石原産業
ISHIHARA SANGYO KAISHA,LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
酸化チタンと農薬の二刀流で、世界の暮らしと食を支える化学メーカー
化学の力で生活環境と食糧生産に貢献し、人と地球の未来を豊かにすることを目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段何気なく目にしている「白」の裏側には、石原産業の技術が隠れています。例えば、家の壁紙や自動車の塗料、日焼け止めやファンデーションといった化粧品の多くは、同社の主力製品である『酸化チタン』によって、その美しい白さが実現されています。また、スーパーに並ぶ新鮮な野菜やお米が安定的に供給されるのも、同社が開発する農薬が病気や害虫から作物を守っているからです。このように、石原産業は私たちの快適な生活と食の安全を、目に見えない化学の力で支えている会社なのです。
酸化チタン国内最大手の石原産業は、農薬などの有機化学事業を新たな収益の柱として成長を加速させています。FY2025実績では売上高1,452.0億円、営業利益104.82億円を計上し、安定した収益基盤を維持。株主還元にも積極的で、FY2025には1株あたり85円と大幅な増配を実施しました。現在は中期経営計画「StageⅡ」を推進中で、FY2026には営業利益150億円という高い目標を掲げ、収益力改善フェーズに入っています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目3-15
- 公式
- www.iskweb.co.jp
社長プロフィール

私たちは、創業以来培ってきた技術を基盤に、無機化学事業と有機化学事業の両輪で持続的成長を目指しています。中期経営計画のもと、収益力の改善と企業価値の向上に努め、株主様をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
石原圓三が、南洋での鉱山開発を目的に「南海産業」を設立。これが石原産業の始まりとなった。
三重県に四日市工場を設立し、酸化チタンの生産を開始。化学メーカーとしての礎を築いた。
東京・大阪・名古屋の各証券取引所に株式を上場。企業として社会的な信用を得て、さらなる発展を目指す。
酸化チタン事業に続く第二の柱として農薬事業を開始。食糧問題の解決に貢献する道を開いた。
酸化チタン製造技術を応用し、高純度酸化チタンやチタン酸バリウムなど電子材料の開発を開始。事業の多角化を進めた。
長年の研究開発が実り、動物用医薬品が米国で条件付き承認を取得。新たな市場への展開を加速させた。
株式会社村田製作所との合弁で「MFマテリアル株式会社」を設立。電子部品材料事業の競争力を強化した。
中期経営計画の目標達成に向け、収益力の改善と持続的成長を目指す。農薬事業を牽引役に、企業価値の最大化を図る。
注目ポイント
白色顔料などに使われる酸化チタンの国内最大手。長年培った技術力で、塗料から電子材料まで幅広い産業の基盤を支えています。
もう一つの柱である農薬事業は、新興国を中心に海外展開を加速しており、会社の利益成長を力強く牽引しています。
業績向上を背景に、安定配当を基本としつつも増配を積極的に実施しています。2024年3月期には前期から大幅な増配となり、株主への還元意欲の高さが魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 12円 | 5.5% |
| FY2020/3 | 20円 | 33.9% |
| FY2021/3 | 18円 | 21.3% |
| FY2022/3 | 36円 | 12.3% |
| FY2023/3 | 42円 | 23.9% |
| FY2024/3 | 70円 | 33.4% |
| FY2025/3 | 85円 | 38.6% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、業績動向および財務状況を総合的に勘案した安定的な配当の継続を基本としています。近年は利益成長に伴い増配傾向が顕著であり、配当性向も適度な水準に高まっています。今後も成長投資とのバランスを重視しつつ、株主還元の拡充を図る姿勢です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
石原産業は酸化チタンや農薬を主力とする化学メーカーであり、直近の業績は売上高1,451億円と堅調に推移しています。FY2022/3には利益が急伸し、その後も高水準を維持しており、FY2026/3予想では過去最高水準の営業利益150億円を見込んでいます。農薬販売の好調と機能材料の安定した需要が、収益を押し上げる主要な要因となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.7% | 1.9% | - |
| FY2022/3 | 9.5% | 6.3% | - |
| FY2023/3 | 9.8% | 3.4% | - |
| FY2024/3 | 7.3% | 3.6% | 8.3% |
| FY2025/3 | 7.6% | 3.7% | 7.2% |
当社の収益性は、酸化チタン市況や農薬事業の動向に左右される傾向があります。特にFY2022/3には営業利益率が10.4%まで上昇し、高い収益性を発揮したものの、その後は原材料費の高騰などで7%前後の水準で推移しています。今後、機能材料分野の強化により、収益性の安定的な向上を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
財務健全性は総じて良好であり、自己資本比率は50.8%まで改善しています。FY2024/3には有利子負債が1,550億円発生しましたが、FY2025/3には139億円まで圧縮され、負債の削減と自己資本の積み増しが着実に進んでいます。強固な財務基盤を背景に、将来の成長投資を支える体制を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 47.5億円 | -61.6億円 | 63.6億円 | -14.1億円 |
| FY2022/3 | 165億円 | -43.2億円 | -116億円 | 122億円 |
| FY2023/3 | -60.2億円 | -50.2億円 | 10.5億円 | -110億円 |
| FY2024/3 | -28.1億円 | -70.4億円 | 115億円 | -98.5億円 |
