三菱商事
Mitsubishi Corporation
最終更新日: 2026年3月20日
資源と暮らしの架け橋。「MC Shared Value」で社会課題を解決し、21.7兆円の企業価値を生み出す総合商社の盟主
次世代のビジネスモデルを創出し、グローバルな規模で持続可能な社会の実現に貢献する。
この会社ってなに?
ローソンで買い物をしたり、エネオスで給油したり、KDDIの通信サービスを使ったり——三菱商事のビジネスは私たちの日常生活のあらゆる場面に溶け込んでいます。食品流通、電力供給、自動車販売、都市開発まで、「見えないところで暮らしを支える」のが総合商社の本質です。
三菱商事は、天然ガス・金属資源などの資源分野と、ローソン・KDDI連合に代表される非資源分野を両輪に、連結純利益9,507億円規模の安定した収益基盤を構築しています。「経営戦略2027」のもと累進配当の継続と機動的な自社株買いを両立させ、TSR(株主総利回り)ではTOPIXを大幅にアウトパフォーム。バフェット効果も相まってPBR2倍超のプレミアム評価を獲得しており、資本効率を重視した経営姿勢が国内外の投資家から高い信頼を得ています。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 丸の内二丁目3番1号
- 公式
- www.mitsubishicorp.com
社長プロフィール
私たちは、事業を通じて社会課題を解決し、スケールのある『共創価値(MC Shared Value)』を継続的に創出することを目指しています。絶えず事業戦略を見直し、最適なポートフォリオを構築することで、持続的な成長と社会への貢献を両立させていきます。
この会社のストーリー
戦後の分社化を経て、現在の三菱商事株式会社が新発足。同年、東京・大阪両証券取引所に株式を上場しました。
当社初となる経営計画を発表し、グローバル展開と多角化に向けた戦略的な事業運営を本格化させました。
バークシャー・ハサウェイが三菱商事を含む日本5大商社株の保有を公表。世界的な投資家のお墨付きが株価上昇の起爆剤となりました。
「MC Shared Value(共創価値)の創出」を掲げ、EX(エネルギートランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の一体推進をスタートしました。
「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値の創出を目指し、次世代コンビニエンスストア事業の展開に向けた三社提携を実現しました。
新中期経営計画のもと、非資源分野の収益基盤拡大と累進配当の継続を柱に、持続的な企業価値向上を目指す新たなステージに突入しました。
フィリピン決済大手への大型出資、東南アジア医療DXへの参入、AI活用推進など、デジタルとグリーンの両軸で成長領域を拡大し続けています。
注目ポイント
「減配しない」累進配当方針に加え、5,000億円規模の自社株買いを機動的に実施。総還元性向40%超を目指す姿勢は商社トップクラスです。
世界最大の投資家ウォーレン・バフェット氏が保有比率を引き上げ続ける5大商社の筆頭格。グローバル投資家からの信頼が株価のプレミアム評価を支えています。
LNG・原料炭・銅の資源権益に加え、ローソン・KDDI連合やアジアのデジタル金融など非資源分野を拡大。市況変動に左右されにくい収益構造を構築しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 19.8円 | - |
| FY2017/3 | 31.6円 | 28.8% |
| FY2018/3 | 43.5円 | 31.1% |
| FY2019/3 | 49.4円 | 33.6% |
| FY2020/3 | 52.2円 | 37.9% |
| FY2021/3 | 49.5円 | 114.7% |
| FY2022/3 | 55.4円 | 23.6% |
| FY2023/3 | 65.3円 | 22.3% |
| FY2024/3 | 70円 | 30.4% |
| FY2025/3 | 100円 | 42.2% |
現在、株主優待制度の実施はありません。
三菱商事は「累進配当」方針を掲げ、業績変動にかかわらず減配しない姿勢を明確にしています。FY2024/3に株式分割(1:3)を実施したため1株あたり配当額は70円に見えますが、分割前換算では実質210円と増配を継続。FY2025/3は100円へ引き上げ予定です。加えて5,000億円規模の自社株買いを機動的に実施しており、総還元性向40%超を目指す資本還元は商社の中でもトップクラスの充実度です。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
