,378.4億円(前期比9.4%増)、営業利益258.24億円(同21.9%増)と増収増益を達成し、好調な業績を維持しています。現在、中期経営計画「New Challenge 2026」を推進中で、M&Aによる事業領域の拡大や環境関連ビジネスの強化を通じて、2027年3月期には売上高9,500億円、営業利益270億円を目指しています。株主還元にも積極的で、安定した配当成長も投資家にとって魅力的なポイントです。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市中央区南船場一丁目15番14号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.8% | 3.9% | - |
| 2022/03期 | 12.7% | 6.0% | - |
| 2023/03期 | 10.9% | 5.1% | - |
| 2024/03期 | 10.3% | 5.0% | 2.8% |
| 2025/03期 | 9.4% | 4.6% | 3.1% |
| 3Q FY2026/3 | 9.7%(累計) | 3.6%(累計) | 3.2% |
当社の収益性は、営業利益率が3%前後で安定的に推移しており、化学専門商社としての強固な事業基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)は9%から12%の水準を維持しており、資本効率を意識した経営が一定の成果を上げています。市況変動の影響を受けやすい化学業界においても、効率的な商流構築によって安定的な利益確保を実現している点が特徴です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 5,776億円 | — | 138億円 | 229.1円 | - |
| 2022/03期 | 6,810億円 | — | 224億円 | 374.2円 | +17.9% |
| 2023/03期 | 7,356億円 | — | 195億円 | 343.3円 | +8.0% |
| 2024/03期 | 7,660億円 | 212億円 | 200億円 | 362.2円 | +4.1% |
| 2025/03期 | 8,378億円 | 258億円 | 198億円 | 363.9円 | +9.4% |
稲畑産業は、情報電子、化学品、合成樹脂を柱とする専門商社として、堅実な成長を継続しています。2025年3月期には売上高が約8,378億円に達し、積極的な事業拡大により過去数年間で着実な増収傾向を維持しました。今後は中期経営計画「New Challenge 2026」の下、さらなる収益力の強化とグローバル市場での競争力向上を目指しています。 【3Q 2026/03期実績】売上6248億円(通期予想比72%)、営業利益203億円(同80%)、純利益167億円(同86%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
売上高の柱である情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の4セグメントでバランスの良いポートフォリオを構築しています。事業リスクとして、特定製品への依存度や国際的な経済市況の変動が挙げられますが、多角的な事業展開によりリスク分散が図られています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 8,300億円 | — | 8,378億円 | +0.9% |
| 2024期 | 8,000億円 | — | 7,660億円 | -4.2% |
| 2023期 | 7,300億円 | — | 7,356億円 | +0.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 225億円 | — | 258億円 | +14.8% |
| 2024期 | 210億円 | — | 212億円 | +0.9% |
| 2023期 | 195億円 | — | 203億円 | +4.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「New Challenge 2026」では、2027期(2027年3月期)に売上高9,500億円、営業利益270億円という目標を掲げています。初年度である2025期の実績は売上高8,378.4億円(進捗率88.2%)、営業利益258.24億円(進捗率95.6%)と、利益面で高い進捗を見せています。過去の業績予想は売上高で若干のブレが見られるものの、利益は堅調に上振れする傾向があり、収益性改善への取り組みが奏功していると言えます。目標達成には、M&Aや環境関連ビジネスなど成長領域の着実な積み上げが鍵となります。
最新ニュース
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
上期連結経常利益が前年同期比6%増となり、従来予想を上振れて着地した。
中期経営計画「New Challenge 2026」を推進し、売上高1兆円を目指す成長戦略を発表。
大五通商の連結子会社化により、食品ビジネスの拡充とサプライチェーン強化を実現した。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は高く、自己資本比率が約47%前後を維持しており、安定した財務体質を誇ります。2024年3月期以降は有利子負債が増加していますが、これは積極的な事業投資や買収に伴う資金調達であり、健全な範囲内での資産拡大です。潤沢なネットアセット(純資産)を背景に、将来の成長投資に向けた十分な余力を確保しています。 【3Q 2026/03期】総資産4939億円、純資産2403億円、自己資本比率35.7%、有利子負債809億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 176億円 | 4.2億円 | 176億円 | 172億円 |
