タカラスタンダード7981
TAKARA STANDARD CO.,LTD.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
マンションやリフォームのショールームで、磁石がピタッとくっつくキッチンパネルを見たことはありませんか。あれがタカラスタンダードの「高品位ホーロー」です。鋼板にガラス質の釉薬を焼き付けた素材で、汚れが落ちやすく傷に強いのが特徴。ホーロー製の水まわり製品を提案できるのは世界でこの会社だけです。システムキッチンの国内シェアは約30%で首位、新築マンション向けでは台数の80%を占めます(2024年度・会社調べ)。売上の約3割がリフォーム向けで、全国約160カ所のショールームで「見て、触れて、納得」してから買う流れが強みです。2026年には高級キッチン「Artevo」を立ち上げ、家事代行「saikou!」や歯科材料・宇宙分野の研究にも挑戦中です。
「高品位ホーロー」を独自素材とする住宅設備機器の総合メーカーで、システムキッチンは金額シェア約30%の国内首位、新築マンション向けでは台数の80%を握ります。2026/03期は売上高2,527億5,600万円(+3.9%)・営業利益190億8,300万円(+22.1%)・親会社株主に帰属する当期純利益150億7,300万円(+35.9%)で、売上高・各利益とも過去最高を更新しました。2025年5月に中期経営計画2026を見直してROE目標を8%へ引き上げ、配当性向50%・2期で約220億円の自己株式取得を打ち出し、年間配当は78円から116円へ増配、2027/03期は124円を予想しています。一方、進行中の2027/03期は中東情勢に伴う資材高と工期遅れを受けて7月30日に通期予想を営業利益191億円(当初208億円)へ下方修正し、ROEは7.4%見込みと中計目標の8%にわずかに届かない計画です。2024年4月就任の小森大社長のもと、高級キッチン「Artevo」や家事代行「saikou!」など新規事業にも踏み出しています。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市城東区鴫野東1丁目2番1号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
キッチン1,547.6億円(+3.8%)・浴室587.4億円(+5.3%)・洗面化粧台305.7億円(+6.5%)・その他84.2億円(△12.2%、ホーロー壁装材・給湯器など。給湯器は会社の1Q決算説明資料で「2026年8月販売終了予定」とされています)。市場別では新築1,671.5億円(+4.9%、戸建778億円・集合892億円)、リフォーム745.2億円(+2.4%)。海外(台湾支店・現地販売店)は売上構成比0.5%
不動産賃貸事業および倉庫事業。2025年12月に倉庫事業を担っていた連結子会社タカラ物流サービスを清算したため売上は△13.5%の減収、不動産収入の増加で営業利益は+19.0%。セグメント間売上5,100万円を含む「計」の金額で、外部顧客への売上高は2億6,200万円
稼ぐ力はどのくらい?