三菱商事はIFRS基準を採用しており営業利益の開示はありませんが、連結純利益で約9,507億円という商社トップクラスの収益水準を維持しています。FY2023/3には資源高を追い風に過去最高益の1兆1,807億円を達成。その後は資源価格の調整を受けて2期連続の減収減益ですが、非資源事業(ローソン、食品、電力等)の利益貢献が拡大し、収益の質的改善が進んでいます。EPSはFY2024/3に株式分割(1:3)の影響で水準が変化しています。 【3Q FY2026/3実績】売上13.7兆円(前年同期比-1.9%)、純利益7012億円。
事業ごとの売上・利益
LNGプロジェクト(ブルネイ、マレーシア、オーストラリア等)が中核
原料炭、銅を中心とした鉱山権益
電力、プラント、交通インフラ事業
食品原料・流通、コンビニ(ローソン)事業
自動車、タイヤ、家電流通等
複合都市開発、化学品トレーディング、電力ソリューション等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.1% | 0.9% | - |
| FY2022/3 | 15.0% | 4.6% | - |
| FY2023/3 | 15.8% | 5.4% | - |
| FY2024/3 | 11.3% | 4.2% | - |
| FY2025/3 | 10.3% | 4.2% | - |
| 3Q FY2026/3 | 7.1%(累計) | 3.1%(累計) | - |
FY2023/3にはROE13.9%と商社トップクラスの資本効率を達成しました。FY2025/3は資源価格の調整に伴い9.4%へやや低下したものの、依然として高水準を維持しています。IFRS基準のため営業利益率は非開示ですが、純利益ベースの収益性は卸売業の中でも突出しており、資本コストを上回るリターンの創出を継続しています。
財務は安全?
総資産は約21.5兆円規模で、自己資本比率は30.1%から43.6%へと大幅に改善しており、財務体質の健全化が着実に進んでいます。BPSはFY2024/3に株式分割(1:3)の影響で水準が変化しましたが、純資産は10兆円超と過去最高を更新。有利子負債も3.4兆円と適正水準を維持しており、大型投資余力を十分に確保しています。 【3Q FY2026/3】総資産23.9兆円、純資産9.9兆円、自己資本比率41.2%、有利子負債6.1兆円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1.3兆円 | -2,058億円 | -1.1兆円 | 1.1兆円 |
| FY2025/3 | 1.7兆円 | -2,739億円 | -1.5兆円 | 1.4兆円 |
営業CFは毎期1兆円超の安定したキャッシュ創出力を誇り、FY2023/3には1.93兆円と過去最高を記録しました。投資CFは成長領域(EX・DX・デジタル金融等)への戦略的配分を続けつつ抑制的で、FCFは直近5年間で累計5,800億円超を確保。財務CFでは大規模な自社株買いと増配を反映し、株主還元に積極的な資金循環が確立されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1.4兆円 | 3,986億円 | 29.3% |
| FY2025/3 | 1.4兆円 | 4,427億円 | 31.8% |
グローバルに事業展開する企業として、各国の税制に基づき適切に法人税等を納付しています。税引前利益の変動に応じて納税額も推移する傾向にありますが、連結業績に基づいた適正な税務処理を継続しています。実効税率は、事業拠点がある国々の税制や適用される税務上の優遇措置の影響を反映しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 2,033万円 | 62,062人 | - |
FY2024/3に平均年収2,090万円と上場企業トップクラスの水準を記録。FY2025/3はやや減少しましたが、これは業績連動賞与の影響によるもので、基本給は上昇しています。従業員数は約4,400人と少数精鋭で、一人あたりの収益力は商社No.1の水準です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社・東京海上日動火災保険。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(15.5%)で、機関投資家・信託銀行が株主構成の大半を占めています。バークシャー・ハサウェイ(バフェット氏)の保有分はBNYM等のカストディアン経由で反映されており、海外機関投資家の比率が高いのが特徴です。特定の創業家支配はなく、国内外の機関投資家による健全なガバナンス監視が経営の透明性を支えています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 天然ガス | 約3.5兆円 | 約2,800億円 | 8.0% |
