8012プライム

長瀬産業

NAGASE & CO.,LTD.

最終更新日: 2026年3月29日

ROE6.3%
BPS92.5円
自己資本比率49.4%
FY2025/3 有報データ

約200年の歴史を誇る、化学と技術で未来をデザインする商社

世界の人々が快適に暮らせる、安心・安全で温かい社会を実現すること。

この会社ってなに?

あなたが毎日使う化粧品やサプリメント、その効果を高める特別な原料は、長瀬産業が世界中から見つけてきてメーカーに届けています。また、スマートフォンやゲーム機の心臓部である半導体チップを作る工程で欠かせない、超高純度の化学薬品もこの会社が供給しています。普段何気なく使っている便利な製品や、健康を支える食品の裏側で、長瀬産業は目に見えない「素材」の力で私たちの生活を支えている、縁の下の力持ちなのです。

化学品専門商社首位の長瀬産業は、FY2025に売上高9,449.6億円、営業利益390.78億円と堅調な業績を達成しました。続くFY2026は売上高9,550億円、営業利益395億円と更なる成長を見込んでいます。同社は中期経営計画「ACE 2.0」のもと、従来の商社機能に加えて、M&Aを通じて半導体関連やライフサイエンス分野の製造・研究開発機能を強化しており、収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を加速させています。

卸売業プライム市場

会社概要

業種
卸売業
決算期
3月
本社
東京都千代田区大手町二丁目6番2号
公式
www.nagase.co.jp

社長プロフィール

上島 宏之
上島 宏之
代表取締役社長
ビジョナリー
私たちは、世界の人々が快適に暮らせる、安心・安全で温かい社会の実現を目指しています。変化の激しい時代において、NAGASEグループが持つ多様な機能を掛け合わせ、国内外のパートナーと共に新たなビジネスをデザインし、社会課題の解決に貢献していきます。

この会社のストーリー

1832
創業

長瀬伝兵衛が京都西陣で、染料・でんぷんなどを扱う「鱗形屋」を創業。これが長瀬産業の原点となる。

1917
株式会社設立と海外展開

株式会社長瀬商店を設立し、法人化。スイスの化学品メーカーと代理店契約を結ぶなど、海外との取引を本格化させる。

1964
東京・大阪証券取引所市場第二部に上場

事業の拡大に伴い、株式を上場。企業としての信頼性を高め、さらなる成長への基盤を築く。

2011
バイオ企業・林原の子会社化

経営破綻したバイオテクノロジー企業の林原を買収。製造業としての機能を強化し、事業ポートフォリオを大きく転換させる。

2021
中期経営計画「ACE 2.0」始動

「ビジネスをデザインするNAGASEへ」をスローガンに、ライフ&ヘルスケアやエレクトロニクスなどを注力領域とする新中期経営計画を開始した。

2023
米半導体用化学品事業の買収

米セイケム社のアジア事業を約150億円で買収。成長分野である半導体材料事業を強化し、グローバルでの存在感を高める。

2024
スタートアップへの積極投資

CVCファンドを通じて、AIやSaaS、ヘルスケアなど多様な分野のスタートアップ企業と資本業務提携を加速。次世代事業の創出を目指す。

注目ポイント

商社×メーカーのハイブリッド経営

化学専門商社としての機能に加え、バイオ技術を持つ林原や海外企業買収により製造機能を強化。商材を仕入れて売るだけでなく、自ら創り出すことで高い付加価値を生んでいます。

成長分野への積極投資

半導体やEVなどのエレクトロニクス、ライフ&ヘルスケアといった成長市場に注力。M&Aやスタートアップへの出資を積極的に行い、未来の収益の柱を育てています。

安定した財務と株主還元

長年の歴史で培った安定した事業基盤を背景に、業績は好調。連続で過去最高益を更新しており、増配傾向にあるなど株主への還元にも積極的です。

サービスの実績は?

90
1株当たり配当金
FY2025実績
+12.5% YoY
19.2%
売上総利益率
FY2025実績
+1.1pt YoY
5.0%
売上高成長率
FY2025実績 (YoY)
前期比増
27.6%
営業利益成長率
FY2025実績 (YoY)
大幅増益
9.97億円
従業員一人当たり売上高
FY2025実績ベース

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 22.5円
安全性
普通
自己資本比率 49.4%
稼ぐ力
普通
ROE 6.3%
話題性
好評
ポジティブ 75%

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
22.5
方針: 累進配当
1株配当配当性向
FY2021/311.530.3%
FY2022/313.525.3%
FY2023/317.535.1%
FY2024/32041.0%
FY2025/322.539.1%
4期連続増配
株主優待
あり
権利確定月3月

長瀬産業は、利益成長と連動した株主還元を重視しており、安定的な配当維持と増配に努める累進配当を指向しています。高い配当利回りと優待制度を組み合わせた還元姿勢は投資家から高く評価されており、配当性向35〜40%を目安とした持続可能な還元策を掲げています。今後も業績拡大に伴い、株主への利益配分を強化していく方針です。

同業比較(収益性)

卸売業の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
6.3%
業界平均
7.8%
営業利益率下回る
この会社
4.1%
業界平均
5.0%
自己資本比率上回る
この会社
49.4%
業界平均
48.6%

業績推移

儲かってるの?

