三井物産8031
MITSUI & CO., LTD.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
都市ガスや発電を支えるLNG(液化天然ガス)、自動車やスマホに使われる鉄鉱石・銅・原料炭、コンビニや外食チェーン向け食品流通、医療・健康分野のサプライチェーン――三井物産はあなたの暮らしと世界の産業を「つないでいる」会社です。米ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが2020年以降、伊藤忠・三井物産・三菱商事・住友商事・丸紅の5大商社株を取得し、2025年には5%超まで保有を拡大したことでも有名。スーパーで見かけるバナナや、ファミリーマート向け食品、製鉄会社が買う原材料、海外のIPP(独立系電力会社)まで――気づかぬうちにあなたの生活と投資ポートフォリオの双方に関わっている老舗総合商社です。
三井物産はIFRS適用の総合商社で、金属資源・エネルギー・機械インフラ・化学品・鉄鋼製品・生活産業・次世代機能推進の7セグメントに加え、エネルギー第一/第二/プロジェクト/ソリューション、モビリティ第一/第二、ベーシック/パフォーマンスマテリアルズ、ニュートリション・アグリカルチャー、食料/流通/ウェルネス、ICT/CD など 16本部体制(2026/03期まで)で世界に事業を展開。2026/03期 通期は営業収益13兆9,952億円(前期比▲4.6%)・親会社所有者帰属当期利益8,340億円(▲7.4%)と、鉄鉱石・原料炭価格やLNG数量、JA三井リース関連の一過性損失などにより4期ぶりの減益となりました。一方2027/03期は純利益9,200億円(+10.3%)・年間配当140円(前期比+25円)と再増益・累進増配を計画し、米国ガス事業や資産リサイクル益の戻りを織り込みます。米バークシャー・ハサウェイは2020年以降5大商社株を継続保有し、2025年には5%超まで段階的に拡大。代表取締役社長CEO堀健一氏(2021年4月就任)の下、中期経営計画「Creating Sustainable Futures」を推進中で、2024年7月1日付の1:2株式分割で個人投資家層も広がっています。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町1-2-1
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
鉄鉱石・原料炭・銅などの資源開発・トレーディング。チリ銅事業、豪州鉄鉱石(Rhodes Ridge権益・既存事業)、豪州原料炭など。2026/03期は鉄鉱石・原料炭価格下落で前期2,854億円から減益。(2026/03期 IFRS連結・売上総利益/当社株主帰属純利益、margin=純利益÷売上総利益)
LNG・原油・米国ガス・電力等のエネルギーバリューチェーン。2026/03期は米国ガス価格上昇が寄与する一方、LNG数量・原油価格の下押しで前期1,735億円から微減。2027/03期はオマーン油・ガス田の資産リサイクル等で2,000億円計画。(2026/03期 IFRS連結)
プラント・船舶・自動車・IPP・産業機械の投融資・トレーディング。2026/03期は関連会社配当やFirefly IPO関連のFVTPL(公正価値評価益)が寄与し前期2,329億円とほぼ横ばい。(2026/03期 IFRS連結)
ベーシック/パフォーマンスマテリアルズ、ニュートリション・アグリカルチャー、肥料、ITC Antwerp(欧州タンクターミナル)等。2026/03期はITC Antwerp公正価値評価益が寄与する一方、前期資産リサイクル益の反動で前期759億円から減益。(2026/03期 IFRS連結)
鋼材・鋼管・自動車鋼板のトレーディングと加工事業。2026/03期はトレーディング・関連会社配当が寄与し、前期132億円から+57億円の増益。(2026/03期 IFRS連結)
食料(コーヒー・水産・畜産・穀物)・流通・ウェルネス・ヘルスケア。2026/03期はコーヒートレーディングの反動などで前期537億円から微減。2027/03期より「ウェルネスエコシステム」へ名称変更。(2026/03期 IFRS連結)
ICT・コーポレートディベロップメント(CD)・商品デリバティブ・リース等の機能事業。2026/03期はJA三井リースの一過性損失(▲417億円)が大きく影響し、前期873億円から▲283億円の減益。2027/03期より「イノベーション&コーポレートディベロップメント」へ名称変更。(2026/03期 IFRS連結)
セグメント間取引消去・本社費用・退職給付制度改定等の全社調整項目。2026/03期は前期退職給付制度改定の反動で、前期▲216億円から+145億円改善。(2026/03期 IFRS連結)
稼ぐ力はどのくらい?
