日本紙パルプ商事8032
JAPAN PULP AND PAPER COMPANY LIMITED
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日読む新聞や雑誌、勉強で使うノート、そして必ずお世話になるトイレットペーパー。これらの紙製品がお店に並ぶまでには、専門の商社が大きな役割を果たしています。日本紙パルプ商事は、まさにその「紙の流通」を担う国内トップクラスの会社です。普段何気なく使っている紙製品の多くは、この会社のグローバルなネットワークを通じて私たちの手元に届けられています。また、使い終わった古紙をリサイクルして新たな製品に生まれ変わらせる環境事業や、オフィスビルの賃貸なども手掛けており、目に見えないところであなたの生活を支えています。
国内紙流通首位の同社は、2024期に売上高5,342.3億円、営業利益174.03億円を達成しました。主力の国内卸売事業が安定収益を稼ぐ一方、近年はM&Aを積極的に活用し、欧州やオセアニアなど海外での事業基盤を急速に拡大しています。2025期は営業利益150.71億円と減益予想ですが、2026年度を最終年度とする中期経営計画では経常利益220億円という高い目標を掲げており、M&Aによるシナジー創出と収益性の向上が今後の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区勝どき三丁目12番1号フォアフロントタワー
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 4.4% | 1.1% | 1.3% |
| 2017/03期 | 6.6% | 1.9% | 1.7% |
| 2018/03期 | 6.5% | 1.8% | 1.9% |
| 2019/03期 | 4.1% | 1.1% | 2.0% |
| 2020/03期 | 5.8% | 1.5% | 2.0% |
| 2021/03期 | 4.1% | 1.1% | 1.9% |
| 2022/03期 | 12.1% | 3.5% | 3.2% |
| 2023/03期 | 22.2% | 7.0% | 3.7% |
| 2024/03期 | 7.8% | 2.7% | 3.3% |
| 2025/03期 | 5.3% | 2.0% | 2.7% |
| 3Q FY2026/3 | 4.5%(累計) | 1.3%(累計) | 1.7% |
収益性については、物流コストや原材料価格の変動を吸収しながら、営業利益率2〜3%台の安定的な収益構造を維持しています。2023/03期には営業利益率が3.7%まで向上しROEも約19.8%に達しましたが、直近は積極的な設備投資やグローバルでのM&Aによる資産増がROEを一時的に押し下げています。今後、海外事業の収益貢献と高付加価値製品へのシフトを通じて、ROE8%以上を目指す方針です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4,629億円 | 89.0億円 | 36.5億円 | 26.7円 | -13.4% |
| 2022/03期 | 4,448億円 | 141億円 | 115億円 | 84.0円 | -3.9% |
| 2023/03期 | 5,453億円 | 203億円 | 254億円 | 185.1円 | +22.6% |
| 2024/03期 | 5,342億円 | 174億円 | 104億円 | 78.9円 | -2.0% |
| 2025/03期 | 5,545億円 | 151億円 | 75.7億円 | 61.4円 | +3.8% |
当社の売上収益は5,000億円規模で安定的に推移しており、国内紙流通市場における圧倒的なシェアと強固な物流インフラが事業の基盤となっています。2023/03期にはコロナ禍からの需要回復や価格改定により純利益が約254億円と過去最高水準を記録しましたが、直近ではコスト上昇や市場環境の変化により利益水準は適正化の過程にあります。海外展開の加速や非紙セグメントの育成により、持続的な成長に向けたポートフォリオ転換を推進しています。 【3Q 2026/03期実績】売上4429億円(通期予想比101%)、営業利益76億円(同106%)、純利益51億円(同169%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
紙・板紙の卸売を中核とし、国内外でのM&Aを通じた軟包装材や海外事業の拡大が成長の鍵となっています。一方で、原材料価格の変動や為替リスクが事業利益を大きく左右するため、グローバルな需要動向への柔軟な対応が求められる経営環境です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 5,545億円 | — | — | 進行中 |
| 2024期 | 5,500億円 | — | 5,342億円 | -2.9% |
| 2023期 | 5,100億円 | 5,500億円 | 5,453億円 | +6.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 151億円 | — | — | 進行中 |
| 2024期 | 165億円 | — | 174億円 | +5.5% |
| 2023期 | 125億円 | 175億円 | 203億円 | +62.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「OVOL中期経営計画2026」では、最終年度に連結経常利益220億円という野心的な目標を掲げています。これは2025期予想(148億円)から約48%増という高いハードルであり、積極的なM&Aとそのシナジー効果が達成の鍵となります。過去の業績予想は、2023期に営業利益が期初予想を62%も上回る大幅なポジティブサプライズを見せた一方、売上高は未達となるケースもあり、利益管理能力の高さがうかがえます。計画達成には、海外事業の収益性向上が不可欠です。
最新ニュース
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メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年3月期第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比37.5%減の74.4億円となり、市場の期待を下回る着地となった。
