YKT
YKT CORPORATION
最終更新日: 2026年3月30日
創業100年、世界の『ものづくり』を未来へ繋ぐグローバル技術商社
『For the next』~次世代の為に、ものづくりに貢献するグローバルソリューションカンパニー~を目指します。世界中の先進技術とお客様を結び、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンや、家族で乗る自動車。これらの製品は、とても精密な部品を組み立てて作られています。YKTは、そうした「ものづくり」に欠かせない最先端の機械を、ヨーロッパなど世界中から見つけ出し、日本の工場に届ける専門家です。また、パナソニックのような日本の優れた機械を海外の工場へ紹介する役割も担っています。普段、私たちが目にする様々な工業製品の裏側で、YKTは世界中の技術をつなぐ「橋渡し役」として活躍しているのです。
YKTは欧州製の工作機械輸入とパナソニック製電子部品実装機の輸出を主力とする独立系の機械専門商社です。FY2025の業績は、売上高133.9億円、営業損益-1.99億円と赤字着地しました。しかし、続くFY2026の会社計画では売上高135.0億円、営業利益1.90億円と黒字転換を見込んでいます。PBRは0.37倍と極めて割安な水準ですが、業績の不安定さが株価の重しとなっており、計画達成と持続的な成長を示せるかが投資家の評価を左右するでしょう。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都渋谷区代々木五丁目7番5号
- 公式
- www.ykt.co.jp
社長プロフィール
当社は中長期ビジョン『YKT Vision2034』を掲げ、単なる機械販売に留まらないソリューション提供を目指しています。お客様の課題に寄り添い、技術支援を含めた総合的な付加価値を提供することで、世界の『ものづくり』に貢献し続けます。
この会社のストーリー
創業者・山本傳之助が東京市芝区に「山本工務店」を設立。舶来機械器具の輸入販売を開始し、日本の近代化に貢献する第一歩を踏み出しました。
事業の拡大に伴い、ヤマト工販株式会社へ商号を変更。機械専門商社としての基盤を固め、高度経済成長期の日本の産業を支えました。
グローバル化を見据え、商号をYKT株式会社に変更。欧州製工作機械の輸入とパナソニック製電子部品実装機の輸出という二本柱を確立しました。
社会的な信用を高め、さらなる事業拡大を目指してジャスダック市場(現・東証スタンダード)に上場。企業として新たなステージに進みました。
カナダのD-Wave Systems社製量子コンピュータの販売・保守サポートを開始。先端技術分野への進出が市場の注目を集め、株価が大きく上昇しました。
創業から一世紀を迎え、記念配当を実施。長年の歴史で培った信頼と実績を基盤に、次の100年へと歩みを進めています。
次の10年を見据えた中長期ビジョンと第13次中期経営計画を策定。単なる商社から、顧客の課題を解決するソリューションカンパニーへの変革を目指します。
注目ポイント
カナダのD-Wave Systems社製量子コンピュータを取り扱い、未来の計算技術を日本の研究開発現場に提供。株価が大きく動くほどの注目を集める先進分野に挑戦しています。
欧州の高性能な工作機械を日本へ輸入する一方、パナソニック製の電子部品実装機を世界へ輸出。グローバルなネットワークを活かした独自のビジネスモデルが強みです。
創業100周年には記念配当を実施するなど、株主還元に積極的。個人投資家も嬉しいQUOカードの株主優待制度も設けています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 7.5円 | 32.5% |
| FY2017/3 | 5円 | 38.6% |
| FY2018/3 | 5円 | 31.0% |
| FY2019/3 | 5円 | 13.2% |
| FY2020/3 | 5円 | 18.7% |
| FY2021/3 | 5円 | 13.3% |
| FY2022/3 | 8円 | 10.9% |
| FY2023/3 | 10円 | 38.1% |
| FY2024/3 | 5円 | 0.3% |
| FY2025/3 | 5円 | 104.2% |
| 必要株数 | 500株以上(約12万円) |
| 金額相当 | 1,000円相当〜 |
| 権利確定月 | 12月 |
当社は業績連動型の配当方針を採用しており、成長投資との兼ね合いを見極めながら株主還元を検討する姿勢です。FY2023/3には創業100周年記念配当を実施しましたが、直近は業績の変動に伴い配当額が大きく上下しています。持続的な利益成長による配当の安定化が、今後の株主還元における重要なポイントと言えます。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高はFY2022/3の約221億円をピークに、足元では約134億円規模で推移しています。FY2024/3には営業赤字へ転落するなど本業の収益性が大きく悪化しましたが、FY2026/3予想では微増収かつ営業利益の黒字化を見込んでいます。電子機器や工作機械の商社事業という特性上、景気動向の影響を受けやすい収益構造となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.5% | 3.0% | - |
| FY2022/3 | 8.6% | 6.3% | - |
| FY2023/3 | 4.5% | 2.4% | - |
| FY2024/3 | -2.6% | -0.0% | -0.1% |
| FY2025/3 | -0.6% | 0.3% | -1.5% |
売上高純利益率は以前10%を超える水準がありましたが、直近では営業利益率がマイナスに沈むなど収益性の低迷が顕著となっています。FY2025/3においても営業利益率は-1.5%と低空飛行が続いており、固定費の回収と販売効率の改善が急務です。ROE(自己資本利益率)も1%未満と低く、資本効率の面では課題を残す結果となりました。
財務は安全?
