タムロン
Tamron Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
世界を魅了するレンズのパイオニア、高画質と高収益を両立する光学技術の雄
『撮り(とり)たい、を撮り(と)きる。テクノロジーで「視る」の常識を塗り替える。』という長期ビジョンのもと、光学技術を通じて人々の感動と安心を支える未来を目指します。
この会社ってなに?
あなたが趣味で本格的な写真を撮るとき、カメラ本体とは別に「レンズ」を選んで付け替えることがあるかもしれません。タムロンは、まさにその「交換レンズ」を作っている会社で、特にソニーやニコン、キヤノンなどのミラーレスカメラに装着できる高性能レンズで有名です。また、街で見かける監視カメラや、工場の生産ラインで製品をチェックする機械、さらには自動車に搭載されるカメラのレンズなど、私たちの身の回りの見えないところでもタムロンの「眼」の技術が活躍しています。普段何気なく目にしている映像の裏側で、タムロンの技術が社会の安全や便利を支えているのです。
カメラ用交換レンズの世界的メーカー。2025年12月期は売上高850.7億円(前期比3.8%減)、営業利益166.38億円(同13.4%減)と踊り場を迎えるものの、高水準の利益を維持。主力の写真関連事業ではミラーレスカメラ向け高付加価値レンズが牽引し、中期経営計画の目標を初年度で大幅に超過達成し、目標値を引き上げるなど成長モメンタムは強い。今後は車載カメラやFA(ファクトリーオートメーション)向けなど、産業用レンズ事業の拡大も目指している。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 埼玉県さいたま市見沼区大字蓮沼1385番地
- 公式
- www.tamron.com
社長プロフィール

当社は創業以来『光を究め、感動と安心を創造し、心豊かな社会の実現に貢献します』という経営理念のもと、光学技術の可能性を追求してきました。今後も中核である写真関連事業を軸に、監視カメラや車載向けなど新たな事業領域にも挑戦し、継続的な事業成長を目指します。
この会社のストーリー
埼玉県浦和市(現さいたま市)に設立。レンズの加工研磨下請けからスタートし、光学技術の礎を築いた。
創業者の名前に由来する「タムロン」ブランドを前面に押し出し、自社製品の開発・販売へと大きく舵を切った。
一本で広角から望遠までカバーする画期的な製品で大ヒットを記録。「高倍率ズームのタムロン」としての地位を確立した。
企業としての信頼性と知名度を高め、グローバルな事業展開を加速させるための重要なマイルストーンとなった。
新型コロナウイルスの影響で一時的に業績が落ち込むも、希望退職者の募集など事業構造の見直しを断行し、収益体質の強化を図った。
構造改革が奏功し、ミラーレスカメラ用レンズの販売が好調。当初の2026年目標をわずか1年でクリアし、新たな成長ステージへと移行した。
好調な業績を背景に、4年間で年間配当を5.6倍に増やすなど、株主への利益還元を積極的に行っている。
「テクノロジーで『視る』の常識を塗り替える」をスローガンに、既存事業の深化と新規事業の創出を通じて、持続的な成長を目指す。
注目ポイント
世界初の高倍率ズームレンズを開発して以来、常に業界をリード。ミラーレスカメラ市場でも高い評価を受ける高性能レンズを次々と生み出し、写真愛好家の心を掴んでいます。
コロナ禍の一時的な落ち込みから迅速な構造改革でV字回復。中期経営計画の目標を初年度で達成するなど、筋肉質で収益性の高い事業構造を確立しています。
業績好調を背景に4期連続の増配を達成し、配当額は4年で5.6倍に増加。高い配当利回りを実現しており、株主への利益還元に積極的な姿勢が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.3円 | 33.0% |
| FY2022/3 | 4.8円 | 30.0% |
| FY2023/3 | 6.8円 | 32.9% |
現在、株主優待制度は設けておりません。
タムロンは配当による利益還元を重視しており、1株当たり年間配当金の下限を20円とする累進配当的な姿勢を掲げています。業績の成長に伴い配当額を積極的に引き上げる方針であり、株主への還元強化を経営上の重要事項として位置付けています。長期的に安定した利益成長と連動した配当実績により、多くの投資家から高い評価を得ています。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
タムロンの業績は、ミラーレスカメラ用交換レンズなどの主力製品が世界的に評価され、FY2024/3には売上高885億円、純利益145億円と過去最高水準の利益を達成しました。その後は市場の成熟や製品需要の変動によりFY2025/3は減収減益となりましたが、高付加価値製品への注力で一定の利益水準を維持しています。FY2026/3は、カメラ関連市場の底堅い需要を背景に、売上高910億円、純利益137億円への回復を予想しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.8% | 7.7% | 12.9% |
| FY2022/3 | 13.8% | 11.1% | 17.4% |
| FY2023/3 | 15.3% | 12.4% | 19.1% |
| FY2024/3 | 17.6% | 14.2% | 21.7% |
| FY2025/3 | 13.7% | 11.1% | 19.6% |
収益性は非常に高く、営業利益率はFY2024/3に21.7%に達するなど、光学機器メーカーとして卓越した効率性を誇ります。徹底した製品開発と生産コストの最適化により、高い粗利を確保しており、直近でも20%近い営業利益率を維持する見通しです。ROE(自己資本利益率)も13%〜17%前後で推移しており、株主資本を効率的に活用した経営が実現されています。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は80%超と盤石な資本基盤を維持しています。長年にわたり有利子負債ゼロまたは極めて低い水準を維持してきましたが、直近では成長投資や還元強化に伴い小規模な負債が発生しています。手元流動性は厚く、将来的な事業拡大や研究開発への投資余力は十分に確保されている状態です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 86.6億円 | -37.8億円 | -12.5億円 | 48.8億円 |
| FY2022/3 | 92.3億円 | -38.6億円 | -20.4億円 | 53.7億円 |
| FY2023/3 | 100億円 | -51.5億円 | -27.8億円 | 48.8億円 |
