ニプロ
NIPRO CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
透析治療から再生医療まで、いのちを支える総合医療メーカー
世界中の人々のQOL(Quality of Life)の向上に貢献し、医療の未来を創造するグローバルカンパニーを目指します。
この会社ってなに?
あなたが病院で注射や点滴を受けるとき、その針やチューブはニプロの製品かもしれません。また、腎臓病の治療で使われる人工透析では、血液をきれいにする「ダイアライザ」という重要な装置で国内トップクラスのシェアを誇っています。普段、薬局で受け取るお薬の中にも、ニプロが製造を担当したジェネリック医薬品が含まれている可能性があります。私たちの健康を医療現場の最前線で見えないところで支えている会社です。
ニプロは人工透析関連製品で高いシェアを誇る総合医療メーカーです。直近のFY2025決算では売上高6,445.9億円を達成するも、純利益は前期比で大きく減少し51.13億円となりました。一方で会社はFY2026に売上高6,770億円、営業利益370億円と大幅な増益を予想しており、医薬品事業の強化と海外展開が成長の鍵を握っています。利益率の改善が継続的な株価上昇のための重要課題です。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
- 公式
- www.nipro.co.jp
社長プロフィール

当社グループは「すべてのいのちに、よろこびを。」という経営理念のもと、医療機器、医薬、ファーマパッケージング、再生医療の4事業を融合させ、新たな価値を創造することを目指しています。世界中の人々の健康に貢献するという揺るぎない信念に基づき、今後も挑戦を続けてまいります。
この会社のストーリー
医薬品や医療機器に使用されるアンプルやバイアルなどの硝子製品の販売を開始。これが後のニプロの原点となる。
人工腎臓治療に使用されるダイアライザ(人工腎臓)や血液回路の製造・販売を開始。今日の主力事業の礎を築く。
事業拡大に伴い株式を上場し、社会的な信用を高め、さらなる成長のための基盤を固める。
着実な業績拡大が評価され、東京証券取引所・大阪証券取引所の第一部に上場。日本を代表する企業の一つとなる。
米国のInfraredx社を買収するなど、海外企業のM&Aを積極的に行い、グローバル市場での競争力を強化。医薬品事業も大きく成長させる。
脊髄損傷に対する再生医療等製品「ステミラック®注」の製造販売を開始。未来の医療への新たな一歩を踏み出す。
大阪府摂津市に新設した自社ビルに本社機能を移転。新たな環境でグループシナジーの最大化を図る。
中期経営計画に基づき、既存事業の強化と再生医療などの新規事業の育成を両輪で進め、持続的な企業価値向上を目指す。
注目ポイント
人工腎臓治療に不可欠なダイアライザ(人工腎臓)で国内トップクラスのシェアを誇ります。医療現場を支える高い技術力と安定した供給体制が強みです。
脊髄損傷患者向けの再生医療等製品を実用化するなど、最先端の再生医療分野に挑戦しています。今後の成長が期待される未来志向の事業です。
株主への感謝として、JCBギフトカードがもらえる株主優待制度を実施しています。保有株式数や期間に応じて贈呈額が増えるため、長期保有の魅力も大きいです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 28円 | 32.1% |
| FY2022/3 | 27円 | 32.7% |
| FY2023/3 | 22円 | 78.4% |
| FY2024/3 | 25円 | 36.7% |
| FY2025/3 | 25円 | 79.7% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は安定的な配当の維持を重視しつつ、業績に連動した適切な利益還元を行う方針を掲げています。近年の配当性向は変動があるものの、株主への還元姿勢は維持されており、事業成長に伴う利益還元を目指しています。長期保有を促進する株主優待制度も併用することで、中長期的な株主価値の向上を図る姿勢です。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は透析関連製品や医薬品事業の堅調な拡大により、5期連続の増収基調を維持しており、直近のFY2025/3には6,446億円に達しました。一方で、営業利益はコスト増の影響もあり変動が大きいものの、FY2026/3期には過去最高水準の370億円への大幅な回復を見込んでいます。積極的な投資や事業再編によるポートフォリオの最適化が進んでおり、収益構造の改善が期待されています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.2% | 1.7% | 6.1% |
| FY2022/3 | 6.7% | 1.4% | 4.8% |
| FY2023/3 | 1.9% | 0.4% | 3.3% |
| FY2024/3 | 4.1% | 1.0% | 3.8% |
| FY2025/3 | 1.6% | 0.4% | 4.1% |
近年の収益性は、医療機器特有の競争激化や原材料コストの上昇により、営業利益率が3-6%台と低水準での推移が続いています。ROEはFY2023/3以降1-4%台で推移しており、資本効率の向上が大きな課題となっています。今後は、生産プロセスの自動化や事業効率の改善を通じて、利益率の改善と効率的な経営への回帰が求められる局面です。
財務は安全?