FY2026/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8.0% | 2.7% | - |
| 2022/03期 | 18.0% | 6.7% | - |
| 2023/03期 | 18.9% | 7.5% | - |
| 2024/03期 | 15.3% | 6.6% | - |
| 2025/03期 | 11.9% | 5.3% | - |
| 2026/03期 | 9.5% | 4.0% | - |
総合商社(IFRS)のため日本基準の「営業利益率」は構造的に開示されません。2023/03期に資源高でROE 18.9%のピークを記録した後、市況軟化と純資産増加に伴いROEは段階的に低下。2026/03期はROE 9.5%(IRBank算定値)で、株主資本が8.8兆円に積み上がる中での1桁台への低下。中期経営計画では資本効率改善を重視しており、2027/03期の純利益9,200億円計画はROE改善(10%台回復)も視野に入れた数字となっています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022/03期 | 11.8兆円 | — | 9,147億円 | 280.8円 | +46.8% |
| 2023/03期 | 14.3兆円 | — | 1.1兆円 | 360.9円 | +21.7% |
| 2024/03期 | 13.3兆円 | — | 1.1兆円 | 352.8円 | -6.9% |
| 2025/03期 | 14.7兆円 | — | 9,003億円 | 306.7円 | +10.0% |
| 2026/03期 | 14.0兆円 | — | 8,340億円 | 290.9円 | -4.6% |
IFRS適用の総合商社のため、日本基準の「営業利益」は構造的に開示されません(売上総利益+持分法損益+金融損益等で実態を把握)。2023/03期に資源高で純利益1兆1,306億円のピークを記録した後、市況軟化で2期連続減益。2026/03期は営業収益13兆9,952億円(▲4.6%)・純利益8,340億円(▲7.4%)と4期ぶりの減益で、鉄鉱石・原料炭価格、LNG配当数量、JA三井リース関連の一過性損失が主因。米国ガス事業や資産リサイクル益は前期比増益要因となりました。2027/03期は9,200億円(+10.3%)の再増益計画で、エネルギー(米国ガス事業・資産リサイクル)と化学品(評価性益)・コーヒートレーディング等が増益ドライバー。EPSは2024年7月1日付1:2分割を反映した分割後ベースで表示しています。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 金属資源 | 1兆9,216億円 | 2,536億円 | 13.2% |
| エネルギー | 3兆2,307億円 | 1,642億円 | 5.1% |
| 機械・インフラ | 1兆5,232億円 | 2,259億円 | 14.8% |
| 化学品 | 2兆9,336億円 | 675億円 | 2.3% |
| 鉄鋼製品 | 6,268億円 | 189億円 | 3.0% |
| 生活産業 | 3兆4,096億円 | 520億円 | 1.5% |
| 次世代・機能推進 | 3,475億円 | 590億円 | 17.0% |
| その他、調整・消去 | 21億円 | △71億円 | — |
総合商社(IFRS)として16本部7セグメント(2026/03期まで)の多角分散ポートフォリオを構築。2026/03期 純利益8,340億円は金属資源2,536億円・機械インフラ2,259億円・エネルギー1,642億円が稼ぎ頭で、資源比率の高さが特徴。2027/03期より「次世代・機能推進」→「イノベーション&コーポレートディベロップメント」、「機械・インフラ」→「モビリティ・デジタル・インフラ」、「生活産業」→「ウェルネスエコシステム」など15本部7セグメントへ再編し、注力領域を再定義します。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
2026/03期は純利益8,340億円・4期ぶり減益(▲7.4%)。中計『Creating Sustainable Futures』では資本効率・成長投資・株主還元のバランスを掲げ、2027/03期は9,200億円(+10.3%)・年間配当140円(+25円)・基礎営業CF 1兆500億円計画と再増益・累進増配を見込みます。Rhodes Ridge権益取得など大型投資の寄与に加え、米国ガス事業の伸びとオマーン油・ガス田の資産リサイクル益が増益ドライバー。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026/03期 通期決算を発表。営業収益13兆9,952億円(▲4.6%)・純利益8,340億円(▲7.4%)と4期ぶりの減益。鉄鉱石・原料炭価格、LNG数量、JA三井リース関連損失が主因。2027/03期は純利益9,200億円(+10.3%)・年間配当140円(+25円)・自社株買い継続を計画。
2026年4月1日以降の16本部7セグメント→15本部7セグメントへのオペレーティング・セグメント改定を発表(「次世代・機能推進」→「イノベーション&コーポレートディベロップメント」、「生活産業」→「ウェルネスエコシステム」、「機械・インフラ」→「モビリティ・デジタル・インフラ」へ名称変更・統合)。
米バークシャー・ハサウェイが5大商社株(伊藤忠・三井物産・三菱商事・住友商事・丸紅)の保有比率を順次引き上げ、三井物産も5%超に拡大。長期保有姿勢を改めて表明。
2024年6月30日を基準日として1株を2株に分割(効力発生日2024年7月1日)。投資単元金額を引き下げ、個人投資家層の拡大を狙う。同時に上限2,000億円・4,000万株の自己株取得も発表(決議2024年5月1日)。
堀健一氏が代表取締役社長CEOに就任(1962年1月生、慶大経済卒、1984年三井物産入社)。米国三井物産SVP・商品市場部長・経営企画部長・ニュートリション/アグリカルチャー本部長などを歴任し、中計を主導。
ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが5大商社株の取得を公表。日本の総合商社が世界的長期投資家から再評価される転機に。
GHQによる財閥解体を経て、1947年7月25日に三井物産株式会社が戦後再建のスタートを切る。1876年(明治9年)に初代益田孝氏らが設立した「初代・三井物産」を起点とする日本最古級の総合商社の系譜。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2026/3末時点
総資産は5年で12.5兆円→20.8兆円へ拡大し、2026/03期は前期比+23.9%。豪州鉄鉱石Rhodes Ridge権益取得など大型投資が寄与しました。株主資本は8兆7,677億円(前期比+1.3兆円)に積み上がり、株主資本比率は42.1%(前期比▲2.8pt、資産拡大ペースに対し)。有利子負債(長短債務からリース負債を除いたIR公表ベース)は2021/03期〜2025/03期が4兆3,000億〜4兆6,000億円台で安定推移し、2026/03期は大型投資により5兆1,229億円へ増加。ネット有利子負債4兆1,390億円・ネットDER 0.47倍(IR公表値)と、商社モデルとして健全な水準を維持しています。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 8,644億円 | ▲4,275億円 | ▲1.0兆円 | 4,369億円 |
| 2025/03期 | 1.0兆円 | ▲1,620億円 | ▲7,496億円 | 8,555億円 |
| 2026/03期 | 9,789億円 | ▲8,320億円 | ▲1,000億円 | 1,469億円 |
営業CFは1兆円規模で安定推移。2026/03期は資源価格・LNG数量の影響を受けつつも約9,800億円の営業CFを確保。投資CFはRhodes Ridge豪州鉄鉱石権益などの大型投資により▲8,000億円超に拡大し、フリーキャッシュフローは前期7,855億円から圧縮。財務CFは自社株買い・配当の還元と資金調達のバランスで小幅マイナスとなりました。商社モデルとして本業の現金創出力は依然として高水準で、IR公表の基礎営業CFは9,789億円(次期計画1兆500億円)と過去最高水準の見通しです。
この会社のガバナンスは?
三井物産は、取締役12名中社外取締役を6名登用し社外取締役比率を50%とするなど、透明性の高いガバナンス体制を構築しています。女性役員比率も約29%と高水準であり、多様な視点を取り入れた経営判断を行っているほか、大規模な事業リスクを適切に管理するための監査体制が整備されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,996万円 | 56,400人 | - |
平均年収は4年間で約447万円上昇し、2025/03期には1,996万円に到達。5大商社の中でもトップクラスの水準。資源価格の好調や円安効果が年収上昇に寄与。従業員数は約5,400名と少数精鋭で、平均年齢42歳台と安定推移。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2021/03期 | 42.5円 | 42.7% |
| 2022/03期 | 52.5円 | 18.7% |
| 2023/03期 | 70円 | 19.4% |
| 2024/03期 | 85円 | 24.1% |
| 2025/03期 | 100円 | 32.6% |
| 2026/03期 | 115円 | 39.5% |
| 2027/03期(予想) | 140円 | 43.6% |
なし(株主優待制度はありません。配当および自社株買いによる総合的な株主還元を重視)
2026/03期 年間配当は115円(中間55円+期末60円・前期比+15円)で6期連続増配、2027/03期は140円(中間70円+期末70円・前期比+25円)を計画し7期連続増配を見込みます。配当性向39〜44%レンジを意識した累進配当方針で、減配を回避しつつ純利益の変動に応じて配当を引き上げる姿勢を継続。過去の配当額はいずれも2024年7月1日付の1:2株式分割を考慮した分割後換算値で表示しています(例:2024/03期 170円→分割後85円)。
株の売買状況と今後の予定
総合商社セクターはバフェット保有公表以降に再評価が進み、三井物産もPER 19倍前後・PBR 1.8倍前後と、過去の低PER局面(5〜7倍台)から大きく水準訂正されています。バークシャー・ハサウェイの長期保有による信認と累進配当・自社株買い・組織再編による資本効率改善が株価のサポート要因。一方、純利益が9,000億円→8,340億円→9,200億円計画と凸凹で推移するため、資源価格と為替の感応度には継続的な注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2025/03期 | 1.3兆円 | 2,387億円 | 18.3% |
| 2026/03期 | 1.1兆円 | 2,349億円 | 20.7% |
税前利益は1.1〜1.3兆円規模で推移し、法人税等は約2,300億円〜2,400億円の負担。実効税率は2026/03期で20.7%と日本の法定実効税率(約30%)より低めで、海外子会社配当の益金不算入や持分法投資損益の構成、税効果会計の影響が反映されています。資源・LNG事業の海外拠点比率の高さが税負担の低減に寄与しています。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
三井物産 まとめ
2026/03期 純利益8,340億円(前期比▲7.4%)と資源・LNG減益で4期ぶり減益、2027/03期は9,200億円(+10.3%)・配当140円(+25円)・自己株含む総還元強化
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。