2026/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2022/03期 | 6.1% | 4.1% | 6.8% |
| 2023/03期 | 4.6% | 3.0% | 4.8% |
| 2024/03期 | 5.2% | 3.5% | 5.3% |
| 2025/03期 | 5.8% | 4.1% | 6.4% |
| 2026/03期 | 7.7% | 5.4% | 7.6% |
| 1Q 2027/03期 | 1.3%(累計) | 0.9%(累計) | 5.8% |
ROEは有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の会社公式値(自己資本利益率)で、2022/03期の6.1%から2023/03期に4.6%まで落ち込んだあと3期連続で上昇し、2026/03期は7.7%です。会社は「資本コストや株価を意識した経営」の資料で想定株主資本コストを7〜8%とし、長らく5〜6%で推移したROEがそれを下回っていたと認識しています。2026/03期の改善は、純利益が+35.9%と大きく伸びた一方で、自己株式取得104億9,900万円と配当66億1,600万円により分母の自己資本の増加が18億円にとどまったためです(期首期末平均の自己資本1,954億円に対し純利益150億7,300万円)。ROAは有価証券報告書に記載がないため親会社株主に帰属する当期純利益÷期首期末平均総資産で当サイトが算定しています(2026/03期は150億7,300万円÷2,810億円=5.4%)。売上高営業利益率は決算短信記載の会社公式値で、2023/03期の4.8%を底に2026/03期は7.6%まで回復しました。中期経営計画2026の最終年度2027/03期の目標は営業利益率8%・ROE8%(ROEは2025年5月に7%から引き上げ)ですが、7月30日の下方修正後の会社予想では営業利益率7.4%・ROE7.4%と、いずれも目標にわずかに届かない見込みです。1Q 2027/03期(4〜6月)の行は当サイトの算定値で、ROEは四半期純利益26億600万円を期首・四半期末平均の自己資本で、ROAは同じく平均総資産で割った累計ベース(年換算していません)、営業利益率は四半期の営業利益36億1,000万円÷売上高624億6,600万円です。同業では、TOTO(5332)の2026/03期の営業利益率が7.3%、クリナップ(7955)が2.9%、LIXIL(5938)が1.9%で、水まわり専業としては相対的に高い水準です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022/03期 | 2,116億円 | 144億円 | 109億円 | 149.1円 | — |
| 2023/03期 | 2,274億円 | 109億円 | 84.2億円 | 117.8円 | +7.5% |
| 2024/03期 | 2,347億円 | 124億円 | 95.0億円 | 137.3円 | +3.2% |
| 2025/03期 | 2,434億円 | 156億円 | 111億円 | 163.2円 | +3.7% |
| 2026/03期 | 2,528億円 | 191億円 | 151億円 | 231.9円 | +3.9% |
2026/03期(第152期、2025年4月1日〜2026年3月31日)は売上高2,527億5,600万円(前期比+3.9%)・営業利益190億8,300万円(+22.1%)・経常利益196億7,700万円(+22.9%)・親会社株主に帰属する当期純利益150億7,300万円(+35.9%)で、決算短信は「売上高および各利益とも過去最高を記録」としています。当サイトで有価証券報告書と決算説明資料の推移(営業利益は2013/03期以降)に照らしても、営業利益は2014/03期の166億円、純利益は2022/03期の109億円を上回り、この主張と矛盾しません。増収は新築住宅向けが戸建・集合とも堅調だったことによるもので、営業利益の増減要因は増収と単価上昇による売上総利益の増加+64億円、資材コストダウン・在庫圧縮・生産合理化+13億円に対し、木質材などの資材価格・物流費上昇△23億円(有価証券報告書「経営者による分析」)。純利益の伸び率が営業利益を上回るのは、政策保有株式の売却益(投資有価証券売却益19億9,500万円)を特別利益に計上したためです。期中の会社予想は期初2,470億円・172億円・128億円から11月に2,500億円・175億円・130億円、2月に2,510億円・178億円・136億円へ2度上方修正され、最終的にその修正予想も上回りました。進行中の2027/03期は、期初(4月30日)に売上高2,600億円・営業利益208億円・純利益154億円と過去最高の更新を見込んでいました(ただし決算短信は、中東情勢の緊迫化に伴う資材の調達リスク・価格上昇等の影響は「現時点では合理的な算定が困難」であるとして本業績予想に織り込んでいない旨を注記していました)が、7月30日に売上高2,590億円・営業利益191億円・経常利益198億円・純利益143億円(1株当たり226円15銭)へ下方修正しました。