三菱鉛筆7976
MITSUBISHI PENCIL COMPANY,LIMITED
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが学生時代に愛用した、芯が回り続けてトガり続けるシャープペン「クルトガ」や、社会人になってから会議や手帳で使う、驚くほどなめらかな書き心地のボールペン「ジェットストリーム」。実はこれら全て三菱鉛筆の製品です。普段何気なく手に取っている文房具の多くは、同社が長年培ってきた技術の結晶。最近では、ドイツのオシャレなデザインで知られる「LAMY」も仲間入りしました。あなたの「書く」という日常的な行為のすぐそばで、三菱鉛筆は常に新しい価値を提供し続けているのです。
三菱鉛筆は、「ジェットストリーム」などのヒット商品で安定した収益基盤を持つ筆記具の代表的メーカーです。2025年12月期は売上高898.1億円(前期比1.1%増)と増収を確保したものの、営業利益は96.92億円(同20.5%減)と大幅な減益となりました。大きな転換点として、2024年にドイツの高級筆記具メーカー「LAMY」を買収し、グローバル市場での成長を加速させる戦略を打ち出しています。新たに策定した中期経営計画「2025-2027」では、2027年に売上高1,030億円、営業利益155億円という野心的な目標を掲げており、LAMYとのシナジー創出が今後の業績回復と成長の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都品川区東大井5丁目23-37
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 5.8% | 4.6% | - |
| 2022/12期 | 6.9% | 5.5% | - |
| 2023/12期 | 9.2% | 7.3% | - |
| 2024/12期 | 9.1% | 7.0% | 13.7% |
| 2025/12期 | 4.6% | 3.5% | 10.8% |
| 2025/12期 | 5.7% | 3.5% | 10.8% |
収益性については、強力なブランド力による高付加価値製品の販売によって、安定した営業利益率を確保しています。2023年3月期には営業利益率が15.8%まで上昇し高い収益力を示しましたが、近年は積極的な海外展開と研究開発投資に伴う費用発生から、一時的に利益率が10%台へ調整されています。今後は、子会社化したラミーとの相乗効果により、利益率の再改善が期待されています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 619億円 | — | 56.6億円 | 101.0円 | - |
| 2022/12期 | 690億円 | — | 69.5億円 | 125.7円 | +11.5% |
| 2023/12期 | 748億円 | — | 102億円 | 186.8円 | +8.4% |
| 2024/12期 | 888億円 | 122億円 | 113億円 | 204.8円 | +18.7% |
| 2025/12期 | 898億円 | 96.9億円 | 62.4億円 | 114.3円 | +1.1% |
三菱鉛筆は、世界的な筆記具ブランド「uni」の堅調な販売に加え、独ラミー社の連結子会社化といった戦略的な事業拡大が寄与し、近年売上高を大きく伸ばしています。2024年3月期には過去最高水準の業績を達成しましたが、翌期はコスト増や一時的な要因により一時的な減益となりました。現在は中長期的な成長を目指し、製品ポートフォリオの最適化を進めることで、着実な収益回復基調を維持しています。 【2025/12期実績】売上898億円(前期比1.1%)、営業利益97億円、純利益62億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業として筆記具の製造販売を行っており、国内外に48社の連結子会社を展開するグローバル企業です。独ラミー社の買収によるブランドポートフォリオの強化が成長戦略の柱となっており、原材料価格の高騰やデジタル化の影響をリスク要因として注視しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 940億円 | — | 898億円 | -4.5% |
| 2024期 | 930億円 | — | 888億円 | -4.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 105億円 | — | 97億円 | -7.7% |
| 2024期 | 131億円 | — | 122億円 | -7.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年2月に発表された新中期経営計画では、2027年度に売上高1,030億円、営業利益155億円という高い目標を掲げています。これはドイツの高級筆記具メーカー「LAMY」の買収効果を織り込んだもので、グローバル展開とブランド価値向上への強い意志が伺えます。しかし、直近の2024期、2025期の業績は期初予想を下回っており、計画達成に向けた実行力が問われる局面です。ROE8%以上、PBR1倍以上という資本効率改善目標も設定しており、株主還元への意識も示されています。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
創業140周年を記念するイベント「Life is unique.」を銀座ロフトにて開催。
2025年12月期の業績発表および「中期経営計画2025-2027」を公表。
独LAMY社との連携を本格化し、ジェットストリームインク搭載モデルを発売。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
