山善
YAMAZEN CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
「ものづくり」から「くらし」まで支える、現場と家庭の二刀流専門商社
世界のものづくりと豊かなくらしをリードする企業グループを目指します。
この会社ってなに?
普段何気なく使っているスマートフォンや自動車、その部品を作っている工場の裏側では、山善が提供する最先端の工作機械や工具が活躍しています。ものづくりの現場を支える、まさに「縁の下の力持ち」のような存在です。一方で、あなたが冬に使うこたつや、夏の扇風機、お部屋を片付ける収納ボックスなど、実は「YAMAZEN」ブランドの家電や家庭用品として、私たちの暮らしのすぐそばにもいます。このように、山善は日本のものづくりと日々の快適な生活、その両方を支えている会社なのです。
工作機械など「生産財」と家電など「消費財」を手掛ける専門商社。2025年3月期は売上高5,161.3億円、営業利益95.35億円と、市況の軟化を受け減収減益で着地しました。しかし、配当は52円と前期から増配し、株主還元への意識の高さを示しています。現在は新中期経営計画「PROACTIVE YAMAZEN 2027」を推進し、マレーシア商社の買収など海外展開の加速と、SaaSプラットフォーム「ゲンバト」によるDX支援で、新たな成長軌道を目指しています。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市西区立売堀3丁目2-5
- 公式
- www.yamazen.co.jp
社長プロフィール

私たちは、パーパス「ともに、未来を切り拓く」を道しるべに、事業を通じて社会の課題解決に貢献することを目指します。中期経営計画「PROACTIVE YAMAZEN 2027」を推進し、お客様や社会の変化に積極的に対応し、新たな価値を創造し続けることで持続的な成長を実現します。
この会社のストーリー
山本猛夫が個人商店として「山善工具製販所」を創業。工具・機械器具の販売を開始する。
法人化し、株式会社山善機械器具商店を設立。商社としての基盤を築き始める。
大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。社会的な信用を高め、事業拡大を加速させる。
家庭機器分野に本格的に進出。生産財に加えて消費財も扱う「二刀流経営」の原型を確立する。
アジアを中心に海外拠点を次々と設立。グローバルなネットワークを構築し、国際的な専門商社へと飛躍する。
ものづくり企業向け複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」を開始。製造現場のDX化を支援するソリューション事業へ挑戦。
マレーシアの機械商社CK Mac Globalを買収。東南アジアでの事業基盤を強化し、海外戦略をさらに推進する。
2030年の企業ビジョン実現に向け、新中期経営計画を開始。持続的な成長と企業価値向上を目指す新たなステージへ。
注目ポイント
工場の機械や工具を扱う「生産財」と、家電やインテリアなどの「消費財」の両方を展開。景気変動に強い安定した事業ポートフォリオが魅力です。
安定配当を継続しており、2025年3月期には増配を発表。さらに、自社ECサイトで使える株主優待も新設し、株主への還元意欲が高い企業です。
ものづくり現場のDXを支援するSaaS「ゲンバト」や海外M&Aを積極的に推進。専門商社の枠を超え、新たな成長領域に挑戦しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 24.9% |
| FY2022/3 | 35円 | 26.2% |
| FY2023/3 | 40円 | 28.4% |
| FY2024/3 | 50円 | 68.5% |
| FY2025/3 | 52円 | 57.4% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は株主還元を重視しており、安定的な配当を継続する方針を掲げています。近年の配当性向は上昇傾向にあり、業績変動に左右されにくい還元姿勢を強めている点が特徴です。今後も持続可能な配当水準を維持しつつ、株主優待と合わせたトータルリターンの最大化を図っています。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
山善は工作機械や工具を扱う専門商社として強固な基盤を持ち、FY2022/3からFY2023/3にかけては製造業の設備投資需要を取り込み業績を拡大させました。しかし、FY2024/3以降は国内外の景気減速や設備投資の一服感により利益面で苦戦が続いています。FY2026/3予想では売上高5,300億円を見込む一方、利益水準は引き続き慎重な見通しとなっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.0% | 3.1% | 2.6% |
| FY2022/3 | 10.6% | 4.3% | 3.4% |
| FY2023/3 | 10.1% | 4.3% | 3.1% |
| FY2024/3 | 4.9% | 2.2% | 2.0% |
| FY2025/3 | 6.1% | 2.7% | 1.8% |
収益性については、営業利益率がFY2022/3の3.4%をピークに直近では2%を下回る水準で推移しており、商社特有の薄利多売な構造が継続しています。ROEもFY2022/3の10.6%から低下傾向にあり、資本効率の改善が中期的な経営課題となっています。外部環境の影響を受けやすい事業特性上、今後は高付加価値サービスへの転換による収益性向上が求められます。
財務は安全?
