テルモ
TERUMO CORPORATION
最終更新日: 2026年4月30日
医療を通じて社会に貢献する、カテーテル技術で世界をリードする日本発のグローバル医療機器メーカー
医療を通じて社会に貢献する
この会社ってなに?
病院で採血されるとき、腕に刺さる注射針やシリンジ、点滴バッグの多くはテルモ製です。ドラッグストアで見かける電子体温計もテルモのブランドを目にしたことがあるでしょう。さらに、心臓カテーテル手術で血管に挿入される極細のガイドワイヤーや、心臓手術中に心肺機能を代替する人工心肺装置など、最先端の医療現場を支える製品も手がけています。普段の健康管理から命に関わる治療まで、テルモの製品は医療のあらゆる場面で活躍しています。
テルモは心臓・血管領域のカテーテルや人工心肺装置で世界的な高シェアを持つ医療機器メーカーです。2025年3月期は売上高1兆362億円と初の1兆円突破を達成し、営業利益1,577億円と増収増益を続けています。2025年8月には英オルガノックス社を約2,200億円で買収し、臓器移植関連分野への本格参入を決定。FY2026/3期は売上高1兆500億円、調整後営業利益1,940億円を見込む通期予想の上方修正も発表しており、グローバルな成長を加速させています。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都渋谷区幡ヶ谷2-44-1
- 公式
- www.terumo.co.jp
社長プロフィール
テルモは、医療の進化を通じて世界中の患者さんのQOL向上に貢献することを使命としています。カテーテル技術や人工心肺装置で培った技術力を基盤に、臓器移植や再生医療など新たな領域にも果敢に挑戦し、次の100年に向けた医療イノベーションを創出してまいります。
この会社のストーリー
日本初の体温計国産化を目指し、北里柴三郎博士らの発意により赤線検温器株式会社として創業。医療を通じた社会貢献の原点。
日本初のディスポーザブル注射器の製造を開始。院内感染防止に大きく貢献し、日本の医療安全の水準向上に寄与した。
心臓外科手術に不可欠な人工心肺装置の開発に成功。高度医療の領域へと事業の幅を広げた重要な転換点。
経皮的冠動脈インターベンション向けカテーテルの開発を加速し、心臓血管分野でのグローバルプレゼンスを確立。
血液成分分離装置の世界大手カリディアンBCT社を約2,600億円で買収し、血液・細胞テクノロジー事業を一気にグローバル展開。
FY2025/3期に売上高1兆円を初めて突破。同年、英OrganOx社を約2,200億円で買収し臓器移植分野に本格参入。
臓器移植関連を1,000億円事業に育成する計画を掲げ、iPS細胞培養技術の研究にも着手。医療の未来を切り拓く挑戦が続く。
注目ポイント
心臓血管カテーテルやガイドワイヤーで世界トップクラスのシェアを持ちます。低侵襲治療の普及に貢献し、患者さんの負担を軽減する技術力が最大の強みです。
英OrganOx社の買収により、移植用臓器の保存技術という革新的な領域に参入。世界の臓器移植待機患者を救う可能性を秘めた、社会的意義の大きい事業です。
自己資本比率74.8%の強固な財務基盤と、営業利益率15%超の高い収益性を両立。売上高は5年間で約1.7倍に成長し、医療機器市場での確固たるポジションを築いています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10円 | 28.8% |
| FY2017/3 | 10.8円 | 28.0% |
| FY2018/3 | 12.8円 | 19.3% |
| FY2019/3 | 27.7円 | 49.7% |
| FY2020/3 | 14.4円 | 24.6% |
| FY2021/3 | 14.9円 | 28.4% |
| FY2022/3 | 17.4円 | 28.9% |
| FY2023/3 | 20.2円 | 33.6% |
| FY2024/3 | 44円 | 61.5% |
| FY2025/3 | 26円 | 32.9% |
株主優待制度は実施していません。
配当性向30%前後を目安に安定的な配当を実施しています。FY2024/3の配当が44円と突出しているのは、株式分割前の水準であるためで、分割調整後は概ね増配基調を維持しています。FY2026/3予想は30円と増配を見込んでおり、利益成長に連動した継続的な増配が期待されます。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
テルモの売上高はFY2021/3の6,138億円からFY2025/3には1兆362億円へと5年間で約69%成長し、初の1兆円超えを達成しました。カテーテルやガイドワイヤーを中心とする心臓血管事業の拡大に加え、円安効果もあり堅調な増収増益トレンドを維持しています。FY2026/3予想では売上高1兆500億円、営業利益1,940億円と過去最高益を見込んでおり、英OrganOx社の買収を含む成長投資の効果が今後本格的に表れてくる見通しです。
事業ごとの売上・利益
カテーテルシステム、ガイドワイヤー、ステントなどの心臓血管インターベンション製品。売上構成比47%。ボストン・サイエンティフィックやアボットと競合。
注射・輸液関連製品、薬剤投与デバイス、糖尿病管理製品。売上構成比30%。国内病院向けに安定した需要を持つ。
血液成分分離装置、細胞治療関連製品、人工心肺装置。売上構成比23%。iPS細胞培養技術の研究開発も推進。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.6% | 5.7% | - |
| FY2022/3 | 9.5% | 6.0% | - |
| FY2023/3 | 8.4% | 5.6% | - |
| FY2024/3 | 8.7% | 5.8% | 15.2% |
| FY2025/3 | 8.7% | 6.4% | 15.2% |
売上高営業利益率は14〜17%台で安定推移しており、医療機器メーカーとして高い収益性を維持しています。ROEは8〜9%台で推移し、資本効率も堅実な水準です。FY2023/3にやや低下した営業利益率は、原材料高や為替影響を受けたものですが、価格改定と高付加価値製品の拡販により回復に転じています。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の63.4%からFY2025/3には74.8%へと上昇し、非常に強固な財務基盤を構築しています。総資産は1.8兆円規模に成長し、M&Aによる事業拡大を支える十分な財務余力を備えています。FY2024/3にBPSが低下しているのは株式分割(2024年4月に1:2)の影響によるものです。英OrganOx社の買収資金を考慮しても健全な財務状態を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1,463億円 | -815億円 | -621億円 | 649億円 |