| 2022/03期 | 114億円 | 54.5億円 | 60.0億円 | 60.0億円 |
| 2023/03期 | 99.2億円 | 82.8億円 | 176億円 | 182億円 |
| 2024/03期 | 302億円 | 23.9億円 | 140億円 | 278億円 |
| 2025/03期 | 199億円 | 95.0億円 | 8.1億円 | 104億円 |
営業活動によるキャッシュフローは概ね黒字を維持しており、本業で安定した資金を獲得する力が備わっています。2024年3月期にフリーキャッシュフローが約278億円と大きく伸長したほか、投資活動においても戦略的な買収を含めた積極的な資金投入が行われています。財務活動では借入金の返済や配当支払いを通じて、適切な資本構成と株主還元をバランス良く実施しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%を確保し、多様性の確保を進めています。連結子会社49社を擁する大規模なグループ体制であり、8,700万円の監査報酬を投じるなどガバナンスの透明性と監査体制の強化に注力しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 984万円 | 4,677人 | - |
従業員平均年収は984万円と化学専門商社としては業界内で比較的高水準を維持しています。これは同社が情報電子事業や合成樹脂事業といった高付加価値分野を主軸に収益を上げ、業績に応じた利益還元を行っている背景があります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間にわたりTOPIXを一貫してアウトパフォームし続けています。2025期には自社TSRが313.8%に達し、TOPIXの213.4%を100ポイント以上も上回りました。この好調なパフォーマンスは、堅調な業績成長を背景とした継続的な増配と、それに伴う株価上昇が両輪となって実現されています。特に、安定した株主還元策が投資家に評価され、株価の強力な下支えとなっていることが、TOPIXを大きく超過するリターンにつながっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 36円 | 23.7% |
| 2017/03期 | 40円 | 25.6% |
| 2018/03期 | 40円 | 36.4% |
| 2019/03期 | 48円 | 22.7% |
| 2020/03期 | 53円 | 28.1% |
| 2021/03期 | 63円 | 27.5% |
| 2022/03期 | 110円 | 29.4% |
| 2023/03期 | 115円 | 33.5% |
| 2024/03期 | 120円 | 33.1% |
| 2025/03期 | 125円 | 34.4% |
| 権利確定月 | 9月 |
稲畑産業は株主還元を重視しており、安定的な増配を継続する累進配当的な姿勢を堅持しています。配当性向を30%台前半の適正水準に維持しつつ、業績向上を反映した配当を行っている点が評価されます。株主優待と合わせたトータルリターンを意識した施策により、中長期的な保有を促す設計となっています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 145.8万円 | 45.8万円 | 45.8% |
| 2022期 | 189.5万円 | 89.5万円 | 89.5% |
| 2023期 | 252.1万円 | 152.1万円 | 152.1% |
| 2024期 | 303.6万円 | 203.6万円 | 203.6% |
| 2025期 | 313.8万円 | 213.8万円 | 213.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は12.7倍と買い残が多く、株価上昇への期待感が強い状態ですが、将来の売り圧力になる可能性も注視が必要です。業界平均と比較するとPER・PBRは若干割安な水準にあり、株価の上昇余地は残されていると見られます。配当利回りが業界平均を上回っている点も、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。今後の決算発表で中期経営計画の進捗が示されるかが、株価を左右する重要なポイントとなります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 165億円 | 27.2億円 | 16.5% |
| 2022/03期 | 216億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 191億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 214億円 | 13.9億円 | 6.5% |
| 2025/03期 | 261億円 | 63.0億円 | 24.1% |
法人税等の支払いは過去数年、税効果会計の適用や繰越欠損金の利用等により低位に留まる時期がありましたが、直近では正規の税率水準に回帰しています。2025年3月期以降は利益成長に伴い税負担額が約60億円規模へと増加しており、安定した納税プロセスが確立されました。今後も業績の安定拡大とともに、適切な税務コンプライアンスを維持する見通しです。
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稲畑産業 まとめ
「スマホ部品から食卓のうなぎまで、130年の歴史を持つ老舗化学商社のアジア展開とM&Aによる挑戦」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。