長瀬産業
NAGASE & CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
約200年の歴史を誇る、化学と技術で未来をデザインする商社
世界の人々が快適に暮らせる、安心・安全で温かい社会を実現すること。
この会社ってなに?
あなたが毎日使う化粧品やサプリメント、その効果を高める特別な原料は、長瀬産業が世界中から見つけてきてメーカーに届けています。また、スマートフォンやゲーム機の心臓部である半導体チップを作る工程で欠かせない、超高純度の化学薬品もこの会社が供給しています。普段何気なく使っている便利な製品や、健康を支える食品の裏側で、長瀬産業は目に見えない「素材」の力で私たちの生活を支えている、縁の下の力持ちなのです。
化学品専門商社首位の長瀬産業は、FY2025に売上高9,449.6億円、営業利益390.78億円と堅調な業績を達成しました。続くFY2026は売上高9,550億円、営業利益395億円と更なる成長を見込んでいます。同社は中期経営計画「ACE 2.0」のもと、従来の商社機能に加えて、M&Aを通じて半導体関連やライフサイエンス分野の製造・研究開発機能を強化しており、収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を加速させています。
会社概要
- 業種
- 卸売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町二丁目6番2号
- 公式
- www.nagase.co.jp
社長プロフィール

私たちは、世界の人々が快適に暮らせる、安心・安全で温かい社会の実現を目指しています。変化の激しい時代において、NAGASEグループが持つ多様な機能を掛け合わせ、国内外のパートナーと共に新たなビジネスをデザインし、社会課題の解決に貢献していきます。
この会社のストーリー
長瀬伝兵衛が京都西陣で、染料・でんぷんなどを扱う「鱗形屋」を創業。これが長瀬産業の原点となる。
株式会社長瀬商店を設立し、法人化。スイスの化学品メーカーと代理店契約を結ぶなど、海外との取引を本格化させる。
事業の拡大に伴い、株式を上場。企業としての信頼性を高め、さらなる成長への基盤を築く。
経営破綻したバイオテクノロジー企業の林原を買収。製造業としての機能を強化し、事業ポートフォリオを大きく転換させる。
「ビジネスをデザインするNAGASEへ」をスローガンに、ライフ&ヘルスケアやエレクトロニクスなどを注力領域とする新中期経営計画を開始した。
米セイケム社のアジア事業を約150億円で買収。成長分野である半導体材料事業を強化し、グローバルでの存在感を高める。
CVCファンドを通じて、AIやSaaS、ヘルスケアなど多様な分野のスタートアップ企業と資本業務提携を加速。次世代事業の創出を目指す。
注目ポイント
化学専門商社としての機能に加え、バイオ技術を持つ林原や海外企業買収により製造機能を強化。商材を仕入れて売るだけでなく、自ら創り出すことで高い付加価値を生んでいます。
半導体やEVなどのエレクトロニクス、ライフ&ヘルスケアといった成長市場に注力。M&Aやスタートアップへの出資を積極的に行い、未来の収益の柱を育てています。
長年の歴史で培った安定した事業基盤を背景に、業績は好調。連続で過去最高益を更新しており、増配傾向にあるなど株主への還元にも積極的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 11.5円 | 30.3% |
| FY2022/3 | 13.5円 | 25.3% |
| FY2023/3 | 17.5円 | 35.1% |
| FY2024/3 | 20円 | 41.0% |
| FY2025/3 | 22.5円 | 39.1% |
| 権利確定月 | 3月 |
長瀬産業は、利益成長と連動した株主還元を重視しており、安定的な配当維持と増配に努める累進配当を指向しています。高い配当利回りと優待制度を組み合わせた還元姿勢は投資家から高く評価されており、配当性向35〜40%を目安とした持続可能な還元策を掲げています。今後も業績拡大に伴い、株主への利益配分を強化していく方針です。
同業比較(収益性)
卸売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
長瀬産業は、化学品専門商社としてグローバルに事業を展開し、2025年3月期には売上高9,450億円、営業利益391億円を達成し過去最高水準の業績を確保しました。半導体向け化学品やバイオ関連製品などの高付加価値事業が成長を牽引しており、製造機能を併せ持つ強みを発揮しています。2026年3月期も成長投資の効果により、純利益で315億円を見込むなど、更なる利益成長を継続する予測です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.6% | 2.9% | 2.6% |
| FY2022/3 | 7.3% | 3.5% | 4.5% |
| FY2023/3 | 6.2% | 3.1% | 3.7% |
| FY2024/3 | 5.6% | 2.8% | 3.4% |
| FY2025/3 | 6.3% | 3.2% | 4.1% |
収益性は、高機能素材や電子材料へのシフトにより着実に向上しており、2025年3月期の営業利益率は4.1%まで改善しました。ROE(自己資本利益率)は6%台で推移し、資本効率を意識した経営が浸透しつつあります。商社機能を軸に製造・加工という付加価値を積み上げることで、景気変動を受けにくい安定した収益基盤を構築しています。
財務は安全?
