バルカー
VALQUA,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
見えないところで世界を支える、産業界のシール技術のパイオニア
シールエンジニアリングを核とした独自の技術で、あらゆる産業の進化を支え、安全で豊かな社会の未来を創造すること。
この会社ってなに?
普段私たちが使うスマートフォンやパソコン。その心臓部である半導体は、非常に精密な機械で作られています。その機械の内部でガスや液体が絶対に漏れないように守っているのが、バルカーの「シール」という部品です。また、電気を作る発電所や、ガソリンを作る石油プラントなど、巨大な施設のパイプのつなぎ目から危険な物質が漏れ出すのを防ぐ「パッキン」も作っています。目立たないけれど、現代社会の安全と産業の根幹を支える、まさに縁の下の力持ちのような会社です。
シール製品の老舗大手バルカーは、FY2023に売上高621.8億円、営業利益88.77億円を達成後、市況の変動を受けFY2025は売上高601.1億円、営業利益56.69億円と調整局面にあります。主力の半導体製造装置向け製品が市況の影響を受ける一方、プラント向けなど他事業の安定性が業績を下支えしています。株主還元に積極的で、業績が変動する中でも1株150円の安定配当を維持している点が投資家から評価されています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower 24階
- 公式
- www.valqua.co.jp
社長プロフィール
私たちは創業以来培ってきたシールエンジニアリングを核に、社会の根幹を支える役割を担ってきました。今後はAIなどの先端技術も積極的に取り入れ、単なる製品供給に留まらないソリューションプロバイダーとして、お客様と共に新たな価値を創造し続けます。
この会社のストーリー
創業者である瀧澤喜代松が、工業用パッキンおよびガスケットの製造・販売を開始。日本の近代産業の発展を支える礎を築いた。
日本バルカー工業株式会社として法人化。組織的な事業基盤を確立し、さらなる成長への第一歩を踏み出した。
東京証券取引所市場第二部に株式を上場。社会的な信用を高め、事業拡大を加速させるための資金調達手段を確保した。
創業75周年を機に、社名を「日本バルカー工業株式会社」から現在の「株式会社バルカー」へ変更。グローバル市場への展開を視野に入れた。
半導体ウェーハ再生事業大手のRS Technologiesと資本業務提携。半導体関連事業の強化とシナジー創出を目指す。
AI・ディープラーニング技術のRidge-iと資本業務提携。製造現場のDXを推進し、新たな価値提供を目指す。
成長戦略の加速と企業価値向上を目指す新中期経営計画をスタート。既存事業の強化と新規事業の創出に取り組む。
注目ポイント
プラントや半導体製造装置など、液体や気体の「漏れ」を防ぐシール材で国内トップクラス。社会インフラに不可欠な技術で安定した需要を誇るのが強みです。
業績に応じた安定的な配当を継続しており、配当利回りは業界平均を上回る水準で推移。株主への利益還元を重視する姿勢が魅力です。
既存事業に加え、成長著しい半導体関連事業を強化。さらにAI企業との提携により、製造業のDXを推進するなど、未来への投資にも積極的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 95円 | 54.2% |
| FY2022/3 | 125円 | 45.6% |
| FY2023/3 | 150円 | 39.3% |
| FY2024/3 | 150円 | 53.7% |
| FY2025/3 | 150円 | 56.4% |
株主優待制度は実施していません。
バルカーは長期的な連結業績を考慮しつつ、安定的な配当の継続を基本方針としています。近年の減益局面においても年間配当150円を維持しており、株主還元を重視する経営姿勢が伺えます。今後は業績回復に伴い、配当性向の最適化とさらなる還元強化が期待されます。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
バルカーはシール製品や機能樹脂製品を主力に展開し、FY2023/3期には過去最高の売上高622億円を達成するなど成長を遂げてきました。その後は原材料価格の高騰や半導体市場の調整等の影響により、FY2025/3期まで減益基調が続きました。FY2026/3期は、半導体製造装置向け需要の回復等を見込み、売上高620億円、営業利益70億円へと緩やかな業績回復を予想しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.3% | 5.9% | 7.8% |
| FY2022/3 | 11.8% | 8.0% | 13.1% |
| FY2023/3 | 14.8% | 9.8% | 14.3% |
| FY2024/3 | 10.1% | 6.6% | 11.5% |
| FY2025/3 | 9.3% | 6.0% | 9.4% |
収益性は、FY2023/3期に営業利益率14.3%、ROE(自己資本利益率)14.8%と高い水準を記録しましたが、その後は事業環境の変化により低下傾向にあります。FY2025/3期時点では営業利益率9.4%、ROE 9.3%となっており、効率的な経営を維持しています。高機能素材を武器としたソリューション提供型ビジネスへの転換を通じ、再度利益率の向上を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、長年にわたり無借金経営を継続してきましたが、FY2024/3期に約374億円の有利子負債を計上しました。これは成長投資や事業拡大に向けた戦略的な資金調達と見られ、自己資本比率は64.9%と依然として安定した水準を維持しています。強固な財務基盤を背景に、将来の成長に向けた積極的な投資が可能な状態を保っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 45.9億円 | -23.2億円 | -8.0億円 | 22.6億円 |
| FY2022/3 | 52.3億円 | -37.0億円 | -18.1億円 | 15.3億円 |
| FY2023/3 | 44.0億円 | -13.3億円 | -34.0億円 | 30.7億円 |
| FY2024/3 | 17.6億円 | -47.5億円 | 9.2億円 | -30.0億円 |
| FY2025/3 | 48.7億円 | -48.9億円 | 15.7億円 | -1,700万円 |
営業キャッシュフローは安定的に創出されていますが、近年は将来の成長に向けた積極的な設備投資や事業拡大のための投資支出が先行しています。FY2024/3期以降、投資キャッシュフローが拡大しフリーキャッシュフローがマイナス圏となる時期もありましたが、これは事業基盤強化のための先行投資の結果です。今後、投資の成果が利益に反映されることで、キャッシュフロー創出力の再拡大が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 36.7億円 | 5.8億円 | 15.9% |
