スクロール
Scroll Corporation
最終更新日: 2026年3月29日
カタログ通販の老舗から、ECビジネスを総合支援するソリューション企業へ進化
私たちは、お客様に『感動と満足』をお届けできる企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段、生協のカタログで食品や雑貨を注文するとき、その商品を届けているのがスクロールかもしれません。また、インターネットでお気に入りのアパレルブランドや化粧品を注文した経験はありませんか?そのECサイトの裏側で、注文データの管理、商品の梱包、そして迅速な発送までを一手に引き受けているのが、実はスクロールの「ソリューション事業」なのです。あなたが快適なオンラインショッピングを楽しめるのは、スクロールのような縁の下の力持ちがいるからと言えるでしょう。
カタログ通販の草分け的存在であるスクロールは、現在、EC事業者向けの物流・決済代行を行うソリューション事業を成長の柱としています。2025年3月期決算では、売上高840.3億円(前期比5.3%増)、営業利益60.5億円(同13.9%増)と4期ぶりの増収増益を達成しました。2026年3月期は売上高850億円、営業利益58億円の増収減益を見込んでいますが、安定した配当と株主還元策が投資家から評価されています。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 静岡県浜松市中央区佐藤2丁目24番1号
- 公式
- www.scroll.jp
社長プロフィール
通販事業を基盤としながら、時代の変化に合わせて事業領域を拡大してきました。今後もソリューション事業などを通じて持続的な成長を目指し、すべてのステークホルダーの皆様へ『感動と満足』をお届けすることで企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
静岡県浜松市にて、婦人服・子供服の卸売業として「株式会社ムトウ」を設立。これが後のスクロールの始まりとなった。
カタログによる通信販売事業を本格的に開始し、事業を全国に拡大。同年、東京証券取引所市場第二部に上場を果たした。
長年親しまれた「ムトウ」から「スクロール」へと商号を変更。EC化の波に対応し、新たなブランドイメージを構築する大きな転換点となった。
自社の通販事業で培ったノウハウを活かし、EC・通販事業者向けの物流代行や決済代行などのソリューション事業を開始。新たな収益の柱を築き始めた。
巣ごもり需要により主力のeコマース事業や、EC事業者向けソリューション事業が大幅に伸長。株価も大きく上昇し、企業価値が再評価された。
物流子会社スクロール360がKDDIエボルバと業務提携。EC・通販事業者向けにフルフィルメントサービスを強化し、事業拡大を加速させる。
2025年3月期決算で4期ぶりの増収増益を達成。成長を再加速させるため、収益基盤の整備を計画し、次なる飛躍を目指す。
注目ポイント
生協向けカタログ通販の老舗から、ECサイトの構築・運営、物流、決済までをトータルで支援するソリューション事業へ進化。時代の変化を捉え、事業構造を転換させる力強さが魅力です。
安定した配当利回りに加え、100株以上でQUOカード、継続保有期間に応じて自社グループECサイトで使える優待ポイントがもらえるなど、株主還元への意識が高い点も推しポイントです。
拡大するEC市場を背景に、他社のECビジネスを裏側で支える物流受託(フルフィルメント)や決済代行事業が好調。まさにEC時代の縁の下の力持ちとして成長が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 60円 | 40.1% |
| FY2022/3 | 64.5円 | 40.3% |
| FY2023/3 | 48円 | 40.2% |
| FY2024/3 | 42円 | 40.0% |
| FY2025/3 | 51.5円 | 41.5% |
| 必要株数 | 100株以上(約13万円) |
| 金額相当 | 約500円〜相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として配当性向40%を目安とした利益還元を掲げており、業績に応じた安定的かつ継続的な分配を重視しています。株主還元への意識は高く、自社株買いや優待制度も活用した総合的なリターン提供を行っています。今後も成長投資と株主還元のバランスを考慮した経営を継続する方針です。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高はFY2021/3の約852億円からFY2024/3には約798億円まで減少しましたが、FY2025/3には4期ぶりの増収増益を達成し、約840億円まで回復しました。これは、eコマース事業における不採算事業の整理や、ソリューション事業の成長が寄与した結果です。足元では堅調に推移しているものの、消費環境の変化に対応した収益構造の適正化が継続的な課題となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 19.4% | 10.4% | 8.7% |
| FY2022/3 | 18.6% | 11.2% | 8.6% |
| FY2023/3 | 13.0% | 7.8% | 7.6% |
| FY2024/3 | 10.9% | 6.9% | 6.7% |
| FY2025/3 | 11.7% | 7.6% | 7.2% |
収益性は、営業利益率がFY2021/3の8.7%からFY2024/3には6.7%まで低下しましたが、直近のFY2025/3には7.2%まで改善傾向にあります。ROE(自己資本利益率)は依然として2桁を維持しており、資本効率への意識は高い水準です。今後は高収益なソリューション事業の拡大と、通販事業におけるコスト構造の改革を通じて、さらなる利益率の向上を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率はFY2025/3時点で65.1%に達しており、強固な財務基盤を築いています。かつては有利子負債ゼロを達成していましたが、成長投資等の資金需要に伴い現在は一部負債を抱えるものの、資産規模に対して十分にコントロールされた水準です。安定した自己資本の蓄積により、不透明な経済環境下でも柔軟な投資行動が可能な状態を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 39.6億円 | -33.1億円 | 26.1億円 | 6.4億円 |
| FY2022/3 | 37.1億円 | -12.1億円 | -34.7億円 | 25.0億円 |
| FY2023/3 | 58.5億円 | -4.1億円 | -23.2億円 | 54.4億円 |