財務健全性は高く、自己資本比率は50%前後で安定しており、強固な資本基盤を維持しています。近年、事業成長に向けた投資やM&Aを積極的に実施しているため有利子負債は増加傾向にありますが、現預金や保有資産の質を考慮すれば十分な返済能力を有しています。自己資本の積み上げによって1株当たり純資産(BPS)も着実に成長しており、長期的な企業価値向上を支える安定した財務体質です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 204億円 | 26.4億円 | -259億円 | 230億円 |
| FY2022/3 | -178億円 | -76.6億円 | 273億円 | -254億円 |
| FY2023/3 | 94.1億円 | -80.3億円 | -172億円 | 13.8億円 |
| FY2024/3 | 730億円 | -116億円 | -480億円 | 613億円 |
| FY2025/3 | 363億円 | -116億円 | -182億円 | 247億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、潤沢な本業の稼ぎが成長投資の原資となっています。FY2024/3には資産売却等の一時要因により大幅な営業キャッシュフローが発生しましたが、基本的には事業を通じた安定的な創出が続いています。継続的な設備投資や事業買収を実施しつつ、財務CFで負債の返済や株主還元をバランス良く実行するサイクルが確立されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 229億円 | 40.3億円 | 17.6% |
| FY2022/3 | 365億円 | 106億円 | 28.9% |
| FY2023/3 | 325億円 | 89.0億円 | 27.4% |
| FY2024/3 | 306億円 | 81.9億円 | 26.8% |
| FY2025/3 | 384億円 | 129億円 | 33.5% |
法人税等の支払額は、税引前利益の増減に概ね連動して推移しています。実効税率が年によって変動しているのは、海外子会社の所得に対する税率の違いや、繰延税金資産の取り崩しなど会計上の処理が影響しています。概ね法定実効税率の水準に収まっており、適正な納税が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,137万円 | 7,484人 | - |
従業員の平均年収は1,137万円と商社業界の中でも非常に高い水準にあります。化学品専門商社としての強固な収益基盤と、高付加価値な製造・加工機能を持つビジネスモデルが、高い生産性と従業員への好待遇を支えていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日本生命保険相互会社。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家の保有比率が高い構造です。一方で、創業家に関連する個人や長瀬産業自社株投資会が一定の持分を維持しており、創業家による安定的な影響力と外部投資家によるモニタリングのバランスがとれた構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、化学品市況の変動や為替リスクに加え、国内外の半導体・エレクトロニクス市場の動向が連結業績に与える影響を重要な課題として挙げています。また、M&Aにより獲得した事業の統合プロセスや、機能素材・加工材料といった成長戦略領域の進捗が収益性の鍵を握っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.7%にとどまっており、多様な視点を取り入れた経営体制の強化が今後の課題といえます。監査体制については1億6,100万円の監査報酬を投じており、連結子会社73社を抱える大規模企業として、グループ全体でのガバナンスとコンプライアンスの統制に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 9,400億円 | — | 9,450億円 | +0.5% |
| FY2024 | 9,580億円 | — | 9,002億円 | -6.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 365億円 | — | 391億円 | +7.1% |
| FY2024 | 345億円 | — | 306億円 | -11.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「ACE 2.0」では、ROIC(投下資本利益率)経営を重視し、収益性の向上を目指しています。注力領域であるライフ&ヘルスケアやエレクトロニクス分野への成長投資を着実に実行しており、FY2025には期初予想を上回る営業利益を達成しました。最終年度の目標達成に向けて順調に進捗していると評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2021はTOPIXをわずかに下回ったものの、FY2022以降は継続的にTOPIXをアウトパフォームしており、特に直近2年間はその差を拡大しています。これは、中期経営計画「ACE 2.0」の下で進める半導体関連やライフサイエンス分野への積極投資と事業ポートフォリオ改革が市場に評価され始めた結果と言えるでしょう。安定した配当に加え、株価自体も堅調に推移したことが、株主総利回りを押し上げる要因となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 138.8万円 | +38.8万円 | 38.8% |
| FY2022 | 150.2万円 | +50.2万円 | 50.2% |
| FY2023 | 172.4万円 | +72.4万円 | 72.4% |
| FY2024 | 219.2万円 | +119.2万円 | 119.2% |
| FY2025 | 234.1万円 | +134.1万円 | 134.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
卸売業の平均と比較して、長瀬産業のPER(3.9倍)とPBR(0.32倍)は著しく低い水準にあり、株価が企業価値に対して割安である可能性を示唆しています。一方で、配当利回りは90円の配当と現在の株価1180円から計算すると約7.6%と非常に高く、株主還元への意識の高さが伺えます。市場はまだ同社の成長ポテンシャルを完全には織り込んでいない可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
CO2削減とコスト最適化を図るため、新規事業開発における戦略的提携を締結。
2025年3月期の連結経常利益が前期比25.5%増の383億円を達成。
米社から約150億円で半導体用化学品事業を取得し、グローバルでの成長基盤を強化。
最新ニュース
長瀬産業 まとめ
ひとめ診断
「創業200年目前の老舗化学商社が、M&Aと事業投資でバイオ・半導体分野の『作る商社』へと変貌を遂げている」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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