理由は「中東情勢の緊迫化に伴う各種資材価格の急激な高騰と現場の工期遅れによる売上計上の時期ずれ」で、上期を減益予想とする一方、9月からの資材価格調整費の設定などで下期は増収増益を見込むとしています(決算説明資料では、加えて2027年4月から別途価格改定を実施予定としています)。今期予想(「今期の業績予想と進捗」に掲載)はこの修正後の値です。第1四半期(4〜6月)は売上高624億6,600万円(+1.8%)と第1四半期として過去最高でしたが、営業利益36億1,000万円(△14.2%)・純利益26億600万円(△15.4%)と減益で、修正後通期予想に対する進捗は売上24.1%・営業利益18.9%・純利益18.2%です。なお上表の5期間に株式分割・併合はなく、EPSは各期の決算短信の開示値そのままです(自己株式の取得・消却で期中平均株式数は2025/03期の67,976千株から2026/03期は65,003千株に減少しています)。決算説明資料の億円表記は億円未満を切り捨てた値で、本文は百万円単位の開示値をそのまま記載しています。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
今期の業績予想と進捗
2027/03期の会社予想 ・ 1Q 2027/03期時点下方修正
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 住宅設備関連 | 2,524.9億円 | 188.5億円 | 7.5% |
| その他(不動産賃貸・倉庫) | 3.1億円 | 2.3億円 | 73.8% |
研究開発費
報告セグメントは「住宅設備関連」の単一区分で、不動産賃貸事業と倉庫事業を「その他」として開示しています。2026/03期は住宅設備関連が売上高2,524億9,300万円(前期比+3.8%)・セグメント利益188億5,100万円(+22.1%、利益率7.5%)、その他が売上高3億1,300万円・利益2億3,100万円で、両セグメントの利益合計は連結営業利益190億8,300万円に一致します(セグメント間売上5,100万円は調整額で消去)。製品部門別ではキッチンが売上高の61.2%を占め、浴室23.2%・洗面化粧台12.1%と続きます。市場別では新築住宅向けが66.1%(新築集合35.3%・新築戸建30.8%)、リフォーム向けが29.5%で、会社はリフォーム比率の引き上げを中期経営計画の重点としています。当社の海外売上は台湾支店(2025年4月開設・初の海外拠点)などを通じた0.5%にとどまり、ガラスフリット(マテリアル市場)1.0%・非住宅向け建材0.3%を含めた新規事業関連は売上の2%弱です。研究開発費は14億3,000万円(売上高比0.6%、全額が住宅設備関連)で、フラッグシップキッチン「レミュー」のマット調扉やクォーツストーンワークトップの中級価格帯「トレーシア」への展開、洗面化粧台「ファミーユ」のフルモデルチェンジなどを実施しました。事業等のリスクは有価証券報告書に8項目が記載され、2025年8月に代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 2,353億円 | 2,353億円 | 2,347億円 | -0.2% |
| 2025/03期 | 2,391億円 | — | 2,434億円 | +1.8% |
| 2026/03期 | 2,470億円 | 2,510億円 | 2,528億円 | +2.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 141億円 | 123億円 | 124億円 | -11.9% |
| 2025/03期 | 145億円 | — | 156億円 | +7.8% |
| 2026/03期 | 172億円 | 178億円 | 191億円 | +10.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 95億円 | 95億円 | 95億円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 97億円 | — | 111億円 | +14.3% |
