東亞合成
TOAGOSEI CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
アロンアルフアの会社が「くっつける技術」で未来をつなぐ!PBR改革と配当・優待で投資家も引きつける
化学のチカラで、健やかで豊かな社会の創造を目指す。
この会社ってなに?
皆さんが一度は使ったことがあるであろう瞬間接着剤「アロンアルフア」を作っている会社です。それだけでなく、スマートフォンや電気自動車に使われる半導体やリチウムイオン電池の材料、街中の古い下水道管を修復する特殊な樹脂製品も手がけています。私たちの身近な暮らしからインフラまで、見えないところで社会を支えている化学メーカーです。
東亞合成は1944年創立のアクリル酸エステルに強みを持つ中堅化学メーカーで、基幹化学品・高機能品・接着材料の3セグメントを展開しています。「アロンアルフア」ブランドの瞬間接着剤でも知られ、半導体・モビリティ・メディカル・下水道を成長4領域に位置づけています。FY2025/12は売上高1,623億円、営業利益142億円と堅調に推移。FY2026/12は売上高1,670億円・営業利益145億円の増収増益を見込みます。2026-2028年の新中期経営計画「Connect and Create 2028」では2028年12月期に売上高1,800億円・営業利益180億円を掲げ、PBR1倍回復と資本効率改善に本格的に取り組んでいます。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都港区西新橋一丁目14番1号
- 公式
- www.toagosei.co.jp
社長プロフィール
「Connect and Create(共創で未来を拓く)」を掲げ、お客様、パートナー、社員とともに新しい価値を創造します。半導体やモビリティなど成長分野への投資を加速し、PBR1倍回復を必ず実現してまいります。
この会社のストーリー
日本曹達と三井化学工業の合併により東亞合成化学工業として発足。無機化学品の製造からスタートしました。
瞬間接着剤「アロンアルフア」を発売。CM戦略も功を奏し、一般消費者にも広く知られるブランドへと成長しました。
半導体やリチウムイオン電池向けの高機能ポリマー分野に本格参入し、素材メーカーとしての新たな成長軸を構築しました。
小淵秀範氏が社長に就任。PBR1倍割れの解消に向け、資本効率の改善と成長投資の両立という難題に挑戦します。
「Connect and Create 2028」の最終年度に売上高1,800億円・営業利益率10%を目指し、半導体材料拡販やM&Aで企業価値向上を実現します。
注目ポイント
4期連続増配に加えて株主優待を新設。アロンアルフアやカタログギフトがもらえ、配当と合わせた総合利回りは6%超と魅力的です。
半導体封止材やリチウムイオン電池材料など、次世代テクノロジーを支える高機能材料の開発と拡販に注力しています。
実質無借金経営に近い強固な財務体質が特徴。BPS2,000円超に対して株価は割安水準にあり、PBR改善余地が大きい点も注目ポイントです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 26円 | 24.8% |
| FY2017/3 | 26円 | 26.5% |
| FY2018/3 | 28円 | 28.9% |
| FY2019/3 | 30円 | 38.0% |
| FY2020/3 | 30円 | 48.1% |
| FY2021/3 | 36円 | 33.3% |
| FY2022/3 | 36円 | 35.5% |
| FY2023/3 | 53円 | 51.6% |
| FY2024/3 | 60円 | 57.4% |
| FY2025/3 | 65円 | 55.5% |
| 必要株数 | 100株以上(約17万円) |
| 金額相当 | 約4,000円相当(1年以上保有時) |
| 権利確定月 | 12月 |
| 長期特典 | 3年以上保有でカタログギフトが4,000円相当にグレードアップ |
年間配当金はFY2021/12の36円からFY2025/12の65円へ4期連続増配となり、5年間で約81%増加しました。配当利回りは3.82%と化学セクター平均を上回る水準。FY2026/12は70円への更なる増配が予想されています。加えて2025年に株主優待を新設し、100株以上を1年以上保有でアロンアルフアやカタログギフトが贈呈されるため、配当+優待の総合利回りは約6%超と魅力的な水準です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
過去5年間で売上高は約1,563億円から1,623億円へ緩やかに推移しています。FY2021/12は営業利益177億円と好調でしたが、原材料高騰の影響でFY2023/12に125億円まで落ち込みました。FY2024/12以降は回復基調に入り、FY2025/12は純利益が128億円と前年比7.5%増。FY2026/12は売上高1,670億円・営業利益145億円の増収増益を見込んでおり、新中計の初年度として成長軌道への回帰を目指しています。
