日本曹達
Nippon Soda Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月27日
農薬と高機能化学品で、世界の食と暮らしを支える100年企業
長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」を掲げ、化学の力で社会課題を解決し、人々の暮らしや産業の持続的な発展に貢献することで、未来を輝かせる企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたがスーパーで手にする新鮮な野菜や果物。その多くは、日本曹達が開発した農薬によって病気や害虫から守られています。風邪をひいた時に飲む錠剤が、体の中でうまく溶けて効き目を届けるのを助ける「つなぎ」の成分(医薬品添加剤)でも、実は国内トップシェアを誇ります。さらに、あなたが普段使っているスマートフォンの鮮やかな画面の裏側で、次世代の有機ELディスプレイ材料の開発にも、同社の技術が活かされているのです。
農薬事業と化学品事業を両輪に、FY2023に過去最高益(営業利益168.9億円)を達成した老舗化学メーカー。直近のFY2025は売上高1552.0億円、営業利益160.6億円と堅調な業績を維持しています。高付加価値事業へのポートフォリオ転換を推進し、特に有機EL材料分野ではスタートアップ企業Kyuluxとの提携で量産化を目指すなど、成長分野への投資も積極的です。2007年以降実質的な減配がない「累進配当」を掲げており、安定した株主還元も投資家から評価されています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 JPタワー10階
- 公式
- www.nippon-soda.co.jp
社長プロフィール

私たちは、1920年の創業以来「化学のチカラ」で社会に貢献してきました。長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」のもと、事業ポートフォリオの変革を推進し、高付加価値事業を拡大することで、持続的な企業価値向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
創業者・中野友禮が発明した独自の食塩電解法(中野式電解ソーダ法)を工業化するため、日本曹達株式会社を設立。日本の化学工業の礎を築き始める。
戦後の食糧難解決に貢献するため農薬事業へ進出。殺菌剤「トップジンM」や殺虫剤「モスピラン」などのヒット製品を開発し、事業の柱へと成長させる。
石油化学への依存から脱却し、医薬品添加剤や染料、電子材料などの高付加価値なファインケミカル分野へ事業を多角化。技術力を活かした新領域を開拓する。
創業100周年を迎え、次の100年に向けた長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」を策定。持続可能な社会への貢献を目指す姿勢を明確にする。
次世代有機EL発光材料(TADF)の量産化に向けKyulux社と資本業務提携。未来のディスプレイ技術を支える素材開発に本格的に乗り出す。
カイコ由来のタンパク質を活用するKAICO社や、抗体医薬品を開発するMabGenesis社と提携。アグリビジネスで培った知見を活かし、動物医療の分野へ挑戦する。
中期経営計画に基づき、高付加価値事業の拡大と事業ポートフォリオの変革を継続。ROE10%以上の達成と資本効率の改善を目指し、企業価値の最大化を図る。
注目ポイント
殺虫剤「モスピラン」や殺菌剤「トップジンM」など、世界中で使用される農作物の安定生産に不可欠な製品を多数開発。世界の食糧問題解決に貢献しています。
2007年以降、記念配当を除き減配しておらず、配当を維持または増額する「累進配当」を方針としています。安定した株主還元は、長期投資家にとって大きな魅力です。
医薬品添加剤で国内トップシェアを誇るほか、次世代有機EL材料や動物用医薬品など、新技術への投資を積極的に行い、未来の成長ドライバーを育成しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 12.9% |
| FY2017/3 | 12円 | 20.9% |
| FY2018/3 | 12円 | 28.4% |
| FY2020/3 | 43.9円 | 35.7% |
| FY2021/3 | 56.9円 | 43.1% |
| FY2022/3 | 91.3円 | 39.6% |
| FY2023/3 | 121.5円 | 40.1% |
| FY2024/3 | 121.5円 | 40.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として配当性向40%を目安とした利益還元を行っており、株主への積極的な利益配分を継続している点は大きな魅力です。過去数年間は安定的な増配・高水準の配当を維持しており、投資家からの信頼を得ています。今後も業績に応じた柔軟な還元策を講じつつ、持続的な企業価値向上を目指す姿勢です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
日本曹達は、農薬や特殊化学品を中核に安定した収益基盤を有しており、FY2023/3には連結純利益で過去最高水準となる約167億円を達成しました。その後、原材料費の高騰や市場環境の変化により減益局面も見られましたが、アグリビジネスや電子材料などの高付加価値事業を軸に底堅い推移を続けています。2026年3月期は構造改革の影響もあり売上高1,480億円を予想していますが、化学品および農業化学品のグローバル展開を強化し、成長基盤の維持を図っています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.5% | 3.2% | - |
| FY2022/3 | 6.7% | 5.2% | - |
| FY2023/3 | 8.1% | 6.6% | - |
| FY2024/3 | 6.6% | 5.7% | 9.0% |
| FY2025/3 | 8.0% | 5.2% | 10.3% |
当社の収益性は、営業利益率が10%台へと着実に向上するなど、高付加価値製品へのポートフォリオ転換が奏功しています。ROE(自己資本利益率)は8%前後で安定的に推移しており、資本効率の改善を経営の重要課題として掲げています。徹底した効率化と事業構造の最適化により、景気変動の影響を受けにくい強い収益体質を構築している点が評価されます。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は60%台半ばを維持しており、強固な資本構成を背景とした盤石な経営基盤を有しています。FY2024/3以降は有利子負債が約1,100億円発生していますが、これは戦略的な投資や事業再編に伴うものであり、過度な財務リスクには当たりません。今後も潤沢な純資産を原資として、成長に向けた戦略的投資を推進していく見通しです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 138億円 | -138億円 | 17.2億円 | 5,100万円 |