| 2026/03期 | 128億円 | 136億円 | 151億円 | +17.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画2026(2025/03期〜2027/03期)は「変革への再挑戦」をテーマに、収益構造改革・財務戦略・サステナビリティ戦略の3本柱を掲げ、最終年度2027/03期の財務目標を売上高2,500億円・営業利益200億円・営業利益率8%・ROE8%としています。売上高は計画2年目の2026/03期で2,527億5,600万円と目標水準を超え、営業利益も190億8,300万円まで到達しましたが、最終年度の会社予想は7月30日の下方修正で売上高2,590億円・営業利益191億円・ROE7.4%となり、営業利益・営業利益率・ROEの3指標は目標にわずかに届かない計画です(会社の1Q決算説明資料も中計目標比で営業利益△9億円・ROE△0.6ポイントと明記)。上の表で売上高だけに達成率を示し、利益・ROEは「進行中」としているのはこのためです。ROE目標は2024年5月の策定時は7%でしたが、投資家との対話で「8%が最低ライン」との指摘を受け、2025年5月8日の一部変更で8%へ引き上げ、配当性向50%と約220億円の自己株式取得を組み合わせた新株主還元方針を同時に公表しました。この資料は東証が選定する「資本コストや株価を意識した経営」の事例集に掲載されています。非財務目標はCO2排出量49,000tCO2(2020年度比△15%)、従業員満足度77%、女性管理職比率10%で、2026/03期実績はそれぞれ49,197tCO2・77.8%・7.9%です。長期目標として2031/03期に売上高2,700億円・営業利益270億円・営業利益率10%・ROE10%を掲げ、中計終了後の還元方針は「その時点での財務状況や投資案件によるものの、2031/03期のKPI(ROE10%)や株価向上を強く意識して決定」するとしています。進行中の2027/03期は第1四半期の進捗が売上24.1%・営業利益18.9%・純利益18.2%で、会社は上期を減益、下期を増収増益とする季節配分を示しています。前中期経営計画2023(2022/03期〜2024/03期)は売上高2,000億円以上・営業利益140億円以上を達成した一方、営業利益率7%水準は未達でした。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
5月8日、中期経営計画2026の一部変更「ROE8%の達成に向けた新株主還元方針と利益成長の取り組み」を公表。2027/03期のROE目標を7%→8%へ引き上げ、配当性向を40%→50%、2026/03期〜2027/03期で約220億円の自己株式取得を掲げました。同日に2025/03期の期末配当を28円→50円へ増額(年間78円)し、上限110億円の自己株式取得も決議。株価は前日比21.4%高の2,203円で引けました。
11月6日の第2四半期決算で2026/03期の通期予想を売上高2,500億円・営業利益175億円・純利益130億円へ上方修正(期初は2,470億円・172億円・128億円)。11月10日にはToSTNeT-3で866,500株を取得し、議決権の減少によりタカラベルモントアセットマネジメント(10.13%)が主要株主に該当しました。
12月24日、ホーロー技術を生かして宇宙関連事業への参入を目指す「宇宙プロジェクト」を始動と発表(2035年度からの事業収益化を目標)。同月18日には連結子会社タカラ物流サービスの清算が完了し、連結子会社はタカラ化工1社となりました。一方、12月16日に四国支店のシステムへの不正アクセス、17日にECサイト構築サーバへの攻撃を確認して同サイトを停止(2026年2月3日の最終報で情報漏えいの痕跡なしと説明。関連費用6,800万円を特別損失に計上)。
2月3日の第3四半期決算で通期予想を売上高2,510億円・営業利益178億円・純利益136億円へ再度上方修正。2月20日までの取得期間で自己株式取得(4,011,500株・104億9,984万円)を終え(2月24日開示)、26日に3,891,500株の消却と、井東洋司代表取締役の6月退任を含む役員人事を決議しました。
3月27日、家事代行大手ベアーズと提携し、ショールーム来場者向けの家事代行サービス「saikou!」を4月1日から東京・大阪・京都で開始すると発表。3月13日には自己株式3,891,500株の消却が完了し、発行済株式総数は63,361,494株になりました。
4月30日、2026/03期決算を発表。売上高・各利益とも過去最高で、期末配当を50円→66円へ増額(年間116円・配当性向50.0%)。上限120億円(460万株)の自己株式取得、取締役への譲渡制限付株式報酬の導入、取締役任期の1年化を決議し、資本コスト経営の対応資料も公表しました。
6月24日の第152回定時株主総会で取締役7名選任・取締役任期1年化の定款変更などを可決(定款変更の賛成率87.36%)。6月26日には初の高級キッチンブランド「Artevo(アルティーヴォ)」を新築分譲マンション向けに立ち上げ、2030年度に売上高20億円を目指すと発表。研究開発拠点「Future Innovation Lab」(大阪府八尾市)も開設しました。
7月30日の第1四半期決算は売上高624億6,600万円(+1.8%)と1Qとして過去最高の一方、営業利益36億1,000万円(△14.2%)と減益。中東情勢に伴う資材価格高騰と工期遅れを織り込み、通期予想を売上高2,590億円・営業利益191億円・純利益143億円へ下方修正(当初2,600億円・208億円・154億円)。配当予想124円と自己株式取得120億円は据え置きました。