自己資本比率はFY2024/3の約69%からFY2025/3には約47%へと低下しており、財務の健全性はやや揺らぎを見せています。また、かつては無借金経営でしたが、直近では約100億円の有利子負債を抱える状況へ急変しました。総資産の拡大に伴い、調達した資金をいかに成長投資へ回し回収できるかが今後の財務安定性を左右します。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -7.1億円 | -1,500万円 | 5.0億円 | -7.3億円 |
| FY2022/3 | 10.4億円 | -2,100万円 | -11.1億円 | 10.2億円 |
| FY2023/3 | 22.3億円 | -2,900万円 | -7.2億円 | 22.0億円 |
| FY2024/3 | -2.5億円 | -300万円 | -7.6億円 | -2.5億円 |
| FY2025/3 | 7.9億円 | 1.4億円 | 15.8億円 | 9.3億円 |
営業キャッシュフローは年度によって大きな変動があり、本業での稼ぐ力が安定していないことを示唆しています。FY2025/3には約15.8億円の資金調達(財務CF)を実施することで手元流動性を確保しました。営業CFの振れ幅を抑え、安定的なフリーキャッシュフローを創出できる体制の構築が重要です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.3億円 | 2.0億円 | 31.2% |
| FY2022/3 | 12.4億円 | 3.8億円 | 30.8% |
| FY2023/3 | 4.5億円 | 1.5億円 | 33.2% |
| FY2024/3 | 1.4億円 | 1.4億円 | 100.7% |
| FY2025/3 | -4,500万円 | 0円 | - |
FY2024/3は利益水準が極めて低く、実効税率が一時的に100%を超過しました。直近のFY2025/3は経常赤字により法人税等の支払いは発生していません。FY2026/3予想では黒字転換を見込んでおり、税負担も正常化に向かう見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 693万円 | 135人 | - |
従業員の平均年収は693万円と、中堅機械商社という業態を考慮すると業界内でも相応の水準が維持されています。過去には業績連動や記念配当などが話題となりましたが、基本給与は堅実な推移を辿っています。
誰がこの会社の株を持ってる?
浮動株比率が高く、株式の流動性が高い反面、株価変動が大きくなりやすい傾向があります。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本証券金融。
上位株主に山本久子氏(20.88%)や山本庸一氏(16.7%)といった創業者一族と推察される個人株主が名を連ねており、安定した支配構造がうかがえます。一方で、日本証券金融や海外ファンドの保有も確認され、一定の流動性と市場からの監視機能が確保されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業構成は電子機器及び工作機械等の販売が主力であり、海外製機械の輸入とパナソニック製実装機の輸出が二本柱です。リスク要因として為替変動による仕入コストへの影響や、主要取引先の設備投資動向に左右される経営環境が挙げられています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は0.0%と改善の余地があるものの、監査等委員会設置会社として適切な監査体制を敷いています。連結子会社を4社有する中堅企業として、グループ全体でのガバナンス強化と、事業の多角化を通じた収益安定化を図る体制です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | -1.8億円(赤字予想) | — | -2億円 | -10.6% |
| FY2024 | 5億円 | — | -0億円 | 大幅未達 |
| FY2023 | 7億円 | — | 4億円 | -40.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 135億円 | — | 134億円 | -0.8% |
| FY2024 | 130億円 | — | 119億円 | -8.2% |
| FY2023 | 150億円 | — | 129億円 | -14.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2034年を見据えた長期ビジョン「YKT Vision2034」と共に策定された「第13次中期経営計画」が進行中です。最終年度であるFY2027に売上高200億円、営業利益10億円という高い目標を掲げています。しかし、初年度のFY2025実績は営業赤字となり、目標達成への道のりは非常に厳しいと言わざるを得ません。過去数年にわたり期初計画を大幅に下回る実績が続いており、まずは業績予想の精度を高め、着実に利益を積み上げることが最優先課題となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。特に市場全体が大きく上昇したFY2023からFY2025にかけて、同社のTSRは80%〜90%台に留まり、TOPIXとの差が拡大しました。これは、配当は実施しているものの、業績の低迷とそれに伴う株価の伸び悩みが主な原因です。株主へのトータルリターンを向上させるためには、まず本業の収益力を回復させ、持続的な成長軌道に乗せることが不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 91.2万円 | -8.8万円 | -8.8% |
| FY2022 | 108.8万円 | +8.8万円 | 8.8% |
| FY2023 | 94.2万円 | -5.8万円 | -5.8% |
| FY2024 | 95.8万円 | -4.2万円 | -4.2% |
| FY2025 | 84.7万円 | -15.3万円 | -15.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
特筆すべきはPBRが0.37倍と、解散価値を大きく下回る「超割安」状態である点です。これは市場が同社の将来の収益力に悲観的であることを示唆しています。一方で、信用取引では売り残がなく、買い残のみが積み上がっており、将来的な株価上昇を期待する個人投資家が多いことが窺えます。今後、業績回復が確認されれば、割安さが再評価される可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年12月期決算発表により、次期の経常黒字化見通しを公表。
連結経常損益の赤字幅縮小を伴う業績修正を発表し、市場の注目を集める。
第3四半期決算にて、通期業績予想を下方修正する旨を開示。
最新ニュース
YKT まとめ
ひとめ診断
「創業100年超の老舗機械専門商社、足元の業績は赤字だが黒字転換と中長期ビジョンで再起を図る」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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