三菱鉛筆の財務状況は非常に強固で、長年実質無借金経営を続けてきた実績があります。2024年以降はM&Aの資金調達により有利子負債が発生しましたが、依然として70%を超える高い自己資本比率を維持しており、財務的な安全性は極めて高い水準にあります。強固な純資産を背景に、将来的な成長に向けた戦略的な投資を継続できる余力を十分に備えています。 【2025/12期】総資産1830億円、純資産1404億円、自己資本比率60.0%、有利子負債149億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 83.7億円 | 39.4億円 | 27.5億円 | 44.3億円 |
| 2022/12期 | 72.8億円 | 16.4億円 | 39.0億円 | 56.4億円 |
| 2023/12期 | 118億円 | 7,100万円 | 37.2億円 | 117億円 |
| 2024/12期 | 64.7億円 | 279億円 | 41.1億円 | 214億円 |
| 2025/12期 | 24.1億円 | 79.2億円 | 18.7億円 | 55.1億円 |
営業キャッシュフローは本業の安定した稼ぎによりプラスを維持していますが、2024年3月期以降は大型の投資活動が先行しています。これは独ラミー社を連結子会社化するための拠出によるもので、将来のグローバル成長に向けた布石として投資CFが大きくマイナスとなっています。今後は、これら投資先からの収益貢献により、フリーキャッシュフローの着実な改善が見込まれます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は15.4%となっており、多様な視点を取り入れた経営陣の構成が進められています。監査報酬1億400万円を投じた強固な監査体制に加え、連結48社という大規模な事業基盤を統制するガバナンス体制を整備しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 828万円 | 2,871人 | - |
文具業界における同社の給与水準は比較的高水準にあります。グローバル展開による収益力に加え、高付加価値商品である「ジェットストリーム」等のヒットによる安定した収益が、従業員への継続的な還元を支えています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。2023期、2024期はTOPIXを上回るパフォーマンス(アウトパフォーム)を達成し、株価の回復と増配が株主価値向上に貢献しました。しかし、2025期には173.1%とTOPIXの213.2%を大きく下回り、アンダーパフォームに転じました。これは、同期間の市場全体の好調さに対し、三菱鉛筆の株価上昇が追いつかなかったことや、減益決算が影響したと考えられます。今後はLAMY買収のシナジーを早期に実現し、業績を回復させることが、TSR向上と市場平均を上回るリターンのためには不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/12期 | 21.4円 | 18.6% |
| 2018/12期 | 29円 | 28.9% |
| 2019/12期 | 30円 | 38.5% |
| 2020/12期 | 31円 | 45.9% |
| 2021/12期 | 32円 | 31.7% |
| 2022/12期 | 35円 | 27.8% |
| 2023/12期 | 40円 | 21.4% |
| 2024/12期 | 46円 | 22.5% |
| 2025/12期 | 52円 | 45.5% |
| 必要株数 | 100株以上(約23万円) |
| 金額相当 | 非公開 |
| 権利確定月 | 6月 |
三菱鉛筆は、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、業績連動かつ安定的で継続的な配当の実施を基本方針としています。近年、連続増配の実績を重ねることで株主還元を強化しており、配当利回りも緩やかに上昇傾向にあります。今後は配当性向の向上も視野に入れつつ、成長投資と還元バランスの両立を目指す姿勢を鮮明にしています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 90.3万円 | 9.7万円 | -9.7% |
| 2022期 | 108.9万円 | 8.9万円 | 8.9% |
| 2023期 | 159.4万円 | 59.4万円 | 59.4% |
| 2024期 | 178.4万円 | 78.4万円 | 78.4% |
| 2025期 | 173.1万円 | 73.1万円 | 73.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.94倍と、解散価値を示す1倍を割り込んでおり、資産価値の観点からは割安と判断される可能性があります。信用倍率は1.17倍と拮抗しており、短期的な需給の偏りは小さい状況です。業界平均と比較してPER・PBRは割安ですが、時価総額は平均を下回っており、中堅規模の企業と位置づけられます。配当利回りは業界平均を上回っており、株主還元への評価がうかがえます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 83.1億円 | 26.5億円 | 31.9% |
| 2022/12期 | 101億円 | 31.8億円 | 31.4% |
| 2023/12期 | 129億円 | 27.2億円 | 21.1% |
| 2024/12期 | 130億円 | 16.8億円 | 13.0% |
| 2025/12期 | 100億円 | 37.9億円 | 37.8% |
実効税率は年によって変動が見られますが、これは税効果会計の影響や一時的な費用の計上が関与しています。特に2024/03期期は税負担が一時的に抑制されましたが、2025/03期期は通常水準に戻っています。概ね法定実効税率の範囲内で推移しており、会計上の利益と税務上の利益の差異は一時的なものと考えられます。
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三菱鉛筆 まとめ
「『ジェットストリーム』の稼ぎ頭が、ドイツの名門『LAMY』を買収してデザインと機能の融合で世界市場を狙う、攻めの老舗文具メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。