| FY2025/3 | 2,108億円 | -825億円 | -1,088億円 | 1,283億円 |
営業キャッシュフローはFY2025/3に2,108億円と過去最高を記録し、本業からの安定的なキャッシュ創出力を実証しました。投資キャッシュフローは生産設備の拡充やR&D投資に継続的に充てられています。フリーキャッシュフローはFY2025/3に1,283億円と大幅に改善し、成長投資と株主還元の両立が可能な財務体質を維持しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 971億円 | 198億円 | 20.4% |
| FY2022/3 | 1,145億円 | 257億円 | 22.4% |
| FY2023/3 | 1,161億円 | 268億円 | 23.1% |
| FY2024/3 | 1,408億円 | 345億円 | 24.5% |
| FY2025/3 | 1,546億円 | 376億円 | 24.3% |
実効税率は27〜29%台で安定しており、グローバルに展開する医療機器メーカーとして適正な税負担水準を維持しています。海外売上比率が高いため、各国の税制優遇や移転価格税制の影響を受けますが、大きな変動は見られません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 778万円 | 30,689人 | - |
平均年収は約778万円で医療機器業界では上位水準。連結従業員数は約30,689名(単体5,633名)で、毎年約100名ずつ増加し増収と人材投資を両立しています。平均年齢40.3歳、平均勤続年数15.7年と定着率が高く、専門技術人材の蓄積が同社の競争力の源泉となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
機関投資家と外国人投資家がほぼ同比率で保有しており、グローバルな投資対象として評価されています。
外国人投資家比率が43.1%と非常に高く、グローバルな医療機器企業として海外機関投資家から強い関心を集めています。国内金融機関の保有も44.0%と高水準であり、安定的な株主構成を維持しています。個人投資家比率は6.3%と低く、機関投資家主導の銘柄であることがうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 心臓血管カンパニー | 4,820億円 | 850億円 | 17.6% |
| メディカルケアソリューションズカンパニー | 3,140億円 | 420億円 | 13.4% |
| 血液・細胞テクノロジーカンパニー | 2,400億円 | 310億円 | 12.9% |
心臓血管カンパニーが売上の約半分を占める主力事業であり、利益率も17.6%と高水準です。3つのカンパニー制により事業領域を明確に分け、それぞれが専門性の高い製品を展開しています。英OrganOx社の買収により、臓器移植という新たな成長領域が加わり、中長期的な事業ポートフォリオの拡充が期待されます。
この会社のガバナンスは?
取締役11名中社外取締役が過半数を占め、監督機能の強化が図られています。女性役員比率は9.0%と改善の余地があるものの、3兆円規模の時価総額にふさわしいガバナンス体制を構築。連結子会社約100社を擁するグローバル企業として、設備投資825億円・平均勤続年数15.7年と人的資本への投資にも積極的です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
テルモのTSRは5年間で155.7%となり、TOPIXの213.4%を約58ポイント下回りました。FY2021〜FY2023にかけてはTOPIX対比で大幅に劣後しており、コロナ後の医療機器市場の回復が株価に十分反映されなかった時期がありました。直近ではFY2024に急回復しましたが、大型M&Aに対する市場の不安感から再び伸び悩んでいます。中長期的には臓器移植事業の成長が鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 108.3万円 | +8.3万円 | 8.3% |
| FY2022 | 101.8万円 | +1.8万円 | 1.8% |
| FY2023 | 98.8万円 | -1.2万円 | -1.2% |
| FY2024 | 150.7万円 | +50.7万円 | 50.7% |
| FY2025 | 155.7万円 | +55.7万円 | 55.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER22.5倍、PBR2.35倍と精密機器セクターの中でもプレミアム評価を受けています。これは心臓血管分野での高い技術力と安定的な利益成長に対する市場の信頼を反映しています。配当利回りは1.38%とセクター平均を下回りますが、成長投資への再投資を重視する経営方針が背景にあります。信用倍率3.71倍は標準的な水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
AMED補助事業に採択され、テルモ製品を活用したiPS細胞の効率的な培養手法の研究を推進しています。
第3四半期累計の最終利益が前年同期比11%増で着地。通期業績予想を上方修正し、調整後営業利益1,940億円を見込みます。
英オルガノックス社の全株式取得を完了し、臓器移植分野に本格参入。将来的に1,000億円事業への育成を目指します。
臓器保存デバイスを手がける英OrganOx社を約2,200億円で買収する契約を締結。次の成長ドライバーとして臓器移植領域に照準を定めました。
FY2025/3期の売上高が初の1兆円を突破。カテーテル事業や血液・細胞テクノロジー事業が好調に推移しました。
最新ニュース
テルモ まとめ
ひとめ診断
「体温計だけじゃない、カテーテルと人工心肺で世界の医療現場を支える日本発グローバル医療機器メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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