9月1日開示の取得状況で、4月30日決議の自己株式取得(上限120億円)は8月31日時点で累計66,600株・1億9,998万円にとどまっています。前回枠(110億円)ではToSTNeT-3で2025年11月10日に866,500株(22億1,200万円)、12月1日に868,000株(24億400万円)をまとめて取得しており、今回も取得期間は2027年2月19日までです。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも1Q 2027/03期末時点
最新の2027年3月期第1四半期末(2026年6月30日)は総資産2,845億4,400万円・純資産1,957億5,100万円で、自己資本比率は68.8%(決算短信表紙の会社公式値。2026/03期末も68.8%、2025/03期末は70.2%)。当社には非支配株主持分も新株予約権もないため、自己資本は純資産合計と同額です。上の有利子負債43億4,000万円は四半期連結貸借対照表の短期借入金で、社債・長期借入金・リース債務の計上はありません(有価証券報告書「借入金等明細表」も短期借入金のみ)。同時点の現金及び預金587億9,900万円に対して実質無借金で、短期借入金は2022/03期末の97億円から毎期減っています。会社は「借入額が僅少であるため、資本コストは概ね株主資本コストと同水準」と説明しています。2026/03期末の総資産は前期末から82億3,800万円増え、その中身は福岡工場の新棟建設などによる有形固定資産の増加143億5,800万円(建設仮勘定27億8,500万円→169億4,800万円)と、現金及び預金の減少66億4,900万円です。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益150億7,300万円を計上しながら、自己株式の取得104億9,900万円と配当66億1,600万円で18億1,600万円の増加にとどまりました。会社は2025年5月の資本政策見直しで、過大と認識する手元資金を「投資・還元への資金配分により月商比2.7カ月まで圧縮」し、純資産の縮減でROEを高める方針を示しています。政策保有株式(純投資目的以外の上場株式)は25銘柄・157億200万円(2026/03期末)で段階的に縮減中、2026/03期は投資有価証券の売却で19億9,500万円の売却益を計上しました。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2022/03期 | 197億円 | ▲30.9億円 | ▲27.1億円 | 166億円 |
| 2023/03期 | 66.0億円 | ▲53.9億円 | ▲94.5億円 | 12.2億円 |
| 2024/03期 | ▲13.1億円 | ▲117億円 | ▲77.3億円 | ▲130億円 |
| 2025/03期 | 234億円 | ▲84.7億円 | ▲65.1億円 | 149億円 |
| 2026/03期 | 254億円 | ▲125億円 | ▲195億円 | 129億円 |
| 1Q 2027/03期 | 99.3億円 | ▲88.6億円 | ▲36.8億円 | 10.7億円 |
2026/03期の営業キャッシュ・フローは254億600万円の収入(前期233億6,500万円)で、主因は税金等調整前当期純利益211億6,400万円の計上です。投資キャッシュ・フローは125億3,500万円の支出で、福岡工場の新棟建設を含む有形固定資産の取得が中心(設備投資額は242億7,100万円と例年より大きく、うち113億円が福岡工場新棟)、一方で政策保有株式など投資有価証券の売却収入がこれを一部相殺しました。財務キャッシュ・フローは195億2,000万円の支出で、自己株式の取得104億9,900万円と配当金の支払額66億1,000万円が主な内容です。この結果、現金及び現金同等物は期末614億900万円と前期末から66億4,900万円減少しました。過去5期で営業キャッシュ・フローが唯一マイナスだった2024/03期(△13億1,400万円)は、税金等調整前当期純利益138億4,500万円を計上しながら仕入債務が180億2,200万円減少したことが主因で、翌2025/03期には233億6,500万円のプラスに戻しています。1Q 2027/03期(4〜6月)は売上債権の減少82億円もあって営業キャッシュ・フロー99億3,400万円の収入、投資は有形固定資産の取得82億円を中心に88億6,100万円の支出、財務は配当支払い36億円を中心に36億8,200万円の支出で、四半期末の現金及び現金同等物は587億9,900万円です。会社は2027/03期の設備投資を256億円(福岡工場新棟143億円を含む)と計画しており、福岡工場への投資総額400億円は変更していません。
この会社のガバナンスは?
