日東電工6988
NITTO DENKO CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
スマートフォンの液晶ディスプレイに使われている偏光板、半導体チップの製造工程で欠かせない工程用テープ、車のボディを保護するフィルム――日東電工の製品は見えないところで暮らしを支えています。近年は核酸医薬品の原薬受託製造や、膜技術を使ったCO2回収にも進出。「テープの会社」から「社会課題を解決する高機能材料メーカー」へと進化を続けています。
日東電工は2025/03期に売上収益1兆139億円(前年比+10.8%)、営業利益1,857億円(+33.4%)と過去最高益を達成しました。2026/03期は3Q累計で売上収益7,862億円・営業利益1,479億円と堅調に推移し、通期予想を売上1兆270億円・営業利益1,860億円に上方修正。2026年4月には髙﨑秀雄氏が会長CEO、赤木達哉氏が新社長COOに就任し、新中計のもと次の成長ステージに移行します。500億円を上限とする自社株買いも発表し、株主還元姿勢を一段と強化しています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市北区大深町4番20号 グランフロント大阪 タワーA 33階
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
電子デバイス製造工程用テープ、自動車用保護フィルム、工業用粘着テープなどを展開。半導体・自動車市場の需要に連動
液晶用偏光板で世界トップシェア。光学フィルム、回路基板なども含む最大・最高収益セグメント。売上構成比46%
核酸医薬原薬CDMO、医療用テープ、パーソナルケア用品。モンディ社買収により規模拡大。ヘルスケア領域の成長ドライバー
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 10.0% | 7.3% | - |
| 2022/03期 | 12.6% | 8.9% | - |
| 2023/03期 | 12.7% | 9.5% | - |
| 2024/03期 | 10.9% | 8.2% | 15.2% |
| 2025/03期 | 13.5% | 10.4% | 18.3% |
日東電工の営業利益率は12〜18%台で推移しており、化学セクターの中でもトップクラスの収益性を誇ります。2025/03期はROE 13.1%・営業利益率18.3%と大幅に改善。ニッチ市場での圧倒的シェアによる価格交渉力と、高付加価値製品への集中が高収益体質を支えています。2026/03期も営業利益率18%台を維持する見通しです。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7,613億円 | 0円 | 702億円 | 20.0円 | — |
| 2022/03期 | 8,534億円 | 0円 | 971億円 | 27.8円 | +12.1% |
| 2023/03期 | 9,290億円 | 0円 | 1,092億円 | 31.3円 | +8.9% |
| 2024/03期 | 9,151億円 | 1,391億円 | 1,027億円 | 29.2円 | -1.5% |
| 2025/03期 | 1.0兆円 | 1,857億円 | 1,372億円 | 195.7円 | +10.8% |
2025/03期に売上収益1兆円の大台を突破し、営業利益1,857億円・営業利益率18.3%と過去最高益を達成。ハイエンドデバイス向け光学フィルムと半導体工程用テープの需要増が牽引しました。2026/03期は3Q累計の好調を受け通期予想を上方修正、売上1兆270億円・営業利益1,860億円と前期並みの高水準を見込んでいます。なお、2025/03期に1株→5株の株式分割を実施したため、EPSは分割後基準で表示しています。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| インダストリアルテープ | 3,377億円 | 386億円 | 11.4% |
| オプトロニクス | 4,705億円 | 1,246億円 | 26.5% |
| ヒューマンライフ | 1,925億円 | 180億円 | 9.4% |
オプトロニクスが売上の46%・利益の69%を占める最大セグメントで、営業利益率26.5%と極めて高い収益性を誇ります。インダストリアルテープは安定収益基盤を担い、ヒューマンライフはモンディ社買収を経て成長領域として注力中です。為替変動や半導体市況への依存がリスク要因ですが、ニッチ市場での圧倒的なシェアが価格交渉力を支え、高い利益率の維持に寄与しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 9,100億円 | — | 9,151億円 | +0.6% |
| 2025期 | 9,100億円 | 1兆139億円 | 1兆139億円 | +11.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 1,400億円 | — | 1,391億円 | -0.6% |
| 2025期 | 1,400億円 | 1,857億円 | 1,857億円 | +32.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」の営業利益目標1,700億円・営業利益率目標17%をともに前倒し達成しました。ROEは目標15%に対し13.1%と未達でしたが、500億円の自社株買いにより自己資本効率の改善が進む見通しです。2026年5月には新社長・赤木氏のもとで新中期経営計画が発表予定であり、次のステージでの成長戦略に注目が集まっています。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
上限2,000万株・500億円の自社株買いを発表。株主還元を一段と強化
2026/03期通期予想を上方修正。営業利益1,860億円・純利益1,360億円に引き上げ
2026年4月付で赤木達哉氏が社長COOに就任、髙﨑氏は会長CEOへ。12年ぶりの社長交代
豊橋事業所に環境配慮型新工場の建設を決定。次世代ハイエンドデバイス市場に対応
Aqualung Carbon Capture社へ出資し、膜技術によるCO2回収で提携
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は79.0%と極めて高い水準を維持しており、化学セクターの中でもトップクラスの財務安全性です。有利子負債は2024/03期に631億円計上されましたが2025/03期には193億円まで圧縮し、実質無借金経営に近い状態です。なお、2025/03期のBPS(1,502円)は1株→5株の株式分割後の数値であり、分割前換算では約7,512円相当となります。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 1,555億円 | ▲679億円 | ▲908億円 | 876億円 |
| 2025/03期 | 2,179億円 | ▲1,151億円 | ▲789億円 | 1,028億円 |
営業キャッシュフローは5年間で1,163億円から2,179億円へ約1.9倍に拡大し、本業の収益力の高さを裏付けています。2025/03期のFCFは1,028億円と前年比+17.4%の成長。2023/03期は大型M&A(モンディ社パーソナルケア事業)で投資CFが膨らみましたが、翌期以降は回復し、安定したキャッシュ創出力を示しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役15名中女性が3名(20.0%)を占め、多様性の確保に注力しています。2025年5月には任意の指名・報酬諮問委員会を設置し、ガバナンス体制を強化しました。2026年4月には髙﨑社長が会長兼CEOに就任し赤木氏が新社長となる経営刷新も予定されています。設備投資は930億円規模と積極的で、成長と経営監督のバランスが取れた体制です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 834万円 | 25,769人 | - |
平均年収は4年間で約48万円上昇し834万円と化学業界ではトップクラスの水準です。平均年齢40.9歳、平均勤続12.7年と安定した雇用環境が特徴です。連結従業員数は約25,800名(うち臨時2,700名)とグローバルに展開しており、研究開発人材への積極的な投資を重視しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
日東電工のTSRは5年間で308.3%とTOPIX(213.4%)を大幅に上回るパフォーマンスを記録。2024期〜2025期で大きくアウトパフォームしており、過去最高益の達成と積極的な株主還元(増配+自社株買い)が寄与しています。長期保有の投資家にとって市場平均を上回るリターンを提供しています。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 34.4円 | 28.3% |
| 2017/03期 | 36.9円 | 38.4% |
| 2018/03期 | 39.3円 | 29.7% |
| 2019/03期 | 40.4円 | 42.5% |
| 2020/03期 | 44.9円 | 66.3% |
| 2021/03期 | 42.4円 | 42.3% |
| 2022/03期 | 46.6円 | 33.5% |
| 2023/03期 | 50.9円 | 32.5% |
| 2024/03期 | 52.8円 | 36.1% |
なし
日東電工は3期連続増配を実施中。2025/03期は分割後ベースで年間56円、2026/03期は60円への増配を予想しています。配当性向は28〜34%台と余力を残しており、500億円規模の自社株買いと合わせた総合的な株主還元を重視する姿勢です。株主優待制度はありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 200.2万円 | 100.2万円 | 100.2% |
| 2022期 | 191.5万円 | 91.5万円 | 91.5% |
| 2023期 | 190.9万円 | 90.9万円 | 90.9% |
| 2024期 | 304.7万円 | 204.7万円 | 204.7% |
| 2025期 | 308.3万円 | 208.3万円 | 208.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 17.2倍・PBR 2.06倍は化学業界平均を上回りますが、これは営業利益率18%超・自己資本比率79%という突出した収益力と財務健全性が評価されたプレミアムです。信用倍率は1.07倍と売り買い均衡に近い状態で、需給面では中立的です。次期本決算発表(2026年4月下旬)と新中計の内容が注目材料です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 933億円 | 231億円 | 24.7% |
| 2022/03期 | 1,324億円 | 352億円 | 26.6% |
| 2023/03期 | 1,468億円 | 377億円 | 25.7% |
| 2024/03期 | 1,389億円 | 362億円 | 26.1% |
| 2025/03期 | 1,853億円 | 481億円 | 25.9% |
実効税率は概ね27〜29%で安定的に推移しています。グローバルに事業を展開しており、地域ごとの税制差はあるものの、連結ベースでは適正な水準を維持しています。2026/03期期予想ではオプトロニクス事業の好調による海外利益比率の変化を反映し、実効税率はやや低下見込みです。
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