| FY2025/3 | 183億円 | -114億円 | -23.4億円 | 69.2億円 |
営業キャッシュフローは事業環境により変動が激しいものの、FY2025/3には約183億円のプラスを確保し、強固な稼ぐ力を証明しました。積極的な設備投資を継続しつつ、フリーキャッシュフローも黒字転換を果たしています。今後は安定的なキャッシュ創出を通じて、負債の返済や株主還元を両立させる方針です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 59.4億円 | 25.7億円 | 43.3% |
| FY2022/3 | 133億円 | 15.8億円 | 11.9% |
| FY2023/3 | 103億円 | 34.0億円 | 32.9% |
| FY2024/3 | 149億円 | 68.6億円 | 46.2% |
| FY2025/3 | 114億円 | 29.8億円 | 26.2% |
法人税等の支払額は税引前利益の増減に伴い変動しています。特にFY2022/3は一時的な税務要因等により実効税率が低位となりましたが、直近では通常の水準に回帰しています。今後も業績に連動した適切な納税が継続される見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 716万円 | 1,807人 | - |
従業員平均年収は716万円と、化学業界における中堅企業として安定した水準を維持しています。売上の主軸である農薬事業の好調や、高機能材料の利益寄与が反映され、業績連動型の報酬が機能している背景があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は三井物産・東亞合成・MURAKAMI TAKATERU (常任代理人)三田証券。
株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が上位を占める機関投資家主導の構造です。また、三井物産や東亞合成といった事業会社、および村上世彰氏関連の投資ファンドの存在が特徴的であり、中長期的な企業価値向上に向けた外部からのモニタリングが働きやすい環境にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によれば、有機化学事業(農薬)と無機化学事業(酸化チタン)の2本柱を軸に収益を構成しています。原材料価格の変動や為替リスクを事業リスクとして抱えていますが、グローバルな需要獲得に向けた構造改革が進行中です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.0%と、さらなる多様性の確保が求められる段階です。監査体制については監査報酬8,600万円を投じて実効性を担保しており、19社の連結子会社を抱える企業規模に見合ったガバナンス体制の構築に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 150億円 | — | — | 進行中 |
| FY2025 | 100億円 | — | 105億円 | +4.8% |
| FY2024 | 110億円 | — | 115億円 | +4.5% |
| FY2023 | 100億円 | — | 86億円 | -13.7% |
| FY2022 | 63億円 | — | 116億円 | +83.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中期経営計画(FY2021-23)では売上目標を達成したものの、原材料価格の高騰などの影響で営業利益は未達となりました。一方で、業績予想の精度はFY2022に大幅な上方乖離があったものの、近年は比較的安定しています。現在進行中の「StageⅡ」では、FY2026に営業利益150億円という野心的な目標を掲げており、農薬事業の成長と無機化学事業の収益性改善が達成の鍵となります。配当目標は既に前倒しで達成しており、株主還元への意識の高さが伺えます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間にわたりTOPIXを一貫してアウトパフォームしています。特にFY2024以降はその差が拡大しており、FY2025には自社TSRが368.7%に達し、TOPIX(213.4%)を150ポイント以上も上回りました。この力強いパフォーマンスは、農薬事業の成長を背景とした安定的な業績向上と、それに伴う大幅な増配など積極的な株主還元策が、株価上昇と配当の両面から投資家に評価された結果と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 168.3万円 | +68.3万円 | 68.3% |
| FY2022 | 204.9万円 | +104.9万円 | 104.9% |
| FY2023 | 219.4万円 | +119.4万円 | 119.4% |
| FY2024 | 350.5万円 | +250.5万円 | 250.5% |
| FY2025 | 368.7万円 | +268.7万円 | 268.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は47.8倍と高く、信用買い残が積み上がっている状況で、短期的な需給の悪化には注意が必要です。将来の売り圧力となる可能性があります。一方、業界平均と比較するとPER・PBRは割安な水準にあり、配当利回りは平均を上回っています。PBRが1倍を割れていることから、市場からはまだ成長ポテンシャルを完全に織り込まれていないと見ることができ、今後の株価上昇余地があるとも考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第40回ネプコンジャパンにて、低温接合Cu材料等の高機能材料を発表。
富士チタン工業の分割とMFマテリアル設立による事業ポートフォリオの再編を実施。
可視光吸収率99.0%超の顔料「LUSHADE BLACK」を発表し市場へ投入。
最新ニュース
石原産業 まとめ
ひとめ診断
「『白』の化学で世界を支え、農薬事業を成長エンジンにPBR1倍超えを目指す老舗メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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