当社は監査役会設置会社で、2026年6月24日の第152回定時株主総会後の取締役会は7名(男性5名・女性2名、女性比率28.6%)、うち社外取締役3名(前田和美氏・澤村環氏・飯村幸生氏、女性は前田氏と澤村氏)です。監査役は4名(うち社外2名)で、有価証券報告書提出日現在は取締役8名・監査役3名でしたが、同総会で井東洋司代表取締役(副会長執行役員)が退任し、財務企画部管掌だった梅田馨氏が常勤監査役に就任しました。総会では取締役の任期を2年から1年に短縮する定款変更(賛成率87.36%。事業目的の変更を含み、6月4日に会社が補足説明を開示)と、取締役への譲渡制限付株式報酬の導入も可決されています。代表取締役は渡辺岳夫会長(取締役会議長)と小森大社長の2名で、2024年4月1日に渡辺氏が社長から会長に、小森氏が取締役常務執行役員東京支社長から社長に就いた体制です。任意の指名・報酬委員会は社外取締役3名と会長・社長の5名で構成し、社外取締役が過半数を占めます。当事業年度の取締役会は12回開催。役員報酬は2026/03期で取締役(社外を除く)6名に2億5,000万円、監査役(社外を除く)2名に2,200万円、社外役員7名に5,300万円の合計3億2,500万円で、1億円以上の個別開示対象者はいません。会計監査人はアーク有限責任監査法人(前身の近畿第一監査法人を含む継続監査期間65年)で、監査証明業務に基づく報酬は3,600万円。企業集団は連結子会社1社(タカラ化工)で、2025年12月にタカラ物流サービスを清算しました。連結の年間平均臨時従業員数は711名、2026/03期の設備投資額は242億7,100万円(生産部門181億400万円のうち福岡工場新棟113億円、システム・事務部門47億8,400万円など)です。2025年8月には従来のリスク・コンプライアンス委員会に代わり、社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しました。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数(提出会社・単体) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 601万円 | 6,525人 | - |
| 2025/03期 | 609万円 | 6,473人 | +1.3% |
| 2026/03期 | 629万円 | 6,445人 | +3.2% |
平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数は有価証券報告書「従業員の状況」の提出会社(単体)の値です。2026/03期は628万5,000円(対前事業年度+3.2%)で、2024/03期の601万3,000円、2025/03期の609万円から2期連続で上昇しました。平均年齢41歳1カ月、平均勤続年数14年9カ月、単体の従業員数は6,445名(ほかに年間平均の臨時従業員700名)で、給与には賞与および基準外賃金を含みます。連結の従業員数は6,505名(臨時711名)で、連結子会社はプラスチック成型品を製造するタカラ化工1社のため単体とほぼ同じ規模です。会社は「継続的なベースアップの実施や諸手当の見直し」で実質賃金の維持・向上に努め、賞与は極端な業績連動を行わず安定的な支給を基本とする方針を有価証券報告書に記載しています。2024年度には一般職・総合職のコース区分を撤廃した新人事制度を導入し、男性社員の育児休業取得率は95.4%。女性管理職比率は7.9%(2026/03期実績、2026年4月1日時点8.5%)で、中期経営計画2026の目標は2027/03期に10%、2031/03期に15%です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