| FY2024/3 | 34.3億円 | -3.3億円 | -59.7億円 | 31.0億円 |
| FY2025/3 | 61.2億円 | -33.0億円 | -46.3億円 | 28.3億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業によるキャッシュ創出能力は強固です。FY2025/3には設備投資や事業展開に向けた支出が拡大したものの、継続してプラスのフリーキャッシュフローを確保できています。財務活動によるキャッシュフローは、配当支払いや自己株式取得などを通じて株主還元を優先する姿勢を反映しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 75.2億円 | 23.4億円 | 31.1% |
| FY2022/3 | 71.0億円 | 15.1億円 | 21.3% |
| FY2023/3 | 61.9億円 | 20.2億円 | 32.6% |
| FY2024/3 | 55.1億円 | 18.6億円 | 33.8% |
| FY2025/3 | 64.2億円 | 21.6億円 | 33.6% |
法人税等の支払いは、税引前当期純利益の変動に応じて推移しています。FY2022/3には特有の税務調整要因により実効税率が一時的に低下しましたが、直近では法定実効税率に近い33%前後の水準で安定しています。将来の税負担についても、現在の利益水準に基づき適正に計画されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 571万円 | 920人 | - |
従業員平均年収は約571万円であり、通販・小売業界の平均水準と比較しても堅実な給与体系を維持しています。近年はEC事業の拡大やBPO・物流受託といったソリューション事業の成長に伴い、収益構造の安定化が賃金水準の底堅さを支える背景となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は丸紅。
株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)を筆頭株主とし、機関投資家による保有割合が高い安定的な構成です。2位には取引関係にある丸紅が名を連ねており、創業家や特定の個人による支配的影響は限定的で、経営の独立性が比較的保たれているといえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業ポートフォリオは、生協向けカタログ通販を核としつつ、EC・通販事業者の物流・決済を代行するソリューション事業を成長エンジンとして展開しています。近年は不採算事業の整理を進める一方で、物流受託などのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)領域での収益多角化を図っており、市場環境の変化に対するリスク対応を強化しています。
この会社のガバナンスは?
ガバナンス体制においては、女性役員比率が20.0%と一定の多様性を確保しています。監査体制としては監査役会設置会社として適正なチェック機能が働いており、連結子会社16社を擁するグループ経営全体における監督強化を継続して進めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 800億円 | — | 840億円 | +5.0% |
| FY2024 | 830億円 | — | 798億円 | -3.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 60億円 | — | 61億円 | +0.9% |
| FY2024 | 61億円 | — | 53億円 | -12.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は明確な中期経営計画を開示していませんが、単年度の業績予想を目標として経営されています。FY2025は期初予想を売上・利益ともに上回る着地となり、予想精度は改善傾向にあります。一方で、FY2024は減収減益で予想を大きく下回るなど、年度によるブレが見られます。安定成長のためには、主力のソリューション事業の継続的な顧客基盤拡大と収益性向上が鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。スクロールのTSRは、FY2021からFY2025までの5年間、一貫してTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特に、コロナ禍のEC需要の高まりを背景に株価が大きく上昇したこと、そして積極的な増配による高い配当利回りが、市場平均を大きく上回る株主還元の実現に繋がりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 396.9万円 | +296.9万円 | 296.9% |
| FY2022 | 331.3万円 | +231.3万円 | 231.3% |
| FY2023 | 339.3万円 | +239.3万円 | 239.3% |
| FY2024 | 406.4万円 | +306.4万円 | 306.4% |
| FY2025 | 441.9万円 | +341.9万円 | 341.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
市場データを見ると、信用倍率が0.23倍と売り残が買い残を大幅に上回っており、将来の株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。一方で、これは将来の買い戻し需要(踏み上げ)のポテンシャルも秘めています。PERは11.5倍と、小売業の業界平均である22.0倍と比較して割安な水準にあり、高配当利回りも相まってバリュー株としての側面が強いと言えます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて純利益を大幅下方修正し、市場心理が冷え込みました。
前期連結決算にて売上高840.3億円、営業利益60.52億円を記録し4期ぶりの増収増益を達成しました。
スクロール360とKDDIエボルバがECフルフィルメント領域における業務提携を発表しました。
最新ニュース
スクロール まとめ
ひとめ診断
「生協向けカタログ通販の老舗が、他社ECの物流・決済を丸ごと請け負う『黒子』事業で安定成長を遂げる二刀流企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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