事業ごとの売上・利益
苛性ソーダ・塩酸・次亜塩素酸ソーダなど無機化学品と、アクリル酸エステル・高吸水性樹脂などアクリル関連製品を展開。安定した需要基盤を持つ祖業
半導体・電子材料向け高機能ポリマー、リチウムイオン電池材料、UV硬化型樹脂、メディカル用途素材を展開。成長4領域(半導体・モビリティ・メディカル・下水道)の中核
瞬間接着剤「アロンアルフア」を軸に工業用・医療用接着剤を展開。ブランド力と高いシェアを持つ安定収益源
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.0% | 5.3% | - |
| FY2022/3 | 7.0% | 4.7% | - |
| FY2023/3 | 8.4% | 4.5% | - |
| FY2024/3 | 7.2% | 4.3% | 8.5% |
| FY2025/3 | 7.4% | 4.4% | 8.7% |
営業利益率はFY2021/12の11.3%から低下傾向にありましたが、FY2024/12の8.5%を底に回復基調に転じています。ROEは5%台後半で推移しており、自己資本比率が74%と高いことがROEを押し下げる要因に。新中計では営業利益率10%・ROE改善を掲げ、高機能品へのポートフォリオ転換と自社株買いによる資本効率向上を進めています。
財務は安全?
総資産は5年間で約2,590億円から2,891億円へ拡大し、自己資本比率は74%超を安定的に維持する極めて堅固な財務体質です。FY2024/12に成長投資のため有利子負債約222億円を計上しましたが、FY2025/12もほぼ同水準にとどまり健全性を維持。BPS(1株純資産)は1,614円から2,002円へ着実に増加しており、PBR0.85倍は1株純資産に対して割安な状態を示しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 212億円 | -102億円 | -86.4億円 | 110億円 |
| FY2022/3 | 110億円 | -35.8億円 | -94.6億円 | 74.1億円 |
| FY2023/3 | 216億円 | -35.3億円 | -155億円 | 181億円 |
| FY2024/3 | 202億円 | -136億円 | -145億円 | 65.9億円 |
| FY2025/3 | 223億円 | -296億円 | -45.0億円 | -73.4億円 |
営業CFは年間100億円から220億円超の範囲で安定的に創出されています。FY2025/12はFCFがマイナス73億円となりましたが、これは成長投資のため投資CFが296億円と大幅に増加したことが主因です(中国新子会社設立、半導体材料設備等)。財務CFでは配当支払いや自社株買いを通じた株主還元を継続しており、堅実なキャッシュ創出力が持続的な成長投資と株主還元の両立を支えています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 190億円 | 52.1億円 | 27.5% |
| FY2022/3 | 164億円 | 39.5億円 | 24.0% |
| FY2023/3 | 145億円 | 23.2億円 | 16.0% |
| FY2024/3 | 160億円 | 41.2億円 | 25.7% |
| FY2025/3 | 151億円 | 23.0億円 | 15.3% |
法人税等の支払額は5年間で約52億円から23億円へ変動しており、実効税率は15%台から27%台と年度によって振れ幅があります。FY2023/12の16.0%やFY2025/12の15.3%は税効果会計の影響と推定され、FY2026/12予想では20.7%と標準的な水準に回帰する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 740万円 | 2,680人 | - |
平均年収は726万円で化学業界の中では標準的な水準です。平均年齢43歳・平均勤続年数19年と長期勤続者が多い安定した組織構成が特徴。連結従業員数は2,609名で、成長分野への人材投資を含めた堅実な事業運営を行っています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 主な安定株主は東亞合成グループ社員持株会氏・三井住友銀行・東亞合成取引先持株会。
信託銀行経由の機関投資家が約21%を保有し、三井住友銀行(4.7%)や取引先持株会(4.4%)など安定株主が一定割合を占める構成です。外国法人の保有比率は18.8%と化学業界平均並み。社員持株会が2.8%を保有しており、従業員の経営参加意識の高さが窺えます。個人株主比率は23%超と比較的高く、株主優待の新設による個人投資家の裾野拡大が期待されます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 基幹化学品事業 | 約700億円 | 約50億円 | 約7% |