財務の健全性は安定しており、自己資本比率は概ね40%台前半を維持しています。長年無借金経営を続けてきましたが、近年は成長投資や運転資金確保のため有利子負債を一時的に積み増す動きが見られます。強固な資産基盤を背景に、変化の激しい市場環境下でも安定した事業運営が可能な財務体質を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 136億円 | -39.1億円 | -50.6億円 | 96.5億円 |
| FY2022/3 | 70.5億円 | -27.7億円 | 9.7億円 | 42.9億円 |
| FY2023/3 | 77.7億円 | -33.0億円 | -51.8億円 | 44.7億円 |
| FY2024/3 | 112億円 | -9.3億円 | -47.6億円 | 102億円 |
| FY2025/3 | 83.6億円 | -111億円 | -107億円 | -27.4億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業による収益確保が継続できています。一方でFY2025/3には積極的な事業拡大や投資案件により投資キャッシュフローが大幅なマイナスとなりました。今後は投下した資金をいかに早期の利益成長へ結びつけ、フリーキャッシュフローを再創出できるかが鍵となります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 112億円 | 36.4億円 | 32.4% |
| FY2022/3 | 171億円 | 50.7億円 | 29.7% |
| FY2023/3 | 173億円 | 47.5億円 | 27.5% |
| FY2024/3 | 104億円 | 39.5億円 | 37.8% |
| FY2025/3 | 100億円 | 21.7億円 | 21.7% |
法人税等の支払額は利益水準の変動に連動しています。FY2024/3には一時的な要因で実効税率が約38%まで上昇しましたが、直近では20%台前半で推移しています。税負担は標準的な範囲内に収まっており、極端な偏りや異常な節税等の懸念は見当たりません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 760万円 | 3,276人 | - |
従業員平均年収は760万円となっており、専門商社として高い付加価値を生み出す事業構造がこの水準を支えています。工作機械や住宅設備機器といった堅実な需要背景に加え、近年の業績連動型の報酬制度の導入などが、継続的な人材確保と待遇維持に寄与していると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は光通信・山善取引先持株会・東京山善取引先持株会。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行などの機関投資家が名を連ねる一方、複数の取引先持株会や社員投資会が上位を占めており、安定株主による強固な経営基盤が特徴です。また、自社保有株も10%超と高く、創業の精神を継承しつつ独自の資本政策を推進する体制が伺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
工作機械・工具を中心とする生産財事業と、住宅設備・家庭用機器を取り扱う住設建材事業の二刀流経営がリスク分散の核となっています。主要な事業リスクとして為替変動やグローバルな景気動向を挙げており、特に製造現場のデジタル化を推進する『ゲンバト』等のSaaSプラットフォーム拡大を通じた収益構造の転換が重要事項です。
この会社のガバナンスは?
役員9名中女性が2名在籍し、女性役員比率20.0%を達成するなどダイバーシティ経営を推進しています。監査体制の強化に加え、社外取締役比率を44%と高水準に保つことで、透明性の高い経営監視と機動的な意思決定の両立を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 90億円 | 100億円 | 95億円 | +5.9% |
| FY2024 | 150億円 | — | 99億円 | -34.1% |
| FY2023 | 160億円 | — | 166億円 | +3.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 5,300億円 | — | 5,161億円 | -2.6% |
| FY2024 | 5,500億円 | — | 5,069億円 | -7.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中期経営計画「CROSSING YAMAZEN 2024」は、市況の悪化を背景に売上高・営業利益ともに目標未達で終了しました。特にFY2024の業績予想は大幅な下方乖離となり、計画達成力には課題を残しています。新たにスタートした「PROACTIVE YAMAZEN 2027」では、最終年度にROE10%という資本効率の改善を明確な目標に掲げました。M&Aを含む海外事業の拡大と、国内のDX支援事業「ゲンバト」が成長の鍵を握りますが、まずは期初の会社予想を確実に達成できるかが市場の信頼回復に向けた試金石となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、同期間の業績が伸び悩んだことで株価が停滞し、高い配当利回りだけでは市場全体の成長率に追いつけなかったことが主な要因です。株主価値向上のためには、株価上昇に繋がる持続的な利益成長を実現することが喫緊の課題となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 117.9万円 | +17.9万円 | 17.9% |
| FY2022 | 110.9万円 | +10.9万円 | 10.9% |
| FY2023 | 123.4万円 | +23.4万円 | 23.4% |
| FY2024 | 165.5万円 | +65.5万円 | 65.5% |
| FY2025 | 168.0万円 | +68.0万円 | 68.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は0.37倍と売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来的な株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは短期的な需給の重しとなる可能性があります。一方で、PBRは1倍を割り込み、配当利回りは3.65%と業界平均を上回るため、割安感とインカムゲインを重視する長期投資家にとっては魅力的な水準と言えるかもしれません。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
新中期経営計画「PROACTIVE YAMAZEN 2027」の発表と合わせ、前期配当の増額を決定。
2026年3月期上期の経常利益を40億円から50億円へ上方修正し、成長基調を維持。
マレーシアの機械商社CKマックグローバルを買収し、海外事業基盤を大幅に強化。
最新ニュース
山善 まとめ
ひとめ診断
「町工場の味方」と「くらしの家電」、二刀流で景気の波を乗りこなす老舗専門商社
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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