投資有価証券売却益の計上に伴い、2026年3月期の通期最終利益予想を上方修正し、株価の反発要因となった。
欧州(ドイツ・フランス)での紙卸売事業買収を発表し、グローバルでの紙流通ネットワークの拡充を加速させた。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性については、自己資本比率が34.2%まで改善しており、中長期的な安定成長を支える強固な基盤を構築しています。2024/03期期以降、海外卸売セグメントの拡大や買収に向けた投資を加速させているため有利子負債が増加傾向にありますが、現預金や売却可能な投資有価証券等の流動性資産も豊富に保有しています。資産効率の最適化を図りつつ、戦略的な投資による企業価値の向上が求められています。 【3Q 2026/03期】総資産3984億円、純資産1419億円、自己資本比率27.7%、有利子負債975億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 284億円 | 44.4億円 | 199億円 | 239億円 |
| 2022/03期 | 140億円 | 40.8億円 | 98.3億円 | 99.3億円 |
| 2023/03期 | 3.0億円 | 237億円 | 101億円 | 240億円 |
| 2024/03期 | 209億円 | 29.2億円 | 317億円 | 180億円 |
| 2025/03期 | 210億円 | 112億円 | 93.3億円 | 97.9億円 |
本業で稼ぐ力を示す営業キャッシュフローは安定して黒字を確保しており、潤沢なフリーキャッシュフローを元手に成長投資を継続しています。特に海外でのM&A実行による投資キャッシュフローの変動はあるものの、強固な物流インフラという資産背景が安定したキャッシュ創出を可能にしています。財務キャッシュフローでは借入の返済や株主還元を適宜実施し、バランスの取れた資金配分を行っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が36.4%と高く、多様な視点を取り入れた経営体制が構築されています。監査報酬7,500万円を投じ、94社に及ぶ連結子会社群に対して強固な監視・統治体制を維持しているのが特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 890万円 | 4,831人 | - |
平均年収890万円は、紙パルプ卸売業界のなかでも高い水準に位置しています。これはグローバル展開による収益基盤の多様化と、専門商社としての高い付加価値サービスが従業員報酬に反映されている結果といえます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。2021期から2025期までの5年間で、TOPIX(東証株価指数)が一貫して当社のTSRを上回っており、市場平均に対してアンダーパフォームが続いています。これは、安定配当を継続しているものの、株価が長らく低迷していたことが主な要因です。ただし、直近の株価上昇によりTSRは改善傾向にあり、今後の海外事業の成長と収益性向上が市場平均を上回るリターンを生み出せるかの試金石となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 10円 | 40.9% |
| 2017/03期 | 10円 | 25.5% |
| 2019/03期 | 11円 | 40.0% |
| 2020/03期 | 11円 | 30.1% |
| 2021/03期 | 11円 | 41.2% |
| 2022/03期 | 11.5円 | 13.7% |
| 2023/03期 | 12円 | 6.5% |
| 2024/03期 | 13円 | 16.5% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として安定的な利益還元を重視しており、継続的な増配を通じて株主への利益還元を強化しています。配当性向を考慮しつつも、強固な収益基盤を背景に安定した水準を維持しています。株主優待と合わせたトータルでの利回りも高く、中長期的な保有を推奨する株主還元策が特徴です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 99.7万円 | 0.3万円 | -0.3% |
| 2022期 | 108.9万円 | 8.9万円 | 8.9% |
| 2023期 | 145.8万円 | 45.8万円 | 45.8% |
| 2024期 | 150.0万円 | 50.0万円 | 50.0% |
| 2025期 | 179.2万円 | 79.2万円 | 79.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較すると、PERは割高、PBRは同水準であり、市場からの成長期待が一定程度株価に織り込まれている状態です。一方で配当利回りは業界平均を下回っています。信用倍率は6.13倍とやや高めですが、買い残の絶対額は限定的で、需給面の懸念は大きくありません。PBRが1倍に近づいており、今後の資本効率改善策が株価を左右する重要な要素となりそうです。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 89.5億円 | 53.0億円 | 59.2% |
| 2022/03期 | 151億円 | 35.5億円 | 23.6% |
| 2023/03期 | 212億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 168億円 | 64.0億円 | 38.2% |
| 2025/03期 | 158億円 | 82.5億円 | 52.2% |
法人税等の支払額は各期の税引前利益の変動や、繰延税金資産の取り崩し、税額控除等の影響を受けて変動しています。2023/03期期においては特定の会計処理の影響により法人税等の計上が低くなりましたが、直近の期では税負担が適正化されています。実効税率が標準的な水準から乖離する年度については、税効果会計等の会計的背景が主因となっています。
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「国内紙流通のガリバーが、積極的な海外M&Aと不動産事業で『脱・紙オンリー』を目指す総合商社へ変貌中」
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