| FY2022/3 | 145億円 | -116億円 | -48.0億円 | 29.3億円 |
| FY2023/3 | 156億円 | -48.6億円 | -104億円 | 107億円 |
| FY2024/3 | 57.3億円 | -95.9億円 | 66.9億円 | -38.6億円 |
| FY2025/3 | 226億円 | -176億円 | -53.9億円 | 50.8億円 |
営業キャッシュフローは、本業の堅調な利益創出により、FY2025/3には約226億円もの潤沢な資金を確保しました。投資活動においては成長ドライバーに向けた設備投資が先行していますが、営業CFの範囲内でコントロールする規律ある財務運営がなされています。フリーキャッシュフローもプラス基調を維持しており、この余剰資金を活用した株主還元や新規事業開発への投資が今後の成長を支えます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 127億円 | 53.8億円 | 42.2% |
| FY2022/3 | 165億円 | 38.3億円 | 23.2% |
| FY2023/3 | 265億円 | 97.6億円 | 36.9% |
| FY2024/3 | 233億円 | 66.8億円 | 28.7% |
| FY2025/3 | 195億円 | 45.2億円 | 23.1% |
法人税等の支払いは、連結業績の変動に合わせて推移しており、実効税率は概ね30%前後で推移しています。FY2023/3には利益拡大に伴い約98億円を計上するなど、法人の納税義務を適切に履行しています。なお、予想年度における税率の変動は、税効果会計の影響や繰越欠損金の活用などが考慮されているためです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 906万円 | 2,432人 | - |
従業員平均年収は906万円と、化学業界の中でも高水準を維持しており、同社の強みである農薬や特殊化学品などの高付加価値事業による安定した収益力が背景にあります。長年蓄積された技術力と製品ポートフォリオの広さが、従業員の安定した報酬を支える基盤となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日本曹達取引先持株会。
日本曹達は、金融機関や信託銀行が上位を占める安定的な株主構成となっており、日本マスタートラスト信託銀行および日本カストディ銀行が合わせて約22%の株式を保有しています。取引先持株会や三井物産、農林中央金庫などの安定株主の存在により、経営の安定性が維持されている一方、浮動株比率は比較的限られる傾向にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、化学品事業と農業化学品事業を両輪として展開しており、高付加価値製品への転換による利益率の向上が主要な経営目標です。事業リスクとして、原材料価格の高騰や農薬の登録規制などの環境要因を挙げており、これらに対しては研究開発投資とグローバルな供給体制で対応を図っています。
この会社のガバナンスは?
同社は女性役員比率20%を達成しており、ジェンダー多様性の推進と監査体制の強化を両立させています。12社の連結子会社を抱えるグループ経営において、約100億円規模の設備投資を継続しており、長年の企業歴史に裏打ちされた盤石なガバナンス体制と戦略的な成長投資の両輪が機能しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 126億円 | 132億円 | 161億円 | +27.5% |
| FY2024 | 147億円 | — | 139億円 | -5.6% |
| FY2023 | 123億円 | — | 169億円 | +37.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,520億円 | 1,480億円 | 1,552億円 | +2.1% |
| FY2024 | 1,640億円 | — | 1,544億円 | -5.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中期経営計画(Stage I)は、営業利益・ROEともに目標を大幅に上回り、グループ最高益を更新して前倒しで達成しました。現在進行中のStage IIでは、FY2026に営業利益200億円を目指しており、直近FY2025実績で進捗率80.3%と順調に進んでいます。特に期初予想を大幅に上回る着地が多く、業績の上振れ期待が高い点が特徴です。高付加価値事業へのシフトを着実に進めており、計画達成能力は高く評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、FY2023以降TOPIXを継続的に上回っており、市場平均を大きくアウトパフォームしています。これは、FY2023の過去最高益達成を背景とした株価上昇に加え、積極的な増配による高い配当利回りが大きく貢献した結果です。特にFY2024には自社TSRが253.2%に達し、同期間のTOPIX(216.8%)を大きく引き離しました。資本効率と株主還元を重視する経営姿勢が、株主価値の向上に直結していることを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 133.7万円 | +33.7万円 | 33.7% |
| FY2022 | 135.7万円 | +35.7万円 | 35.7% |
| FY2023 | 190.8万円 | +90.8万円 | 90.8% |
| FY2024 | 253.2万円 | +153.2万円 | 153.2% |
| FY2025 | 254.2万円 | +154.2万円 | 154.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRは化学業界の平均水準にあり、現在の株価は割高でも割安でもない中立的な評価と言えます。特筆すべきは6.59%という高い配当利回りで、業界平均の約2.1%を大きく上回っており、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。信用倍率は1.26倍と均衡しており、短期的な需給の偏りは見られません。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
Kyulux社と次世代有機EL材料の量産体制構築に向けた資本業務提携を締結。
KAICO社と動物用医薬品に関する共同研究開発契約を締結し、事業領域を拡大。
連結子会社のニッソーグリーンを吸収合併し、農業関連事業の効率化を推進。
最新ニュース
日本曹達 まとめ
ひとめ診断
「『農薬と医薬品添加剤で稼ぎ、有機ELで未来に種をまく』創業100年超の化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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