順調に稼いでいます
売上高
FY2022/37,806億円
FY2023/39,129億円
FY2024/39,001億円
FY2025/39,450億円
営業利益
FY2022/3353億円
FY2023/3334億円
FY2024/3306億円
FY2025/3391億円

長瀬産業は、化学品専門商社としてグローバルに事業を展開し、2025年3月期には売上高9,450億円、営業利益391億円を達成し過去最高水準の業績を確保しました。半導体向け化学品やバイオ関連製品などの高付加価値事業が成長を牽引しており、製造機能を併せ持つ強みを発揮しています。2026年3月期も成長投資の効果により、純利益で315億円を見込むなど、更なる利益成長を継続する予測です。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
6.3%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
3.2%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
4.1%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/35.6%2.9%2.6%
FY2022/37.3%3.5%4.5%
FY2023/36.2%3.1%3.7%
FY2024/35.6%2.8%3.4%
FY2025/36.3%3.2%4.1%

収益性は、高機能素材や電子材料へのシフトにより着実に向上しており、2025年3月期の営業利益率は4.1%まで改善しました。ROE(自己資本利益率)は6%台で推移し、資本効率を意識した経営が浸透しつつあります。商社機能を軸に製造・加工という付加価値を積み上げることで、景気変動を受けにくい安定した収益基盤を構築しています。

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率49.4%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
3,361億円
会社の純資産
4,065億円

財務健全性は高く、自己資本比率は50%前後で安定しており、強固な資本基盤を維持しています。近年、事業成長に向けた投資やM&Aを積極的に実施しているため有利子負債は増加傾向にありますが、現預金や保有資産の質を考慮すれば十分な返済能力を有しています。自己資本の積み上げによって1株当たり純資産(BPS)も着実に成長しており、長期的な企業価値向上を支える安定した財務体質です。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+363億円
営業CF
投資に使ったお金
-116億円
投資CF
借入・返済など
-182億円
財務CF
手元に残ったお金
+247億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/3204億円26.4億円-259億円230億円
FY2022/3-178億円-76.6億円273億円-254億円
FY2023/394.1億円-80.3億円-172億円13.8億円
FY2024/3730億円-116億円-480億円613億円
FY2025/3363億円-116億円-182億円247億円

営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、潤沢な本業の稼ぎが成長投資の原資となっています。FY2024/3には資産売却等の一時要因により大幅な営業キャッシュフローが発生しましたが、基本的には事業を通じた安定的な創出が続いています。継続的な設備投資や事業買収を実施しつつ、財務CFで負債の返済や株主還元をバランス良く実行するサイクルが確立されています。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

13【事業等のリスク】 当社グループは、機能素材、加工材料、電子・エネルギー、モビリティ、生活関連、全社(共通)セグメントにおいて、商社機能(トレーディング、マーケティング)、研究開発機能、製造機能を活用し、グローバルかつ多角的に事業を展開しております
2そのような事業の性質上、様々なリスクに晒されております
3当社グループは、現在、リスク・コンプライアンス委員会が中心となり、リスク項目の洗い出しとリスクシナリオの作成を通じて可視化を図り、持続的なリスクマネジメント体制の構築をしております
4なお、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります
5〈リスク評価に関して〉 具体的なリスク評価は、全てのリスク項目でリスクシナリオを作成し、所管部署にて「影響度」と「発生頻度・可能性」の二軸でのリスク評価を実施した後、主管部門であるリスク・コンプライアンス委員会が取り纏めを行い、重要リスクを特定しております

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/3229億円40.3億円17.6%
FY2022/3365億円106億円28.9%
FY2023/3325億円89.0億円27.4%
FY2024/3306億円81.9億円26.8%
FY2025/3384億円129億円33.5%

法人税等の支払額は、税引前利益の増減に概ね連動して推移しています。実効税率が年によって変動しているのは、海外子会社の所得に対する税率の違いや、繰延税金資産の取り崩しなど会計上の処理が影響しています。概ね法定実効税率の水準に収まっており、適正な納税が行われています。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
1,137万円
従業員数
7,484
平均年齢
41.3歳
平均年収従業員数前年比
当期1,137万円7,484-

従業員の平均年収は1,137万円と商社業界の中でも非常に高い水準にあります。化学品専門商社としての強固な収益基盤と、高付加価値な製造・加工機能を持つビジネスモデルが、高い生産性と従業員への好待遇を支えていると考えられます。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主46.5%
浮動株53.5%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関32.5%
事業法人等14.1%
外国法人等23%
個人その他28.5%
証券会社2.1%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日本生命保険相互会社。