株主総利回り(TSR)は第152期有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の会社公式値で、2021/03期末(2021年3月末)を100とした指数です。比較指標は有価証券報告書が採用する配当込みTOPIXを用いています。5年間で185.5%(+85.5%)とプラスを確保しましたが、同期間に配当込みTOPIXが202.2%(+102.2%)まで上昇したため、約17ポイントのアンダーパフォームとなりました。推移は2022/03期に79.2%まで沈んだあと、2023/03期 94.4%→2024/03期 126.6%と回復、2025/03期は119.6%へ低下し、2026/03期に185.5%へ急伸しています。各事業年度末の株価(実取引日終値)は2021/03期末1,667円・2022/03期末1,269円・2023/03期末1,469円・2024/03期末1,946円・2025/03期末1,757円・2026/03期末2,740円で、この値動きに5期累計352円の配当を加えたものが上記の指数です(当サイトでこの計算を再現したところ、5点のうち4点は有価証券報告書の値と一致し、2024/03期のみ当サイト算定126.2%に対し有価証券報告書は126.6%と0.4ポイントの差があります)。2026/03期の急伸は、2025年5月8日に公表したROE8%目標への引き上げと配当性向50%・自己株式取得約220億円の新株主還元方針を市場が評価し、株価が1年で56%上昇したことによります。なお2026年9月10日時点の株価は、この指数には反映されていません。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2018/03期 | 31円 | 26.8% |
| 2019/03期 | 32円 | 28.1% |
| 2020/03期 | 34円 | 28.8% |
| 2021/03期 | 34円 | 32.8% |
| 2022/03期 | 52円 | 34.9% |
| 2023/03期 | 52円 | 44.1% |
| 2024/03期 | 54円 | 39.3% |
| 2025/03期 | 78円 | 47.8% |
| 2026/03期 | 116円 | 50.0% |
| 2027/03期(予想) | 124円 | 54.8% |
なし(株主優待制度は設けていません)
2026/03期の年間配当は中間50円・期末66円の116円(前期78円から38円増配・3期連続増配)で、連結配当性向は50.0%、純資産配当率(DOE)は3.9%です。期末配当は期初予想の50円から2026年4月30日に66円へ増額しており、前期2025/03期も2025年5月8日に期末を28円から50円へ引き上げるなど、2期連続で期末配当を当初予想から増額しています。2027/03期は中間62円・期末62円の年間124円(8円増配)を予想し、7月30日の業績下方修正後も配当予想は据え置きました。修正後の1株当たり当期純利益226円15銭に対する配当性向は54.8%(期初予想時点では50.9%)です。会社の方針は「連結配当性向50%を目安に、中間配当と期末配当の年2回」(有価証券報告書「配当政策」)で、2025年5月8日公表の「ROE8%の達成に向けた新株主還元方針と利益成長の取り組み」において配当性向を40%から50%へ、自己株式取得を「資本構成に応じた機動的な取得」から2026/03期〜2027/03期で約220億円(中期経営計画期間3年で約240億円)へ引き上げました。2026/03期は自己株式取得104億9,900万円を実施し、配当74億2,700万円と合わせた総還元性向は118.9%、2027/03期も上限120億円の取得で130%水準を計画しています(2026年8月末時点の取得は66,600株・1億9,998万円)。会社は記念配当を除いて「34期連続で減配なし」と説明しています。上表の増減で見ると2023/03期は52円で横ばいですが、2022/03期の52円には創立110周年記念配当6円が含まれ、普通配当ベースでは46円から52円への増配でした。株主優待制度はありません。
もし2021/03期末(2021年3月末)に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2022/03期 | 79.2万円 | ▲20.8万円 | -20.8% |
| 2023/03期 | 94.4万円 | ▲5.6万円 | -5.6% |
| 2024/03期 | 126.6万円 | 26.6万円 | 26.6% |
| 2025/03期 | 119.6万円 | 19.6万円 | 19.6% |
| 2026/03期 | 185.5万円 | 85.5万円 | 85.5% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