総資産は積極的な設備投資や事業拡大に伴い、5年間で約8,500億円から1兆1,700億円規模まで着実に成長しています。自己資本比率は20%前後で安定的に推移していますが、事業成長のための資金調達により有利子負債が1兆円を超えて増加しました。長期的には安定的な財務基盤の確保と負債管理の両立が重要となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 661億円 | -451億円 | -221億円 | 210億円 |
| FY2022/3 | 682億円 | -784億円 | 103億円 | -102億円 |
| FY2023/3 | 104億円 | -717億円 | 431億円 | -613億円 |
| FY2024/3 | 732億円 | -873億円 | 221億円 | -141億円 |
| FY2025/3 | 685億円 | -719億円 | 53.8億円 | -34.1億円 |
営業キャッシュフローは堅調な本業の稼ぎにより、FY2024/3には約732億円を確保するなど安定したキャッシュ創出力を有しています。一方で、成長に向けた積極的な設備投資や子会社への出資継続により投資キャッシュフローの流出が続いており、フリーキャッシュフローはマイナス傾向にあります。今後は先行投資した事業の収益化によるキャッシュフローの改善が、財務の安定性を高める鍵となります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 263億円 | 121億円 | 45.9% |
| FY2022/3 | 276億円 | 141億円 | 51.2% |
| FY2023/3 | 153億円 | 108億円 | 70.2% |
| FY2024/3 | 195億円 | 84.0億円 | 43.1% |
| FY2025/3 | 108億円 | 57.0億円 | 52.7% |
実効税率は年度によって変動が激しく、特に収益が低下した期には相対的に高くなる傾向が見られます。これは海外事業に伴う税務上の調整や一時的な費用の発生が影響している可能性があります。業績見通しに基づいた今後の納税額は、利益水準の回復に伴い240億円規模へ増加する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 659万円 | 39,168人 | - |
従業員の平均年収は659万円であり、医療機器メーカーとして比較的安定した水準を維持しています。業界全体で見ても標準的ですが、グローバルな事業展開に伴う海外拠点の人件費や、国内での生産体制効率化といった構造改革が年収推移の背景に影響を与えている可能性があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 主な安定株主は日本電気硝子・BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 三菱UFJ銀行)。
ニプロの株主構成は、金融機関や事業会社が大半を占める安定的な構造です。日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占め、日本電気硝子も主要株主として名を連ねており、機関投資家による長期保有が中心となっています。創業者一族や経営陣による支配的な比率は高くなく、市場流動性の確保された体制です。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、ニプロは医療機器、医薬品、ファーマパッケージング、再生医療の4つの事業を融合させた独自のビジネスモデルを強みとしています。ただし、グローバル展開による為替変動や、医療規制、海外生産拠点での品質管理など多岐にわたる事業リスクが開示されており、安定成長に向けた管理体制が重視されています。
この会社のガバナンスは?
ガバナンス体制においては、女性役員比率14.3%を達成しており、多様性の確保に向けた取り組みが進行中です。取締役会の監督機能については独立社外取締役が委員長を務める「報酬委員会」を設置し、透明性の確保に努めています。連結子会社161社という広範なグループを統括するため、グループ全体での監査・内部統制体制の強化が重要な経営課題となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 6,450億円 | — | 6,446億円 | -0.1% |
| FY2024 | 5,992億円 | — | 5,868億円 | -2.1% |
| FY2023 | 5,400億円 | — | 5,452億円 | +1.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 325億円 | — | 266億円 | -18.2% |
| FY2024 | 240億円 | — | 223億円 | -6.9% |
| FY2023 | 275億円 | — | 177億円 | -35.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ニプロは中期経営計画を公表していませんが、期初の会社業績予想がその代わりとなります。過去3年間、売上高は概ね予想通りに着地していますが、営業利益は大幅な未達が続いています。特にFY2023とFY2025は営業利益の乖離が大きく、原材料価格の高騰や為替変動などが利益を圧迫していると推測されます。FY2026のV字回復計画を達成できるか、その実行力が問われています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。FY2025では自社TSRが116.9%に対しTOPIXは213.4%と大きな差が開きました。これは、増収は確保しているものの、利益率の伸び悩みや度重なる業績予想の未達が、株価の低迷につながり、結果として配当を含めた総リターンが市場平均に及ばなかったことを示しています。株主還元の強化と、利益ある成長を実現できるかが今後の課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 107.4万円 | +7.4万円 | 7.4% |
| FY2022 | 84.9万円 | -15.1万円 | -15.1% |
| FY2023 | 86.2万円 | -13.8万円 | -13.8% |
| FY2024 | 104.4万円 | +4.4万円 | 4.4% |
| FY2025 | 116.9万円 | +16.9万円 | 16.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
市場評価の面では、精密機器業界の平均PER(35.2倍)やPBR(3.3倍)と比較して、ニプロの株価はPER19.9倍、PBR1.02倍と割安な水準にあります。これは、利益率の低さや成長性への懸念が株価の重しになっている可能性を示唆しています。信用倍率は0.38倍と売り残が多く、株価の上昇を抑制する要因となる可能性がありますが、将来的に買い戻しによる上昇圧力に転じる可能性も秘めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
バスキュラー事業の組織変更および米国子会社の再編を実施し、グローバル体制の強化を図りました。
OTC医薬品「アスベリン®せき止め錠Pro20」の製造販売承認を取得し、コンシューマー向け事業を拡充しました。
第2四半期決算において業績予想と実績値の差異を開示し、通期見通しに対する進捗を確認しました。
最新ニュース
ニプロ まとめ
ひとめ診断
「人工透析の巨人が、医薬品製造と海外M&Aを両輪に総合医療メーカーへの脱皮を図る」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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