| 金属資源 | 約1.8兆円 | 約1,500億円 | 8.3% |
| 産業インフラ | 約1.5兆円 | 約800億円 | 5.3% |
| 食品産業 | 約3.0兆円 | 約600億円 | 2.0% |
| コンシューマー産業 | 約2.5兆円 | 約500億円 | 2.0% |
| その他(電力S、化学品、都市開発等) | 約6.3兆円 | 約3,300億円 | 5.2% |
EDINET開示情報によると、天然ガスと金属資源が利益の柱であり、LNG・原料炭・銅の市況がP/Lに大きく影響します。一方で食品産業(ローソン含む)やコンシューマー産業といった非資源セグメントの利益貢献が年々拡大しており、資源一本足からの脱却が着実に進行中です。地政学リスクや脱炭素規制を主要リスクとして認識しつつ、ポートフォリオの入れ替えを迅速に進めています。
この会社のガバナンスは?
取締役15名中女性4名(26.7%)と多様性に配慮した構成を実現しており、社外取締役も過半数を占めます。監査報酬は約27.7億円と巨大グループの規模に見合った厳格な体制が敷かれています。連結子会社約1,700社を擁する巨大企業グループとして、持続可能な成長とコンプライアンスの両立を高度なガバナンスレベルで実践しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 9,200億円 | 9,500億円 | 9,507億円 | +3.3% |
| FY2024 1Q | 2,000億円 | — | 2,300億円 | +15.0% |
| FY2024 2Q | 4,500億円 | — | 4,993億円 | +10.9% |
| FY2024 3Q累計 | 7,000億円 | — | 6,079億円 | -13.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中計である「中期経営戦略2024」において、目標として掲げたROE2桁水準の維持および総還元性向40%程度の目途をクリアしました。特に、自己株式の取得を含めた積極的な株主還元策が評価され、PBR1倍割れの是正にも大きく貢献しています。今後は「経営戦略2027」のもと、ローソンやKDDIとの提携に代表される非資源分野での更なる成長が期待されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
三菱商事のTSR(株主総利回り)は直近5年間で386.4%とTOPIXの189.5%を約2倍のペースで上回り、圧倒的なアウトパフォームを達成しています。特にFY2024にはバフェット効果と資源高が重なり485.9%に達しました。FY2025はやや調整していますが、累進配当と大規模な自社株買いが総利回りを下支えしており、長期投資家にとって極めて魅力的なリターン実績です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 142.4万円 | +42.4万円 | 42.4% |
| FY2022 | 213.2万円 | +113.2万円 | 113.2% |
| FY2023 | 227.6万円 | +127.6万円 | 127.6% |
| FY2024 | 485.9万円 | +385.9万円 | 385.9% |
| FY2025 | 386.4万円 | +286.4万円 | 286.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
三菱商事のPERは22.8倍、PBRは2.29倍と、卸売業界の平均(PER15倍前後)を大きく上回るプレミアム評価を獲得しています。バフェット効果や積極的な株主還元方針が評価された結果ですが、PER22倍は商社としてはやや割高な水準でもあります。配当利回りは1.85%とセクター平均を下回る一方、総還元(配当+自社株買い)では業界随一の充実度を誇ります。信用倍率2.17倍と需給は比較的良好です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年3月期決算発表において、最終利益26%減益を発表し市場の注目を集めた。
第3四半期累計で19%の増益を達成し、収益力の強さを証明した。
東南アジアの医療DX事業へ約400億円の出資を行い、新規成長領域を拡大した。
最新ニュース
三菱商事 まとめ
ひとめ診断
「資源×非資源のハイブリッド商社。累進配当と大型自社株買いで株主価値を極大化する総合商社の盟主」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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