2026年9月10日時点の株価をもとに計算しています。時価総額は1,942億円で、自己株式を含む発行済株式総数63,361,494株×同日株価で算出しました(株探の時価総額表示と同一基準)。PERは2026/03期の実績EPS 231円89銭に対して13.2倍で、7月30日に下方修正した会社予想EPS 226円15銭を使うと13.6倍です。PBRは2026/03期末のBPS 3,104円89銭に対して0.99倍(2026年6月末のBPS 3,095円81銭でも0.99倍)。会社は資本コスト経営の資料で「PBRは長期にわたり1倍割れで推移し、一時1倍を超える場面はあったものの安定的な1倍超えには至っていない」と自ら認識し、ROE8%(2027/03期)・10%(2031/03期)と純資産の縮減を通じた恒常的なPBR1倍超えを掲げています。配当利回りは会社予想124円÷同日株価で4.05%。比較対象の2社は同じ3月決算の住宅設備メーカーで、各社の2026/03期実績EPS・期末BPS・会社予想配当と2026年9月10日時点の株価を用い、当社と同一基準で当サイトが算出しました。PERはクリナップより高くTOTOより大幅に低く、PBRは1倍を挟んで両社の中間、配当利回りは3社で最も高い位置づけです。信用取引は買い残143,300株・売り残36,800株で信用倍率3.89倍(2026年8月28日申込日時点)。株価は2025年5月8日の還元方針刷新で急騰したあと上昇基調をたどり、2026年7月30日には取引時間中に52週高値3,330円をつけましたが、同日正午の第1四半期決算と通期下方修正を受けて終値は3,035円(前日比△7.5%)まで下落しました。52週安値は2025年11月5日の2,416円です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2022/03期 | 157億円 | 48.4億円 | 30.7% |
| 2023/03期 | 122億円 | 38.0億円 | 31.1% |
| 2024/03期 | 138億円 | 43.4億円 | 31.4% |
| 2025/03期 | 158億円 | 47.2億円 | 29.8% |
| 2026/03期 | 212億円 | 60.9億円 | 28.8% |
上表の税引前利益は連結損益計算書の「税金等調整前当期純利益」、法人税等は「法人税等合計」(法人税、住民税及び事業税+法人税等調整額)の実額で、経常利益や逆算値ではありません(当社に非支配株主持分はなく、税引前利益から法人税等合計を引いた額は親会社株主に帰属する当期純利益に一致します。2023/03期・2024/03期・2026/03期は各科目を百万円未満で切り捨てているため1百万円の差があります)。2026/03期は税金等調整前当期純利益211億6,400万円に対し法人税、住民税及び事業税68億2,300万円・法人税等調整額△7億3,200万円で、実効税率は28.8%。特別利益に投資有価証券売却益19億9,500万円・固定資産売却益4億円、特別損失に固定資産除却損6億6,800万円やシステム障害対応費用6,800万円(2025年12月に発生した不正アクセスによるシステム障害に係る外部専門家の調査費用・復旧費用等)などを計上したため、税引前利益は経常利益196億7,700万円より14億8,700万円大きくなっています。実効税率は5期を通じて28.8〜31.4%と法定実効税率並みで安定しており、2026/03期が5期で最も低くなっています。なお現金ベースの法人税等の支払額(連結キャッシュ・フロー計算書)は2026/03期が54億4,900万円、2025/03期が51億6,200万円で、期末の未払法人税等は47億1,300万円です。会社予想には税引前利益の開示がないため、予想行は設けていません。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
タカラスタンダード まとめ
ホーローのシステムキッチンで国内シェア首位。2026/03期は売上高・各利益が過去最高、配当性向50%と自己株式取得120億円でROE8%に挑む
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。