| 高機能品事業 | 約500億円 | 約65億円 | 約13% |
| 接着材料事業 | 約350億円 | 約35億円 | 約10% |
研究開発費
政策保有株式(持ち合い株)
基幹化学品・高機能品・接着材料の3セグメントで事業を展開しています。高機能品事業(営業利益率約13%)が利益の柱であり、半導体材料では2028年12月期までにFY2025比4割増の拡販を計画しています。役員報酬は取締役7名に対し総額1億5,800万円で化学業界としては標準的な水準。研究開発費は売上高比約4.9%で、半導体・モビリティ・メディカル分野の新製品開発に注力しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%で改善傾向にあり、多様な視点を取り入れた意思決定体制の構築を進めています。連結子会社20社を擁し、監査等委員会設置会社として強固な監督機能を有しています。設備投資額は269億円と積極的で、半導体材料や電子材料への成長投資を加速させています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1,683億円 | — | 1,676億円 | -0.4% |
| FY2025 | 1,650億円 | — | 1,623億円 | -1.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 140億円 | — | 142億円 | +1.7% |
| FY2025 | 150億円 | — | 142億円 | -5.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中期経営計画ではROE8%以上・営業利益180億円を掲げましたが、原材料高騰や市況低迷の影響でいずれも未達に終わりました。業績予想の精度は売上高でやや下振れ傾向があり、営業利益は直近で5.6%の下方乖離。新中計「Connect and Create 2028」では2028年12月期に売上高1,800億円・営業利益180億円・営業利益率10%を再び掲げており、半導体分野での拡販(FY2025比4割増)や資本効率改善による達成を目指しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は136.3%とプラスリターンを生んでいますが、TOPIXの182.5%に対してはアンダーパフォームとなっています。PBR1倍割れが継続していることが株価の重しとなっており、新中計での資本効率改善策(自社株買い・政策保有株式縮減等)がTSR改善の鍵を握ります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 97.7万円 | -2.3万円 | -2.3% |
| FY2022 | 96.2万円 | -3.8万円 | -3.8% |
| FY2023 | 95.6万円 | -4.4万円 | -4.4% |
| FY2024 | 120.2万円 | +20.2万円 | 20.2% |
| FY2025 | 136.3万円 | +36.3万円 | 36.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは15.7倍と化学セクター平均とほぼ同水準ですが、PBR0.85倍はセクター平均の約1.2倍を大きく下回っており、純資産に対して割安な評価を受けています。配当利回りは3.82%とセクター平均を上回り、インカム投資の観点では魅力的。信用倍率は0.39倍と売り残が少なく買い優勢の状況で、PBR1倍回復に向けた施策への期待が窺えます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
新中期経営計画「Connect and Create 2028」を発表。2028年12月期に売上高1,800億円・営業利益180億円を目指す。
2025年12月期決算を発表。純利益は前期比7.5%増の127億円となり、アナリスト予想平均を上回る着地。
中国に新子会社を設立し、半導体や電子材料分野の深掘りを推進。
小淵秀範氏が代表取締役社長COOに就任。「M&Aや提携で時間と技術も買う」と成長戦略を表明。
最新ニュース
東亞合成 まとめ
ひとめ診断
「瞬間接着剤アロンアルフアから半導体材料まで、PBR1倍回復を目指す化学の老舗」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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