| FY2024/3 | 176億円 | -67.3億円 | -60.2億円 | 109億円 |
| FY2025/3 | 151億円 | -73.4億円 | -111億円 | 77.6億円 |
事業活動で得た潤沢な資金を背景に、毎年安定して100億円前後の営業キャッシュフローを創出する力があります。これを設備投資や製品開発に優先的に配分しつつ、フリーキャッシュフローもプラスを維持し、強固な経営基盤を支えています。近年では、潤沢な現預金をもとに積極的な財務活動を行い、さらなる株主還元へ資金を振り向けています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 75.3億円 | 23.6億円 | 31.3% |
| FY2022/3 | 115億円 | 31.5億円 | 27.4% |
| FY2023/3 | 140億円 | 31.6億円 | 22.6% |
| FY2024/3 | 193億円 | 47.8億円 | 24.8% |
| FY2025/3 | 167億円 | 49.4億円 | 29.6% |
税引前利益の変動に応じて法人税等を適切に計上しており、実効税率は概ね20%台後半から30%程度で推移しています。海外拠点での事業展開や、研究開発促進税制等の適用状況により、年度ごとに税負担率が変動する構造です。今後も業績拡大に伴い、適正な納税を通じて社会貢献を果たす方針が継続されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 828万円 | 4,977人 | - |
従業員の平均年収は828万円であり、精密機器業界内でも比較的高い水準を維持しています。長年の技術蓄積と高付加価値なレンズ製品の販売が、安定した給与原資となっていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はソニーグループ・Suntera (Cayman) Limited as trustee of ECM Master Fund(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券)・埼玉りそな銀行。
ソニーグループが約15%の株式を保有する筆頭株主であり、安定した資本関係が構築されています。また、ゴールドマン・サックス関連や信託銀行等の機関投資家が上位を占めており、個人株主の影響力は限定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力はミラーレスカメラ用交換レンズを含む写真関連事業です。地政学リスクや為替変動、カメラ市場の市況変化が業績に直結する構造を持っており、経営陣はこれらに備え、FA・車載向けへのリソース配分による事業多角化を推進しています。
この会社のガバナンスは?
取締役の女性比率は18.2%で、多様性確保に向けた登用が進んでいます。監査体制は監査役会を設置し、子会社9社を含むグループ全体のガバナンスとリスク管理を強化する体制を整えています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 910億円 | — | 851億円 | -6.5% |
| FY2024 | 920億円 | — | 885億円 | -3.8% |
| FY2023 | 755億円 | — | 714億円 | -5.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 185億円 | — | 166億円 | -10.1% |
| FY2024 | 200億円 | — | 192億円 | -4.0% |
| FY2023 | 143億円 | — | 136億円 | -4.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026年を最終年度とする中期経営計画「Value Creation 26」は、ミラーレスカメラ用レンズの販売好調を背景に、売上高830億円、営業利益153億円という当初目標をわずか1年で大幅にクリアしました。これを受け、新たに「Ver.2.0」として売上高950億円、営業利益205億円へと目標を引き上げており、高い成長期待が継続しています。一方で、会社予想は近年、期初時点では保守的に設定され、実績が下回る傾向が見られます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた投資家リターンを示す指標です。タムロンはFY2021からFY2025までの5年間、一貫してTOPIXを上回る優れたTSRを達成しています。これは、好調な業績を背景とした株価上昇に加え、積極的な増配による株主還元強化が大きく寄与しています。特にFY2024にはTSRが500%を超えるなど、株主価値の創出に成功している企業と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 160.8万円 | +60.8万円 | 60.8% |
| FY2022 | 174.0万円 | +74.0万円 | 74.0% |
| FY2023 | 311.7万円 | +211.7万円 | 211.7% |
| FY2024 | 528.0万円 | +428.0万円 | 428.0% |
| FY2025 | 504.6万円 | +404.6万円 | 404.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.17倍と拮抗しており、買い方と売り方の力が均衡しています。業界平均と比較してPERは割安ですが、PBRはやや割高となっており、市場が同社の資本効率性を評価していることが窺えます。配当利回りは3%を超え、株主還元への意識も比較的高い水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
創業75周年を記念し、高倍率ズームレンズ「25-200mm F/2.8-5.6 Di III」を発表。
ライトタッチテクノロジー(LTT)への出資を通じて、次世代の血糖値センサー開発を加速。
カメラ市場の減速影響を受け、FY2025の連結売上高は850.7億円、営業利益は166.38億円となった。
最新ニュース
タムロン まとめ
ひとめ診断
「カメラ好き御用達のレンズメーカーが、高収益体質を武器に産業用の”眼”にも挑む技術集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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