日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)(13,682,000株)12.58%
㈱日本カストディ銀行(信託口)(6,964,000株)6.4%
長瀬産業自社株投資会(3,847,000株)3.54%
日本生命保険相互会社(3,589,000株)3.3%
三井住友信託銀行㈱(3,350,000株)3.08%
長瀬 令子(3,281,000株)3.02%
㈱三井住友銀行(2,918,000株)2.68%
㈱長瀬舜造(2,688,000株)2.47%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)(2,528,000株)2.33%
CGML PB CLIENT ACCOUNT/COLLATERAL (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)(2,223,000株)2.04%

大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家の保有比率が高い構造です。一方で、創業家に関連する個人や長瀬産業自社株投資会が一定の持分を維持しており、創業家による安定的な影響力と外部投資家によるモニタリングのバランスがとれた構成となっています。

会社の公式開示情報

役員報酬

4億4,000万円
取締役6名の合計

事業リスクとして、化学品市況の変動や為替リスクに加え、国内外の半導体・エレクトロニクス市場の動向が連結業績に与える影響を重要な課題として挙げています。また、M&Aにより獲得した事業の統合プロセスや、機能素材・加工材料といった成長戦略領域の進捗が収益性の鍵を握っています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 13名)
女性 1名(7.7% 男性 12
8%
92%
監査報酬
1億6,100万円
連結子会社数
73
設備投資額
12.7億円
平均勤続年数(従業員)
14.8

女性役員比率は7.7%にとどまっており、多様な視点を取り入れた経営体制の強化が今後の課題といえます。監査体制については1億6,100万円の監査報酬を投じており、連結子会社73社を抱える大規模企業として、グループ全体でのガバナンスとコンプライアンスの統制に注力しています。

会社の計画は順調?

A
総合評価
期によってブレはあるが、直近では予想を上回る着地を見せており、計画達成に向けた実行力は高い。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

中期経営計画「ACE 2.0」
FY2022〜FY2026
売上高: 目標 9,550億円 順調 (9,449.6億円 (FY2025))
98.9%
営業利益: 目標 395億円 順調 (390.78億円 (FY2025))
98.9%
ROIC: 目標 7.0% 順調
100%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY20259,400億円9,450億円+0.5%
FY20249,580億円9,002億円-6.0%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2025365億円391億円+7.1%
FY2024345億円306億円-11.2%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

現行の中期経営計画「ACE 2.0」では、ROIC(投下資本利益率)経営を重視し、収益性の向上を目指しています。注力領域であるライフ&ヘルスケアやエレクトロニクス分野への成長投資を着実に実行しており、FY2025には期初予想を上回る営業利益を達成しました。最終年度の目標達成に向けて順調に進捗していると評価できます。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

FY2021はTOPIXをわずかに下回ったものの、FY2022以降は継続的にTOPIXをアウトパフォームしており、特に直近2年間はその差を拡大しています。これは、中期経営計画「ACE 2.0」の下で進める半導体関連やライフサイエンス分野への積極投資と事業ポートフォリオ改革が市場に評価され始めた結果と言えるでしょう。安定した配当に加え、株価自体も堅調に推移したことが、株主総利回りを押し上げる要因となっています。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+134.1%
100万円 →234.1万円
134.1万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021138.8万円+38.8万円38.8%
FY2022150.2万円+50.2万円50.2%
FY2023172.4万円+72.4万円72.4%
FY2024219.2万円+119.2万円119.2%
FY2025234.1万円+134.1万円134.1%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残情報なし
売り残情報なし
信用倍率情報なし
2026-03-27時点
今後の予定
2026年3月期 第3四半期決算発表2026年02月上旬
2026年3月期 本決算発表2026年05月上旬

卸売業の平均と比較して、長瀬産業のPER(3.9倍)とPBR(0.32倍)は著しく低い水準にあり、株価が企業価値に対して割安である可能性を示唆しています。一方で、配当利回りは90円の配当と現在の株価1180円から計算すると約7.6%と非常に高く、株主還元への意識の高さが伺えます。市場はまだ同社の成長ポテンシャルを完全には織り込んでいない可能性があります。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「好調
報道件数(30日)
142
前月比 +12.5%
メディア数
48
日本経済新聞, 株探, PR TIMES, 日経電子版, Yahoo!ファイナンス ほか
業界内ランキング
上位 15%
卸売業 450社中 68位
報道のトーン
75%
好意的
20%
中立
5%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・業績40%
M&A・提携30%
新事業開発15%
株主還元15%

最近の出来事

2025年10月資本業務提携

CO2削減とコスト最適化を図るため、新規事業開発における戦略的提携を締結。

2025年5月業績好調

2025年3月期の連結経常利益が前期比25.5%増の383億円を達成。

2025年3月事業買収

米社から約150億円で半導体用化学品事業を取得し、グローバルでの成長基盤を強化。

長瀬産業 まとめ

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 22.5円
安全性
普通
自己資本比率 49.4%
稼ぐ力
普通
ROE 6.3%
話題性
好評
ポジティブ 75%

「創業200年目前の老舗化学商社が、M&Aと事業投資でバイオ・半導体分野の『作る商社』へと変貌を遂げている」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU