ニフコ
NIFCO INC.
最終更新日: 2026年3月29日
小さな樹脂ファスナーで世界の自動車を動かす、グローバル技術集団
お客様や社会の課題に向き合い、独創的な『"アイデア"を"カタチ"』にすることで、より良い世の中の実現に貢献する会社を目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段乗っている自動車。そのバンパーやドアの内張り、ダッシュボードなどが、どうやってしっかりと固定されているか考えたことはありますか?実は、それらの部品を『パチン』と留めている目に見えない小さなクリップや留め具の多くをニフコが作っています。普段は目に付きませんが、金属ネジの代わりになることでクルマを軽くし、燃費を良くしたり、走行中のガタガタ音を減らしたりと、あなたのカーライフを陰で支える重要な役割を果たしているのです。ニフコの技術は、世界中の自動車メーカーに採用されています。
自動車向け工業用プラスチックファスナーのグローバル大手。FY2025決算では、売上高3,530.4億円(前期比5.0%減)ながら、営業利益は492億円(同12.0%増)と過去最高益を達成しました。EV化に伴う車体軽量化ニーズを追い風に高付加価値製品が伸長し、営業利益率は13.9%と高い収益性を誇ります。FY2026の会社計画では売上高3,480億円、営業利益495億円とさらなる利益成長を見込んでおり、継続的な収益性向上が注目されます。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横須賀市光の丘5-3
- 公式
- www.nifco.com
社長プロフィール

長期ビジョン『"アイデア"を"カタチ"にする会社』のもと、お客様や社会の課題解決に貢献します。2024年度からは新中期経営計画『NIFCO GLOCAL STRATEGY』を始動し、グローバルとローカルの視点を融合させ、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。
この会社のストーリー
「日本工業ファスナー株式会社」として設立。金属が主流だった時代に、軽量で錆びない工業用プラスチックファスナーの製造・販売を開始した。
創業から12年で東京証券取引所市場第二部に上場。独自の技術力と安定した成長性が評価され、社会的な信用を高めた。
台湾に初の海外拠点を設立。これを皮切りに米国、欧州、アジアへと積極的に進出し、世界中の自動車メーカーへの供給体制を築き始めた。
グローバル企業としてのブランドイメージを確立するため、広く浸透していた愛称「Nifco」を正式な社名に変更した。
ドイツの自動車部品メーカーKTSグループを買収。欧州の主要自動車メーカーとの取引を拡大し、グローバルでの存在感を一気に高めた。
コロナ禍による世界的な自動車減産という厳しい事業環境に直面。しかし、強固なグローバル供給網と財務基盤でこの難局を乗り越えた。
新たな3ヶ年ローリング型中期経営計画「NIFCO GLOCAL STRATEGY」をスタート。EV化など自動車業界の変革に対応し、持続的成長を目指す。
注目ポイント
自動車の軽量化や組立効率化に貢献するプラスチック製ファスナー(留め具)で世界トップシェアを誇る。目に見えない小さな部品が、世界の自動車産業を支えている。
グローバルな事業展開により安定した収益を確保。配当性向30%以上、総還元性向50%以上という高い株主還元方針を掲げ、投資家への利益配分にも積極的。
EV(電気自動車)化や自動運転といった次世代自動車の進化に対応する新製品を開発。サステナビリティにも配慮し、事業を通じて未来のクルマ社会に貢献している。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 53円 | 29.3% |
| FY2022/3 | 62円 | 27.3% |
| FY2023/3 | 64円 | 30.3% |
| FY2024/3 | 64円 | 34.9% |
| FY2025/3 | 75円 | 16.2% |
現在、株主優待制度は廃止されており実施していません。
ニフコは株主還元を経営の重要課題と位置づけ、2025年9月より配当性向30%以上かつ総還元性向50%以上という新たな方針を掲げています。業績の成長に合わせて配当額を増やす姿勢を維持しており、資本効率を意識した還元が特徴です。財務体質が盤石であるため、今後も安定した配当の維持と機動的な自己株式取得が期待されます。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ニフコの業績は、自動車用ファスナーやプラスチック部品の安定した需要を背景に成長を続けており、FY2025/3には当期純利益が約448億円と過去最高水準を記録しました。原材料価格の上昇や為替変動といった外部環境の影響を受けつつも、高付加価値製品の販売が功を奏し収益基盤を強化しています。FY2026/3予想では若干の減収減益を見込んでいますが、引き続き強固な事業ポートフォリオを維持する計画です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.3% | 6.0% | 10.8% |
| FY2022/3 | 11.4% | 6.9% | 10.8% |
| FY2023/3 | 9.4% | 5.9% | 10.7% |
| FY2024/3 | 7.4% | 4.8% | 11.8% |
| FY2025/3 | 16.1% | 11.8% | 13.9% |
収益性は非常に高く、特にFY2025/3には営業利益率が13.9%、ROE(自己資本利益率)が16.1%に大幅改善しました。これは製造プロセスの効率化や価格転嫁の進展が、利益率向上に大きく寄与した結果です。ROA(総資産利益率)も11.8%と高い水準を維持しており、資産を効率的に活用して利益を生み出す体制が整っています。
財務は安全?
財務健全性は極めて良好であり、自己資本比率は72.4%と高い安定性を誇ります。かつては無借金経営に近い状態でしたが、現在は戦略的な投資に向けた資金調達により有利子負債を抱えつつも、自己資本の積み上げによって盤石な財務基盤を形成しています。潤沢なネットアセット(純資産)を背景に、将来的な成長投資や株主還元へ柔軟に対応できる余力があります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 399億円 | -126億円 | -203億円 | 274億円 |
| FY2022/3 | 317億円 | -94.8億円 | -135億円 | 223億円 |
| FY2023/3 | 373億円 | -115億円 | -174億円 | 257億円 |
| FY2024/3 | 473億円 | -81.3億円 | -260億円 | 391億円 |
| FY2025/3 | 542億円 | -239億円 | -352億円 | 303億円 |
営業キャッシュフローは堅調に推移し、事業活動で稼ぎ出すキャッシュは年間約542億円に達し、高いキャッシュ創出力を示しています。この資金をもとに、将来の成長に向けた積極的な設備投資や研究開発を実施しつつ、財務CFでは配当や自己株式取得を通じた株主還元を継続しています。フリーキャッシュフロー(FCF)は恒常的にプラスを維持しており、健全な循環体制が確立されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 295億円 | 111億円 | 37.7% |
| FY2022/3 | 336億円 | 106億円 | 31.7% |
| FY2023/3 | 379億円 | 167億円 | 44.1% |
| FY2024/3 | 497億円 | 314億円 | 63.2% |
| FY2025/3 | 521億円 | 73.8億円 | 14.2% |
法人税等の支払いは、連結業績の変動や税効果会計、海外拠点の税制の影響を受けて推移しています。FY2024/3には一時的な要因等により実効税率が63.2%へと高まりましたが、FY2025/3には税負担が軽減され14.2%となりました。今後は税負担が平準化され、38%程度の一般的な水準へ戻ると予想されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 710万円 | 9,041人 | - |
従業員の平均年収は710万円であり、製造業界の平均と比較しても高い水準を維持しています。長年培った精密成形技術を強みに自動車メーカーとの取引を深め、堅調な業績が従業員への還元に結びついていると言えます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は公益財団法人小笠原敏晶記念財団・GOLDMAN, SACHS & CO. REG (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券)・日本生命保険相互会社。
ニフコの株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占めており、機関投資家による安定的な保有が特徴です。また、公益財団法人小笠原敏晶記念財団が10%超を保有する主要株主として名を連ねており、創業家や関連団体による一定の影響力が維持されている構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、主力事業は自動車用内装・外装部品や工業用ファスナーの製造であり、グローバル拠点での生産管理が重要です。主なリスク要因には、原材料価格の変動や自動車産業全体の生産動向、為替変動による収益への影響が挙げられ、多角的な供給体制によるリスク分散が図られています。
この会社のガバナンスは?
同社は東証プライム上場企業として高いガバナンス基準を有しており、社外取締役比率が60%を超え、女性役員比率も25.0%と多様性に配慮した体制です。連結子会社46社を擁するグローバル企業として、指名・報酬・ガバナンス委員会の設置や監査報酬の適切な支出を通じて、持続可能な経営基盤の強化を推進しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,400億円 | — | 3,530億円 | +3.8% |
| FY2024 | 3,225億円 | — | 3,716億円 | +15.2% |
| FY2023 | 3,050億円 | — | 3,218億円 | +5.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 450億円 | — | 492億円 | +9.3% |
| FY2024 | 355億円 | — | 439億円 | +23.7% |
| FY2023 | 315億円 | — | 344億円 | +9.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2024年4月に開始した新中期経営計画「Nifco Glocal Strategy」では、FY2027に売上高4,000億円、営業利益550億円を目標に掲げています。初年度であるFY2025実績は売上高3,530億円、営業利益492億円と順調な滑り出しを見せています。過去の業績予想は保守的で、期初予想を大幅に上回って着地する傾向があり、計画達成に向けた実行力には信頼がおけると言えるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2024までは概ねTOPIXを上回るパフォーマンスを示していましたが、FY2025はTOPIXの213.4%に対し201%とアンダーパフォームしました。これは、株価が過去最高値圏にあったTOPIXの上昇ペースに追随できなかったことが主な要因です。ただし、同社はFY2025に前期比で増配を実施しており、株主還元への意識は高く、今後の株価パフォーマンス回復によるTSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 210.7万円 | +110.7万円 | 110.7% |
| FY2022 | 149.7万円 | +49.7万円 | 49.7% |
| FY2023 | 202.5万円 | +102.5万円 | 102.5% |
| FY2024 | 211.5万円 | +111.5万円 | 111.5% |
| FY2025 | 201.0万円 | +101.0万円 | 101.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPERは14.4倍と業界平均(化学)の15.0倍と比較してほぼ同水準ですが、PBRは1.58倍とやや割高感があります。これは、同社の高い収益性や成長期待が株価に織り込まれていることを示唆しています。信用倍率は0.79倍(2026年2月27日時点)と売り残が多く、株価上昇局面では買い戻しによるさらなる上昇(踏み上げ)も期待される状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
パ・リーグとのオフィシャルスポンサー契約の継続を発表し、ブランド認知拡大を図る。
第2四半期決算にて経常利益15%増益を達成し、市場の期待を上回る成長を見せた。
新たな役員人事を公表し、持続的なガバナンス強化に向けた体制を整備した。
最新ニュース
ニフコ まとめ
ひとめ診断
「クルマの軽量化を支える『見えないクリップ』のグローバル王者、高収益体質で最高益を更新中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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