| FY2022/3 | 71.9億円 | 23.5億円 | 32.7% |
| FY2023/3 | 90.3億円 | 22.8億円 | 25.3% |
| FY2024/3 | 74.0億円 | 24.9億円 | 33.7% |
| FY2025/3 | 60.0億円 | 13.2億円 | 22.1% |
法人税等の支払いは税引前利益の変動に伴って増減しており、一般的な法定実効税率の範囲内で推移しています。FY2021/3期は税率が低めでしたが、その後は概ね30%前後で推移しており、業績に応じた適切な納税が行われています。FY2025/3期は一時的に税率が低下していますが、概ね安定的な水準です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 867万円 | 1,536人 | - |
従業員平均年収は867万円と化学業界の中でも高水準を維持しており、シール材事業における高い技術力と収益性が従業員への還元に結びついています。プラントや半導体装置向けの高付加価値製品を扱う強固なビジネスモデルが、この安定した給与水準を支える源泉となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は三井住友銀行。
株主構成は機関投資家が上位を占める一方で、創業家ゆかりの人物や共栄会も一定の議決権を保持しており、安定株主と市場のバランスがとれた構造です。日本マスタートラスト信託銀行および日本カストディ銀行が合計20%以上の株式を保有しており、中長期的な視点での資本政策が重視される傾向にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社はシール製品事業、機能樹脂製品事業、シリコンウエハーリサイクル事業を軸に展開しており、半導体・エネルギー関連市場の動向が事業リスクに直結します。連結子会社14社を通じたグローバル展開を進めつつ、製品の安定供給と技術革新による市場優位性の維持を重視しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%を達成しており、ジェンダーダイバーシティの推進において先進的な取り組みを行っています。監査体制としては5,800万円の監査報酬を支払うなど厳格なモニタリング体制を構築しており、14の連結子会社を擁するグループ全体で適切なガバナンスとリスク管理を徹底しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 625億円 | — | 601億円 | -3.8% |
| FY2024 | 620億円 | — | 617億円 | -0.4% |
| FY2023 | 560億円 | — | 622億円 | +11.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 65億円 | — | 57億円 | -12.8% |
| FY2024 | 75億円 | — | 71億円 | -5.3% |
| FY2023 | 65億円 | — | 89億円 | +36.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去の中計「NF2022」は、半導体市場の活況を追い風に売上・利益ともに目標を大幅に上回って達成しました。しかし、現行の中計「New Frontier 2026」では、半導体市況の調整局面に入り、初年度から目標に対してビハインドとなっています。近年の業績予想は、FY2023に大幅な上方修正があったものの、直近2期は期初予想を下回る傾向にあり、外部環境の変化に対する業績のボラティリティの高さが課題です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2022以降、TOPIXを一貫してアウトパフォームしています。特に半導体市場が活況を呈したFY2024にはTSRが322.9%に達し、TOPIX(216.8%)を100ポイント以上も上回りました。これは好調な業績を背景とした株価上昇と、積極的な配当政策が組み合わさった結果です。市況変動の影響を受けつつも、株主価値向上への強い意識がTSRに反映されています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 127.2万円 | +27.2万円 | 27.2% |
| FY2022 | 164.5万円 | +64.5万円 | 64.5% |
| FY2023 | 218.0万円 | +118.0万円 | 118.0% |
| FY2024 | 322.9万円 | +222.9万円 | 222.9% |
| FY2025 | 215.7万円 | +115.7万円 | 115.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.43倍と均衡しており、短期的な過熱感は見られません。業界平均と比較すると、PBR(株価純資産倍率)と配当利回りが高く、資本効率と株主還元を重視する投資家からの評価が高いことがうかがえます。一方、PERは業界平均並みであり、成長性については標準的な評価と言えるでしょう。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
巡回点検工数をゼロにする新機能「ZeroVisit™」の提供を開始し、DX推進を加速。
2026年3月期第2四半期連結中間決算を発表。経常損益3,081百万円を計上。
2026年3月期第3四半期決算を発表。経常損益4,860百万円を達成し堅調な業績を維持。
最新ニュース
バルカー まとめ
ひとめ診断
「半導体からプラントまで、あらゆる産業の『漏れ』を防ぐ技術で稼ぐ、地味ながら超重要なシール材の巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「化学」に分類される他の企業
インクと樹脂の老舗が、EVから化粧品まで手掛ける『色の総合商社』として資産価値の再評価を待つ状態
メラミン化粧板国内首位、インド大型買収で建装建材のグローバル展開を加速する化学メーカー
産業ガス国内2位、M&Aで事業多角化を推進してきたが不適切会計の発覚で信頼回復が最大課題
食品からスマホまで支える包装材の老舗が、汎用事業を売却し、医薬・先端材料分野へ大胆に舵を切る構造改革の真っただ中
DDS製剤原料から宇宙ロケット推進薬まで、営業利益率19%のニッチトップ化学メーカー
マテリアル・住宅・ヘルスケアの三本柱で暮らしと社会を支える総合化学メーカー
『セロテープ®』の会社が、絆創膏と湿布で稼ぐ、実は"貼る"技術の総合デパート
農薬国内首位・液晶配向膜世界トップ、営業利益率22%超の"稼ぐ化学"。1,000億円M&A枠で攻めに転じる高収益メーカー